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2015年 2月
『Tropical Thunder』(OMS 250-253) 4CD
Jan.21 & 22 1973 Honolulu International Center,Honolulu,HI
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Bitch/4.Rocks Off/5.Gimme Shelter/6.It's All Over Now/7.Happy/8.Tumbling Dice/9.Sweet Virginia/10.Band Introductions/11.Dead Flowers
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.All Down The Line/3.Midnight Rambler/4.Live With Me/5.Rip This Joint/6.Jumping Jack Flash/7.Street Fighting Man/8.Radio Advertisements
(Disc-3,4)
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.It's All Over Now/6.Happy/7.Tumbling Dice/8.Sweet Virginia/9.Dead Flowers/10.You Can't Always Get What You Want/11.All Down The Line/12.Midnight Rambler/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man
Empress Valleyの8枚組ボックス『Sweet Tropical Sun』(EVSD-661〜668)は、ミックの入国許可が下りず中止となってしまった1973年のストーンズ初来日公演前に行われたハワイでの3公演を、新たに発掘した音源をメインに完全版とした黒レーベルディスクの4枚組と、このEV盤リリース以前からブート化されてきた音源をメインに完全版とした青レーベルディスクの4枚組、それぞれをボックスに封入してハワイ公演の決定版を目指したセットでしたが、本作はそこからのコピータイトル。
本作がコピーしたのは、EVSD-665から668のEV盤リリース以前からブート化されてきた従来音源をベースに、テープチェンジ等で欠落した部分をEV盤が初ブート化した音源を補填してノーカット版とした青レーベルディスクの方の4枚。
本作はコピー盤につき、ディスク内容についてはEV盤のレビューを一部編集して再掲しておきます。
ディスク1と2に収録されているのは21日公演。
事典で挙げたこの公演のベストはSODDの『Stones In Exotic Honolulu』(SODD 117)。
従来音源は一部テープ劣化による音ブレはあるものの、若干遠目ながらバランス良く録れたクリアーな音質のステレオ録音で、一応全曲を収録していることにはなっていますが、"Jumping Jack Flash"はテープチェンジが原因で、最初のサビが終わった後のリフから3コーラス目のサビの途中まで欠落。
SODD盤含む既発タイトルは全て、この欠落部に翌22日の2ndショーの音源を繋いでいましたが、EV盤と本作は、EV盤の黒レーベルディスクに収録した同日別音源を補填して通しで聴けるようにしています。ただその補填部分、基音源の録音位置の違いで音が遠くなってしまっているのは仕方ありませんが、シンバル類が耳についてしまうのが玉にキズにつき、この耳につく周波数を調整してもらいたかったところ。また補填音源がモノラル故、音源切り替わり時に音の広がりが結構変わるので、思い切って疑似ステレオ処理をしてみても面白かったかもしれません。
全体的な音質は、SODD盤が既発と比べてロージェネレーションのマスターから作成されている分、すっきりとした感じの音となっていましたが、EV盤と本作も同じくロージェネレーションのマスターから作成してはいるものの、SODD盤より僅かに硬質な印象。
続いてオープニングのバンドコール前の歓声について。SODD盤含む既発タイトルはバンドコール後の歓声をコピー補填していましたが(つまりバンドコール前後で同じ歓声が聞こえる)、EV盤と本作は、EV盤の黒レーベルディスクで初登場したドラムのサウンドチェック部分を、こちらのディスクにも冒頭に持ってきて既発タイトルとの差別化を図ってはいるものの、バンドコール前にあったバンドコール後の歓声をきちんとカットせずにクロスフェードしてしまっていることから、この変な編集が本作でも解消されていないのは残念。
なおディスク2ラストに収録されている、この公演を含むホノルル公演全体の告知ラジオCMは、SODD盤のみに収録されていたもの。1966年のホノルル公演はラジオ収録されていたこともあって、このCMでも1966年のオープニングのバンドコール後半部分が放送されています。
ディスク3は1月22日1stショーで、事典での代表盤はVGPの『In Exotic Honolulu』(VGP-040)。
このVGP盤、ジャケットのクレジットではジャケットでは21日1stショーと誤記されているので要注意。
アナログ時代から多数のタイトルがリリースされてきたのがこの音源で、少し遠目のステレオオーディエンス録音。
"You Can't Always Get What You Want"の前半で顕著なテープ劣化による音ユレが一部にあるものの、クリアーでバランスの良い音質の上質録音。
EV盤と本作も音質についてはVGP盤と同等ですが、"You Can't Always Get What You Want"前半の音ユレについては、その部分をモノラル化することによって、左チャンネルのレベルダウンによる聞きづらさを緩和しています。
またVGP盤はじめ既発タイトルのテープチェンジにあたった"Sweet Virginia"と"Dead Flowers"の曲間や、"Midnight Rambler"と"Rip This Joint"の曲間のテープチェンジによる欠落部についてはEV盤の黒レーベルディスク収録の別音源を補填していますが、どうせならモノラルの補填音源を疑似ステレオ化して音の広がりの差異を緩和してあれば尚良しだったかと。
