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2017年 9月
『Oakland 1989 1st Night』(-) |
『Oakland 1989 1st Night』(-) 2CD
Nov.4 1989 Oakland Alameda County Coliseum Oakland,CA
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Announcements/2.Intro.-Continenntal Drift/3.Start Me Up/4.Bitch/5.Sad Sad Sad/6.Undercover Of The Night/7.Harlem Shuffle/8.Tumbling Dice/9.Miss You/10.Ruby Tuesday/11.Angie/12.Dead Flowers/13.Rock And A Hard Place/14.Mixed Emotions/15.Honky Tonk Women/16.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Before They Make Me Run/3.Happy/4.Paint It Black/5.2000 Light Years From Home/6.Sympathy For The Devil/7.Gimme Shelter/8.Band Introductions/9.It's Only Rock'n Roll/10.Brown Sugar/11.Satisfaction/12.Jumping Jack Flash/13.Outro
1978年北米ツアー最終公演以来21年ぶりとなるオークランドでの公演、本作が収録しているのは2日連続公演の初日にあたる11月4日公演。
録れている音像が小さく、やや距離を感じる音だったりするものの、その代わりに観客の熱狂ぶりを捉えたクリアーな音質の音源で、このツアーは特にですがストーンズ自体の演奏が安定していて変化に乏しい分、こういった別の要素があったりした方が、それはそれで楽しめるものなのかもしれません。
ただ"Tumbling Dice"の途中から、右側の盛り上がりすぎた観客の調子っぱずれな歌声や叫び声がオンで入ってしまっているのはマイナスポイント。ただ幸いにもそれは次の"Miss You"までで、以降はあまりにもといったレベルのものは無くなります。
本作は、ブートに収録されているのが稀な場内暗転前のアナウンスから、花火打ち上げ時のBGM"Carmen"が終わった後のアナウンス(こちらは途中まで)までを収録していますが、カセット録音のため当然ながらテープチェンジによる欠落があります。
まずは"Dead Flowers"の曲中ですが、同日の別音源が見つからなかったのか、欠落部への補填はされていないため音飛びしたまま。
もう1つは"Happy"終了後。テレコを止めたのが曲終了直後の盛り上がった歓声部分で、テープを変えて再びテレコを回したのが観客が静まった箇所だったため、なめらかなクロスフェード処理はどうにも出来なかったようで、ここも歓声が音飛びしたようになっています。
なお、インフォには"Brown Sugar"もテープチェンジで曲中に欠落があるといった内容の記載がありましたが、そもそもこちらはテープトレードの際のダビング時のものであり、本作が基にした音源も欠落ではなく、1番を重複収録していただけのものであったことから、実際には曲中の欠落はないため、本作もノーカット収録となっています。 |
by Hara ¦ 18:39, Saturday, Sep 30, 2017 ¦ 固定リンク
『Atlanta 1989』(-) 4CD
Nov.21 1989 Grant Field,Atlanta,GA
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good
(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Undercover Of The Night/6.Harlem Shuffle/7.Tumbling Dice/8.Miss You/9.Ruby Tuesday/10.Angie/11.Dead Flowers/12.Rock And A Hard Place/13.Mixed Emotions/14.Honky Tonk Women/15.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Can't Be Seen/3.Happy/4.Paint It Black/5.2000 Light Years From Home/6.Sympathy For The Devil/7.Gimme Shelter/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash
(Disc-3)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Undercover Of The Night/6.Harlem Shuffle/7.Tumbling Dice/8.Miss You/9.Ruby Tuesday/10.Angie/11.Dead Flowers/12.Rock And A Hard Place/13.Mixed Emotions/14.Honky Tonk Women/15.Midnight Rambler
(Disc-4)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Can't Be Seen/3.Happy/4.Paint It Black/5.2000 Light Years From Home/6.Sympathy For The Devil/7.Gimme Shelter/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash
1989年Steel Wheels北米ツアー中盤のアトランタ公演を、2種の音源それぞれをメインとした完全版を収録した4枚組タイトル。
ディスク1と2は、ネット公開されたJEMS Archives音源を基とした全曲収録盤。
演奏自体は大きく捉えられており、低域軽めながらも分離の結構良い高録音。ただネット公開時からの特徴である、クリアーさを強調したかったが為に持ち上げたのではと思しき高域が耳につく箇所が結構あるので、ここはもう少し抑えて作成してもらいたかったところ。
