The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 

『KBFH Broadcasts 2』(Moonchild Records)
moonchildkbfh2

『KBFH Broadcasts 2』(Moonchild Records) 2CD

Oct.17 1973 Foret Nationale,Brussels,Belgium (1st Show)
June.29 1978 Rupp Arena,Lexington, Kentucky
July.6 1978 Masonic Temple Auditorium,Detroit,Michigan
July.19 1978 Sam Houston Coliseum,Houston,TX
Nov.25 1981 Rosemont Horizon,Des Plaines,IL
Dec.1 1981 Silverdome,Pontiac MI
Dec.9 1981 Capital Arena,Largo,MD
Dec.13 1981 Sun Devil Stadium,Phoenix,AZ
Dec.18 1981 Hampton Coliseum,Hampton Roads,VA

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.KBFH Intro/2.Miss You(12/18 '81)/3.Hang Fire(12/13 '81)/4.Beast Of Burden(11/25 '81)/5.She's So Cold(12/9 '81)/6.Honky Tonk Women(7/19 '78)/7.Shattered(6/29 '78)/8.Tumbling Dice(7/6 '78)/9.Jumping Jack Flash(7/19 '78)/10.Brown Sugar(10/17 1st '73 Remix)/11.Gimme Shelter(10/17 1st '73)/12.Happy(10/17 1st '73)/13.KBFH Outro
(Disc-2)
1.KBFH Intro/2.Under My Thumb(12/1 '81)/3.Let's Spend The Night Together(12/18 '81)/4.Shatterd(12/1 '81)/5.Beast Of Burden(11/25 '81)/6.She's So Cold(12/9 '81)/7.Hang Fire(12/13 '81)/8.Miss You(12/18 '81)/9.Honky Tonk Women(7/19 '78)/10.Brown Sugar(12/9 '81)/11.Start Me Up(12/9 '81)/12.Satisfaction(12/13 '81)/13.KBFH Outro


ディスク1は、アメリカのラジオ番組「The King Biscuit Flowers Hour」(通称KBFH)の1987年9月27日放送回を、CMカットして丸ごとディスク化したもの。

この放送回は、73年・78年・81年のライブ音源を数曲ずつチョイスして放送するという形態でしたが、この放送回は、間奏でサックスがオンにリミックスされた"Brown Sugar"、初出となる1973年ブリュッセルでの1stショーから"Gimme Shelter""Happy"が放送されたのが目玉となるもので、この放送のおかげで『Brussels Affair 1973』(CHAM 8812)や『The Lost Brussels』(VGP-088)といった名盤が生み出されたという意味でも、貴重なものであったと言えるかと。

brusselsaffair1973

vgplostbru2


この放送回については、ブートCD黎明期に『The King Biscuit Flowers Hour』(18F02)や『Stoned Through The Years』(GC 002CD)といったタイトルでリリースされていましたが、本作は久々のブート化タイトル。

thekingbiscuitflowerhour

stonedthroughyears

全体的な音質は、迫力を出そうとしたのかコンプレッサーをかなり利かせたダイナミックレンジの狭い音で、先に挙げた既発2タイトルがほとんど加工していない素直な音質だったのに比べ、質感の異なるものとなっています。

残念ながらこのディスク1はピッチが高く、全体的に音程がややシャープ気味とという難点があることから、ここは正確に合わせておいてほしかったところ。

裏ジャケのクレジットも誤りがあり、"She's So Cold"は12月13日とありますが実際は12月9日のラーゴ公演、"Jumping Jack Flash"は7月18日ではなく19日が正解。

なお、本作のディスク最初と最後に収録されている"KBFH Intro"と"KBFH Outro"。歓声をバックとしたDJアナウンスの短いトラックですが、『The King Biscuit Flowers Hour』にはノンクレジットながら収録されていたものの、『Stoned Through The Years』の方は未収録となっています。


ディスク2に収録されているのは97年の放送回。

ディスク1の方は73年・78年・81年のライブ音源を数曲ずつチョイスして放送するという形態でしたが、こちらの回は81年を主として"Honky Tonk Women"のみ78年のテイクというもので、この選曲での放送は96年にも行われているのが確認できていますが、それ以前にもあるかもしれません。

この選曲での既発タイトルは『Live In Detroit』(BOLS 005)
ラジオショーディスクからではなく、カセットによるエアチェックテープを基にしたかと思しき輪郭甘目の音で、CD化の際に失敗したのか左右のチャンネルが逆。

liveindetroit

さて本作ですが、前述したように"KBFH Intro"と"KBFH Outro"を収録しているのがポイント。

音質は、やはり本作もラジオショーディスクからのダイレクトコピーではなく、ディスク1同様のコンプレッサーを利かせたダイナミックレンジの狭め音となっています。

ディスク1と異なりディスク2の方はピッチはほぼ合っているものの、残念ながら『Live In Detroit』同様に左右のチャンネルが逆。

更に"KBFH Intro"を収録したのはポイントですが、次の"Under My Thumb"のイントロが欠けているという『Live In Detroit』にはなかった新たな欠点もあるという残念な面も。

裏ジャケットのクレジットもディスク1同様に誤りが幾つかあり、クレジットではディスク2の全曲が81年のテイクと表記されていますが、ディスク2唯一の78年テイク"Honky Tonk Women"は81年の12月18日ハンプトン公演ではなく、実際は78年のヒューストン公演から。この"Honky Tonk Women"、ディスク1に全く同テイクが収録されていますが、そちらのクレジットは合っています。

また、"Under My Thumb"は11月5日ではなく12月1日、"Shattered"は12月18日ではなく12月1日、"She's So Cold"と"Brown Sugar"が81年12月12日ではなく(そもそもこの日はライブ自体行われていない)12月9日、そして"Start Me Up"も11月25日ではなく12月9日が正解とクレジットミスが多く、このあたりにも気を使ってもらいたかったところ。