そして"Street Fighting Man"終了後も、黒レーベルディスクの別音源の方が僅か2秒ほど長かったことから、EV盤と本作は差別化を図るために少しでも長くと考えたのかクロスフェードして補填していますが、補填開始のポイントを早めに設定してしまったがためにメインのステレオ音源が13秒ほどVGP盤より短くなってしまっているのは、ちょっと疑問の残る編集。
そしてディスク4が1月22日1stショーで、事典での代表盤はVGPの『Blue Hawaii』(VGP-212)。
この公演も他のハワイ公演従来音源同様、やや遠目のステレオオーディエンス録音で、若干ホールエコーが強めなもののバランス自体は悪くありません。
まずメイン音源の音質ですが、VGP盤とEV盤はほぼ同等。したがってEV盤丸コピーの本作も同等。
VGP盤は一応全曲を収録していたものの、"Tumbling Dice"はフェードイン、"Midnight Rambler"の中盤から終盤にかけてはおそらくテープチェンジによるものと思しきカットがありましたが、EV盤と本作は黒レーベルディスクの別音源をこの部分に補填。VGP盤の"Tumbling Dice"はフェードインでイントロが始まった後、最初の1コーラス目に周期的なドロップアウトがあったことを本作は嫌って、曲の冒頭26秒を別音源としています。
また"Midnight Rambler"についても、VGP盤では欠落後から曲の終わりまで26秒ほどしかなかったことから、EV盤と本作は曲中で従来音源に戻すようなことはせず、"Midnight Rambler"欠落開始から次曲"Rip This Joint"が始まる寸前まで別音源としています。
更にこれら曲に被っていたカット以外にも従来音源には頻繁にカットがあり、EV盤と本作は"Rocks Off""Gimme Shelter""It's All Over Now""Happy""Tumbling Dice""Sweet Virginia""Dead Flowers""You Can't Always Get What You Want"の曲間と、終演のアナウンスが聞けるということで"Street Fighting Man"終了後にも別音源を補填していますが、VGP盤で右寄りだったメインの音源の定位を修正していないことに加えて、
やはりステレオとモノラルの違いによる音の広がりの差異を感じるので、ここはメイン音源の定位修正と補填音源の疑似ステレオ化をしてもらいたかったところ。
なお、VGP盤は何故かディスク冒頭と最後に、オフィシャル『Their Satanic Majesties Request』に入っていたイビキの音が収録されているという、意味不明の編集となっていましたが、当然のことながらEV盤と本作には収録されていません。
最後に装丁にも触れておきますと、EV盤ボックスには2種紙ジャケットと名刺大の説明カードに24ページのブックレット、紙ジャケ大のミックとキースのカードが1枚づつに、来日中止をうけてのミックとストーンズ名義のメッセージカードといったものが封入されていましたが、
本作はスリップケースの中に4枚組の厚プラケースにスリップケースが被せられており、プラケースの中にはハワイ公演のミニチュアパンフと28ページのカラーブックレットが封入されているという、コピー盤にしてはそれなりに凝ったものとなっています。
こちらはプラケースのジャケット
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by Hara ¦ 07:25, Thursday, Feb 26, 2015 ¦ 固定リンク
『Milan 1970 2nd Show』(-) 1CD
Oct.1 1970 Palalido Palazzo Dello Sport,Milan,Italy (2nd show)
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
1.Introduction/2.Jumping Jack Flash/3.Roll Over Beethoven/4.Sympathy For The Devil/5.Stary Cat Blues/6.Love In Vain/7.Prodigal Son/8.Dead Flowers/9.Midnight Rambler/10.Live With Me/11.Let It Rock/12.Little Queenie/13.Brown Sugar/14.Honky Tonk Women/15.Street Fighting Man
前項で紹介したMayflower『Live In Milan 1970』(MF-80/81/82)は、最近発掘されネットにアップされた1970年10月1日にミラノでの2ndショーのみならず、1stショーをアナログLPから復刻し、加えて同日の8mm映像をDVD化してカップリングしたタイトルでしたが、本作は2ndショー音源のみを1CDに音盤化したタイトル。
基となっているのはMayflower盤同様、このショーで演奏された全14曲をほぼノーカット状態でネットにアップされた音源。
やや遠目な軽めの音ではあるものの、演奏の細部まで聞くことが出来るバランスの良いクリアーな音質の好録音で、この年代のオーディエンス音源としては良質の部類。時折、周りの観客の私語を拾っていたりもしますが許容範囲内なレベル。
Mayflower盤が基音源の高域と低域を持ち上げてメリハリをつけた音造りとしていたのに対し、本作は全体的な音質については基音源をほとんど調整処理をしていないようなので、Mayflower盤と比べると若干おとなしめな印象。
ただし基音源では"Sympathy For The Devil"でヒスノイズがかなり大きくなってしまっており、Mayflower盤はそのままの状態というよりも音にメリハリをつけた分だけ、ヒスノイズが更に耳ににつく状態になってしまってましたが、本作は基音源の音質変化もほとんどなくヒスノイズが除去されています。
