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2010年 1月
『Little Boys Play With Stones』(DAC) |
『Little Boys Play With Stones』(DAC-093) 2CD
June.9 1976 Palais Des Sports,Lyon,France
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
(※)Disc-2 Track11
June.17 1975 Maple Leaf Gardens,Toronto,Canada
Stereo Soundboard Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Honky Tonk Women/2.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/3.Hand Of Fate/4.Hey Negrita/5.Ain't Too Proud To Beg/6.Fool To Cry/7.Hot Stuff/8.Star Star/9.Angie/10.You Gotta Move/11.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.Happy/3.Tumbling Dice/4.Nothing From Nothing/5.Outa Space/6.Midnight Rambler/7.It's Only Rock'n Roll/8.Brown Sugar/9.Jumping Jack Flash/10.Street Fighting Man
-Bonus Track-
11.Luxury
DACが珍しくも、アナログのジャケットをそのまま表に使用した(いつもは裏側に使用というのがパターン)、拡大アナログ複刻タイトル。
1976年のリヨン公演といえば、『Backstage Limited』(DAC-010) に代表される高音質サウンドボード音源により、ライブの大半がブート化されていますが、本作はオーディエンス音源での全曲収録盤。
このライブのオーディエンス音源はというと、アナログ時代にリリースされていた本作複刻の基となった1枚物LP『Little Boys Play With Stones』(M21 A/B) にて、"Honky Tonk Women"から"You Gotta Move"までのライブ前半が、まずブート化。
続いて、DAC『Backstage Limited』がリリースされる前までは、サウンドボード音源収録盤の代表的タイトルだった『Back Stage Unlimited』(VGP-203)のサウンドボード欠落部補填として、"Honky Tonk Women"の前半部、及び"JJF"の中盤以降から"SFM"の間奏までが、前述のアナログと同音源にてブート化されてきましたが、本作はそれらオーディエンス音源の全長盤となります。
全曲収録ではありますが、テープチェンジの関係で"Hot Stuff"は間奏途中まで、"Star Star"は途中から、"SFM"も途中までと、これら3曲は不完全収録となっています。
ただし、前述のアナログ盤にもこの不完全な"Hot Stuff"と"Star Star"は収録されていましたが、"Star Star"はアナログよりも前の位置からの収録。
また、オープニングもアナログでは聴けなかったオープニングSEを、わずかながら聴くことが出来、VGP『Back Stage Unlimited』では、間奏までの2分弱の収録だった"SFM"が、後奏にあたる4分41秒まで聴けるように
なっています。
本作はアナログ盤同様にモノラル収録(事典ではステレオ表記となってましたので、ここで訂正しておきます)。VGP盤収録の同音源に関してはステレオっぽく聞こえますが、疑似ステレオの可能性あり。
音質は、中域に音が集まり全体的に軽めの印象だったアナログや、低域がかなりオンになっていたVGP盤と比べ、クリアーなバランスの良い聴きやすい音になり、既発に比べると格段の向上となっています。
ボーナストラックは前年の6月17日トロント公演から、レア曲"Luxury"のサウンドボード音源。
この音源自体は、1975-76年のサウンドボード音源集『We Hope Ya Like Dis One』(VGP-235)にも収録されていましたが、VGP盤の"Luxury"はレンジの狭いモノラルだったのに対し、本作はヒスノイズこそやや多めなものの、ステレオミックスにて収録されており、こちらも既発より聴きやすくなっています。
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by Hara ¦ 07:12, Friday, Jan 29, 2010 ¦ 固定リンク
『Broadway』(DAC-092) 3CD
Nov.27 1969 Madison Square Garden,New York City,NY
(Disc-1,Disc-3 Track2)
Nov.28 1969(1st) Madison Square Garden,New York City,NY
(Disc-3 Track3,4,7,9,10,11)
Nov.28 1969(2nd) Madison Square Garden,New York City,NY
(Disc-2,Disc-3 Track6,8)