なお、オフィシャル『Still Life』とテイクが重複する2曲"Let's Spend The Night Together"と"Satisfaction"は、過去の「KBFH同様にピッチを高くシャープ気味で放送していましたが、この97年放送回も同じで、本作も修正することなくピッチは高いまま。

その2曲のうち"Let's Spend The Night Together"は、83年の「Super Groups In Concert」にて登場した、最後のサビ4小節を強引にカットしたエディットバージョンです。

by Hara ¦ 13:50, Sunday, May 14, 2017 ¦ 固定リンク


『From Paris To Hamburg 1965』(IMP)
impfromparistohamburg1965

『From Paris To Hamburg 1965』(IMP-N-051) 1CD

Track 1-13
Apr.18 1965 L'Olympia,Paris,France

Track 14-22
Sep.13 1965 Ernst-Merck-Halle,Hamburg,West-Germany

Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

1.Everybody Needs Somebody To Love/2.Around And Around/3.Off The Hook/4.Time Is On My Side/5.Carol/6.It's All Over Now/7.MC by Charlie Watts/8.Little Red Rooster/9.Route 66/10.Everybody Needs Somebody To Love/11.The Last Time/12.I'm Alright/13.Crawdad/14.Everybody Needs Somebody To Love/15.Pain In My Heart/16.Around And Around/17.Time Is On My Side/18.I'm Moving On/19.MC by Charlie Watts/20.The Last Time/21.Satisfaction/22.I'm Alright

トラック1から13は、フランスのFM局Europe 1が収録し、「Musicorama」という番組にて全曲が放送された1965年4月18日のパリ公演。

初期のコンサート全曲収録というだけでも貴重な上に音質も良く、アンコールで演奏された"Crawdad"は未発表のカバー曲ということもあって、アナログLP時代から幾多ものブートがリリースされてきており、今やハーフオフィシャルとしてもリリースされていることから手軽に入手できるという定番音源。

そんな中でのリリースとなった本作の最大のポイントが、このパリ公演を初めて正常なピッチにて音盤化しているということ。

本作は、既発タイトルと比べてピッチが低く全体的にフラット気味に聞こえますが、実際にCDに合わせて鍵盤を弾いてみたところ、たしかにほぼぴったり音程が一致していることから、本作のピッチが正常であるということ分かります。

では何故、過去にリリースされたほとんどのタイトルのピッチがおかしかったのかというと、基にしたエアチェックテープの状態というよりは、放送された番組自体が全体的にピッチ高めのシャープ状態だったのではないかと。

これを裏付けるものは何かないかと思い出したのが、『Still I'm Gonna Miss You』(VGP-073)や『A Rolling Stone Gathers No Moss』(VGP-101)が収録していた、このライブから30年後の95年12月に突如フランスのラジオ局が放送した65年〜67年のパリ公演からの抜粋番組。

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この番組では、65年のパリ公演から"Everybody Needs Somebody To Love""Around And Around""Time Is On My Side""It's All Over Now"の4曲が放送されましたが、やはりここでもピッチが高くシャープ気味となっています。

では同時に放送された66年と67年のパリ公演音源はどうかなのかというと、こちらはピッチが正常。これにより65年のパリ公演については元々高いピッチで放送されていたということが分かりますが、何故にという疑問も。少なくとも放送局もしくはストーンズ側で意図して早めたというエピソードが、これまで全く漏れ伝わってこなかったことから、おそらく収録時のテープスピードがやや遅かった、もしくは収録時と番組編集時でテープスピードが違っていたという機材の問題だったのではないかという推測が成り立つのかなと。

いずれにせよこれまで放送音源ということもあり、何の疑問も持たずにこのパリ公演をピッチが高いまま聞いてきましたが(そもそも気づいてなかったし・・・)、本作が本来のピッチで収録したことにより、今後は正しいピッチを基準とした後発タイトルがリリースされるようになるのかもしれません・・・。

さて、本作がもう1つのポイントとして挙げているのが、歓声のダブリ部分がないという点。
これは"Crawdad"前の歓声部を指しているようで、たしかに事典で代表盤の1つとして挙げた『A Rolling Stone Gathers No Moss』(VGP-101)や同じVGPの『All Those Years Ago』(VGP-079)ではこの部分の歓声がダブっていましたが(『A Rolling Stone Gathers No Moss』のタイムでいうと3分51秒あたりから3分55秒くらいまで)、本作はダブリなしで"I'm Alright"からアンコールの"Crawdad"までの1分弱程度の曲間を収録しています。

vgprollingstonegathersnomoss1

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ちなみに、このダブり無しという点については本作が初めてという訳ではなく、事典でもう1つの代表盤として挙げたGoldplate『Olympia Live In The Sixties』(GP-1302CD1/2)も同様のダブリ無しとなっています。

goldplateolympialiveinsixties

このGoldplate盤、1曲目の"Everybody Needs Somebody To Love"イントロにアナウンスが被ってしまっているという21世紀に入ってからの再放送をベースに作成されていますが、同じ再放送をベースに作成されているDAC『Paris Match』(DAC-007)の方は一部VGP音源で補完したりしているのか、ダブリのある状態となっています。

dacparismatch


トラック14から最後までは、Red Tongue Recordsのボックス『Live In Hamburg 1965』(RTR-032)にて初登場した、1965年9月13日ハンブルグ公演のサウンドボード音源。

hamburg1965

歓声も曲間にしっかりと入っていることから卓直結のサウンドボードではなく、放送用等の何らかの意図で録られたものと推測されますが、ミックを主としたヴォーカルトラックが大きめで演奏はかなり小さい音量というバランスだったりすることから、まだラフミックス段階のものかと。