ヒスノイズといえば、ネットにアップされた音源はテープの状態が良くなかったようで、時折テープ劣化による音のヨレが生じていることに加えて、大元のマスターテープからネットにアップしたテープに至る流通過程でビデオテープが使用されていたのか、"Little Queenie"や"Street Fighting Man"に顕著ですが、トラッキングがずれたことによるたHiFi音声のオンオフによるものと思しき音のコモリが生じている部分はそのまま。
また、"Street Fighting Man"のイントロから歌いだしにかけては頻繁に、その後も時折まるでスプレーを吹き付けたかの如くヒスノイズがでかくなる箇所がありますが、このノイズ箇所についてはさすがに完全に除去しては音質がかなり変わってしまうと判断したのか若干の軽減程度の処理としています。
全曲ほぼノーカットのこの音源で唯一欠落していたのが、"Love In Vain"のエンデイングでドラムがブレイクした後のギターアルペジオ部。本作はこの部分も欠落していないようになっていますが、そのアルペジオ部でホーンによる持続音も重なって聞こえることから、本作は同日1stショーの音源を補填しているようです。
また細かいとことろでは"Live With Me"の間奏後半、本作のタイムでいうと2分2秒付近での一瞬の音ブレについても、本作はスムーズに聞けるよう補正。
"Midnight Rambler"のエンディングでの極端に高域が落ちる部分はさすがに修正できなかったようで、ほぼそのまま。またその"Midnight Rambler"が終わった後でテープチェンジ部のクロスフェード編集なのか、チャーリーが曲間で遊びで叩いているドラムが2種重なって聞こえてきますが、これは基音源からの編集でこちらもそのままとなっています。 |
by Hara ¦ 10:58, Sunday, Feb 22, 2015 ¦ 固定リンク
『Live In Milan 1970』(Mayflower) |
『Live In Milan 1970』(MF-80/81/82) 2CD+1DVD
Oct.1 1970 Palalido Palazzo Dello Sport,Milan,Italy (1st&2nd show)
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Jumping Jack Flash/2.Roll Over Beethoven/3.Sympathy For The Devil/4.Stary Cat Blues/5.Love In Vain/6.Prodigal Son/7.Dead Flowers/8.Midnight Rambler/9.Live With Me/10.Little Queenie/11.Brown Sugar/12.Honky Tonk Women/13.Street Fighting Man
(Disc-2)
1.Jumping Jack Flash/2.Roll Over Beethoven/3.Sympathy For The Devil/4.Stary Cat Blues/5.Love In Vain/6.Prodigal Son/7.Dead Flowers/8.Midnight Rambler/9.Live With Me/10.Let It Rock/11.Little Queenie/12.Brown Sugar/13.Honky Tonk Women/14.Street Fighting Man
1970年10月1日にミラノで行われた2回の公演をそれぞれCDに、そしてこの日の8mm映像をDVD化してカップリングしたタイトル。
ディスク1は1stショー。
1stショーはアナログ時代から『Street Fighting Men In Milan』(Claudine Records 181243)という1枚物LPでブート化されており、LP1枚にこのショーの演奏曲を一応全て網羅しているというタイトル。
とはいえ全て網羅といっても完全ではなく、"Stary Cat Blues"はイントロがフェードインな上、曲が終わりきらない内にフェードアウト。"Love In Vain"もイントロ途中からフェードイン。"Live With Me"もイントロ途中からフェードインして1分19秒ほどの収録。"Little Queenie"に至っては曲の終盤28秒程しか収録されていないといった具合。
音の方は遠目ながらバランスの良い聞きやすい録音で、低音やや軽めながらも意外と聞き易い音質ではあったものの、
"Little Queenie"以降は音がコモってしまっているのが難点。
CDでの既発収録盤は、事典でこのショーの代表盤として挙げたVGP『Roll Over Beethoven』(VGP-261)のみ。
LPの基テープを入手できなかったようでLP起こしではあるものの、針音は一切聞こえない上、合っていなかったピッチを修正。そしてLPでは不足気味だった低音を増強し聞きやすくしてあるのがポイントのタイトル。
本作は裏ジャケットにLPジャケットがデザインされているように、こちらもまたLP起こし。
VGP盤が針音除去と荒れ気味の高域をマスキングする意図だったのか、高域部の一部周波数をカットした音造りだったのに対して、本作はスクラッチノイズやチリノイズがそこそこ聞こえていたり、高域が一部歪み気味になっていたりはするものの、音質についてはVGP盤よりも鮮明な音で収録。
低域については重心の差こそあれどほぼ同等。そしてピッチも本作も正常に修正しています。
また基のLPは"Love In Vain"の前にテープの上書きと思しき別の音が入っていましたが、VGP盤はその部分をカットしていたのに対し、本作はそのまま収録。その他の部分でも基LPでカットアウト・インとなっていた箇所についてもVGP盤はクロスフェード処理を施していますが、こちらも本作はLPそのままの編集で収録しています。
ディスク2に収録されているのは、1stショーに引き続き"Sympathy For The Devil"でのテンション高いミックのヴォーカルが聞きものの2ndショー。
既発ではCD『Vintage Champaign』(DAC-081)にて、"Jumping Jack Flash""Roll Over Beethoven""Stary Cat Blues""Prodigal Son""Dead Flowers""Midnight Rambler"の6曲がブート化されてきましたが、これは本作のDVDにも収録されている8mm映像に被せてあった音源をCD化したもの。8mm映像には他に"Love In Vain"も1分半ほど被せてありましたが、DAC盤には未収録。
