The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Beginning Of Cosmic Consciousness』(Empless Valley)
evthebeginningsofcosmic

『Beginning Of Cosmic Consciousness』(EVSD-1956/1957) 2CD

June.3 1972 Pacific Coliceum,Vancouver,British Columbia,Canada

Mono Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Bitch/6.Tumbling Dice/7.Happy/8.Honky Tonk Women/9.Loving Cup/10.Torn And Frayed/11.Sweet Virginia
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Ventilator Blues/3.Midnight Rambler/4.All Down The Line/5.Bye Bye Johnny/6.Rip This Joint/7.Jumping Jack Flash/8.Street Fighting Man

1972年北米ツアー初日、カナダはバンクーバー公演収録盤。

幾多ものタイトルがリリースされているこの公演ですが(よって演奏内容は省略)、一部の曲順や編集、音盤化する際のテープ再生速度に起因する音程や音質が異なるだけで、音源自体はどれも同じオーディエンス録音。
"Rip This Joint"のイントロと"You Can't Always Get What You Want"の最後の余韻部分が僅かに欠けている以外は、曲中カット無しで全曲録れており、音質・バランス共に良く、この時代のオーディエンス録音としてはかなり上質の部類。

2014年の事典で、この公演の代表盤として挙げていたのがDACの『Touring Party Vol.1』(DAC-079)

dactourlingpartyvol11

既発でおかしかった"Ventilator Blues"の位置を本来の曲順通りに配置し、基にしたテープの劣化に起因する音ユレや定位の偏りをモノラル化することで解消。また、全体的に軽いイコライジングを施し、聴き易さを向上させていた好タイトル。

ちなみに、事典では"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくる、ダダッというバスドラム2発を"Gimme Shelter"の終わりから持ってきてと記載していましたが、この曲の終わりも実際にそのように被ってきており、その途中でテープチェンジとなっていたようですので、その部分はここで訂正とします。


その事典の本文中で、DAC盤よりも優れたマスターを使っているものの、代表盤としなかったのがSODDの『S.T.P.Chronicles Vol.1』(SODD 118-121)

soddstpchroniclesvol1

DAC盤で早いフェードアウト・イン処理で繋がれていた"JJF"と"SFM"の曲間が、僅かながら長くなった上に滑らかに繋がれていたり、"Gimme Shelter"や"Happy""You Can't Always Get What You Want"の後の曲間をDAC盤より長く収録。ただ、基テープの劣化に起因する音ユレや定位の不安定さがあったり、ピッチは前半低めで後半高めなのがマイナスポイント。


事典が出た後にリリースされ、そのSODD盤と同じ最長マスターを使用していたのが『Vancouver 1972』(-)

vanvouver1972

SODD盤は"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくるバスドラムを嫌ってその手前でフェードアウトさせ、クロスフェード処理をしていましたが、この『Vancouver 1972』の方はバスドラムが入りテープチェンジのためブツ切れとなる箇所まで収録したうえでクロスフェードさせるという、ほんの僅かながらではあるもののSODD盤よりも更に長く音源を収録。
ピッチの調整は勿論のこと、DAC盤同様に定位の不安定対策としてモノラル化処理していることに加え、他タイトルにあった"All Down The Line"を境とした音質差もなるべく目立たぬよう音質調整を施している等、現時点での代表盤というべきタイトル。


さて、前置きが長くなりましたが本作。
"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくるバスドラム部分を残している以外は、SODD盤と同じ。よってピッチは前半低めで後半高め、基テープの劣化に起因する音ユレや定位の不安定さもそのまま。音量が低めになっている以外は音質も変わらずとなっています。

by Hara ¦ 19:07, Tuesday, Oct 29, 2024 ¦ 固定リンク

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