このRTR盤はオリジナルリールとリマスターの2種を収録しており、オリジナルリールの方は全編プチプチというノイズが乗っていて聞きづらかったりしましたが、リマスターの方はこのノイズを消去した上、高域をクリアーにして聞きやすくしていたのが特徴。

続いてリリースされたのがDACの『The Rolling Stones In Action - German Tour 1965』(DAC-150)で、RTR盤のリマスター音源よりも高域を抑え気味にして低域に厚みを加えているという音造り。

dacrollingstonesinaction

では、それらと比べて本作はというと、まずライブ冒頭の"Everybody Needs Somebody To Love"が曲の途中からなのは既発同様ですが、RTR盤のオリジナルリール音源やDAC盤がカットインだったのに対し、本作はRTR盤のリマスター音源同様のフェードイン処理。

既発ではラストの"I'm Alright"が曲の最後の余韻部分で音源が切れて終わってしまっていましたが、本作は曲が始まる寸前の歓声をループした上で、この最後の欠落部にクロスフェードしてディスクの唐突な終了を回避しています。

ただ、ディスク前半のパリ公演では歓声のダブリをポイントとしていたのに、逆に後半のハンブルグ公演では歓声をダブらせて収録しているというのはどうかなといった感も。

トラック19のチャーリーの曲紹介で、テープ転写によるものと思しき、この公演とは関係のない音楽がうっすらと聞こえるのは全タイトル共通。

音質はRTR盤のリマスターの高域をほんの僅かマイルドにした感じのもので、DAC盤より音の抜けは良いものの、DAC盤ほどの低域の厚みはありません。

なお、ハーフオフィシャルで、パリとハンブルグ公演のカップリングという本作と全く同じ構成の『Live In Paris And Hanburg 1965』(STBCD027)やそれを封入したボックス『Another Time Another Place』(STBCD005)がリリースされていますが、そちらのパリ公演は、頭の"Everybody Needs Somebody To Love"が始まる前の歓声が短いのはともかくとして、チャプターが変わる部分のギャップ設定をマイナスとしてしまっていたのか、"The Last Time"や"I'm Alright"が始まる前の歓声に音飛びが生じてしまっているのが何とも残念。

当然ながら"Crawdad"前の歓声はダブっていますし、ハンブルグ公演の"I'm Alright"は曲の最後の余韻部分で終了しています。

liveinparisandhumburg1965

anothertimeanotherplace

by Hara ¦ 15:39, Saturday, May 06, 2017 ¦ 固定リンク


『Supergroups In Concert 1983』(-)
supergroupsinconcert1983

『Supergroups In Concert 1983』(-) 2CD

Nov.25 1981 Rosemont Horizon,Des Plaines,IL
Dec.1 1981 Silverdome,Pontiac MI
Dec.5 1981 Superdome,New Orleans,LA
Dec.9 1981 Capital Arena,Largo,MD
Dec.13 1981 Sun Devil Stadium,Phoenix,AZ
Dec.18 1981 Hampton Coliseum,Hampton Roads,VA
July.6 1978 Masonic Hall,Detroit,MI
July.19 1978 Sam Houston Coliseum,Houston,TX

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Intoroduction/2.Take The A Train(12/1)/3.Under My Thumb(12/1)/4.Let's Spend The Night Together(12/18)/5.Shatterd(12/1)/6.Twenty Flight Rock(12/1)/7.Going To A Go Go(12/1)/8.Time Is On My Side(12/1)/9.Waiting On A Friend(12/1)/10.Beast Of Burden(11/25)/11.Black Limousine(12/1)/12.Let It Bleed(12/5)/13.You Can't Always Get What You Want(12/9)
(Disc-2)
1.Band Introductions(12/9)/2.Tumbling Dice(7/6 '78)/3.She's So Cold(12/9)/4.Hang Fire(12/13)/5.Miss You(12/18)/6.Honky Tonk Women(7/19 '78)/7.Brown Sugar(12/9)/8.Start Me Up(12/9)/9.Jumping Jack Flash(7/19 '78)/10.Satisfaction(12/13)/11.Star Spangled Banner(12/13)

前項に引き続いて、アメリカのD.I.R.Broadcasting Corp.制作の1981年北米ツアー特集番組収録盤を紹介。

本作に収録されている番組は1983年3月19日放送の「Super Groups In Concert」

前項で触れた82年放送版は、放送された18曲中10曲がオフィシャル『Still Life』と重複している上、その重複曲のピッチが高くされているという難点がありましたが、この83年放送版は全20曲放送中『Still Life』との重複は"Let's Spend The Night Together"と"Satisfaction"の2曲のみという、82年放送版が『Still Life』拡大版的なものだったのに対し、この83年放送版は裏『Still Life』的な性格のものとなっています。

ただ、番組内で81年ツアーからとアナウンスがされているにも関わらず、新たに追加された"Tumbling Dice""Honky Tonk Women"の2曲と、82年放送版では81年12月1日のテイクだった"Jumping Jack Flash"の計3曲が、番組コンセプトから外れた1978年北米ツアーからのテイクとなってしまっているという新たな難点も。

そんなこの放送を収録した既発タイトルですが、アナログLP時代は放送された20曲全てを網羅したものがなく、20曲を聴こうとすると2つのアルバムが必要でした。

その2つの内の1つが、2枚組LP『Mission Direct Hits』(RSG-81)
20曲中"Shatterd""Time Is On My Side""Tumbling Dice"の3曲を除いた17曲収録。78年の"Tumbling Dice"のカットは妥当ですが、何故に『Still Life』と別テイクの2曲をカット?というタイトル。