本作が収録しているのは、ネットにアップされたこの8mm映像に被せていたオーディエンス音源の全長版。
1stショーではセットリストから外されていた"Let It Rock"も追加された全14曲をほぼノーカット収録。1stショー音源に似た感じの、やや遠目な軽めの音ではあるものの、演奏の細部まで聞くことが出来るバランスの良いクリアーな音質の好録音で、この年代のオーディエンス音源としては良質の部類。時折、周りの観客の私語を拾っていたりもしますが、許容範囲内かと。
この音源、DAC盤よりもクリアーな音質となっており、DAC盤では途中までの収録だった"Prodigal Son"やフェードインの"Dead Flowers"は前述したようにノーカット収録。事典でエンディングがおかしいと触れていた"Midnight Rambler"については、DAC盤の方はやはり音飛びしていたようで、こちらの音源ではエンディングになって極端に音質がコモってしまってはいるものの、いつもどおりのエンディングだったことが確認できます。
この音質のコモリも含め、ネットにアップされた音源はテープの状態が良くなかったようで、時折テープ劣化による音のヨレが生じていることに加えて、大元のマスターテープからの流通過程でビデオテープが使用されていたのか、"Little Queenie"や"Street Fighting Man"に顕著ですが、トラッキングがずれたことによるたHiFi音声のオンオフによるものと思しき音のコモリが生じていたりもします。
本作は、こういった音のコモりが生じた箇所や前述の"Midnight Rambler"のエンディングでの極端に高域が落ちる部分の音質補正、そして"Sympathy For The Devil"全体で発生しているヒスノイズの緩和処理は行っておらず、基音源の高域と低域を持ち上げてメリハリをつけた程度の音造りとしています。
ちなみに"Midnight Rambler"が終わった後でテープチェンジ部のクロスフェード編集なのか、チャーリーが曲間で遊びで叩いているドラムが2種重なって聞こえてきますが、これは基音源からの編集。
また"Love In Vain"のエンデイングでドラムがブレイクした後のギターアルペジオが欠落していますが、これはネットに上がった基音源からの音飛びで、実際の演奏自体はそういうことはなかったと思われます。
本作のDVDについても軽く触れておくと、こういった8mm映像にありがちなアップの際にのっぺらぼう状態になることのない鮮明な映像で31分強の収録。音は前述したように2ndショーの音が被せてありますが、画と音はシンクロしていません。
この映像を収録しているプレスDVDは他に『You Gotta Move Mick Taylor From 1969 To 2009』(WLR-2115)、『The Mick Taylor Years』(-)、『Live In Europe 1970』(IMP-PV-806)とありますが、どれも編集は同じ。
本作はIMP盤やノンレーベル盤とほぼ同等の画質で、WLR盤はややブロックノイズ多めで画質が他に比べると落ちる印象。本作は黒枠の額縁画面となりますがIMP盤やノンレーベル盤は左右黒枠の逆レターボックス画面。そしてIMP盤のみ歌詞の字幕入りとなっています。 |
by Hara ¦ 21:17, Tuesday, Feb 17, 2015 ¦ 固定リンク
『Philadelphia 1981 1st Show』(-) |
『Philadelphia 1981 1st Show』(-) 2CD
Sep.25 1981 J.F.K. Stadium, Philaderphia,PA
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
(※)Disc-1 Track1(Part),11,12 Disc-2 Track11,16
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Intro-Under My Thumb/2.When The Whip Comes Down/3.Neighbours/4.Just My Imagination/5.Shattered/6.Let's Spend The Night Together/7.Black Limousine/8.She's So Cold/9.Time Is On My Side/10.Beast Of Burden/11.Waiting On A Friend/12.Let It Bleed
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.You Can't Always Get What You Want/3.Tops/4.Tumbling Dice/5.Hang Fire/6.Let Me Go/7.Little T&A/8.Start Me Up/9.Miss You/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Brown Sugar/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man/15.Satisfaction/16.Last Announcement
本作が収録しているのは、81年ツアー初日の9月25日公演。
昨年秋に81年ツアー最終地のハンプトン公演の映像が公式リリースされましたが、とても同じツアーの演奏とは思えないほどのラフっぷりが楽しめるのがこの公演。
"Let's Spend The Night Together"ではコーラスパートも入れるべきか決めかねているようで、イントロからミックが「ヤヤヤヤ・・・」に続き「シャラララ・・・」と歌いだしていたり、"Waiting On A Friend"では曲構成を理解していないロニーに曲中にも関わらずソロを弾くようミックがマイクを通して指示、そして"Let It Bleed"ではイントロでロニーが入れなかったことから演奏を止めてもう一度演奏し直し。挙句の果てはキースが、アンコールの"Satisfaction"を2曲程前に演奏したはずの "Jumping Jack Flash"と勘違いしてしまい、イントロでひたすらキーの違う"Jumpin'Jack Flash"のリフを弾き続けているといった具合で、まさに公開リハーサルといった感。
