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2008年 5月
『Manheim On Ice』(SODD 060/61) 2CD
Sep.3 1973 Eisstadion Mannheim,West-Germany
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Intro/2.Brown Sugar/3.Bitch/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.100 Years Ago/8.Star Star/9.Angie/10.Sweet Virginia/11.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Dancing With Mr.D/2.Doo Doo Doo Doo Doo/3.Midnight Rambler/4.Band Introductions/5.Honky Tonk Women/6.All Down The Line/7.Rip This Joint/8.Jumping Jack Flash/9.Street Fighting Man
73年欧州ツアー2日目マンハイム公演がSODDからもリリース。
この公演に関しては、先日DACが最長音源であるソースCをベースに、その欠けている部分をソースBにて出来うる限り補填しての全曲収録盤『Germany 1973』(DAC-072)をリリースしたばかりでしたが(各ソース毎の特徴はDAC盤の項参照)、本SODD盤もほぼ同傾向の編集にて作成されています。
そのDAC盤と比較ですが、まずほぼ全編を占めているソースCの音質。
SODD盤は同じくこの音源の全長盤初出である『Fire And Blimstones』(EXM-008AB)をピッチを若干遅くしているようですが(DAC盤より気持ち遅くなっている)、音自体はさほどいじらずコピーした様で、持ち上げた中域が響き気味につき、全体の音量が上がるライブ終盤になると、ヴォーカルが響き過ぎで聴きづらくなってしまうという難点あり。
対するDAC盤は、低域を増強して中域の響きを緩和している分、ライブ終盤は聴きやすくなっている反面、序盤から中盤はSODD盤より若干音が遠く感じられるというデメリットあり。
続いて、テープチェンジによる"Midnight Rambler"中盤の欠落部に関しては、DAC、SODDいずれもソースBによる補填が施されており、音源切り替わり部分の音質変化はあるもののどちらも見事な編集ぶりで、これに関しては甲乙付け難い印象。
そしてドロップアウトのあった2曲の補填に関してですが、まず"You Can't Always Get What You Want"1コーラス目のドロップアウト(meet her connectionのher)に関しては、DACはそのままなのに対し、SODDはソースBをやはり補填して欠落部をカバー。ただほんの一瞬ではあるものの、やはり補填部分に関しては音質差による違和感あり。
続いて、"SFM"一回目のサビのドロップアウト(street fighting manのfighting)。DAC盤は目立たないよううまくごまかしていますが、SODDは他の箇所同様にソースBがメインに作成されていたOBR『Mannheim On Ice』(OBR 458CD027)からコピー補填していますが、実はソースBはオープニングから"All Down The Line"までしか音源がなく、"Rip This Joint"以降はソースCを使用、したがってSODD盤は劣化した同じ音源を繋いでいるということになります。
という訳で、音質の違う音源を繋いではいるものの、"SFM"の音飛びは相変わらず。しかも欠落部以上の長さでのコピー補填をしている為、通常の音飛びよりかえって聴きづらくなるという理解不能な編集になってしまってます。
というわけで、ほんの一瞬の欠落である"You Can't Always Get What You Want"にまで気を配っている反面、"SFM"ではやらかしちゃっているという、相変わらず"このレーベルらしさ"(苦笑)を発揮しているタイトル。 |
by Hara ¦ 02:34, Saturday, May 31, 2008 ¦ 固定リンク
『The Last Time』(Godfather) |
『The Last Time』(G.R.249/250) 2CD
Compilations album of studio outtake,Official Track
Stereo & Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Oh Baby(We Got A Good Thing Going)/2.Sometimes Happy,Sometimes Blue/3.The Last Time/4.Family(I)/5.Stray Cat Blues/6.I Don't Know Why/7.Stewed And Keefed/8.Blood Red Wine/9.All Down The Line/10.Sweet Virginia/11.Shine A Light/12.Shake Your Hips/13.I'm Going Down/14.Angie/15.Till The Next Time/16.Time Waits For No One/17.Ain't Too Pround To Beg
(Disc-2)