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もう1つがこちらも2枚組LPの『On Top Of Old Smokey』(AT-81)
20曲中14曲収録と少な目ですが、LP『Mission Direct Hits』未収の"Shatterd""Time Is On My Side"を収録しているのがポイント。カットされている曲も"Under My Thumb""Let's Spend The Night Together""Beast Of Burden""Black Limousine""Hang Fire""Miss You"と、そのほとんどが82年放送版と重複している曲をカットしており、83年放送版のおいしい部分をまとめているかに見えますが、肝心の"Under My Thumb"が含まれてしまっているのが何とも残念なタイトル。

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CDでは、まずVGPの『Mission Direct Hits』(VGP-247)で20曲中16曲収録。
CD黎明期の同名アナログ盤起こしタイトルとは異なり、新たにテープから造りなおしている点は良かったものの、その選曲に難あり。78年の"Tumbling Dice"と"Jumping Jack Flash"が外されているのは妥当ですが、何故か同名LP同様に"Time Is On My Side"が外された上に、この放送の目玉の1つである82年には放送されなかった楽曲"Waiting On A Friend"が外されるという残念なもの。

vgpmissiondirec


続いてはラジオショーディスク起こしで、番組丸ごと収録の『On Top Of Old Smokey』(VGP-280)
この時期のVGP盤にしては珍しく硬質な音造りが控えめとなっているタイトル。他盤同様に『Still Life』重複の2曲はピッチが高いまま。

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そして82年放送版と83年放送版のいいとこ取りなタイトル『Another Still Life』(-)
82年と83年に放送された『Still Life』未収録曲は全て網羅しているという便利タイトル。『Still Life』重複曲は大半がカットされていますが、収録している2曲についてはきちんとピッチ修正処理が施されています。

anotherstilllife


さて本作ですが、VGP『On Top Of Old Smokey』と同じラジオショーディスク起こしで、同様に針音もほとんど無し。音質はVGP盤に比べて高域が僅かながらマイルド。VGP盤は『Still Life』重複2曲がピッチ高いままの収録だったのに対し、本作はきちんと修正しているのがポイント。

なお、事典でも触れましたが、『Still Life』重複曲の内の1つ"Let's Spend The Night Together"は、何故か曲の最後のサビを4小節程強引にカットした意味不明のエディットバージョン。この放送では"Jumping Jack Flash"が終わった後、次のアンコール曲"Satisfaction"が始まるまで1分23秒もの歓声を放送しているので、そこをちょっと摘まめばいいものを、わざわざこのようなある意味不自然とも言えるエディットをしているというのは何とも謎ではあります。本作はそんな不思議なエディットバージョンを、本来のピッチで聞くことが出来るということもポイント高いかと。

by Hara ¦ 23:07, Monday, Apr 24, 2017 ¦ 固定リンク


『Supergroups In Concert 1982』(-)
supergroupinconcert1982

『Supergroups In Concert 1982』(-) 2CD

Nov.5 1981 Brendan Byrne Arena,Medowlands Sports Complex,East Rutheford,NJ
Nov.25 1981 Rosemont Horizon,Des Plaines,IL
Dec.1 1981 Silverdome,Pontiac MI
Dec.5 1981 Superdome,New Orleans,LA
Dec.7,8,9 1981 Capital Arena,Largo,MD
Dec.13 1981 Sun Devil Stadium,Phoenix,AZ
Dec.18,19 1981 Hampton Coliseum,Hampton Roads,VA

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Introduction/2.Take The A Train(12/7)/3.Under My Thumb(11/5)/4.Beast Of Burden(11/25)/5.Let's Spend The Night Together(12/18)/6.Shatterd(12/18)/7.Black Limousine(12/1)/8.Twenty Flight Rock(12/9)/9.Going To A Go Go(12/9)/10.You Can't Always Get What You Want(12/1)/11.Band Introductions(12/1)/12.Let Me Go(12/8)/13.Time Is On My Side(12/18)
(Disc-2)
1.Let It Bleed(12/5)/2.Just My Imagination(12/19)/3.She's So Cold(12/9)/4.Hang Fire(12/13)/5.Miss You(12/18)/6.Start Me Up(11/25)/7.Jumping Jack Flash(12/1)/8.Satisfaction(12/13)/9.Star Spangled Banner(12/13)


前項では、アメリカのD.I.R.Broadcasting Corp.制作の「King Biscuit Flower Hour」にて放送された、1973年欧州ツアー収録盤を紹介しましたが、今回は同じD.I.R.Broadcasting Corp.制作の1981年北米ツアー特集番組収録盤。

ストーンズの81年ツアーのラジオ放送は、まず1982年と1983年に「Supergroups In Concert」という特別番組で放送された後、「King Biscuit Flower Hour」で抜粋放送されましたが、本作が収録しているのは、その1回目となる1982年8月16日放送の「Supergroups In Concert」。

この番組で放送された81年ツアー演奏曲は18曲ですが、その中の10曲はつい2ヶ月前に発売されたニューアルバム『Still Life』と同テイク同編集。つまりIntroとOutro以外は『Still Life』収録曲を全て聞くことが出来るという番組だったのでした。

ただ、出たばかりのニューアルバムをほぼ丸々流すということに、ストーンズサイド(?)が難色を示した結果なのかどうか定かではありませんが、この番組、重複している10曲のみピッチを高くするという編集がされてしまっているのが最大の難点。

きちんとした音で聞きたければレコードでという戦略もあったのでしょうけど、ピッチを変えて放送するくらい神経質になるならば、別日の演奏を放送すればいいのにと思ってしまいますが、そちらの演奏の方が『Still Life』より良いのでは?という意見が出るのを恐れた結果、こういうことになったのかもと推測。

