The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 

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2008年 6月

『Vintage Champaign』(DAC)
dacvintagechanpaign

『Vintage Champaign』(DAC-081) 2CD

Nov.15 1969 Assembly Hall,University Of Illinois,Chanpaign,IL(1st Show)

Mono Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good

(※)Disc-2 Track1-6
Oct.1 1970 Palalido Palazzo Dello Sport,Milan,Italy (2nd Show)

Mono Audience Recording
Quality:Good

(※)Disc-2 Track7-11
Nov.15 1969 Assembly Hall,University Of Illinois,Chanpaign,IL(2nd Show)

Mono Audience Recording
Quality:Very Good


(Disc-1)
1.Sam Cutler Intro/2.Jumping Jack Flash/3.Carol/4.Sympathy For The Devil/5.Stray Cat Blues/6.Love In Vain/7.Prodigal Son/8.You Gotta Move/9.Under My Thumb/10.Midnight Rambler/11.Little Queenie/12.Satisfaction/13.Honky Tonk Women/14.Street Fighting Man
(Disc-2)
1.Jumping Jack Flash/2.Roll Over Beethoven/3.Stary Cat Blues/4.Prodigal Son/5.Dead Flowers/6.Midnight Rambler/7.Midnight Rambler/8.Little Queenie/9.Satisfaction/10.Honky Tonk Women/11.Street Fighting Man

ディスク1は、1969年11月15日イリノイ大学公演の1stショー。

この公演に関しては、VGPの『Cocaine On A Dentist Chair』(VGP-068)にて、この公演の全曲がリリースされていましたが、本DAC盤も基となった録音は同じ。

vgpcocainonadentist

ただし、基になったテープの状態はVGP盤よりもはるかに良く、VGP盤では"JJF"の序盤、ヒスが強烈になったり音が急にコモったりと、音質がコロコロ変わったり、音量レベルも一ヵ所落込むところがある等、音が不安定な上、音がようやく落ち着いた"JJF"中盤以降でも、終始全体的に低音がオンになっていて、聴きづらい印象がありましたが、それらは全てテープのジェネレーションや劣化によるものだったようで、本DAC盤にはそれら欠点はなし。

時折、若干低音が割れ気味になる箇所もありますが、基本的には安定した落ち着いた質感の音で、邪魔な歓声・手拍子の類もほとんど拾っていない好録音。

さすがにこのツアーのサンディエゴやオークランドのAUD録音に比べると、音がやや遠目だったり、音のクリアーさで劣りはするものの、この年代の録音としては上質の部類。

VGP盤では、ライブ冒頭のイントロダクションとそれに続くミックの語りの間にカットがありましたが、DAC盤は無し。

更にVGP盤では"You Gotta Move"終了後の歓声でフェードアウトして、"Under My Thumb"がフェードインしてくる編集になっていましたが、DAC盤の方は"You Gotta Move"終了後にチャーリーがリズムを刻みはじめ、ビルが"Under My Thumb"のリフを弾きはじめた最初の3音で
レコーダーがストップするまでが収録されています。

なお、テープチェンジ後の"Under My Thumb"がギターソロ後のサビ途中からなのはVGP盤同様。


ディスク2は、年代の異なる2つの公演を収録。

まず最初の6曲は、1970年10月1日のミラノ公演。

1stショーの方はアナログ時代からリリースされており、CDでは『Roll Over Beethoven』(VGP-261)に収録されていましたが、本作に収録されたのはブート初登場となる2ndショー。

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ヒスノイズは強く、中低域はやや響き気味、ヴォーカルも遠目だったりしますが、演奏自体は結構大きく拾っている録音で、曲間の私語はあるものの曲中では時折入る程度で、邪魔な手拍子とかもないので耳が慣れてしまえば案外と聴ける音。

また、選曲を見ると分かるとおり、6曲収録といっても純粋にライブの頭から6曲という訳ではなく、3曲目と5曲目でおそらく演奏されたであろう"Sympathy For The Devil"と"Love In Vain"はカット。

また収録されている6曲の内でも"Prodigal Son"は途中まででフェードアウトし、"Dead Flowers"がクロスフェードしてくるといった具合で、テープチェンジにしてはカットが頻繁すぎることから、今後更なる発掘もあり得るとは思いますが、単体でのリリースとしては厳しいかなと。