そんなある意味聞きどころ満載なこの公演、オーディエンス音源で全曲、"Waiting On A Friend""Let It Bleed""All Down The Line"の3曲を除いた23曲が卓直結のサウンドボード音源でと、それぞれブート化されてきましたが、本作は卓直結のサウンドボード音源をメインにし、欠けている部分をオーディエンス音源で補填して全曲収録とするという構成。
そのベースとなっているのはT&Jなる人物がネットにアップした音源。この音源、サウンドボード部とオーディエンス部のピッチが合っていなかったため、かなり違和感を覚える音になっていましたが、本作はおかしかったオーディエンス音源のピッチを修正し、音が重なっていていて修正不能な部分については、音を他タイトルからコピーして新たに差し替えているようです。
まずメインとなっているサウンドボード音源。この手の音源にありがちなギターがやや奥に引っ込んだ迫力不足な音と違い、ギターが前面に出たミックスとなってます。この音源は『Rock'n Roll Animals』(VGP-374)と、そのVGP盤からコピー収録した14枚組ボックス『American Tour 1981』(WLR-2171)で聞くことが出来ましたが、本作はこれらタイトルよりもロージェネレーションマスターという触れ込み。
ただ実際に聞いてみると、VGP盤よりもクリアーな音造りになってはいるものの、これはあくまでもイコライジングの範囲で、逆にヒスノイズは増加していたりすることから、ロージェネレーションというのは眉唾のような気が・・・。音のクリアーさをとるかヒスノイズ嫌うかといった点で、ここは評価の分かれるところかと。
補填で使用されているオーディエンス音源については、事典で代表盤として挙げたVGP『Ain't It Good To Be Alive?』(VGP-175)に収録されているものと同じ録音。
メインの高域を上げたサウンドボード音源に合わせるためか、こちらはシャリっとしたクリアー過ぎる音造りとなっており、元々クリアーな音造りだったVGP『Ain't It Good To Be Alive?』を加工したかのような音に仕上がってはいますが、ディスク冒頭で補填されている"Under My Thumb"のイントロは本作の方がVGP盤より数音長くなっています。
では、この数音が初登場かというとそういうわけでもなく、この数音についてはアンコールの"Satisfaction"未収録のIMP『Philaderphia 81』(IMP-CD 020-21)にてブート化済み。
この"Under My Thumb"冒頭、『Rock'n Roll Animals』はオーディエンス音源の補填をせず、サウンドボード音源でディスクをスタートさせているため、オープニングのバンドコールを聞くことできませんが、逆に本作は音源切り替わりの違和感軽減策としてクロスフェードを8秒強かけていることから、その重複部分だけ『Rock'n Roll Animals』の方がサウンドボード音源をはっきり聞くことが出来ます。
ちなみに本作のディスク1冒頭では、その"Under My Thumb"が始まる前にスネアドラム1音とバスドラム2音の約1秒強ほどの音源が収録されていますが、これはおそらく開演前のPAチェック用の音ではないかなと。この部分についてはたしかに初登場ではあるものの長さは1秒強しかなく、おそらくストーンズによるものではないことから、これはあってもなくてもといった感が。
続く補填部は、"Beast Of Burden"終了後から"Waiting On A Friend""Let It Bleed"は楽曲丸々。この部分の音質については"Under My Thumb"冒頭ほどシャリシャリしていたりせず、低音がしっかり出たクリアーな音質で補填されています。ただし『Rock'n Roll Animals』は、"Beast Of Burden"終了直後のミックのMCを丸々サウンドボード音源で聞くことが出来ましたが、本作は途中からオーディエンス音源に切り替わってしまっています。
"Let It Bleed"が終わった後のミックのMC途中からサウンドボード音源に戻りますが、その箇所についても『Rock'n Roll Animals』の方が早く、ミックの「Philaderphia」という1言が『Rock'n Roll Animals』はサウンドボード音源なのに対し、本作はオーディエンス音源という些細な差が。
ただ『Rock'n Roll Animals』はサウンドボード音源をめいっぱい使おうとしたあまり、次のテープチェンジ部である"All Down The Line"のイントロではテープが切れる寸前のヨレが生じてしまっているという難点が。
では本作はというと、『Rock'n Roll Animals』が冒頭6秒間サウンドボード音源だったのに対し、本作はイントロの2音目からオーディエンス音源にチェンジ。前述したようにネットにアップされた際はクロスフェード部分のピッチが合っていなかったことから、本作はこの部分のみを新たに差し替えたまでは良かったのですが、その差し替え部分の音質がクリアーすぎるのと定位が右に寄ってしまっているので、ここはきちんと調整してもらいたかったところ。
"All Down The Line"終了後にサウンドボード音源が戻ってくる部分については、両タイトル大差なし。
なお、本作ディスク2ラストの"Last Announcement"は、"Satisfaction"終了後に打ち上げられた花火の音と終演を場内に告げるアナウンスをオーディエンス音源で収録したトラック。
『Rock'n Roll Animals』は未収録でしたが、花火とアナウンスの途中まではVGP『Ain't It Good To Be Alive?』でも聞くことが可能。ただし本作は『Ain't It Good To Be Alive?』より30秒弱も長く収録していることから、場内アナウンスを最後まで聞ける上、客出しBGMのチャックベリー"School Day"の一部も聞くことが出来ます。 |