ここで1982年「Supergroups In Concert」既発盤について触れておくと、

まずはLP『Time Is On Our Side』(TSP-018)
アナログLP時代、唯一放送された18曲を収録していたタイトルで、放送順ではなく実際のライブ演奏順に曲を並び替えているのがポイント。高音質ですが、中域がやや引っ込んでいることから、おとなしめな印象を受ける音。CD黎明期にリリースされたこの放送を収録したタイトルは、このLP起こし。

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続いては事典で採り上げたCD『Time Is On Our Side』(TSP-CD-018=VGP-038) 。
上記アナログ復刻という形をとっていますが、18曲全てを収録しているわけではなく"Shattered"カットの全17曲。曲ではありませんがメンバー紹介もカット。なおこのCD、全17曲となったのは黒レーベルの追加プレスからで、初版のシルバーレーベルは"Miss You"未収録。追加プレスのジャケットは修正されず"Miss You"がノンクレジットのままにつき、見分けは盤を確認する以外にありません。

vgptimeisonourside


そして事典で採り上げたもう1つのタイトル『Ride Like The Wind』(VGP-290)
同名LPは『Still Life』未収録曲"You Can't Always Get What You Want"がカットされているという片手落ちなアルバムでしたが、このCDはラジオショーを丸ごとデジタル化しており、放送そのものを高音質で聞くには最適だったタイトル。

vgpridelikethe

本作はというと、VGP『Ride Like The Wind』同様にラジオショーをダイレクトにデジタル化したタイトル。

VGP盤が当時の音造りの傾向により、やや硬質な音質となっていたのに対し、本作は加工なしのストレートな耳触りの良いサウンド。そしてこれが最大のポイントですが、『Still Life』重複曲のピッチを正常に修正しています。当時の番組をそのまま楽しむといった観点からは外れるのかもしれませんが、聞いている際の違和感が解消されているというのはポイント高いかなと。

なお、"Let's Spend The Night Together""Going To A Go Go""Band Introductions""Time Is On My Side""Start Me Up""Jumping Jack Flash"の後に、サポートミュージシャンのアーニー・ワッツやプロモーターのビル・グラハム、『Still Life』のエンジニアだったボブ・クリアマウンテン等の短いインタビューが挿入されていますが、チャプターが振られていないのはVGP盤同様。

by Hara ¦ 22:08, Tuesday, Apr 18, 2017 ¦ 固定リンク


『KBFH Broadcasts』(Moonchild Records)
kbfhbroadcasts

『KBFH Broadcasts』(Moonchild Records) 2CD

Sep.9 1973 Empire Pool,Wembley,UK
Oct.17 1973 Foret Nationale,Brussels,Belgium (1st Show)

Disc-1&2
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

Disc-3
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Brown Sugar(10/17 1st)/2.Happy(9/9)/3.Dancing With Mr.D(10/17 1st)/4.Angie(10/17 1st)/
5.You Can't Always Get What You Want(10/17 1st)/6.Midnight Rambler(10/17 1st)/7.Rip This Joint(10/17 1st)/8.Jumping Jack Flash(10/17 1st)/9.Street Fighting Man(9/9)/10.KBFH Outro
(Disc-2)
1.Gimme Shelter(9/9)/2.Tumbling Dice(10/17 1st)/3.Brown Sugar(10/17 1st)/4.Doo Doo Doo Doo Doo(9/9)/5.Angie(10/17 1st)/6.Honky Tonk Women(10/17 1st)/7.Midnight Rambler(10/17 1st)/8.All Down The Line(10/17 1st)/9.Street Fighting Man(9/9)/10.Inteview with Mick Jagger And Charlie Watts/11.KBFH Outro
(Disc-3)
1.Brown Sugar(10/17 1st)/2.Happy(9/9)/3.Gimme Shelter(9/9)/4.Tumbling Dice(10/17 1st)/5.Doo Doo Doo Doo Doo(9/9)/6.You Can't Always Get What You Want(10/17 1st)/7.Dancing With Mr.D(10/17 1st)/8.Angie(10/17 1st)/9.Honky Tonk Women(10/17 1st)/
10.Midnight Rambler(10/17 1st)/11.Rip This Joint(10/17 1st)/12.Jumping Jack Flash(10/17 1st)/13.Street Fighting Man(9/9)/14.Inteview with Mick Jagger And Charlie Watts/15.KBFH Outro

1974年と1975年に、アメリカのラジオ番組「King Biscuit Flowers Hour」が放送したストーンズ73年欧州ツアー特集3回分を収録したタイトル。

基となっているのは最近ネットにアップされた、ジョー・マロニーという録音者のアーカイヴだそうですが、オーディエンス録音ではなくエアチェックテープなので、誰がというのはあまり関係ないような気も。

ディスク1と2は1974年の放送で、ディスク1が9月29日、ディスク2が11月24日。この2回の放送で、73年欧州ツアーのFM音源を収録した名盤『Europe'73』収録曲全曲を聴くことが出来ます。

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9月29日放送回の代表盤は、アナログLPの復刻としてVGPが名前を伏せてリリースした『Europien Tour 1973』(RS-561 ※VGP)

europientour1973

11月24日放送回の代表盤は、こちらもVGPが名前を伏せてリリースしたアナログLP復刻CD『Bedspring Symphony』(TAKRL-1941 ※VGP)

bedspringsymphony

そして9月29日放送回と11月24日放送回のカップリングCD『Headin'For An Overload』(CD PRO 18)

headinfor

と、それぞれの放送がブートリリースされてきましたが、これら既発タイトルが当然ながらすべてステレオ収録だったのに対し、本作はどちらもモノラル収録という、後発としては残念なことになってしまっています。