ちなみに"Midnight Rambler"のエンディングでは、音飛びなのか、はたまたずっこけてこんなエンディングになったのか、ちょっと判別に困るなんともいえない曲の終わり方になっています。


ディスク2の7曲目から11曲目までの5曲は、これまた初登場の1969年11月15日イリノイ大学公演の今度は2ndショー。

残念ながら今回発掘されたのは、"Midnight Rambler"1コーラス目の途中以降からラスト"SFM"までというライブ後半部分のみ。

音の方は、ディスク1収録の1stショーに近い感じで、やや遠目なものの邪魔な手拍子・歓声の類が少なく、1stショーと比べると若干音の締まりで劣りますが、こちらも充分好録音で、ラスト"SFM"が終わった後のフェードアウト(要はテレコのストップ)が早いとこまで同じ(笑)。ですので、録音したのは同一人物なのかもしれません。

演奏の方では、"Little Queenie"真ん中のリズムブレイク部分で、キースが得意のチャックベリーフレーズを外しちゃってるのが、耳を引きますが、あとは安定した演奏。


年代が1年ズレてるとはいえ、ライブ前半とライブ後半の組み合わせにつき、大まかなライブの流れとして聴くことが出来るので、さほど中途半端な印象は受けないかも。ただ、長尺の"Midnight Rambler"を連続して聴くのはちょっと・・・(笑)。

by Hara ¦ 03:19, Friday, Jun 20, 2008 ¦ 固定リンク


『Touring Party Vol.1』(DAC)
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『Touring Party Vol.1』(DAC-079) 2CD

June.3 1972 Pacific Coliceum,Vancouver,British Columbia,Canada

Mono Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Brown Sugar/2.Rocks Off/3.Gimme Shelter/4.Bitch/5.Tumbling Dice/6.Happy/7.Honky Tonk Women/8.Loving Cup/9.Torn & Frayed
(Disc-2)
1.Sweet Virginia/2.You Can't Always Get What You Want/3.Ventilator Blues/4.Midnight Rambler/5.All Down The Line/6.Bye Bye Johnny/7.Rip This Joint/8.Junping Jack Flash/9.Street Fighting Man

ジャケットからはツアー最終のMSG公演あたりの収録を彷彿させられますが、本作は72年ツアー初日のバンクーバー公演全曲収録盤。

この公演は事典で代表盤として挙げたIMPの『Vancouver 72』(IMP-CD 022-023)から、ボーナストラックの"I Don't Care"をカットしたコピー盤、SODDの『Vancouver First Night』(SODD 038/039)が昨年リリースされていましたが、大御所DACからもついにというか、ようやくというかこの公演がリリース。

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基にした音源は同じで、この時代としては音質・バランス共に良い上質のオーディエンス録音ですが、今回のDAC盤は既発より状態の良いマスターから作成されており、初めて正しい曲順・ピッチで収録というのが売り。

その曲順ですが、既発では"Ventilator Blues"が"Torn & Frayed"の次に収録されていましたが、本作では"You Can't Always Get What You Want"の次に収録。既発では"You Can't Always Get What You Want"終了後、歓声が早く絞られていましたが、本作では歓声が絞られずに"Ventilator Blues"に進むので、この曲順が正解なのかなと。

ちなみに、今回は新たなマスターということで、その"You Can't Always Get What You Want"終了後の歓声が長いことはもちろん、既発では"Bitch""Midnight Rambler"の2曲でテープ劣化による音ブレが生じていましたが、本作には無し。

また、既発SODD盤は音ユレや定位の片寄り対策として、全体的な音を新たにきちんとモノラルに作り直していましたが、それは本作も同様。

全体的な音質は、低域を持ち上げて音に厚みを持たせていたSODD盤に対し、本作も同様な加工は施されているようですが、曲によってSODD盤の方がクリアーだったり、本DAC盤のクリアーだったりするので、どちらがといった印象は無し。

なお、"Rip This Joint"のイントロ欠け及び、"JJF"と"SFM"の曲間がフェードアウト・イン処理されているのは既発同様。

本作は、遅めだったピッチを正確に修正、曲順も本来の順番になり、既発にあった音ブレも解消と、さすがに後発といった感じのタイトル

by Hara ¦ 07:20, Tuesday, Jun 17, 2008 ¦ 固定リンク


『Paris Par Excellence』(SODD)
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『Paris Par Excellence』(SODD 067/68)