Nov.26 1969 Civic Center,Baltimore,MD
(Disc-3 Track5)
(Disc-1)
Mono Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-2)
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-3)
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Jumpin' Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil/4.Stray Cat Blues/5.Love In Vain/6.Prodigal Son/7.You Gotta Move/8.Under My Thumb - I'm Free/9.Midnight Rambler/10.Live With Me/11.Little Queenie/12.Satisfaction/13.Honky Tonk Women/14.Street Fighting Man
(Disc-2)
1.Jumpin' Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil/4.Stray Cat Blues/5.Love In Vain/6.Prodigal Son/7.You Gotta Move/8.Under My Thumb/9.Midnight Rambler/10.Live With Me/11.Little Queenie/12.Satisfaction/13.Honky Tonk Women/14.Street Fighting Man
(Disc-3)
1.Opening/2.Jumpin' Jack Flash(11/27)/3.Carol(11/28 1st)/4.Stray Cat Blues(11/28 1st)/5.Love In Vain(11/26)/6.Midnight Rambler(11/28 2nd)/7.Sympathy For The Devil(11/28 1st)/8.Live With Me(11/28 2nd)/9.Little Queenie(11/28 1st)/10.Honky Tonk Women(11/28 1st)/11.Street Fighting Man(11/28 1st)
ディスク1は、MSG初日にあたる11月27日公演。
この公演の音源は1種類ですが、やや距離感はあるものの演奏がはっきりと捉えられている上、不快に感じる歓声や手拍子の類がなく音もクリアーという、1969年のオーディエンス録音としては、トップクラスの音源。
さすがに名音源だけあって、VGPも3度この音源をリリースしていますが、事典で挙げた『Stoned-M.S.G.1969』(VGP-018)のリマスター(レーベルが黒の方)、もしくは気持ち音の印象が変わるかな程度の違いとなっている『It's No Hangin Matter』(VGP-096)あたりが既発の代表盤。
今回のDAC盤の音の印象としては、『It's No Hangin Matter』の低音が響く部分を若干すっきりさせている『Stoned-M.S.G.1969』リマスターの中域を気持ち下げて、ややマイルドさを出した感じ。
音の違い自体は若干ですが、他の部分での既発との違いは幾つかあります。
まず、既発タイトル全てにあった"Sympathy For The Devil"6分過ぎの音ブレに関して、DAC盤は見事に解消。
続いて2箇所あったテープチェンジ部分の編集に関して。
まず最初のテープチェンジは、"Love In Vain"最後の1音の余韻部分で一旦切れて、テープを入れ替えた直後の始まりは"Prodigal Son"曲前の試し弾き直前の男性の叫び声から。
VGP盤はいずれも"Love In Vain"終了後に、"Satisfaction"終了後の歓声(今回のDAC盤のタイムでいえば5分17秒から5分21秒)を繋げ、"Prodigal Son"曲前の男性の叫び声からクロスフェードさせてますが、DAC盤は同じく"Satisfaction"終了後の歓声を繋いではいるものの、"Prodigal Son"曲前の男性の叫び声をカットし、"Prodigal Son"の試し弾きストロークから繋いでいる為、VGP盤より繋ぎがより自然な感じとなっています。
という訳で、DAC盤がカットした男性の叫び声にあたる1秒程、VGP盤の方が長いということになりますので、既発にもまだまだアドバンテージがあるということに(そこまで拘る人はそうそういないでしょうけど)。
もう一つは"Midnight Rambler"終了直後のテープチェンジ。
ここでは最後の余韻部分に、ミックの「Arlight」というかけ声が入っていますが、『It's No Hangin Matter』及び『Stoned-M.S.G.1969』のリマスターは、フェードアウトを若干早めにしている為、「Arlight」がかすかに聞こえる程度となっていましたが、今回のDAC盤はフェードアウトタイミングを遅らせていることにより、はっきりと聞こえるようになっています。
ディスク2は、同じくMSGの11月28日2ndショー。
既発タイトルはIMPの『Live In New York 1969』(IMP-CD 036-37)。