1.Miss You/2.Let's Go Steady/3.Beast Of Burden/4.No Use In Crying/5.Almost Here You Sigh/6.Thru And Thru/7.Love Is Strong/8.Ivy League/9.Sparks Will Fly/10.Under The Radar/11.Don't Wanna Go Home/12.Streets Of Love
GodfatherのSBD寄せ集めシリーズ第3弾。
一応年代順のはずなのに64年のアウトテイク"Stewed And Keefed"の位置がおかしかったり、"Almost Here You Sigh"を"Sliiping Away"と誤記、そしてこれまた曲名誤記のオープニング"Oh Baby"はアウトテイクではなくBBC音源。
また、"All Down The Line"はシングルミックス、"Time Waits For No One"はオフィシャルLP『Time Waits For No One』からの最後のリムショットが少し長いミックスと、アウトテイクではない音源も。
これといって珍しい音源がない本作の中での数少ない聴き所といえば、これもオフィシャル音源ではあるものの、オフィシャル未CD化で、ブート化もさほどされていない"Beast Of Burden"の8トラックミックス。
2コーラス目にアルバムヴァージョンには無いヴァースが登場したり、アルバムヴァージョンよりもフェードアウトするタイミングが遅く、アルバムでは聴けないミックがファルセットで歌う「Pretty pretty...」のパートを聴くことが出来るミックスで、これまでCDでは『More Sucking In The 70's』(WLR-2031) でしか聴けなかったもの。
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by Hara ¦ 02:31, Saturday, May 31, 2008 ¦ 固定リンク
『Altamont Speedway Free Festival』(TARKL) |
『Altamont Speedway Free Festival』(TCD-001-1/2)
Altamont Speedway,Livermore,CA Dec.6 1969
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Jumping Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil #1/4.Sympathy For The Devil #2/5.The Sun Is Shining/6.Stray Cat Blues/7.Love In Vain/8.Under My Thumb #1/9.Under My Thumb #2/10.Brown Sugar
(Disc-2)
1.Midnight Rambler/2.Live With Me/3.Gimme Shelter/4.Little Queenie/5.(I Can't Get No)Satisfaction/6.Honky Tonk Women/7.Street Fighting Man
映画『Gimme Shelter』でもお馴染みの69年ツアー最終日、オルタモントでのフリーコンサート。
映画のハイライト部分に使用されたこともあり、どうしても映画に取りあげられた混乱部分が注目されがちですが、"Sympathy For The Devil"終了後、観客を落ち着かせる為と思しき即興演奏のジミー・リードのブルースナンバー"The Sun Is Shining"や、ライブ初演となる発表前の新曲"Brown Sugar"等、実は映画で取りあげられた以外の部分でも聴き所の多い公演だったりします。
このコンサートを収録したブートは幾つかリリースされておりますが、まずは本作との比較となるオーディエンス音源による既発全曲収録タイトルを挙げますと。
『Gimme Shelter』(GHT 001-2)
ブートCD黎明期にリリースされたタイトル。
音源自体は、音の近いオーディエンス録音。最初はミックのヴォーカルとキースのギターしか聞こえなく、テイラーはギターソロもしくはキースがソロをとったりして音が小さくなった時、チャーリーもキースの音が小さい時に聞こえてくる程度で、ハイハットは聞き取れず、ビルに至っては全く聞こえない様な状態。ライブが進むに連れ、段々バランスが改善されてきますが、逆に周りに歌い出したりする騒がしい観客が・・・。とはいえ、この時代のオーディエンス録音としては、充分よく録れている音。
ちなみに、何故か"Brown Sugar"3コーラス目のサビ寸前からエンディングまでは、音量レベル、ピッチの異なる音源が繋がれている為、別音源の様にも聞こえますが、曲終了後の叫び声からするとジェネレーション違いの同音源にも感じられるので、判断の難しいところ。
続いてはVGP『Altamont 1969』(VGP-113)の旧バージョン。
後述するリマスター盤とジャケットが全く同じ為、盤のデザインで見分けるしかなく、こちらの旧バージョンはブタマーク入り。
音は『Gimme Shalter』に比べ、ピッチは正確な上、全体的にヒスノイズも減って格段に聴きやすくなっていますが、"Brown Sugar"は繋ぎこそなくなったものの、最後の4音がカット。続く"Midnight Rambler"は曲前のアドリブ部分がカットされイントロからの収録と、全体的に少し短くなってしまっているのが玉にキズ。
そしてVGP『Altamont 1969』(VGP-113)リマスター盤。
ジャケは前述した通り同じで、盤のデザインがシンプルになっているのがこちら。
音の方は旧バージョンと比べるとややヒスノイズが増えてはいますが、旧盤で不自然だった余韻の改善含めナチュラルな質感になり、ヘッドフォンで聴いた際に多少の音の広がりが感じられる造りとなっています。