また、録音者の周りがかなり騒がしく、最初の"Start Me Up"では叫び声や手拍子をかなり拾ってしまっており演奏が埋もれがちになるところも・・・。"Bitch"を過ぎると観客も落ち着いてきたようで、以降は幾つかの曲の盛り上がる部分や曲間で騒がしく感じる程度のものとなるので許容範囲内かと。
基がカセット録音につき、テープチェンジによる欠落部にはディスク3と4で使われている音源が補填されています。欠落部は"Dead Flowers""Happy""Satisfaction"の終了後となっていますが、補填されているのは"Dead Flowers"と"Happy"終了後の2箇所で、"Satisfaction"終了後については、もう片方の音源も欠落しているので補填は無し。ただその"Satisfaction"終了後、基音源同様にカットアウト・カットインの単純に繋げただけとなっていることから、歓声が音飛びしているので、ここはクロスフェード処理をしておいてあった方が尚良かったような気もします。もっともこの部分はアンコール前の歓声部なので、どうでもいい箇所ではありますが・・・。
その他2つの欠落箇所の補填部、どちらも補填音源に変わったとたんにヒスノイズが増えた割には高域が抑えられ、やや低域が持ち上がった印象を受けますが、曲間での楽器音が幸いにもなく、"Happy"が終わった後のキースの一言以外は観客のざわめきだけなので、さほど違和感を覚えるものではありません。
ディスク3と4は、本公演を収録した既発CD『Back In Business』(BIG 034/35)のリマスターをメインとし、
欠落箇所をディスク1と2に使われたJEMS音源を補填しての全曲収録盤。
この『Back In Business』、事典で書いたように、音は若干遠目で低音がややぼやけてはいるものの、マイルドな聴きやすい音質の良好録音。
ディスク1と2のJEMS音源が中高域寄りのパシャパシャとした音質だったのに対し、『BackIn Business』の音質は中低域寄りの落ち着いた印象を受ける音となっていることに加えて、録音者の周りも比較的静かなので聞きやすかったりはしますが、その反面としてギターがやや引っ込み気味に聞こえるため、どちらの音源も一長一短といったところ。
また『Back In Business』は残念ながら全曲収録ではなく、オープニングの"Continnental Drift"の他、"Sympathy For The Devil""Gimme Shelter""Jumping Jack Flash"の後半3曲が未収録ということに加えて、ピッチが低いといった難点も抱えていたタイトルでもありました。
本作はピッチ修正はもちろんのこと、基の音質がやや地味目と感じたのか、全体的に高域を明るくした音造りとしていますが、その結果として逆に中高域が耳につく箇所が増えてしまっているので、ここはあくまでも元の『Back In Business』の音質を尊重してもらいたかったところ。
『Back In Business』は先に触れた未収録4曲に加えて、"Angie""Midnight Rambler""You Can't Always Get What You Want""Gimme Shelter"終了後の4箇所にテープチェンジを主とした欠落があり、"Gimme Shelter"の後のサポートメンバー紹介ではボビー・キーズ以外の紹介部分がカットされてもいたりしました。
本作はそれら欠落箇所にディスク1と2で使われていたJEMS音源が補填されていますが、『Back In Business』音源を高域持ちあげて明るめな音造りとはしているものの、JEMS音源の方の高域を抑える等していないため、やはり音質差が生じてしまっており、楽曲というよりは、どちらかというとそれ以外の曲間部でやや違和を感じる部分があったりしますが、それほど極端なものではないものの、JEMS音源本来の音はディスク1と2で聞けるので、こちらのディスクではもう少し調整をしてもよかったのではという気も。
なお、事典でも触れてはいますが、ボックスセット『Rolling Stones Steel Wheels North American Tour 1989』(WLR-2126)に収録されているこの日の音源は、『Back In Business』の丸コピーですので、欠落や難点はそのまま。
この日の演奏にも触れておくと、"Satisfaction"を始める前にキースが変な音を出してしまい、ミックが心配したのか声をかけているのがまず耳を惹きますが、それ以外では"Miss You"でのロニーのギターソロが、普段聞きなれたフレーズをほとんど弾いていないというのが新鮮だったりします。とはいえ、この時期のブートがほとんどリリースされていないので、このライブだけのものなのかどうかは不明ではありますが・・・。 |
by Hara ¦ 10:22, Wednesday, Sep 27, 2017 ¦ 固定リンク
『The KBFH Broadcast Master From The Joe Maloney Archive』(SF-73) |
『The KBFH Broadcast Master From The Joe Maloney Archive』(SF-73) 4CD
Sep.9 1973 Empire Pool,Wembley,UK
Oct.17 1973 Foret Nationale,Brussels,Belgium (1st Show)
Feb.13 1993 Orpheum Theatre, Boston,MA,USA
Disc-1&2
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
Disc-3&4
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Brown Sugar(10/17 1st)/2.Happy(9/9)/3.Dancing With Mr.D(10/17 1st)/4.Angie(10/17 1st)/5.You Can't Always Get What You Want(10/17 1st)/6.Midnight Rambler(10/17 1st)/7.Rip This Joint(10/17 1st)/8.Jumping Jack Flash(10/17 1st)/9.Street Fighting Man(9/9)/10.KBFH Outro
(Disc-2)