音自体は、中域が若干割れ気味ながら演奏を大きく拾った録音で、"JJF"や"Love In Vain""Prodigal Son"で観客の話し声や怒号を拾っているものの、総じて不快な歓声・手拍子の類がほとんど無いという良好音源なんですが、"You Gotta Move"以降、ピッチが不安定になるという難点があった為、これまでIMP盤のみのリリースとなっていました。
今回のDAC盤ですが、この音源最大の難点であったピッチの不安定さに関しては、曲中で何度もピッチが変わる"You Gotta Move""Under My Thumb""Midnight Rambler"の3曲は、まだ若干のピッチのユレが残っているものの、かなりの改善が。また、IMP盤ではかなりピッチが早くなっていた"Live With Me"以降に関しては、当然の如く正確に修正されており、IMP盤に比べると格段の聴きやすさとなっています。
また、音質の方もIMP盤に比べると、IMP盤では耳につくこともあった中域を引っ込めてマイルドな感じの音に仕上げて聴きやすくしています。ただ、全体的におとなしめの印象となってしまっているので、もう少し音を明るい感じにしても良かったかも。
ディスク3は、オフィシャル『Get Yer Ya-Ya's Out!』のラフミックスを収めた通称"Apple Acetate"音源。
この音源に関しては、既発より状態の良いアセテート盤から落とした『Get Yer Alternate Ya-Ya's Out 1969』(IMP-N-020)が既発では、もっとも聴きやすかったタイトル。
本作は、既発にあったスクラッチノイズをほぼ完全に除去。今までスクラッチノイズが気になっていた人は、ストレスなく聴くことが出来るようになっています。
ただし、PAのバリノイズを消した1975年ツアー初日収録盤『Somewhere Over The Rainbow』(DAC-085)、マスターDATのデジタルノイズを消した2006年シュトッツガルト公演収録盤『The Bigger Bang In Stuttgart』(DAC-074)同様に、ノイズを除去した弊害として、全体的に音が引っ込んだ印象となってしまっているので、除去後の音補正をして音にメリハリをつければ文句なしだったんですが、これは残念なところ。
残念なところといえば、もう一点不可解なのが、IMP盤はギターの位置が左右逆だった"Stray Cat Blues""Love In Vain""Sympathy For The Devil"の3曲を、ボーナストラックとして左右反転したものをあらためて収録していましたが、本作は何故か"Stray Cat Blues"のみを左右反転して本編に収録。3曲ともなら分かるのですが、イマイチ中途半端な感が否めません。
スクラッチほぼ完全除去という素晴らしい処理を行っているだけに、次回あるかどうかは不明ですが、もしこの音源を再度リリースの際は、前述の音のメリハリ処理やチャンネル修正含めて、きちんとしたものにしてもらいたいものです。 |
by Hara ¦ 13:27, Saturday, Jan 23, 2010 ¦ 固定リンク
『Get Yer Alternate Ya-Ya's Out 1969』(IMP) |
『Get Yer Alternate Ya-Ya's Out 1969』(IMP-N-020) 1CD
Nov.27&28 1969 Madison Square Garden,New York City,NY
Nov.26 1969 Civic Center,Baltimore,MD
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
1.Opening/2.Jumpin' Jack Flash(11/27)/3.Carol(11/28 1st)/4.Stray Cat Blues(11/28 1st)/5.Love In Vain(11/26)/6.Midnight Rambler(11/28 2nd)/7.Sympathy For The Devil(11/28 1st)/8.Live With Me(11/28 2nd)/9.Little Queenie(11/28 1st)/10.Honky Tonk Women(11/28 1st)/11.Street Fighting Man(11/28 1st)
- Bonus Tracks(Channels Reversed) -
12.Stray Cat Blues(11/28 1st)/13.Love In Vain(11/26)/14.Sympathy For The Devil(11/28 1st)
オフィシャル『Get Yer Ya-Ya's Out!』ラフミックス集。
本作は、関係者の持ち帰りチェック用にカッティングされたアセテート盤から作成されていますが、この音源のことを"Apple Acetate"と呼ばれているのは、このアセテート盤がアップルスタジオにてカットされたことから。
こちらはそのアセテートの画像(ネットで拾ってきました)
このアセテート盤に収録されていたテイクは全てオフィシャルと同じですが、さすがに制作途中の音源だけあって、異なる部分が幾つかありますので、分かり易い範囲でまとめますと
1.Opening
オフィシャルでは"Sympathy For The Devil"の前にあった「Paint it black...」という観客の声を冒頭に収録。加えてオフィシャルにはなかったサム・カトラーの「One Two」というマイクチェックも収録。また、バンドコールのコラージュも微妙に異なっています。
2.Jumpin' Jack Flash(11/27)