June.7 1976 Les Abattoirs,Paris,France

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent-Very Good

(※)Disc-1 Track 11
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(※)Disc-2 Track 11
Dec.7-15 1974 Musicland Studios,Munich,Germany
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Introduction/2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Hey Negrita/6.Ain't Too Proud To Beg/7.Fool To Cry/8.Hot Stuff/9.Star Star/10.Cherry Oh Baby/11.Angie/12.You Gotta Move/13.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.Happy/3.Tumbling Dice/4.Nothing From Nothing/5.Outa Space/6.Midnight Rambler/7.It's Only Rock'n Roll/8.Brown Sugar/9.Jumping Jack Flash/10.Street Fighting Man
(Bonus Track)
11.Fool To Cry (Demo Version)

1976年欧州ツアー、パリ4日連続公演の最終日にあたる6月7日公演を、SBD音源をメインに、欠落部分をAUD音源にて補填した全曲収録盤。

同じような形態の代表盤としては『Vive La France!』(VGP-350)がありますが、本作はそのコピーではなく、VGP盤とは別の編集になっています。

vgpvivalafrance

まずオープニング、VGP盤はSE未収録でいきなり"Honky Tonk Women"のイントロから始まりますが、SODD盤はそこにAUD音源を補填。

この補填されたAUD音源は、AUD音源全曲収録盤である『Europe'76』(VGP-056)を少しヒス除去してコピーした同じくSODDリリースの『Vive la France!』(SODD 009/010)から流用。

vgpeuro76

soddviva

続いて"Honky Tonk Women"と"If You Can't Rock Me"の曲間、VGP盤はミックの「オーライ」というかけ声しか収録されてなく、それに続く曲紹介がカットされていますが、SODD盤はその部分もAUD音源で補填。

その次の"Hand Of Fate"前後の曲間も同様で、VGP盤はそれぞれ立て続けに曲が始まるような編集となっていましたが、SODD盤はここにもAUD音源を補填し、VGP盤でカットされていたMCを聴けるようになっています。

同様の編集は、"Ain't Too Proud To Beg"から"Fool To Cry""Hot Stuff""Star Star""Cherry Oh Baby"のそれぞれの曲間にも行われていて、ほんの一言のMCももらさず収録するようにAUD音源を補填。

ただ、その補填されているAUD音源ですが、前述したようにヒスを除去している為、元々ヒスノイズが強かったSBD音源とのノイズの差が激しく、音源切り替わりの際は、まるでエフェクターのノイズゲートを使ったかのような印象を受けてしまうので、もう少しAUD音源にヒスノイズが乗っていた方が、すっきりしたかもという印象。

続く"Angie"は、このSBD音源が発掘されていない為、やはり前述のAUD音源。

そして"You Can't Always Get What You Want"。SODD盤は、中間のギターソロ7分5秒から7分21秒までと、ギターソロが終わった後の観客にサビを歌わせる部分の8分8秒から8分49秒に、AUD音源を補填して、この曲のノーカット収録を達成。

対するVGP盤の方はというと、それら欠落部分にAUD音源を補填せず、巧妙に端折っているので実際の演奏より短くなっている為、SODD盤に比べるとこの曲のトータルで1分近く短くなっていることが分かります。

続いて両タイトルとも、ディスク2の頭にあたるメンバー紹介。VGP盤がキースの紹介のみの収録なのに対し、SODD盤は他のメンバー部分をやはりAUD音源にて補填して、ここでもノーカットでの収録に。

"Happy"以降に関しては、曲間の歓声含めてSBD音源が残されているので、両タイトル大して差異はないのですが、唯一"Brown Sugar"だけは、基となるSBD音源に難があり、イントロリフの3音目にノイズが乗っているのと、歌い出し"Gold coast slave ship〜"の"coast slave ship"部分は、テープが伸びたような音になっている為、やはりそれぞれ異なった処理を施しています。

VGP盤は、イントロのノイズに関してはそのまま収録、歌い出し部分に関しては前日公演の同じくSBD音源を補填。

対するSODD盤は、まずイントロのノイズ部分を、ほんの一瞬ですがAUD音源補填。繋ぎ自体はうまいんですが、AUD音源の定位がやや右寄りに聞こえてしまうので、ここを修正していなかったのが残念。続く歌い出し部分もAUD音源を補填していますが、ここもAUD音源が軽めな為、もう少し音を厚く加工していればと感じてしまうのがやや残念。