肝心の音の方も高音質と言えるレベルではあるものの、中高域強めのやや聞き疲れする音となっているのも他盤と比べると弱いところ。

そのような中、唯一他盤未収録で本作のみの収録となっているのが、それぞれのディスクの最後に収録されている"KBFH Outro"。

次週予告や番組クレジットを述べているだけのトラックではありますが、ディスク1の方の"KBFH Outro"では、"Street Fighting Man"終了後の場内の様子がクレジットのバックで流されており、そこでは終演を知らせるエルガーの"威風堂々"や場内アナウンスを聴くことが出来ます。

ちなみにディスク1の"Angie"と"Midnight Rambler"の後に入るDJコメントですが、『Headin'For An Overload』は未収録。『Europien Tour 1973』には両方収録されているものの、"Angie"後はフェードアウトしていますので、くっきりと聞くことが出来るのは本作のみ。ディスク2の途中で入るDJコメントは"Angie"の後のみですが、既発は未収録。

ディスク1のミックとチャーリーのインタビューについては、『Europien Tour 1973』は未収録ですが、『Headin'For An Overload』にはきちんと収録されています。

ディスク2の方の"Street Fighting Man"はイントロで音飛びした上、ヴォリュームが一瞬上がったりしていますが、他盤ではそのようなことは無し。


ディスク3は1975年6月29日放送回。
ぱっと見、『Europe'73』全曲放送に見えますが、"All Down The Line"が未収録。こちらはステレオ収録されており、『Europe'73』に匹敵する高音質ですがヒスノイズが多め。

ライブ途中のDJコメントは"Doo Doo Doo Doo Doo""Angie""Midnight Rambler"の後。曲単位では不明ですが、この放送自体のブート化はされていないようなので、これらDJコメント、14トラック目のミックのインタビュー、そして最後の"KBFH Outro"は初出。こちらの"KBFH Outro"もバックに場内の歓声が流されていますが、コンサートの前なのか後なのかは不明。

なお、残念ながら"Honky Tonk Women"は微妙に頭欠けのフェードインとなってしまっています。

by Hara ¦ 23:48, Friday, Apr 14, 2017 ¦ 固定リンク


『Foxboro 1989 1st Night』(-)
foxboro19891stnight

『Foxboro 1989 1st Night』(-) 2CD

Sep.29 1989 Sullivan Studium,Foxboro,MA

Stereo Audience Recordings
Quality:Excellent-Very Good

(Disc-1)
1.Continenntal Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Undercover Of The Night/6.Harlem Shuffle/7.Tumbling Dice/8.Miss You/9.Ruby Tuesday/10.Play With Fire/11.Dead Flowers/12.Rock And A Hard Place/13.Mixed Emotions/14.Honky Tonk Women/15.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Little Red Rooster/3.Before They Make Run/4.Happy/5.Paint It Black/6.2000 Light Years From Home/7.Sympathy For The Devil/8.Gimme Shelter/9.It's Only Rock'n Roll/10.Brown Sugar/11.Satisfaction/12.Jumping Jack Flash

1989年Steel Wheelsツアーは、その盛況ぶりとはうらはらに当時からブートは数えるほどしかリリースされず、今もオーディエンス音源収録ブートは他ツアーに比べるとはるかに少ないという状況。

特に演奏が徐々にこなれてくる過程を楽しめるツアー前半のブートについても、このツアーは9月9日のイーストトロイ公演を最後に、次にブート化されている10月10日のシェアスタジアム公演までの約1か月間、ゲストが参加したレア曲2曲以外は(プレスでの)ブートがリリースされていなかったので、ちょうどその空白期間の中間にあたる9月29日のフォックスボロ公演を収録した本作は、ある意味ちょうど良いタイトルであるといえるかと。

やや荒めながら演奏がオンに捉えられたクリアーで分離の良い好録音で、オープニングの"Start Me Up"ではビルのベースラインがはっきり聞き取れるという好感の持てる音となっています。残念ながら、次の"Bitch"途中でマイクの位置が変わってしまったようで、ベースを強調した"Undercover Of The Night"以外は、ビルのベースラインがオープニング部分ほどはっきり聞き取れなくなってしまっていますが、それでも分離が良く音の近い良好音源であることには変わりありません。

右側の観客がちょっと賑やかですが、まあこれは許容範囲。ライブ前半はマイクに何かがあたるコツコツといったノイズも時折入っていますが、こちらもさほど気にならないレベル。

マイクの特性なのか、はたまたテレコの特性なのかはわかりませんが、音の重心が中域寄りでやや低域不足な感も。

テープチェンジにより"Dead Flowers"の前半と"Before They Make Run"の後半が欠落。また"Jumping Jack Flash"のイントロが欠けていますが、これはテレコの一時停止ボタン解除のタイミングが遅れたためかと。いずれも別音源による補填は無し。

演奏の方は、さすがにツアー開始から1か月経っているだけのこともあり、ツアー序盤のようなもたっとした感じが消え去り、スピーディーな演奏を・・・と書きたいところですが、実のところどの曲も不自然にテンポが速い・・・。

ピッチ自体は正常なので、この時期だけテンポを上げて演奏していたのか確認のために、たまたま所蔵していた9月27日クリーブランド公演と10月3日のフォックスボロ公演のオーディエンスビデオ、そして念のためネットから10月1日のフォックスボロ公演の音源(ピッチが遅かったので修正しましたが・・・)も落としてみて、それぞれチェックしてみましたが、この29日音源のみテンポが早く、他はほぼ同じテンポで演奏されていることが判明。

また、フォックスボロといえば"Rock And A Hard Place"のプロモビデオ撮影が行われましたが、その日程は同会場にて9月30日と10月1日。そのような状況下で、わざわざこの29日だけテンポを早めて試験的に演奏するといったことも当然ながら考え難いかと。

よって本作が基にした音源は、おそらく元々回転数が速かったテープが通常のピッチ修正処理をされずに、ピッチシフト処理(テンポそのままでピッチのみを変える処理)をされたものであるのかなと推測されます。