基本的には限りなくモノラルに近いミックス。間奏及び後奏ではギターソロがオーバーダビング。オフィシャルにあった曲終了後のMC(11/27の同位置)はカット。
3.Carol(11/28 1st)
これまた限りなくモノラルに近いミックスにつき、フレーズがほとんど被るミックテイラーのギターは小さめにミックスされていることもあり、ほとんど聞こえず。また、オフィシャルにあった曲終了後の「Thank you」(おそらく11/27のSatisfaction終了後のMCから)はカット。
4.Stray Cat Blues(11/28 1st)
キースはセンターやや左寄り、テイラーは右というミックス。オフィシャルでは曲終了後のミックの喋りは「Well Alright」(おそらく11/28 1st)のみですが、こちらはその後に11/26の曲紹介MCも収録。
5.Love In Vain(11/26)
キースはセンター最初やや左寄りから左、テイラーは右というミックス。
6.Midnight Rambler(11/28 2nd)
曲前のミックのアドリブハープを、30秒強オフィシャルより長く収録。また曲終了後、オフィシャルでは"JJF"終了後に収録されていた11/27のMCの内、「Oh yeah! Thank you kindly」以降がこちらに入っていますが、その後にキースが試しで弾いた"Carol"の1音まで含まれている為、キーの違う"Sympathy For The Devil"の前としては違和感あり。
7.Sympathy For The Devil(11/28 1st)
オフィシャルは1番・2番・3番・ソロの構成だが、こちらは1番・4番・ソロという構成。キースは左、テイラーは右というミックス。曲終了後のチャーリーのアドリブからミックのMCに入るまでの間が、オフィシャルより短くカットされている。
8.Live With Me(11/28 2nd)
目立った差は無し
9.Little Queenie(11/28 1st)
キースのコーラスがオフィシャルよりも大きめにミックス。曲終了直後の歓声が、ミックのMCが入るまで極端に右寄りに。
10.Honky Tonk Women(11/28 1st)
オフィシャルではミックのMCからすかさずこの曲のイントロに繋がっているが、こちらは歓声を少し挟んでいる為、若干間が開く。この曲もキースのコーラスがオフィシャルより大きめにミックスされている上、コーラスの入ってくるタイミングもオフィシャルよりかなり早い。
11.Street Fighting Man(11/28 1st)
ミックのMCからこの曲のイントロまでの間がオフィシャルより短く、こちらはいかにも切り貼りしましたというやや不自然な編集。
さて、この音源の既発ベストといえばVGPの『Fuck Yer Ya Ya's Out』(VGP-160)がありましたが、基としたアセテートの状態がよくなかったようで、特に前半部はザザッという周期的なノイズがかなり大きく入っており、"Love In Vain"の様な静かな曲では大変耳障りとなっていました。
対する本作はというと、音質自体はVGP盤と大差ありませんが、VGP盤とは別の状態の良いアセテート盤から作成されている為、耳につくノイズはVGP盤より減少しています。とはいっても相変わらずノイズはありますが、VGP盤のような大きく周期的なものが無い分、前述の"Love In Vain"のドラムが入ってくる前までの静かな部分等は、かなり聴きやすくなった印象を受けます。
ボーナストラックには、ギターの位置が左右逆だった"Stray Cat Blues""Love In Vain""Sympathy For The Devil"の3曲を、左右反転して収録。
オフィシャルとこのアセテート音源を繋げると一応4コーラス全てが揃う"Sympathy For The Devil"の完全版を作ろうとするには、手間が省けて便利かも。 |
by Hara ¦ 06:34, Thursday, Jan 21, 2010 ¦ 固定リンク
『Aberdeen 1982』(SODD 086/87) 2CD
May.26 1982 Capitol Theatre,Aberdeen,Scotland
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Under My Thumb/2.When The Whip Comes Down/3.Let's Spend The Night Together/4.Shattered/5.Neighbours/6.Black Limousine/7.Just My Imagination/8.Twenty Flight Rock/9.Going To A Go Go/10.Chantilly Lace/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Tumbling Dice/4.She's So Cold/5.Hang Fire/6.Miss You/7.Honky Tonk Women/8.Brown Sugar/9.Start Me Up/10.Jumping Jack Flash/11.Satisfaction
1982年ツアーの最初の4公演はウォ−ムアップも兼ねてか、スコットランドとロンドンの小規模会場で行われましたが、本作はその初日にあたるスコットランドはアバディーン公演の全曲収録盤。
という訳で、ついに発掘された1982年ツアーの初日公演。さすがに前年大規模ツアーを行っているだけあって、初日から既に前年ツアーと比較して各曲のBPMが上がっているという1982年ツアーの特徴である演奏を聴くことが出来ます。