1.Gimme Shelter(9/9)/2.Tumbling Dice(10/17 1st)/3.Brown Sugar(10/17 1st)/4.Doo Doo Doo Doo Doo(9/9)/5.Angie(10/17 1st)/6.Honky Tonk Women(10/17 1st)/7.Midnight Rambler(10/17 1st)/8.All Down The Line(10/17 1st)/9.Street Fighting Man(9/9)/10.Inteview with Mick Jagger And Charlie Watts/11.KBFH Outro
(Disc-3)
1.Brown Sugar(10/17 1st)/2.Happy(9/9)/3.Gimme Shelter(9/9)/4.Tumbling Dice(10/17 1st)/5.Doo Doo Doo Doo Doo(9/9)/6.You Can't Always Get What You Want(10/17 1st)/7.Dancing With Mr.D(10/17 1st)/8.Angie(10/17 1st)/9.Honky Tonk Women(10/17 1st)/10.Midnight Rambler(10/17 1st)/11.Rip This Joint(10/17 1st)/12.Jumping Jack Flash(10/17 1st)/13.Street Fighting Man(9/9)/14.Inteview with Mick Jagger And Charlie Watts/15.KBFH Outro
(Disc-4)
1.Album Network Intro/2.How I Wish/3.Wicked As It Seems/4.Gimmie Shelter/5.999/6.Will But You Won't/7.Before They Make Me Run/8.Eileen/9.Happy/10.Take It So Hard/11.Album Network Outro
アメリカの有名テーパーであるジョー・マロニー氏のエアチェック音源を集めた4枚組縦長ボックス。
ディスク1から3までの3枚は、1974年と1975年にアメリカのラジオ番組「King Biscuit Flowers Hour」が放送した、ストーンズ73年欧州ツアー特集3回分。
このマロニー音源、73年3回分については3枚組CD『KBFH Broadcasts』(Moonchild Records)にて既にブート化されており、ここでも紹介していますが、あらためて触れておきますと。
ディスク1は1974年9月29日放送回、ディスク2が1974年11月24日放送回。
この2回の放送で、アナログLP時代の名盤『Europe'73』収録曲全曲をカバーしてはいますが・・・。
この放送を基にして作成された幾つものブートがステレオ収録だったのに対し、本作が収録しているこのマロニー音源は何故かモノラル。メジャー音源故に音質や程度の差こそあれ、ステレオ音源自体が今やそれなりに簡単に手に入るだけに、わざわざ他より劣るこの音源をボックス仕様にしてブート化するのはどうなのかなといった感が。それに加えて中高域強めのやや聞き疲れする音となっているのもマイナスポイント。
そしてディスク2の"Street Fighting Man"はイントロで音飛びした上、ヴォリュームが一瞬上がったりしていますが、これもこのマロニー音源のみ。ディスク1に同じ演奏がモノラルで入っているので、これを補填するという手もあったはずなんですが、あくまでもマロニー音源に忠実にということなんでしょうか。
このような音源でも、幾つかの他にはない聴きどころがあるのが救いといった感じで、そのうちの1つがディスク1とディスク2それぞれの最後に収録されている"KBFH Outro"。次週予告や番組クレジットを述べているだけのトラックではあるものの、ディスク1の方の"KBFH Outro"では、"Street Fighting Man"終了後の場内の様子がクレジットのバックで流されており、そこでは終演を知らせるエルガーの"威風堂々"や場内アナウンスを聴くことが出来ます。
また、ディスク1と2の双方"Angie"の後に入るDJコメントをくっきりと聞くことが出来るのもこのマロニー音源のみ。
ディスク3は1975年6月29日放送回。
放送された曲自体はディスク1と2でカバーされていますが、大体のコンサートの曲順で放送されているのがポイント。"All Down The Line"が未収録なのが残念ではありますが、LP時代の名盤『Nasty Music』はこの放送から作成されているようです。
こちらはヒスノイズ多目ながら高音質ステレオ収録されていますが、"Honky Tonk Women"は微妙に頭欠けのフェードインとなってしまっているという既発に劣るポイントが・・・。
"Doo Doo Doo Doo Doo""Angie""Midnight Rambler"の後に入っているDJコメントと、14トラック目のミックのインタビュー、そして最後の"KBFH Outro"はこのマロニー音源のみ。この75年放送分の"KBFH Outro"でもバックに場内の歓声が流されていますが、コンサートの前なのか後なのかは不明。
ディスク4は、その73年欧州ツアーから20年後の1993年に実施された、キースの『Main Offender』リリースに伴う北米ソロツアーより2月13日のボストン公演。
本作が収録しているのは、アメリカのラジオ局The Album Networkが93年4月5日に、そのボストン公演を放送した「Keith Richards On Tour In America」という番組。
残念ながらコンサートの抜粋で、放送されたのはこの日演奏した18曲中の半分となる9曲。
このボストン公演は、日本ではWOWOWでテレビ放送されたこともあり、古くは『Rock'n Roll Babylon』(DGCD 021-2)や比較的新しめなタイトルとしては『The Orpheum Theter 1993』(KR930213R)といった全曲収録のブートCDやDVDが幾つもリリースされている中での・・・
これもまた本作の聴きどころとなるのは、ディスクの最初と最後のトラックに収録されているDJアナウンス。
ラストの"Album Network Outro"で、DJアナウンスのバックで流れるのはアルバムテイクの"999"ですが、曲が始まってから歌に入るまでを倍以上に長く引き伸ばした独自編集を聞くことが出来ます。ただし、当然ながら歌が入って少ししたら番組自体が終わるので、曲を最後まで聞くことは出来ませんが・・・。