このピッチシフト処理については、オフィシャルFrom The Vaultシリーズの69年ハイドパークで使われていたことが記憶に新しいところ。

本作収録の音源はせっかくの好音源であっただけに、いつの日かきちんとしたテンポに直してリリースしてもらいたいものです。

by Hara ¦ 02:17, Tuesday, Apr 11, 2017 ¦ 固定リンク


『Philadelphia 2005 2nd Night』(-)
philaderphia20052ndnight

『Philadelphia 2005 2nd Night』(-) 2CD

Oct.12 2005 Wachovia Center,Philadelphia,PA

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good

(Disc-1)
1.Introduction/2.Start Me Up/3.It's Only Rock'n Roll/4.Shattered/5.Bitch/6.Rough Justice/7.Back On My Hand/8.Midnight Rambler/9.The Night Time Is The Right Time/10.You Can't Always Get What You Want/11.Band Introductions/12.The Worst/13.Infamy
(Disc-2)
1.Miss You/2.Oh No, Not You Again/3.You Got Me Rocking/4.Honky Tonk Women/5.Sympathy For The Devil/6.Paint It Black/7.Tumbling Dice/8.Jumping Jack Flash/9.Satisfaction/10.Brown Sugar

ストーンズの2005年フィラデルフィア公演というと、ストーンズ史上最大の迷演"It's Only Satisfaction"となるわけですが、本作が収録しているのはその次にあたる10月12日同所での公演。

前の10日公演では、レア曲"Get Up Stand Up"がセットリストに組み込まれていましたが、5曲入れ替えたこの日はレア曲は無し。ただし、このツアーではライブ前半が定位置だった"Tumbling Dice"が、ライブ終盤に組み込まれているのが珍しいと言えば珍しい点。2005年から2007年に渡ったツアーで、この曲を終盤に演奏したのはこの公演が唯一。

まあその曲順が影響したわけでは当然ありませんが、この曲でのミックは歌い出しが半小節遅れてしまったことから、それを強引に合わせようと早口で歌詞を詰め込んだため、普段と違うメロディーラインで聞けるというのが耳を惹くところ。この曲で半小節早く歌い出すのは、テレビ放送されたソロの88年の来日公演はじめ幾度かありましたが、逆に遅れるのはある意味レアかも。

ちなみにこの日のミック、"Sympathy For The Devil"でも序盤音が取れず、うわずったメロディーラインでしばらく歌い続けるというミスをやらかしています。

さてこの公演、事典でも採り上げましたが、既発は10月10日同所公演を収録したThe Godfatherrecords『Jammin' Side By Side』(G.R.126/127)のボーナストラックとして"Bitch""Back On My Hand""Midnight Rambler""The Night Time Is The Right Time""Paint It Black"の入れ替わり曲5曲がブート化されていましたが、本作はそれとは別音源での全曲収録盤。

godfatherjamminsidebyside

Godfather盤の音が演奏を大きく捉えてはいるものの、オートレベル機能によるリミッターがかかったような質感の音だったのに対し、本作は演奏を大きく捉えている点は同様ですが、音の拡がりがGodfather盤より乏しいため、ややこじんまりとした印象の音となっています。

反面、Godfather盤は手拍子や歓声を結構拾っていましたが、本作は盛り上がる箇所で多少拾っている程度につき、演奏自体の聞きやすさは本作の方が上かと。

ただ音質に限って言うと、本作は聞きやすい音質だったGodfather盤に比べると、中高域が耳に障るぎりぎりのレベルまで張り出していることから、硬質な印象を受ける音となってしまっているので、ここはもう少しマイルドに調整してもらいたかったところ。

なお、"Oh No, Not You Again"エンディング3分50秒にデジタル特有の音ブレが生じてしまっているので、ここも修正してもらいたかったところではあります。

by Hara ¦ 09:54, Sunday, Apr 09, 2017 ¦ 固定リンク


『Atlantic City 2006』(-)
atlanticcity2006

『Atlantic City 2006』(-) 2CD

Nov.17 2006 Boardwalk Hall,Atlantic City,NJ

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good

(Disc-1)
1.Introduction/2.Jumping Jack Flash/3.It's Only Rock'n Roll/4.Oh No,Not You Again/5.She Was Hot/6.Loving Cup/7.Streets Of Love/8.Ain't Too Proud To Beg/9.All Down The Line/10.Tumbling Dice/11.Band Introductions/12.You Got The Silver/13.Connection
(Disc-2)
1.Under My Thumb/2.She's So Cold/3.Start Me Up/4.Honky Tonk Women/5.Sympathy For The Devil/6.Paint It Black/7.Brown Sugar/8.You Can't Always Get What You Want/9.Satisfaction

1989年Steel Wheels北米ツアー最終公演以来、17年ぶりとなったアトランティックシティ公演。

17年前は3連続公演の中日にPPV中継が入り、ミックも"It's Only Rock'n Roll"が終わった後のMCでそのことに触れたことから、次は縁のある曲でも演奏するのかと観客に期待を抱かせるものの、始まったのは当時の新曲というにはもはや古い"Oh No,Not You Again"という肩透かしぶり。

また、この公演は元々10月27日に予定されていたものの、ミック・ジャガーの喉頭炎を理由に当日開演4時間前に延期決定。このキャンセルを巡ってニューヨーク在住の女性ファンがストーンズを相手取って訴訟を起こしたというエピソードを残したこの公演。