by Hara ¦ 14:52, Sunday, Feb 15, 2015 ¦ 固定リンク
『Steel Wheels 1990 Fusou』(Mayflower) |
『Steel Wheels 1990 Fusou』(MF-78/79) 2CD
Feb.27 1990 Tokyo Dome,Tokyo,Japan
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Harlem Shuffle/6.Tumbling Dice/7.Miss You/8.Ruby Tuesday/9.Angie/10.Rock And A Hard Place/11.Mixed Emotions/12.Honky Tonk Women/13.Midnight Rambler/14.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Can't Be Seen/2.Happy/3.Paint It Black/4.2000 Light Years From Home/5.Sympathy For The Devil/6.Gimme Shelter/7.Band Introduction/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash
初来日ツアー最終公演となった2月27日公演については、"Harlem Shuffle""Ruby Tuesday""Jumping Jack Flash"の3曲が編集されてオフィシャルリリースされていましたが、メモラビリア通販サイト「Wolfgang Vault」が未編集のステレオサウンドボード音源を突如公開。
ここまでそのステレオサウンドボード音源をベースにして4タイトルほどのプレスCDブートがリリースされてきましたが、本作もまたこの音源をベースに作成されています。
公開音源で遅かったピッチはほぼ正常に修正。高域と低域を持ち上げてメリハリをつけた音造りは、既発『Live In Japan Tokyo Dome 1990 February 27』(-)に近い印象に仕上がっていますが、本作のほうがやや高域控えめな印象。
公開音源はカセットテープを経由したものであることから、テープチェンジによるカットが以下の3ヶ所あります。
1)"Mixed Emotions"の間奏が終わった後のAメロ途中「Let's love it to death, Button your lip baby,Stay on your coat」とミックが歌っている部分のうち、「Button your」が欠落
2)"2000 Light Years From Home"スタート直後の、キーボードとチャーリーのフリー演奏部分の一部
3)"Satisfaction"終了後のアンコールを求める歓声の一部
このうち、3)については単なる場内の喧騒部分でにつき、特に気にするものではありませんが、他の2ヶ所については曲中カットになるため、事典でも触れたように各タイトル様々な編集を行っていましたが、ここであらためてまとめてみると・・・。
『Tokyo Dome 1990 Final Night』(-)
"Mixed Emotions"の欠落部については、2番Aメロの「So get off」という箇所をコピー補填していることから、「So get off lip baby,Stay on your coat」と元々ミックが後半歌詞を間違えていたのに加えて、さらに訳の分からないものに。"2000 Light Years From Home"は編集せずに音が飛んだまま。
『Steel Wheels Tokyo Final』(DAC-142)
"Mixed Emotions"の欠落部には、こちらも2番Aメロの「So get off」という箇所をコピー補填。したがって歌詞がおかしなことに。"2000 Light Years From Home"は、ドラムと鍵盤の流れが分断されていない巧妙なクロスフェード処理を行っており、基が音飛びしていると知らなければおそらく気づかないであろう見事な編集。
『Live In Japan Tokyo Dome 1990 February 27』(-)
"Mixed Emotions"の欠落部には、『Tokyo Last Stand 1990』(VGP-097)からのオーディエンス音源を、右チャンネル中域の歪みを緩和させた上で補填。実際に聞いてみても音がモノラルになってやや左に寄ったかな程度という見事な出来映えとなっている反面、"2000 Light Years From Home"の方は補填せずに音が飛んだまま。
『The Last Gig (Tokyo 1990)』(RS900227R-D)
"Mixed Emotions"で欠落していた「Button your」の部分を、このタイトルは曲の歌い出し部分から補填。したがって歌詞自体はミックが歌ったままですが、節回しが若干異なってしまってます。"2000 Light Years From Home"の欠落部にはオーディエンス音源を約7秒ほど補填していますが、定位が右に寄り過ぎているのが残念。
さて本作の編集ですが、"Mixed Emotions"の欠落部にはVGP『Tokyo Last Stand 1990』のオーディエンス音源を補填しており、中域がややオン気味に聞こえはするものの繋ぎ自体はスムーズ。ただし定位が左に寄ってしまっているのが残念。"2000 Light Years From Home"の欠落部にも同様にオーディエンス音源を補填してていますが、こちらも定位が左寄り。といった具合で編集自体は悪くなかったので、定位調整をきちんとしてもらいたかったかなと。 |
by Hara ¦ 15:20, Saturday, Feb 14, 2015 ¦ 固定リンク
『Steel Wheels Tokyo 1990 Ten-Rai』(Mayflower) |
『Steel Wheels Tokyo 1990 Ten-Rai』(MF-76/77) 2CD
Feb.17 1990 Tokyo Dome,Tokyo,Japan