こちらもメインの音は、"Brown Sugar"の最後の4音が欠けているものの、『Gimme Shelter』で使用されていた別の音源をピッチ・音量合わせて補填。
ただし『Gimme Shelter』でも感じられた、キーンという高周波ノイズは除去出来なかった模様。こちらも残念ながら"Midnight Rambler"曲前のアドリブ部分がカットされてイントロからの収録。
さて、SODDの上位レーベルという触れ込みでのTARKLレーベル第一弾となった本作。こちらもオーディエンス音源による全曲収録盤。
高域強めの音造りで"Street Fighting Man"ではヴォーカルが耳に刺さったりする上、VGPリマスター盤にあった音の広がりもなく、全体的に硬めの音になってしまっているのが難点。
本作も残念ながら"Brown Sugar"の最後の4音が欠けており、VGP盤同様に別の音源を補填していますが、本作の補填部分に関してはキーンという高周波ノイズは無し。
ただし、メインの硬質な音に比べ、補填音源はモコっとした音につき、音源チェンジの際の音質差による違和感はVGP盤より多め。
また、いずれのVGP盤にも未収録だった"Midnight Rambler"曲前のアドリブ部分を本作は収録しています。
せっかくVGPよりも収録時間が長いというメリットがあるのに、肝心の音造りがVGPよりも劣ってしまっているのは、なんとも残念なタイトル。
また、せっかく後発でリリースるするんだったら、収録時間には余裕があるのだから、DACが『Altamont』(DAC-019)にてリリースしたラジオ放送音源(Midnight Rambler以降の7曲)をボーナス収録する等、後発ならではの決定盤的な形にすればいいのにと思ってしまう残念なタイトル。
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by Hara ¦ 13:19, Saturday, May 03, 2008 ¦ 固定リンク
『EC Was Here』(TCD-002-1/2) 2CD
June.22 1975 Madison Square Garden,New York City,NY
Mono Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good
(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me-Get Off Of My Cloud/5.Star Star/6.Gimme Shelter/7.Ain't Too Proud To Beg/8.You Gotta Move/9.You Can't Always Get What You Want/10.Band Introductions/11.Happy/12.Tumbling Dice/13.It's Only Rock'n Roll
(Disc-2)
1.Doo Doo Doo Doo Doo/2.Fingerprint File/3.Angie/4.Wild Horses/5.That's Life/6.Outa Space/7.Brown Sugar/8.Midnight Rambler/9.Rip This Joint/10.Street Fighting Man/11.Jumping Jack Flash/12.Sympathy For The Devil/13.Outro
アンコール"Sympathy For The Devil"にクラプトンが飛び入りしたMSG6日連続公演初日収録盤。
本作も、先般レビュー済の『Sympathy For Slowhand』(DAC-075)同様に、近年発掘されたソースBをメインとして、欠落部分をソースAで補うという形態をとっています(各ソースの内容に関してはDAC盤レビュー参照)。
さて、そのDAC盤との比較ですが、まずは全体的な音質。
ナチュラルな質感のDAC盤に比べ、本作は高域キツ目の硬質な音造り。とはいっても、今時あり得ないくらいのドンシャリサウンドだったタランチュラ『Sympathy For The God』(TCDES-5-1,2)程ではありません。
全体的なピッチはDAC盤より気持ち遅め。とはいえ、こちらもあくまでタイム比較によってのもので、聴感上はほとんど大差なし。
そしてソースB欠落部分にソースAを補填している箇所に関して。
まずは"You Gotta Move"での、曲が一旦終わってピアノ・リフレイン部分に移る部分。ここでミックが発する「You Gotta Move」というつぶやきとピアノ・リフレイン部分での歌い出し3音がソースAからですが、本作もDAC盤同様、ソースBの音質に合わせた上で繋いでいるので、ぱっと聴きでは切り替わり部分が分からない位の見事な繋ぎを施しています。
続いて"Brown Sugar"、こちらはイントロの最初の1フレーズが丸々と2フレーズ目の最初の1音がほんのわずかにフェードイン気味だった為、DAC盤は2フレーズ目で入るチャーリーのフィルからソースBに戻りますが、本作は2フレーズ目の最初の1音のフェードインが上がりきった辺りからの音源切り替え。
ちなみにその少し前の部分にあたる"Midnight Rambler"終了直後でのミックの叫び声に関しては、タランチュラ、DAC共々カットされてましたが、本作もこれまた同様。ただし、編集はこちらもDAC盤同様に元々なかったかのような綺麗な繋ぎ処理。
といった感じで全体的に音質が違うことを除けば、DAC盤とほとんど大差がない為、あとは音の好みによってかと。 |
by Hara ¦ 13:13, Saturday, May 03, 2008 ¦ 固定リンク
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