何故かこの日はビルを最後に紹介するメンバー紹介の後、Tumbling Dice"になだれ込むので、"Little T&A"の演奏は無し。
さて、肝心の音の方、ややエコーがかった奥行き感のある録音ではありますが、演奏が意外と大きく録れているので、あまり音が遠いという印象はなし。
音の印象的には『Baby Let's Play House』(VGP-257)やそれをコピーしたSODDの『Edinburgh 1982』(SODD 040/41)に収録された、2日後のエディンバラ公演に近いものがありますが、あれほどの音のクリアーさは無し。ただし、逆にエディンバラ公演音源では引っ込み気味だったギターが、こちらではちゃんと聞こえます。
手拍子や歓声はそこそこ拾っているものの、気になる程では無し。ただし、序盤の数曲では曲中での女性の話し声が若干気にはなりますが(一体ライブに何しに来ているんだか・・・)、途中からは落ち着いたのか、話し声が聞こえることなくストレス無しでライブを楽しむことが出来ます。
テープチェンジによる曲中カットは無しですが、バンドコールの途中からの収録につき、"A列車"は未収録。また、キースが変なポジションから弾き始める"Let Me Go"の54秒から2分50秒あたりまでは、基テープの劣化と思しき左チャンネルのコモりがあります。
また、"Honky Tonk Women"2分36秒から"Brown Sugar"開始までの間に、何度か観客のものと思しき話し声が大きく入りますが、これがまた不自然なメガホンを通したような音になっていることから、本作は音源全体に何らかのエフェクトをかけていることが推測されます。 |
by Hara ¦ 15:32, Monday, Jan 11, 2010 ¦ 固定リンク
『Danger Keep Behind Barbed Wire』(HMC) |
『Danger Keep Behind Barbed Wire』(HMC 005) 2CD
Nov.1 1997 Texas Motor Speedway,Fortworth,TX
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(※)Disc-2 Track11-15
Oct.25 1997 Capitol Theater,Port Chester,NY
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Intro/2.Satisfaction/3.It's Only Rock'n'Roll/4.Let's Spend The Night Together/5.Flip The Switch/6.Gimme Shelter/7.Dead Flowers/8.Anybody Seen My Baby?/9.Bitch/10.Out Of Control/11.Star Star/11.Miss You/12.Band Introductions/13.All About You/14.Wanna Hold You
(Disc-2)
1.Stage Transfer/2.Little Queenie/3.Crazy Mama/4.You Got Me Rocking/5.Sympathy For The Devil/6.Tumbling Dice/7.Honky Tonk Women/8.Start Me Up/9.Jumping Jack Flash/10.Brown Sugar/11.Tumbling Dice/12.Anybody Seen My Baby?/13.Sister Morphine/14.Out Of Control/15.Gimme Shelter
B2Bツアーのサウンドボード音源といえば、そこそこ流出している割には、ステレオの片方のチャンネルをモノラル化したバランスのおかしいものが主で、放送音源以外はあまり恵まれているとは言えませんが、本作はこの公演の全曲をステレオサウンドボード録音にて収録した初登場タイトル。
そのバランスですが、キースがどちらかといえばやや左寄りに対し、ロンのギターは右に定位している等、通常のミックスとは逆に感じますが、ディスク2の"Stage Transfer"の後半に収録された、ステージ移動曲であるCannonball Adderleyの"Sticks"を聞く限りは、左右の定位がオフィシャル『Mercy,Mercy,Mercy!』と同じであることから、キースとロンのギター配置は、ミスではなく意図的なものだということが分かります。
更にこの音源に関しては、これまでのB2Bツアーのサウンドボード音源のような卓直結で演奏のみを収録した生々しい音と違い、歓声がきちんとミックスされており、もし放送等の意図で収録されたのだとすれば、例え仮ミックスだとしてもギターの配置が何故逆になっているのか等、なんとも疑問な音ではあります。
音質はというと、クリアーな放送音源に匹敵する高音質。過大入力による歪みと、DATのトラッキングエラーと思しきノイズが若干散見されるのが玉にキズですが、さほど気になるレベルではないのが救い。
キースのギター音が最初かなり小さく、途中から慌ててスイッチを入れたかのように急に音量が上がる"Brown Sugar"のイントロに関しては、よくあるPAのミス。