ちなみに、SODD盤のこの歌い出し部分の補填ですが、SBD欠落部は前述した通り、"coast slave ship"ですが、SODDはそのちょっと先の"cotton"までAUD音源につき、ほんの僅かではありますがVGP盤よりSBD部分が短め。

とはいえ、この"Brown Sugar"の処理に関しては、これまではノイズや音伸びの欠点をそのままにしておくか、前日のSBD音源を繋ぐかの処理しかなかったので、同日のAUD音源を補填して正規サイズに整えたのは今回のSODD盤が初めて。

といった感じで、これまで雑な印象が多い(笑)SODDにしては、珍しく音の造りに気合いが入っており、これまでVGP/DACが他レーベルとの差をつける為にやってきたことを、逆にやり返したという珍しいタイトル。惜しむらくは、AUD音源の音造りがもう少しうまければといった気はしますが、これまた6月7日のパリSBD音源収録タイトルとしてはとりあえず代表盤かなと。

ちなみに、ボーナス収録の"Fool To Cry(Demo Version)"はMidnight Beatの『Static in The Attic』(MB CD 084)やIMPの『Static in The Attic 1974-1979』(IMP-N-004)に収録のものと同じで、あってもなくてもよいオマケ。

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by Hara ¦ 01:02, Monday, Jun 16, 2008 ¦ 固定リンク


『Terrifying』(SODD) 
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『Terrifying』(SODD 064/65/66) 3CD

Dec.19 1989 Convention Center,Atlantic City,NJ

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Disc-3 Track 7-14
Copy from official track

(Disc-1)
1.Continenntal Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Undercover Of The Night/6.Harlem Shuffle/7.Tumbling Dice/8.Miss You/9.Terrifying/10.Ruby Tuesday/11.Salt Of The Earth/12.Rock And A Hard Place/13.Mixed Emotions/14.Honky Tonk Women
(Disc-2)
1.Midnight Rambler/2.You Can't Always Get What You Want/3.Little Red Rooster/4.Boogie Chilen/5.Can't Be Seen/6.Happy/7.Paint It Black/8.2000 Light Years From Home/9.Sympathy For The Devil/10.Gimme Shelter
(Disc-3)
1.Band Introductions/2.It's Only Rock'n Roll/3.Brown Sugar/4.Satisfaction/5.Jumping Jack Flash/6.Outro-Carmen/7.2000 Light Years From Home/8.I Just Wanna Make Love To You/9.Play With Fire/10.Undercover Of The Night/11.Harlem Shuffle/12.Tumbling Dice/13.Street Fighting Man/14.Gimme Shelter

アトランティックシティ放送音源収録盤。

アトランティック公演+『Flashpoint』関連シングル音源という構成の選曲なので、事典で代表盤に挙げた『Terrifying』(VGP-231)のコピーに見られがちですが、"Continenntal Drift"の前の歓声が長くなっていることから、VGP盤のコピーでは無い模様。

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そのVGP盤、事典では最長収録と記載しましたが、実は事典で触れていなかったMid Valleyの『19』(MVR 185-189)の方が最長収録でしたので、ここに訂正しておきます。

mv19

で、『19』の長さに関してですが、前述した"Continenntal Drift"の前の歓声は今回のSODD盤より長く、また終演後の場内BGM"カルメン"に続く"ワルキューレの騎行"(VGP盤もSODD盤もノンクレジット)が終った後の歓声も、VGP盤や今回のSODD盤は曲が終わるや否や、すぐフェードアウトしてしまうのに対し、『19』はその後もゆっくり余裕を持ったフェードアウトとなっています。