なお、このディスク4の音質もディスク1から3と同様、高域が耳につく音造りとなってしまっています。 |
by Hara ¦ 23:26, Monday, Sep 25, 2017 ¦ 固定リンク
『Los Angels 1989 1st Night』(-) |
『Los Angels 1989 1st Night』(-) 2CD
Oct.18 1989 Memorial Coliseum,Los Angeles,CA
Stereo Audience Recordings
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Continenntal Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Undercover Of The Night/6.Harlem Shuffle/7.Tumbling Dice/8.Miss You/9.Ruby Tuesday/10.Play With Fire/11.Rock And A Hard Place/12.Mixed Emotions/13.Honky Tonk Women/14.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Little Red Rooster/3.Happy/4.Paint It Black/5.2000 Light Years From Home/6.Sympathy For The Devil/7.Gimme Shelter/8.Band Introductions/9.It's Only Rock'n Roll/10.Brown Sugar/11.Satisfaction/12.Jumping Jack Flash/13.Outro
1989年Steel Wheelsツアー中盤のハイライト、ニューヨーク6公演に挟まれる日程で行われた、ロサンジェルス4連続公演の初日にあたる10月18日公演全曲収録盤。
この公演を収録した既発タイトルは3枚組LPの『Love You Live Los Angels』(SL 87037)
曲中カットなしの全曲収録盤で、遠目の録音ながら演奏を大きく捉えてはいるものの、観客の話し声や歓声等が一部耳障りに感じる箇所も。全体的に若干割れ気味なのに加え、中域中心で低音をあまり拾っていないというレンジの狭い音質。そしてこのLPはピッチが遅いため、再生時の調整が必要という難点もあったりします。
さて本作ですが、LPとは別のオーディエンス音源から作成。
やや奥に引っ込んだ印象を受ける曲があったりはするものの、全体的な音の近さは既発LPとさほど変わらず。曲によって分離が悪くなるものもありますが、総じて各パートの音がきちんと聞こえる良好な音源。周りの賑やかさも既発LPに負けず劣らずといった印象ですが、耳障りに感じるといった箇所は無し。
本作もやや低域が不足気味の軽めな音ではあるものの、全体的な音の鮮明差は既発LPとは段違いに本作の方が上。ただし曲によってはそのクリアーな高域が耳につく箇所もあったりするので、もう少し高域を押さえ気味にしてもよかったのではという気も。
終演後の花火打ち上げ時に場内に流す"Carmen"とそれに続くアナウンスまで収録した全曲収録タイトルですが、カセット録音なので当然ながらテープチェンジによる欠落が3箇所あり、その部分の欠落状況よって既発LPからの補填等の編集がされています。
まずは"Rock And A Hard Place"終了直後。
ここは楽曲への影響がない箇所だったことから補填処理をせず単純に繋いだだけのようですが、曲が終わった後で右チャンネルから聞こえる1秒にも満たない歓声がブツ切れ状態のままなので、ここはこの歓声をうまく消去して編集してもらいたかったところ。
続いては"Paint It Black"終了後から"2000 Light Years From Home"冒頭のキーボードとサンプリングによる導入部約4秒。
ここは既発LPから音質調整した上で補填をしていますが、その部分の歓声が騒がしくなるものの音質差は無いため、ほとんど違和感は無し。ただ、補填した音源について、せっかく音質を合わせてはいるものの定位までは修正しなかったようで、その箇所が右寄りとなってしまっているのがちょっと残念。
そして最後が"Satisfaction"終了後から"Jumping Jack Flash"イントロのドラムが入る直前まで。
"Jumping Jack Flash"が始まる寸前からリフ1回をLPから補填しており、ここも音質はほとんど変わらず聞くことが出来ますが、補填部の定位が右に寄っているのは前の箇所同様。
この日はキースコーナーが1曲カットされて"Happy"のみというある意味レアな公演だったりしますが、当然それが聞きどころとなるわけがなく、本作で耳を惹くのは"2000 Light Years From Home"。
キーボートとサンプリングの導入部が終わり、キースによるギターの単音リフが入ってくるまでは良かったのですが、その単音リフに被ってくるはずのメロトロンフレーズが一向に始まらず、通常の倍となる4小節もその単音リフ部が長くなってしまっています。結局メロトロンフレーズが被らないまま曲に突入しますが、今度はミックが歌っている最中に導入部のサンプリング部分と思しきシンセ音がバックで鳴りだしてしまうというアクシデント。
シーケンサーの暴走(?)はこれだけでなく、"2000 Light Years From Home"から次の"Sympathy For The Devil"へ繋ぐ際のキーボード両者のソロパートが始まるところでも、突如"Sympathy For The Devil"のパーカッションシーケンスが鳴りだしてしまい、それを慌てて止めるという、何ともイレギュラーな演奏を聴くことが出来ます。 |
by Hara ¦ 17:01, Sunday, Sep 24, 2017 ¦ 固定リンク
『Handsome Girls Lexington』(DAC) |
『Handsome Girls Lexington』(DAC-178) 2CD
June.29 1978 Rupp Arena,Lexington, Kentucky
(※)Disc-2 Track8,9
June.28 1978 Mid-South Coliseum,Memphis,Tennessee
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(※)Disc-1 Track1-5, Disc-2 Track1-3
Mono Audience Recording