念のために実際の会場ではどうだったのか検証しようと、たまたま持ってた懐かしのCDRブート『Texas Motor Speedway』を引っ張り出してきましたが、何とこのブート、よりによって肝心のアンコール未収録・・・。一応このCDRは10年以上経ってますが、とりあえずまだ音が鳴るようですので、変なメディアは使ってなかったんだなという確認のみに終わりました(苦笑)
まあ、色々言ってもこのツアーでの"Dead Flowers"や"Star Star"、そして"Crazy Mama"がステレオサウンドボードで聴けるようになったという点では大変素晴らしいタイトル。
オマケは、ミックの風邪で延期となった曰く付きの番組「10-Spot」の放送音源。この公演から"Gimme Shelter"がオフォシャル『No Security』に採用されています。
この放送も収録ブートは幾つか出ていますが、その中ではこの時点でのサウンドボード音源(ツアー初日シカゴ2曲、VH-1 Fashion Awards 2曲)を集めた『Rock And Roll Babylon』(VGP-155)が代表タイトル。VGP盤がオートレベルで録音したようなリミッターがかった音だったのに対し、本作はそのような問題は無し。また音質の方もVGP盤にひけを取らない高音質収録。ということで、別にあえてこの音源をボーナス収録しなくてもと思われがちですが、実は本作収録の音が、10-Spot音源ではベスト。
ちなみにVGP盤と同じコンセプトの編集盤として、『Out There In Babylon』(DL-004)がありますが、こちらはVGP盤にないインタビューがあるものの、シカゴ公演がモノラルでの収録だったり、10-Spot音源の高域がにごっていたりするというマイナスポイントがあります。
なお、本作は最初に出たディスクに何らかの不具合が生じる可能性があったようで、あとからCDの内周部を白く塗った差し替えディスクが存在しています。ただ、その最初のディスクをうちのどのプレイヤーで再生しても、今のところ問題は発生していませんが・・・。
こちらが最初のディスク
そしてこちらが後の方
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by Hara ¦ 20:36, Sunday, Jan 10, 2010 ¦ 固定リンク
『Another Still Life』(-) 2CD
***Compilations album of "US Tour 1981" Broadcast Recordings
Nov.25 1981 Rosemont Horizon,Des Plaines,IL (Disc-1 Track8)
Dec.1 1981 Silverdome,Pontiac Michigan (Disc-1 Track1〜7,10,11,16)
Dec.5 1981 Superdome,New Orleans,LA (Disc-1 Track9)
Dec.9 1981 Capital Arena,Largo,MD (Disc-1 Track11,14,15 Disc-2 All Tracks)
Dec.13 1981 Sun Devil Stadium,Phoenix,AZ (Disc-1 Track12)
Dec.18 1981 Hampton Coliseum,Hampton Roads,VA (Disc-1 Track13)
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Take The A Train〜Under My Thumb/2.Shatterd/3.Black Limousine/4.Twenty Flight Rock/5.Going To A Go Go/6.Time Is On My Side/7.Waiting On A Friend/8.Beast Of Burden/9.Let It Bleed/10.You Can't Always Get What You Want/11.Band Introductions/12.Hang Fire/13.Miss You/14.Brown Sugar/15.Start Me Up/16.Jumping Jack Flash
(Disc-2)
1.Twenty Flight Rock/2.Going To A Go Go/3.You Can't Always Get What You Want/4.Band Introductions/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction
そのタイトル名からも推測出来るように、1981年USツアーのラジオショー音源をメインとした、裏『Still Life』的なステレオサウンドボード音源集。
まずは、散らばり気味な1981年USツアーのラジオショーに関してまとめてみますと。
1981年USツアーのラジオショーは大きく2つに大別出来ます。
最初の1つは、1982年8月16日放送の「Super Groups」のストーンズ2時間スペシャル。この放送では下記の21曲が放送(A列車と星条旗も各々1曲とカウント)。