さて、このSODD盤の音質ですが、高域キツ目だったVGP盤やMV盤と比べると、中低域に厚みを持たせている分だけ聴きやすくなっています。

他タイトル同様、ビデオ落とし特有のハムノイズはやはり聞こえますが、元が騒がしいミックスにつき、気になる程では無し。

曲中カットや音飛びに関しても、VGP盤やMV盤同様に無し。

ちなみに"Undercover Of The Night"の頭13秒付近で確認出来る、音ブレに聞こえるようなシーケンサーのズレは全タイトル共通。

『Flashpoint』関連シングル音源に関しては、VGP盤には未収録だった"Gimme Shelter"を追加収録。といっても厳密には『Flashpoint』関連リリースではなく、チャリティーカセットに収録された音源ではありますが、SWツアーからの公式発表音源なので括りとしては同じ様なものですね。まあ、こういう形でまとめて聴けるのは便利ではありますが、やはりオフィシャルの方で『Flashpoint』のデラックスエディションとして、この辺の音源をきちんと並べ直した形での2枚組リリースとかすればいいのにと思ってしまうのですが・・・。

なお、オマケのDVD-Rには、一部の曲に3D映像処理を施した再放送を収録していますが、生中継時にミックの歌い出しがオフになっていた"Mixed Emotions"は、その部分が修正されてミックのヴォーカルが歌い出しからきちんと聴けるようになっています。ですので、本作も"Mixed Emotions"をこの再放送版に差し替えてあれば、更にVGP盤やMV盤との差別化が図れたろうに、その点だけは残念。

ちなみに、SODD名物のクレジットミスは今回もあり。Disc-2最後に実際は収録されている"Gimme Shelter"がDisc-3の1曲目と裏ジャケに表記されていたり、背文字タイトルは両側とも「TERRIGYING」と誤植。毎度のことではありますが、急ぐタイトルでもなかろうに何故にきちんとチェックしないんでしょうかね・・・。と、事典の事は棚に上げて書いてますけど(苦笑)。

とはいえ、全体的に音が聴きやすくなっていることや、音自体に欠点らしき欠点は無いことから、前述の"Mixed Emotions"を再放送に差し替えたタイトルでも出てこない限りは、とりあえずこのSODD盤が、アトランティック放送音源収録盤としては代表的なタイトル。

by Hara ¦ 07:47, Friday, Jun 13, 2008 ¦ 固定リンク


『Sweet Charlotte』(EXILE)
exilesweetchalotte

『Sweet Charlotte』(2008EXA001) 1CD

Coliseum,Charote,NC July.6 1972

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

1.Bitch/2.Rocks Off/3.Gimme Shelter/4.Happy/5.Tumbling Dice/6.Love In Vain/7.Sweet Virginia/8.You Can't Always Get What You Want/9.All Down The Line/10.Midnight Rambler/11.Band Introduction/12.Bye Bye Johnny/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man

Exile久々のリリースは、1972年ツアーのオーディエンス音源の定番、シャーロット公演。

この音源は、ややドラムが引っ込み気味ではあるものの演奏を大きく拾っており、高域がマイルドで聴きやすく、若干歪み気味の低音が程良い迫力を醸し出している好録音で、1972年ツアーのオーディエンス音源としては上質の部類。

アナログ時代は断片的な形でのリリースしかなかったこの音源、CDになってからは"Bitch"と"Midnight Rambler"が途中からの収録なものの、現在はオープニングの"Brown Sugar"を除いた14曲を聴くことが出来ます。

この音源に関しての代表的タイトルとしては、事典に載せた、翌日のテネシー公演とのカップリング2枚組で、6月25日ヒューストン公演の"Brown Sugar"をオープニングに持ってきての疑似全曲収録盤である『Drippin' Honey』(VGP-294)

vgpdrippin

昨年暮れにシャーロット音源のみを単体でリリースしたSODD『Going Back To 1972』(SODD 054)

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どちらもピッチはほぼ正常、音質はSODD盤が気持ちマイルドに感じる程度で、ほぼ同等の高音質で、全曲収録以外での難を言うとすれば、"Sweet Virginia""Bye Bye Johnny"での定位片寄り程度。

さて、マスターからの収録という触れ込みの本Exile盤。

音源自体の新登場部分は無し。ピッチはVGP,SODDと同じくほぼ正常なものの、肝心の音質の方は高域の抜けがやや悪い上、ヒスノイズ除去処理のし過ぎで、音の余韻がおかしなことになってしまっている上、マスターからの収録という割には、どういう訳か"Gimme Shelter"終了後の曲間がダブって収録されており、"Gimme Shelter"と"Happy"の間では、同じミックのMCと歓声を2回も聴くはめに・・・。