Quality:Very Good - Good
(※)Disc-2 Track4
Mono Soundboard Recording
Quality:Very Good - Good
(Disc-1)
1.Let It Rock/2.All Down The Line/3.Honky Tonk Women/4.Star Star/5.When The Whip Comes Down/6.Miss You/7.Lies/8.Beast Of Burden/9.Shattered/10.Just My Imagination/11.Respectable/12.Far Away Eyes
(Disc-2)
1.Love In Vain/2.Tumbling Dice/3.Happy/4.Hound Dog/5.Sweet Little Sixteen/6.Brown Sugar/7.Jumping Jack Flash/8.Shattered/9.Hound Dog
『Handsome Girls Detroit』(DAC-171) 『Handsome Girls Houston』(DAC-172)に続く、サウンドボード音源+オーディエンス音源による、ラジオ番組「King Biscuit Flower Hour」放送公演全曲収録シリーズ第三弾。
アルバムタイトルからして分かるように、本作が収録しているのはツアー中盤6月28日のレキシントン公演。
ラジオ音源は、"Miss You""Lies""Beast Of Burden""Shattered""Just My Imagination""Respectable""Far Away Eyes""Sweet Little Sixteen""Brown Sugar"Jumping Jack Flash"の10曲。
これまでこの10曲をまとめて聞けたタイトルとしては、Dandelion『Handsome Girls』(DL030-33)とDevil Production『Handsome Girls Definitive Version』(DPCD-09/10/11/12)がありましたが、これらのタイトルはどちらもメインのTSP『Handsome Girls』のコピー部分と、ボーナス扱いで収録されているTSP盤未収だったレキシントン公演からの"Brown Sugar"と"Jumping Jack Flash"の2曲の音質が、かなり差があったりしましたが、本作は10曲全てほぼ同等の音質で聞ける現時点では唯一のタイトルとなっています。
とはいえ、本作も"Brown Sugar"と"Jumping Jack Flash"については新たなテープから起こされてるわけではなく、"Jumping Jack Flash"後半の音ブレが『Hound Dog -The Lost Handsome Girls-』(-)や、その音圧アップの再発タイトル『The Lost Handsome Girls』(-)と同じ箇所で生じていることから推測するに、これらタイトルと同じくLP『Live From England 1974』(-)から音質を調整して収録しているようです。
ちなみに"Brown Sugar"は、大元の放送でアナウンスが被っていたのを嫌ってなのかどうなのかは分かりませんが、イントロが欠けており、『Hound Dog -The Lost Handsome Girls-』と『The Lost Handsome Girls』は、頭3音を7月19日ヒューストン公演の音を補填してノーカットで聞けるようにしていたのに対し、本作はその部分にオーディエンス音源を補填することなく、フェードインで曲が始まる編集となっています。
なお、レキシントン公演からは楽曲以外の部分として、"Let It Rock"を始める前のミック自身によるバンドコールも放送されていましたが、本作は続くオーディエンス音源との音質の落差を嫌って、この部分についてはラジオ音源を使わずオーディエンス音源での収録としています。
ただ、残念ながらオーディエンス音源の方はミックのコール後からの収録となっているので、ミックのコール自体を本作では聞くことが出来ず。
この本作未収のバンドコール放送版、他の収録タイトルにも触れておくと、TSP『Handsome Girls』未収録音源集である『Hound Dog -The Lost Handsome Girls-』と『The Lost Handsome Girls』の他、レキシントン公演からの8曲をまとめて放送した「King Biscuit Flower Hour」1979年6月24日放送回を収録したタイトル
『King Biscuit Flower Hour("Don't Look Back)』(KBFH CD-001-2)と『Just Another Gig』(MAG 901401)があります。
このレキシントン公演、78年ツアーのレア曲"Hound Dog"を前日のメンフィス公演に引き続いて演奏しており、この曲のみモノラルのサウンドボード音源が流出していて、こちらもまた『Hound Dog -The Lost Handsome Girls-』と『The Lost Handsome Girls』にてブート化されていましたが、本作の"Hound Dog"もこのモノラルサウンドボード音源を採用。
既発よりもヒスノイズは多いものの、モコモコとした音だった既発に比べてクリアーな音に仕上げており、聞きやすさは本作の方が上となっています。
あとの"Let It Rock""All Down The Line""Honky Tonk Women""Star Star""When The Whip Comes Down""Love In Vain""Tumbling Dice""Happy"の8曲がオーディエンス音源。
やや団子気味のモノラル録音ですが、それなりに大きく演奏を拾っているので、耳が鳴れれば充分聞けるレベルのもの。とはいえ、メインが高音質のステレオサウンドボード音源なだけに、音源切り替わり時の音質差はかなりのものとなってしまってはいますが・・・。
そのオーディエンス音源で耳を惹くのが"Tumbling Dice"。曲頭の歌い出しが完全にオフになっているというトラブルが起こっています。
この"Tumbling Dice"、ラジオ放送された7月6日デトロイト公演では、間奏後のミックのヴォーカルが会場では出ているにも関わらず、放送ではオフになっているというトラブルが、また7月19日のヒューストン公演ではミックが構成を間違えた挙句、放送禁止用語を発したためにピー音処理して放送、そしてこのレキシントン公演ではマイクトラブルと色々ありますが、収録4公演のうち唯一問題のなかったのがメンフィス公演だったにも関わらず、ラジオで採用されなかったというのが何とも不思議なところ。