1.Take The A Train(12/9)/2.Under My Thumb(11/5)/3.Beast Of Burden(11/25)/4.Let's Spend The Night Together(12/18)/5.Shatterd(12/18)/6.Black Limousine(12/1)/7.Twenty Flight Rock(12/9)/8.Going To A Go Go(12/9)/9.You Can't Always Get What You Want(12/1)/10.Band Introductions(12/1)/11.Let Me Go(12/8)/12.Time Is On My Side(12/18)/13.Let It Bleed(12.5)/14.Just My Imagination(12/18)/15.She's So Cold(12/9)/16.Hang Fire(12/13)/17.Miss You(12/18)/18.Start Me Up(11/25)/19.Jumping Jack Flash(12/1)/20.Satisfaction(12/13)/21.Star Spangled Banner(12/1)
この放送、当時のニューアルバム『Still Life』と重複する曲(2,4,5,7,8,11,12,14,18,20)に関しては、全てアルバム用にオーヴァーダブやミックスを施されたテイク、つまりアルバムと同じ音が使用されていましたが、当時はアルバム発売から2ヶ月半しか経ってないこともあってだったのか、これら重複曲に関しては全てピッチが早められるという、非常に違和感を感じる編集となっていました。
これら重複曲のピッチ問題は、残念ながらKBFH等、以後の再放送でも修正はされず。
この放送に関しては、VGPの『Ride Like The Wind』(VGP-290)が、ラジオショーディスクからストレートに落としている為、途中で差し込まれるインタビュー等含めて、最高の音質にて放送を丸ごと聴くことが出来ます。
続いてもう片方の放送が、1983年3月19日の「Super Groups In Concert」。
この番組では以下の23曲を放送。
1.Take The A Train(12/1)/2.Under My Thumb(12/1)/3.Let's Spend The Night Together(12/18)/4.Shatterd(12/1)/5.Twenty Flight Rock(12/1)/6.Going To A Go Go(12/1)/7.Time Is On My Side(12/1)/8.Waiting On A Friend(12/1)/9.Beast Of Burden(11/25)/10.Black Limousine(12/1)/11.Let It Bleed(12/5)/12.You Can't Always Get What You Want(12/9)/13.Band Introductions(12/9)/14.Tumbling Dice(7/6 '78)/15.She's So Cold(12/9)/16.Hang Fire(12/13)/17.Miss You(12/18)/18.Honky Tonk Women(7/19 '78)/19.Brown Sugar(12/9)/20.Start Me Up(12/9)/21.Jumping Jack Flash(7/19 '78)/22.Satisfaction(12/13)/23.Star Spangled Banner(12/9)
前年放送と比べ、『Still Life』重複曲に関しては、大半が別のテイクに差しかえられている為、裏『Still Life』的な放送となっていますが、どういう訳か1978年ツアーの音源(14,18,21)が含まれているのが玉にキズ。
また、『Still Life』と重複している2曲(3,22)に関しては、この放送もピッチは早いままですが、"Let's Spend The Night Together"は、何故か曲の最後のサビを4小節程強引にカットした意味不明のエディットバージョン。
この放送に関しても、VGPが『On Top Of Old Smokey』(VGP-280)で、ラジオショーディスクを丸ごとCD化しています。
参考までに、他の代表的な81年ラジオ放送収録盤にも触れておきますと
『Time Is On Our Side』(TSP-CD-018=VGP-038)
アナログ時代のTSP名盤の複刻という形を取ってはいますが、VGPの製作の1CD。1982年放送分から一部の曲及び曲間のインタビュー等をカットしたダイジェスト盤。
1982年の放送から、1,2,3,4,6,7,8,9,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20を収録。
残念ながら『Still Life』重複曲のピッチは、修正されずに早いまま。
ちなみに、この『Time Is On Our Side』は2つのバージョンがあり、ディスクのレーベル面が黒で「For Members Only Not For Sale Vol.038」と表記されているものは、ジャケ未掲載ながら"Miss You"が収録されています。
また、イントロにアナウンスが被る"Jumping Jack Flash"に関しては、アナウンスの収録を嫌ってか、フェードイン処理が施されています。
続いては1983年放送分のダイジェスト1CD
『Mission Direct Hits』(VGP-247)
1983年の放送から、2,3,4,5,6,9,10,11,12,15,16,17,18,19,20,22を収録。
基本的にはアナログ時代の同名タイトル複刻という形をとってはいますが、アナログには入ってなかった"Brown Sugar"を収録する代わりに、アナログに入っていた"Jumping Jack Flash"が未収録。とはいっても"Jumping Jack Flash"は1978年のテイクだから、この処理は正解な訳ですが。ところがこのタイトル、肝心の12月1日の"Time Is On My Side"と"Waiting On A Friend"が未収録な上、1978年の"Honky Tonk Women"が収録されてしまっているという、やや片手落ちなところも。