マスターからの収録は眉唾としても、基本的な部分で後発とは思えない雑な造りのトホホなタイトル。

by Hara ¦ 07:05, Wednesday, Jun 11, 2008 ¦ 固定リンク


『Hot August Night』(SODD)
soddhotaugustnight

『Hot August Night』(SODD 062/63) 2CD
Aug.21 1976 Knebworth Park,Stevenage,Hertfordshire,UK

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent-Very Good

(※)Disc-2 Track4,5,6,10,15
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Disc-1 Track7
Mono Audience Recording
Quality:Good

(※)Disc-2 Track7,8,9,11,12,13,14
Mono Audience Recording
Quality:Very Good


(Disc-1)
1.Satisfaction/2.Ain't Too Proud To Beg/3.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Around And Around/6.Little Red Rooster/7.Stray Cat Blues/8.Hey Negrita/9.Hot Stuff/10.Fool To Cry/11.Star Star/12.Let's Spend The Night Together/13.You Gotta Move/14.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Dead Flowers/2.Route 66/3.Wild Horses/4.Honky Tonk Women/5.Country Honk/6.Tumbling Dice/7.Happy/8.Nothing From Nothing/9.Outta Space/10.Midnight Rambler/11.It's Only Roc'n Roll/12.Brown Sugar/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man

76年欧州ツアーが終了した2ヶ月後に単発参加したネブワースフェア公演を、ステレオSBD音源をメインに、ビデオモノラルSBD音源とオーディエンス音源を組み合わせての全曲収録盤。

同じようなコンセプトで作成された代表的な既発タイトルとしては、事典でも挙げたVGP『Hot August Night』(VGP-146)

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本SODD盤は、そのVGP盤からの丸コピーと思いきや、音源差し替えや追加等の編集を加えているようなので、そのVGP盤と比較をしてみると・・・

まずライブ序盤から中盤にかけての大半を占めるステレオSBD音源。

これはオープニングから"Satisfaction"冒頭イントロまでのオーディエンス音源からの繋ぎからも分かるようにVGP盤のコピー。若干VGP盤より高域の伸びを良くした様には聞こえますが、ほとんど大差なし。また、この音源の欠点でもあった、基テープの高ジェネレーションに起因する強めのヒスノイズも、現在技術をもってしても消すのは無理のようで、こちらもやはり大差なし。

ちなみにこのステレオSBD"You Gotta Move"では操作ミスからなのか、1コーラス目の終わりから2コーラス目の途中まで、機材のチェック音と思しきピー音が入っており、VGP盤はそれをそのまま収録していますが、SODD盤はその部分を後述するオーディエンス音源にて補填。ただし、そのオーディエンス音源で前面に出ている手拍子で音量レベルを合わせてしまっている為、音源が切り替わった際、演奏が小さくなってしまっているのがやや残念。

また、ディスク2冒頭にあたる"Dead Flowers"の曲前MCに関しては、VGP盤はカットのままにしておいたのに対し、SODD盤はやはりオーディエンス音源を補填。こちらはさほど違和感なく、聞き流すことが出来ます。

その"Daed Flowers"、VGP盤が基にしたステレオSBD音源のテープでは、1コーラス目のsitting thereのng thereからupholstered chairまでが欠落していたようで、ビデオモノラルSBD音源を補填していましたが、SODD盤も同様。ただ、同じくステレオSBD音源を収録しているアナログ『Hot August Night』(KNEB 876)にはそんなカットはないので、アナログから曲を丸ごと差し替えれば良いのに、これはなんとも残念な点。

lphotaugusutnight

欲を言えば、アナログの方がヒスノイズが若干少なめにつき、アナログと被る部分は全て差し替えれば尚良しだったんでしょうが、このメーカーにそこまで希望するのは酷なのかなと。