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good
(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Harlem Shuffle/6.Tumbling Dice/7.Miss You/8.Ruby Tuesday/9.Almost Hear You Sigh/10.Rock And A Hard Place/11.Mixed Emotions/12.Honky Tonk Women/13.Midnight Rambler/14.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Can't Be Seen/2.Happy/3.Paint It Black/4.2000 Light Years From Home/5.Sympathy For The Devil/6.Gimme Shelter/7.Band Introduction/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash
初来日ツアー3公演目にあたる2月17日公演収録盤。
この公演の既発タイトルは事典で挙げた『Dome On Wheels』(-)と『Steel Wheels Japan Tour 1990』(VGP-346)。
どちらも収録していたオーディエンス音源は同じもので、演奏を大きく拾った好録音。時折手拍子や叫び声がちらほら聞こえはするものの、耳障りな歓声・拍手の類は無し。ディスク冒頭は『Steel Wheels Japan Tour 1990』の方が長いものの、終演後は『Dome On Wheels』の方が長めといった具合。
『Steel Wheels Japan Tour 1990』がヒスノイズ多めだったのに対し、『Dome On Wheels』はヒスノイズはあまりなく、音も中低域を削ったりと聞きやすくしてはいますが、高域部も持ち上げた影響により時折高音が耳につく箇所もあったりも。
テープチェンジは、"Mixed Emotions""Honky Tonk Women"の曲間と"Happy""Paint It Black"の曲間の2箇所。"Honky Tonk Women"イントロのカウベルの一部とそれに被るミックの「Alright」のかけ声が未収録となっていますが、もう片方のチェンジ部での"Paint It Black"前のキースのギターによる遊び弾きは欠落無し。
さて本作、既発よりもスピーカーから離れた位置の録音だったようで、既発より若干奥に引っ込んだ感じの音。
本作も低域を持ち上げているのかどうかは不明ですが結構オンになってはいるものの、同じ低域が出ていても持ち上げた周波数帯域の違いからか、既発の方が音の重心が低い印象を受けます。
周りの観客がそれほど騒がしくなかったようで耳障りな歓声や手拍子等はほとんど無いことや、既発よりスピーカーから離れた位置とはいえ、音が遠いというほどの距離でもなく演奏も大きめに拾っていることから、これはこれで聞きやすいタイトル。
ただし残念なことにピッチは早めにつき、ここはきちんと調整してもらいたかったところ。
本作のテープチェンジは"Rock And A Hard Place"終了後から"Mixed Emotions"が始まるまでと、"Sympathy For The Devil"終了後から"Gimme Shelter"が始まるまでの2箇所。よって既発では聞けなかった"Honky Tonk Women"の冒頭を、本作では聞くことが出来ます。
本作のテープチェンジ部、"Mixed Emotions"前は曲間が短くなってはいるもののミックのMCをもらさず収録していますが、"Gimme Shelter"前の方はミックの煽りとライブで印象的だった「まだまだ続くよ」のMCが未収録。逆にこの部分は既発では収録されていたので、きちんとコピー補填をする等の後発ならではの編集はしておいてもらいたかったかなと。
なお、この日の"Miss You"冒頭はミキサーの調整ミスなのか、チャックのエレピが前面に出てしまい、マット・クリフォードのサンプリングハープが逆に埋もれてしまっていることから、いつもと違ったイントロとなっているのが新鮮な印象を受けます。 |
by Hara ¦ 07:16, Monday, Feb 09, 2015 ¦ 固定リンク
『Miami Rehearsals 1994』(DAC) |
『Miami Rehearsals 1994』(DAC-154) 2CD
Nov.24 1994 Joe Robbie Stadium,Miami,Florida
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Stop Breaking Down #1/2.Stop Breaking Down #2/3.Angie #1/4.Beast Of Burden #1/5.Beast Of Burden #2/6.Angie #2/7.Dead Flowers/8.Sweet Virginia/9.Doo Doo Doo Doo Doo/10.Live With Me #1/11.Live With Me #2/12.Live With Me #3/13.Live With Me #4/14.Live With Me #5
(Disc-2)
1.Who Do You Love #1/2.Who Do You Love #2/3.Who Do You Love #3/4.Who Do You Love #4/5.Who Do You Love #5/6.Who Do You Love #6/7.Who Do You Love #7/8.Stop Breaking Down #3/9.Stop Breaking Down #4/10.Stop Breaking Down #5/11.Stop Breaking Down #6/
12.Stop Breaking Down #7
94年のVoodoo Loungeツアーでのペイ・パー・ビュー(PPV)放送はマイアミのジョー・ロビー・スタジアムで行われましたが、本作が収録しているのは翌日の放送本番に先駆けて前日に同所で行われたリハーサルの模様。