本作のディスク2ラスト、8曲目と9曲目にボーナス扱いとして収録されているのは、そのメンフィス公演からのラジオ放送音源"Shattered"と"Hound Dog"。本作にこの2曲のラジオ放送音源が収録されたということは、さすがにメンフィス公演からはこの2曲しか採用されていないので、Handsome Girlsシリーズとしてのリリースはしないというメッセージなのでしょう、きっと。 |
by Hara ¦ 01:43, Saturday, Sep 23, 2017 ¦ 固定リンク
『Atlanta 1975』(-) 2CD
July.30 1975 The Omni Coliseum,Atlanta,GA
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
(※)Disc-1 Track.2,Disc-2 Track.6,7
Mono Audience Recording
Quality:Very Good - Fair
(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/5.Star Star/6.Gimme Shelter/7.Ain't Too Proud To Beg/8.You Gotta Move/9.You Can't Always Get What You Want/10.Happy/11.Tumbling Dice/12.It's Only Rock'n Roll
(Disc-2)
1.Band Introduction/2.Fingerprint File/3.Wild Horses/4.That's Life/5.Outa Space/6.Brown Sugar/7.Midnight Rambler/8.Rip This Joint/9.Street Fighting Man/10.Jumping Jack Flash
1975年アメリカツアー終盤、アトランタ公演全曲収録盤。
この公演は、タランチュラの『Live In Hot'Lanta』(TCDRS-9-1,2)にてブート化されていましたが、本作が収録している音源も同じもので、一部オーバーレベルと思しき歪みがあるものの演奏自体を大きく捉えた、この時代のオーディエンス録音としては良好な部類のもの。
気になる叫び声や手拍子の類は、"Star Star"と"Brown Sugar"SFM""JJF"といった盛りあがる曲の一部で入るのみで、十分許容範囲。
残念ながら、タランチュラ盤より状態の良いテープからの作成とはならなかったようで、本作もまた基テープの劣化による欠落が生じています。
"Honky Tonk Women"は2コーラス目の途中から音がグニャグニャによじれてしまっていたことから、キースによるファーストギターソロ部分の大半はカットされて聴くことが出来ないのは、本作も同様。
2回目のテープチェンジにあたる"Brown Sugar"の終盤から"Midnight Rambler"の頭にかけての激しい音のよじれについても、また同様。
テープチェンジによる欠落は、その"Brown Sugar"の終盤から"Midnight Rambler"の冒頭と、"You Can't Always Get What You Want"終盤のサビを繰り返す部分から曲が終わった直後までの2箇所。
音質はというと、タランチュラ盤が中域中心の音だったのに対し、本作も当時の一般的なカセット録音の音質ではあるものの、本作の方が基カセットに収められていた音に近いと思しきバランスの良い聞きやすいものとなっていることに加え、タランチュラ盤の方はヒスノイズ除去処理の影響により音の余韻が不自然なところがあったりしましたが、本作の方は除去処理していない分、ヒスノイズはあるものの、不自然な印象を受ける箇所は無し。
また、タランチュラ盤では、ライブ頭から"Star Star"あたりまではモコモコしていて、"Gimme Shelter"から若干高域が明るくなるといった特徴がありましたが、本作はそのような音質変化なく均一な音となっています。
演奏については、"Street Fighting Man"の間奏後にミックが迷子になるあたりが耳を惹きますが、後はこれといって書くべきことのない平均的なもの。
なお、これはどうでもいいことではありますが、本作の表ジャケットの裏面ならびに裏ジャケットのメンバークレジット。
バンドメンバーとサポートメンバーを一行空けて区切っていますが、ロニーがバンドメンバー側にクレジットされてしまってます。
75年ツアーに関してはサポートだったので、本来は一行空けた後の方に載せるのが正解かと。
本作と同系列がリリースしていた75年シアトル公演はきちんと分かれていたのですが・・・。 |
06:57, Friday, Sep 22, 2017 ¦ 固定リンク
『The Rolling Stones On Air 1964-1969』(DAC) |
『The Rolling Stones On Air 1964-1969』(DAC-173) 1CD
Compilation Album
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent
(※)Track6-18,24
Mono Soundboard Recording
Quality:Very Good
1.I Wanna Be Your Man/2.You Better Move On/3.Not Fade Away/4.I Just Make Wanna Love To You/5.I'm Alright/6.Everybody Needs Somebody To Love〜Pain In My Heart/7.Around And Around/8.The Last Time/9.Everybody Needs Somebody To Love/10.Around And Around/11.If You Need Me/12.What A Shame/13.Time Is On My Side/14.Down The Road Apiece/15.Everybody Needs Somebody To Love/16.Everybody Needs Somebody To Love〜Pain In My Heart/17.I'm Alright/18.The Last Time/19.Carol/20.Tell Me/21.Interview/22.Not Fade Away/23.I Just Want To Make Love To You/24.Satisfaction/25.Sympathy For The Devil/26.You Can't Always Get What You Want/27.Honky Tonk Women