続いては、鼻歌ながら本公演目玉曲の一つである"Country Honk"を含むビデオモノラルSBD音源。

この音源に関しては、"Around And Around""Little Red Rooster""Hot Stuff""Star Star""You Gotta Move""Route 66""Wild Horses""Honky Tonk Women""Country Honk""Tumbling Dice""Midnight Rambler""Street Fighting Man"の12曲が完走で発掘されており、代表的タイトルとしてはミッドナイトビートの『The Best Of Knebworth Fair』(MB CD 088)。

bestofknebworthfair

続いて一部の補填および後半を占めるAUD音源に関して。
VGP盤は"Stray Cat Blues"をアナログ『Stones Tour Mop Up!』(A11082)から、そして"Happy""Nothing From Nothing""Outta Space""It's Only Roc'n Roll""Brown Sugar""Rip This Joint""Jumping Jack Flash"はアナログ『Everybody's Got To Do』(RR786)と同じ録音から(アナログにはなかった部分あり)補填しています。

lpstonesmopup

lpeverybodysgottodo

ただ、『Stones Tour Mop Up!』はあまり良好ではないオーディエンス音源だった為、これまた目玉曲の一つであった"Stray Cat Blues"がこの音質での収録というのが、VGP盤での残念な点でありました。

とはいえVGP盤リリース当時は"Stray Cat Blues"の音源というと、『Stones Tour Mop Up!』しかなかった為、これしか選択肢がなかったのも事実ではありますが。

そのVGP盤リリース以降、ついに『Everybody's Got To Do』(RR786)と同じ録音での全曲収録盤『The Complete Knebworth』(Shaved Disc)がリリース。

completeknebworth

ちなみに、事典執筆時には気付いてませんでしたが、今回のチェックで、基テープのジェネレーションの違いこそあれ『Everybody's Got To Do』と同音源であるということにようやく気付きました(トホホ)。

前述VGP盤でのネックだった"Stray Cat Blues"も『Stones Tour Mop Up!』に比べて、響き気味のスネアが奥に引っ込んだ上、若干の音割れもなく聴きやすい印象となっていたので、今回のSODD盤も当然Shaved盤から持ってくるかと思いきや・・・、やはり『Stones Tour Mop Up!』音源、つまりVGP盤と同じということで、せっかくVGP盤との差別化を図る絶好のポイントだったのに、それを逃すのはやはりこのレーベルならでは(苦笑)

終盤にかけての他のオーディエンス曲も、基本的にはVGP盤をコピーしている様で音質は大差なし。ここも同録音ながらShaved盤の方が若干音がすっきりとしているので、Shaved盤からコピー差し替えをすれば良かったろうに、この点も残念。

ただ、SODD盤ではVGPがカットしている"Little Red Rooster"の曲前MCをビデオ音源で、また"You Gotta Move"と"IORR"、前述の"Dead Flowers"の曲前MCをオーディエンス音源にて補填している点や、VGP盤ではオーディエンス音源だった"Stray Cat Blues"の曲前MCをビデオ音源に差し替えてあったりり、"SFM"のオーディエンスからビデオ音源に切り替わるポイントに関してもVGPはイントロ途中からなのに対し、SODD盤は前曲"JJF"の最後の1ショットからの切り替えということで、若干ながらVGPよりも手の込んだ造りとなっています。

しかし、そこまでしながら前述の"Dead Flowers"のアナログ差し替えや、VGPの難点であった"Stray Cat Blues"のShaved音源差し替えまで気付かないのが、やはりこのレーベルならではといった感じかなと。

by Hara ¦ 01:15, Monday, Jun 02, 2008 ¦ 固定リンク


『66 Route』(Godfather)
godfather66route

『66 Route』(G.R.262) 1CD

July.28 1966 International Center,Honolulu,Hawaii
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Track9-20
Feb.24 1966 Palais Theatre,St.Kilda,Melbourne,Australia (2nd Show)
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Track21,22
Mar.29 1966 L'Olympia,Paris,France
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Track23-26
Apr.18 1965 L'Olympia,Paris,France
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Track27-30
Apr.11 1967 L'Olympia,Paris,France
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

1.Introduction By Tom Moffet - Not Fade Away/2.The Last Time/3.Paint It Black/4.Lady Jane/5.Mothers Little Helper/6.Get Off Of My Cloud/7.19th Nervous Breakdown/8.Satisfaction - Outroduction By Tom Moffet/9.Introduction/10.The Last Time/11.Mercy Mercy/12.She Said Yeah/13.radio ad/14.Play With Fire/15.Not Fade Away/16.That's How Strong My Love Is/17.radio ad/18.Get Off Of My Cloud/19.radio ad/20.Satisfaction (inc.radio ad)/21.19th Nervous Breakdown/22.The Last Time
(Bonus Tracks)
23.Everybody Needs Somebody To Love/24.Around And Around/25.Time Is On My Side/26.It's All Over Now/27.Paint It Black/28.Under My Thumb/29.Ruby Tuesday/30.Let's Spend The Night Together