こちらも『Still Life』重複曲のピッチは、修正されずに早いままで、"Let's Spend The Night Together"は前述のエディットバージョン。
もう一つ1983年放送分のダイジェスト1CD
『On Top Of Old Smokey』(AT-81)
こちらもアナログ時代の代表的タイトルをストレートにCD化しており、1983年の放送から、4,5,6,7,8,11,12,13,14,15,18,19,20,21,22を収録。
何故か"Honky Tonk Women"〜"Brown Sugar"が冒頭に移されているという不可思議な曲の並びもですが、これまた1978年のテイクが含まれているのに、肝心の12月1日"Take The A Train"と"Under My Thumb"が未収録という、こちらも片手落ちなタイトル。
といった具合で、これまで1981年のUSツアーラジオショー音源収録盤に関しては、何らかの不具合があった訳ですが、本作はというと。
ディスク1丸々とディスク2のトラック5までが、ラジオショー音源にあたり、これまで様々なタイトルに散らばっていた音源が、ここで初めてまとまっての収録。
『Still Life』と重複する曲は後述する曲を除いてカット。重複しない方の曲としては、12月9日の"Take The A Train"と、番組のエンディングでアナウンサーがクレジットを読み上げる際のBGMとして使用されていた、いずれも不完全収録の12月1日と12月9日各々の"Star Spangled Banner"という、基本的にストーンズの演奏ではないの3曲を除いた全てを本作は収録。
音質の方はというと、VGP『On Top Of Old Smokey』に匹敵する高音質。
たとえテイクが違えども同じ曲を同じディスクには収録していないことや、各ディスクの曲順をおおよそライブの曲順に合わせている為、各ディスク単体で楽しむことが出来るのもポイント高し。
これまでアナウンスが被っていたが為に、イントロをカットしたタイトルが多かった"Jumping Jack Flash"に関しては、イントロをアナウンスごとノーカット収録。
なお、前述した通り、『Still Life』と重複するテイクに関しては、『Another Still Life』というタイトル通りのコンセプトだったのか、基本的に外してあるようですが、ディスク2を12月9日のラーゴ公演で固める為に、"Twenty Flight Rock"と"Going To A Go Go"だけは『Still Life』との重複テイクをピッチ修正して収録されています。
ちなみに、前述した12月9日の未収録分"Take The A Train"については、『Capital Connection Vol.3』(DAC-038)で同日のモノラルサウンドボード音源が発掘されているので、この音源に繋げて収録というのも可能だったのでしょうが、あくまでもラジオショー関連のステレオ音源を収録という点に拘ったのかなと。
その12月9日の"Take The A Train"。1982年の放送では、この"Take The A Train"とバンドコールに被って、キースの"Under My Thumb"のイントロフレーズが3小節程進むのですが、唐突に『Still Life』と同じ11月5日のテイクにイントロ頭から切り替わるという、何とも不自然な編集だったのでした。
また、前述した12月9日の"Star Spangled Banner"。こちらもCM明けアナウンスのBGMだったことに加えて不完全収録につき、これを"Satisfaction"の後に繋げても、逆に中途半端な印象となりそうなので、未収としたのは妥当なところか。
そして、ディスク2の"Hang Fire"からラスト"Satisfaction"までは「Wolfgang's Vault」で公開された12月9日のラジオショーのアウトテイク音源。
"Hang Fire"以降という中途半端さが災いしてか、プレスブートとしては本作が初。シンバル類に時折、圧縮音源特有の音ユレが確認出来ますが、それを除けば音質は最高。
なお、"Brown Sugar"と"Start Me Up"はディスク1と重複していますが、基本的にミックスもほぼ同じ。違いといえば、前述のシンバル類の音ユレと、聴感状の音の太さの差程度ですが、ラジオショーだと歓声に埋もれがちに始まる"Brown Sugar"は、若干ながらこちらの方が曲始めがくっきりとした印象を受けます。
といった感じで、とりあえず本作は、これまで中途半端なものしかなかった1981年USツアーのラジオショー音源収録盤としては、集大成的な位置づけのタイトルかなと。
なお、本作は当初、ディスク1の"Take The A Train〜Under My Thumb"と"Shatterd"が誤植で逆にクレジットされた物が出回ったようですが、現在はそのクレジットも修正されているようです。
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by Hara ¦ 02:00, Monday, Jan 04, 2010 ¦ 固定リンク
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