DACによるテレビ放送音源集。
最初の2トラックは64年2月7日収録、翌8日放送の英国テレビ番組「The Arthur Haynes Show」から"I Wanna Be Your Man"と"You Better Move On"。
オフィシャルビデオ『25テ�5』では"You Better Move On"が、また映画『Crossfire Hurricane』のボーナス映像として2曲共公式にリリースされていますが、当時のテレビ映像をフィルムとして保存するための変換作業の際にピッチが若干遅くなってしまっていたようで、事典でこの音源の代表盤として挙げた『Dartford Renegades』(DAC-018)含め、これまでのタイトルの大半が全体的に僅かながらフラット気味となっていたのを、本作は調整して正しい音程で聞けるようにしているというのがポイント。
続いては64年4月26日に開催された、イギリスの音楽誌「New Musical Express」略してNME誌が主催するオムニバスイベント「NME Pollwinner's Concert」から"Not Fade Away""I Just Make Wanna Love To You""I'm Alright"。
この3曲も映画『Crossfire Hurricane』のボーナス映像としてリリース済み。ただ、音声だけ気軽に楽しみたいとなると、やはりブートということになりますが、幾つもある収録盤の中から事典で代表盤として挙げたのが『All Those Years Ago』(VGP-079)。
『All Those Years Ago』は耳につかない程度に持ち上げた高域がバランス良く、すっきりとした感じの音に仕上がっていたのに対し、VGP/DACとしてこの音源4度目のリリースとなる本作は、音の重心を下げた落ち着いた印象のものに仕上げています。
ちなみにこの音源を収録しているVGP/DACの『Animal Duds』(DAC-064)、は本作と同傾向の落ち着いた印象の音造りですが、高域部がダビングを経たような質感となっており、本作の方が明瞭な音で聞くことが出来ます。
トラック6から9は、翌65年4月11日開催の「NME Pollwinner's Concert」から"Everybody Needs Somebody To Love〜Pain In My Heart""Around And Around""The Last Time""Everybody Needs Somebody To Love"の5曲。
これもまた映画『Crossfire Hurricane』のボーナス映像としてリリースされていますが、この公演については全曲ではなく"Pain In My Heart"と"The Last Time"の2曲のみ。
ブート映像の方では頭4曲がブート化されていますが、残念ながら最後の"Everybody Needs Somebody To Love"は映像自体が残されていないようで、こちらでも未だ観ることが出来ません。
ただし音声の方では、放送当時にテレビのスピーカーから出た音をマイクで録音したエアチェック音源が残されていたことから、この公演全曲を聴くことが出来ており、『Down The Road Apiece』(BW 6167)やボックス『Live In The SIxties』(WLR-2145)、そして事典で代表盤として挙げた『Animal Duds』(DAC-064)やといったタイトルは頭からの4曲をブート映像から持ってきて、最後の"Everybody Needs Somebody To Love"をこのエアチェック音源という最良の組み合わせでリリースされてきましたが、本作が収録しているのは、このエアチェック音源の全長版。
このエアチェック音源を収録した既発タイトルは3種あり、それぞれの特徴は事典に記載しましたが、ここであらためて載せておくと・・・。
LP『Animal Duds』(MR 85-2)は、ヒスノイズが強烈な上にピッチ遅く、ラスト"Everybody Needs Somebody To Love"の最後の最後で音飛び。
LP『Pollwinner's Concerts 1964 & 1965』(MDR-2)は、全体的にコモった軽めの音でヴォーカルだけが歪んでいるといったもの。ラスト"Everybody Needs Somebody To Love"は曲が完全に終わりきらないうちでのフェードアウト。
CD『The Early Rolling Stones Live 1964-1967』(BGCD 029)も、低域がほとんどないような感じのこもった音でピッチも遅く、ラスト"Everybody Needs Somebody To Love"は途中でフェードアウト。
さて本作ですが、ピッチは当然ながら正常で、ヒスノイズも少な目。既発3種がどれも中域中心の軽めの音だったのに対し、低域もそれなりに入って音のバランス面ではかなりの改善となっていて、この音傾向は"The Last Time"のエンディング以降を補填として使っていた同じDACの『Animal Duds』(DAC-064)と同じ。
この音源、当時エアチェックした人がテープを節約しようとしたのか"Around And Around"が終わった際にテレコを一旦止めた様で、オープニングの"Everybody Needs Somebody To Love"や"The Last Time"は録音開始が間に合わず、僅かながらの音欠けを起こしているのは他盤同様。
また、肝心のラスト"Everybody Needs Somebody To Love"でも曲が完全に終わりきっていないうちにテレコを止めようとしたようで、まだ音の余韻が残っているところで音源終了。このことがあったため、既発の大半はフェードアウト処理がされていましたが、本作はLP『Animal Duds』同様に、テレコのヘッドがテープから離れる際のギュインという音まで収録されています。
続くトラック7の"Around And Around"からトラック18の"The Last Time"までは、イギリスのテレビ番組「Ready Steady Go」より、64年8月7日、65年1月15日、65年4月9日放送の3回分。これらの回は映像が残っていないため、ここでは当時のエアチェック音源を収録。