75,76,78,90年とリリースしてきた、Godfatherストーンズ年代別ライブシリーズ、その第5弾は1966年のブライアン期。

まず冒頭の8トラックは7月28日ハワイ公演。

この公演では同年秋のツアーを収めたオフィシャル『Got Live If You Want It!』では聴けなかった"Paint It Black"や"Mothers Little Helper"が聴ける上、チャーリーのジョークMCも聴けるという非常に貴重な放送音源。

アナログ時代からリリースされていた、この音源の代表的なタイトルといえば、
『Sold Out』(HI-916601)
soldout

『In Action』(IST 18)
inaction

『Reelin' And Rockin'』(VGP-274)
vgpreelinandrockin

『Bill Wyman's Black Box』(VGP-329)
vgpbwblackbox

とありますが、本作も若干の音質差こそあれ、これらタイトル同様に高音質での収録。

なお、冒頭の"Introduction By Tom Moffet"では音ブレがありますが、『Bill Wyman's Black Box』を除いては全て共通。その『Bill Wyman's Black Box』は音ブレがないのかというとそうではなく、なんとその部分は巧妙にカットしていたのでした。


続いては2月24日のメルボルン公演の放送音源。

こちらも"Mercy Mercy""She Said Yeah""Play With Fire""That's How Strong My Love Is"といった曲を聴くことが出来ますが、コーラスがオフのミックスとなってしまっている為、目玉の"She Said Yeah"や"Get Off Of My Cloud"といった、コーラスと掛け合いとなっている曲に物足りなさを感じてしまうのがやや難点。

ちなみに、幾つかトラックが振られている"radio ad"というのはコマーシャルのこと。また、"Satisfaction"は曲中にクレジットのアナウンスが挟み込まれた短縮編集版、

この音源を収録した代表タイトルはいずれもVGP盤で、『Do You Like The Rolling Stones』(VGP-301)と前述の『Bill Wyman's Black Box』(VGP-329)

vgpdoyoulikers

本作の音質も、これらタイトルと同様の高音質モノラルSBD録音。

なお、本作の裏ジャケではトラック9から19までが本公演とクレジットされていますが、実際は"The Last Time"の前のメンバー紹介にもチャプターが振られているので、一つずつチャプターがズレています。

そしてトラック21からボーナストラック全般にかけては、1965年から1967年にかけてのパリ公演放送音源。

裏ジャケットでは、"19th Nervous Breakdown"の次に"Get Off Of My Cloud"がクレジットされており、実際に放送もされ後述する代表的ブートにも収録されていますが。本作は何故か未収録。したがって、前のメルボルン公演で一つズレたチャプターが丁度合うようになりますがメインとされている66年の音源がカットとは何ともはや。

音質自体は90年代の放送を基にしている為、最高のモノラルSBD音源で、代表的なタイトルとしては、これまたVGPの『Still I'm Gonna Miss You』(VGP-073)や『A Rolling Stone Gathers No Moss』(VGP-101)

vgpstillgonnaimmissyou

vgparollingstonegathersnomoss

なお、"19th Nervous Breakdown""Everybody Needs Somebody To Love""Paint It Black""Let's Spend The Night Together"といった曲がフェードインしているのは放送時に被っていたアナウンスをカットしている為(何故か"Under My Thumb"には残っていますが)。

ちなみに前述のVGP『A Rolling Stone Gathers No Moss』はアナウンスをカットしない放送そのままの収録となっていますが、『Still I'm Gonna Miss You』の方は本作同様のフェードイン編集。したがって本作は基本的にはこの『Still I'm Gonna Miss You』のコピーとなるのですが、前述の"Get Off Of My Cloud"と1967年の"Satisfaction"がおそらく収録時間の都合でカット。

という訳で、せっかくのブライアン期の高音質放送音源集ではありますが、違う年代のボーナストラックを入れているのに、メインとしている1966年の"Get Off Of My Cloud"を何故かカットしていたりするので、やはり中途半端な感は否めないタイトル。

by Hara ¦ 01:06, Monday, Jun 02, 2008 ¦ 固定リンク


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