この日メインでリハーサルされたのは、ツアーで初めて試みるBステージ(セカンドステージ)で演奏することとなる"Angie""Dead Flowers""Sweet Virginia"のアコースティック系3曲に、シェリルクロウとの"Live With Me"、ボ・ディドリーとの"Who Do You Love"、ロバート・クレイとの"Stop Breaking Down"といったゲストを招いての曲。
個々の楽曲については、事典やこのサイトでの既発レビューでも触れているので省略しますが、ここではBステージについて少しだけ。
Bステージといえば、後のBridges To BabylonツアーやNo Secrutityツアー、Licksツアーでは中央に設置されたもう1つのステージにメンバーが移動して演奏するパターン、そしてA Bigger Bangツアーでは演奏中のステージごと中央に移動するというパターンとありましたが、この94年の場合はメインステージ向かって右脇に設置されたBステージにメンバーが移動し、演奏が始まるとそのステージが前方へ進んでいくという、後のパターン双方の原型ともいうべき形態となっています。
と、何故に今更Bステージについて触れているかというと、このリハーサルでゲスト曲とBステージ曲以外に演奏された"Beast Of Burden"と"Doo Doo Doo Doo Doo"、どちらも定番曲なのに何故にという調子で事典では触れていましたが、何のことはないこれらの曲は本番ではBステージの前後曲だったわけで、当然ながらメインステージとBステージ間の移動とその際のPAチェックもリハーサル対象となっているでしょうから、これらの曲も一応は演奏しなくてはならなかったのかなと。そう考えると、ミックがハモリ練習をしたがった"Beast Of Burden"はさておき、"Doo Doo Doo Doo Doo"が中途半端だったのも分かるような気が・・・。
さて、本作の基となったのは、メモラビリア販売サイトの「Wolfgang's Vault」にて公開されたステレオサウンドボード音源。
このサイトで公開されているストーンズ音源、特に81年ツアーまでの音源はカセットを経由したものが多く、ピッチがおかしかったり、経年劣化によるものと思しきテープムラが生じていたりといったことがありましたが、この94年音源はちょうど普及期だったDATにダビングされたようで、こういったカセットならではの難点は無し。また、カセットのようなダビング時の音質劣化もほとんど無いため、この音源もマスターに近いと思しき高音質となっています。
この音源は全長が約110分程あるものの、リハーサルをテレコ回しっぱなしで録ったものという性質故、曲間では特に何もせず無音状態が続いていたり、音が鳴っていても楽器をなんとなくつま弾いているだけのものだったりすることから、既発では曲間を編集したものと、無音部そのままのものの2タイプありますが、本作は後者の無音部そのままのタイプとなります。
プレスのタイトルは事典以降もリリースされており、本作含めて計4タイトルありますが、本作以外の既発3タイトルについても軽く触れておくと。
まずは本作と同名の1枚物CD『Miami Rehearsals 1994』(-)
間延びする曲間を詰めたタイプのタイトルで、次テイクに繋がるフレーズの練習や大きく聞こえる範囲でのメンバー間の打ち合わせ、軽いジャムといったものは残しつつ、不要と思しき部分をカットしてCD許容範囲ギリギリの総タイム79分57秒という長さにまで短縮した労作。
続いては1DVD+2CDのGoldplate『Hoodoo U Voodoo』(GP-1305-DVD1 2CD1/2)
曲間そのままのタイプ。上記ノンレーベルの『Miami Rehearsals 1994』(-)は、イントロのみとかちょっとしたジャムのようなあまりに短い演奏を1つのトラックにまとめていたりしましたが、こちらは細かくトラック分けされている点がある意味親切。加えてこのタイトルには、翌日のPPV放送とオフィシャルリリースされたダイジェスト映像の2種を収録したDVDが付属。ただ、そのオフィシャル部分については、変換ミスなのか容量配分を間違えたのか、コマ不足で一部動きがかくかくしてしている部分があったりするという点がちょっと残念。
3つ目は3CD+3LPのRed Tongue Records『Miami Rehearsals』(RTR-036)
曲間を詰めたタイプを収めた2枚のLPと、リハーサルで演奏された8曲を本番のテレビ放送から収録したLPに加え、CDの方はCD1とCD2が曲間そのままのタイプ、CD3が曲間を詰めたタイプで収録されているという、聞きやすさと記録性双方に気を使ったタイトルと言えますが、LPの面割の都合というわけでもないでしょうけど、何故か曲順が変えられているのが何とも残念なタイトル。またその曲順変更の影響か、大半のトラックがフェードアウト・インとなっています。
さて4つ目となる本作、前述したように曲間そのままのタイプ。
曲間そのままの既発2タイトルは"Stop Breaking Down"が8トラックあるのに対して本作は7トラックですが、これはGoldplate盤トラック8の"Stop Breaking Down 3"や、RTR盤のCD2トラック12"Stop Breaking Down(false start I)"を本作はカウントせず、"Who Do You Love #7"の後半部としているだけで未収録ということではありません。まあ、この部分はギターがポロポロなっているだけのものにつき、本作は楽曲ではないという解釈なのかなと。
当然ながら本作も既発同様に高音質ではありますが、本作はノンレーベルの『Miami Rehearsals 1994』同様に、基音源のSN比の悪さが原因と思しきヒスノイズを抑えた音造りが基本ではあるものの、それに加えて他のタイトルと比べて若干ながら中低域に厚みを持たせたていたり、音圧もGoldplateほどではなく、ノンレーベルとGoldplateの中間くらいのレベルに上げています。 |
23:54, Sunday, Feb 01, 2015 ¦ 固定リンク
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