「Ready Steady Go」のストーンズ出演回については、現在聞くことが出来る8回分22曲全てをDAC『Animal Duds』(DAC-064)が網羅していましたが、本作が収録している3回分は、いずれもその音質向上版。
DAC『Animal Duds』に比べると低域がややすっきりとした印象。また64年8月7日、65年1月15日の2回に関しては、DAC『Animal Duds』の方は圧縮音源特有のシュワシュワしたノイズが一部聞こえたりしていましたが、本作はそのようなノイズは無し。テープ節約のためのテレコのスタート・ストップによる曲の頭欠けや尻切れについては当然ながら変わらず。
1月15日の"Down The Road Apiece"は、イントロフレーズのスタジオ版より上がっているため、キーが高くなっているように聞こえますが、実際はメーカーインフォにあったようにキーAをGに1音下げているというレアなもの。
トラック19"Carol"からトラック23"I Just Want To Make Love To You"までは、アメリカのTV番組「Mike Douglas Show」から。
この番組については、オフィシャルではDVD『Mike Douglas: Moments & Memories』(D4330)で頭欠けながら"Not Fade Away"のみ、またブートではDVD『Rolling Sixties』(GP1206DVD1/2)にて"Carol""Tell Me""Interview"、そして"Not Fade Away"を観ることが出来ましたが、本作はこれらの曲に加えて新たに"I Just Want To Make Love To You"を聞くことが出来るようになっています。
DVD『Rolling Sixties』、そしてこのショーの音源の代表盤として事典で挙げた『This Is Rhythm And Blues !』(DAC-115)では、"Carol""Tell Me""Interview"の3トラックがタイムコード入りの流出素材映像から、"Not Fade Away"は後年の再放送からということで、どちらも若干の音質差があったりしましたが、本作は5トラック全てクリアーな高音質の同一音源からのブート化。
この音源、"I Just Want To Make Love To You"が聞けるようになったことに加えて、流出素材映像から再放送に音源が切り替わる際に欠落してしまった"Not Fade Away"前の曲紹介MCも、ノーカットで聞くことが出来るようになっています。
ちなみにその"I Just Want To Make Love To You"と"Tell Me"はレコードに合わせた口パク演奏。
なお、5トラック全てを収録したタイトルは他に、事典出版後にリリースされた6枚組ボックス『The Ultimate Masters』(UEO24)があり、本作同様のクリアーな音質なものの、こちらはトラックが変わるたびに2秒の空白が生じてしまっているという欠点あり。
トラック24の"Satisfaction"は、LPでは『Don't Lie To Me』(BP-003)や『The Riot Show/Berlin 1965』(MDR-1)等幾つかのタイトルにて、CDでは『On Tour』(RS-3012)でブート化されていた音源で、VGP/DACとしては初のブート化。
この音源、これら既発ブートでは9月13日のハンブルグ公演とされてきましたが、そのハンブルグ公演が発掘・ブート化された現在では、この演奏がどの公演からなのかが確定出来ておらず、ホフマンの「Recording Index 1961-2016」では9月12日のエッセン公演としていますが、本作では9月11〜15日にドイツで行われた公演のどれかというクレジットとなっています(事典では9月13日の本文で触れたものの、この演奏自体の項目が漏れてしまってました・・・)。
オフィシャルリリースされている9月11日ミュンスター公演1stショー同様に、ミックのヴォーカルに強めのエコーがかかっているので、ミュンスター公演の2ndショーをトラブル用の保険として実は収録していて、そちらが放送されたのではという推測も成り立つような気もしますが、はたして真相はといったところ。
音質は既発より若干高域がすっきりとした印象。なおこのトラック、曲が始まる前に25秒ほどブライアンによる曲紹介をシークレット収録していますが、こちらはこの公演からのものではなく、インフォによると翌10月のイギリスのラジオ番組「Teen Time」で放送されたものとのこと。
トラック25の"Sympathy For The Devil"は68年11月29日収録のテレビ番組「Frost On Saturday」からで、ミックのヴォーカルのみがライブというトラック。オフィシャルDVDリリースもされていますが本作もそこからではなく、事典でこの音源の代表盤として挙げた『Hyde Park Legend 1969 Complete Edition』(GP-1303CD1/2)同様に、デヴィッド・フロストによる曲の前後のコメント部分ではキーンという高周波ノイズが聞こえる音源から。
音質は同程度ですが、GP盤がデヴィッドフロストのCM前コメント途中でフェードアウトとなっているのに対し、本作はコメント後のCM前ジングルも収録しています。
トラック26と27は、69年6月16日収録のイギリスのテレビ番組「The David Frost Show」から。基本的にはミックのヴォーカルのみがライブですが、ここで使われた"Honky Tonk Women"のバッキングトラックは、オフィシャルでは聞こえないギターフレーズが入っていたりするというなかなか興味深いもの。また、シングルリリースを約半月後に控えている時の収録にも関わらず、2番をシングルとは異なるパリの歌詞で歌っているという点も興味深いところかと。
事典では幾つかある収録盤の中で『Hangout』(WPOCM 0290 D 047-2)を代表盤としておきましたが、本作はそれよりもはるかに高音質にて収録されています。
なおこの2曲は、ディスク1とディスク2の2枚に分かれて収録されてしまっているのがなんとも不便ながら、DVD『Rolling Sixties』(GP1206DVD1/2)で観ることが可能。
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by Hara ¦ 23:26, Monday, Sep 18, 2017 ¦ 固定リンク
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