事典出版時は、WLRの13枚ボックス『A Bigger Bang World Tour 2006』(WLR-2178)にボーナストラック扱いで、"Loving Cup""All Down The Line""You Got The Silver""Connection"という日替わり曲とキース曲の計4曲がブート化されていただけでしたが、

wlrabb2006box

昨年(2016年)、WLR系列(変名?)のHermetic Societyがリリースした14枚組ボックス『A Bigger Bang North American Tour 2006』(HS 70)にて、ついに全曲がブート化。

hsabb2006box

ただこのHS盤、収録時間に余裕があるにも関わらず何故か一部曲間を詰めてしまっているのはまだしも、基となったマスターが粗悪だったのか、はたまた作成時のトラブルだったのかは知る由もありませんが、チャプターが変わる際にギャップが生じていたり、半数近くの曲で音飛びが発生していたりと、何とも残念なことになっていたのでありました。

そのような状況でリリースされたのが本作。クレジットでは"Introduction"と表記されているオープニングSEからアンコールの"Satisfaction"まで全曲を収録。残念ながら"Sympathy For The Devil"と"You Can't Always Get What You Want"の頭が欠けてしまっていますが(これはHS盤も同様)、他は曲中や曲間のカット無し。

HS盤で頻繁に発生していた音飛びはほとんどありませんが、"Band Introductions"でキース紹介の後にチャーリーがドカドカ叩いた後(3分8秒)と"Sympathy For The Devil"のみ5分17秒と5分29秒の3か所だけは僅かながら音飛びしてしまっているので、ここは何とか修正出来なかったのかなといった気も。

また、"Band Introductions"の3分13秒から3分16秒、"You Can't Always Get What You Want"の4分32秒から4分36秒にかけては、近くの客もしくは自身の携帯電話のメール受信によるものと思しきブーという電磁ノイズが発生していますが、これは当然ながらHS盤も同様。

収録している音源は既発盤と同じ。演奏がかなりオンに捉えられた大変バランスの良い好録音で、耳障りな歓声や手拍子もほとんど無し。重心がやや高めで、鮮明さに若干欠けてはいるものの、耳に優しい聞きやすい音質の音源。ちょっと残念だったのはBステージで定位が右寄りとなるので、ここは修正しておいてほしかったところ。

そのBステージで演奏された"She's So Cold"は、このツアーでは比較的レアな曲名終わり。A Bigger Bangツアーでのこの曲は、その時々で歌っている歌詞部分で終わるというアレンジになっていて違和感を覚えることが多かったのですが、この日は曲名なのですっきり終わったという印象を受けます。

by Hara ¦ 22:45, Thursday, Apr 06, 2017 ¦ 固定リンク


『Houston 2005』(-)
houston2005

『Houston 2005』(-) 2CD

Dec.1 2005 Toyota Center,Houston,TX

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Introduction/2.Start Me Up/3.It's Only Rock'n Roll/4.She's So Cold/5.Tumbling Dice/6.Oh No,Not You Again/7.Rain Fall Down/8.Dead Flowers/9.Bitch/10.Night Time Is The Right Time/11.Band Introductions/12.Slipping Away/13.Infamy
(Disc-2)
1.Miss You/2.Rough Justice/3.Get Off Of My Cloud/4.Honky Tonk Women/5.Sympathy For The Devil/6.Brown Sugar/7.Satisfaction/8.You Can't Always Get What You Want/9.Jumping Jack Flash

2005年ツアーのオーディエンス音源としてはトップクラスの高音質録音が残されているヒューストン公演。

事典でこの公演の代表盤としていたのが『abiggerbangutourhouston05』(Check This Out)
オープニングSEは3秒しか収録されておらず、どういう訳か1曲毎にフェードアウトしてしまっているというタイトル。

ctohouston05


事典出版後にリリースされたのが、14枚組ボックス『A Bigger Bang North American Tour 2005』(HS 69)
オープニングSEはきちんと頭から収録。Check This Out盤のような曲ごとのフェードアウトはないものの、"Miss You"が始まる前にチャックがポロポロとエレピを弾くフリー部分でディスクがカットアウト終了、続くディスクは当然少し前に戻してチャックの遊び前からスタートかと思いきや、カットインでフリー後のチャックのカウントが始まる寸前からディスクスタートとなってしまっているという、ちょっと残念なタイトル。

abb2005box

・・・と、何かしら欠点のあるタイトルしかありませんでしたが、ようやく既発盤のような欠点のない形でリリースされたのが本作。

演奏が大きく捉えられ、かつ耳障りな拍手・歓声の類は皆無という好録音で、当然ながら他盤同様の最高音質。

セットリストとしては目新しいものはありませんが、当時の新曲"Oh No,Not You Again"を始める前に観客を盛り上げるため、ミックが「Comeback to houston houston・・・houston」と歌う即興ソング(?)は10秒にも満たない1節だけものですがレア。

そのミック、"It's Only Rock'n Roll"2回目のサビで1回し歌った後、「Like it...」と行かなければならないところをまたサビを一人だけ歌い出してしまったものだからコーラスが合わせようにも合わせられずといったミスをしでかしていますが(バックの演奏隊はしっかりとミックに合わせていますが・・・)、この日の本編ラスト"Satisfaction"の後半ではテンション高いアドリブヴォーカルを披露する等、良くも悪くも聞きどころを作り出しています。

by Hara ¦ 23:39, Wednesday, Apr 05, 2017 ¦ 固定リンク


『Portland 1998』(-)
portland1998

『Portland 1998』(-) 4CD

Jan.30&31 1998 Rose Garden,Portland,OR

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Intro/2.Satisfaction/3.Let's Spend The Night Together/4.Flip The Switch/5.Gimme Shelter/6.You Got Me Rocking/7.Already Over Me/8.Bitch/9.Saint Of Me/10.Out Of Control/11.Miss You
(Disc-2)
1.Band Introduction/2.Thief In The Night/3.Wanna Hold You/4.Little Queenie/5.I Just Wanna Make Love To You/6.Like A Rolling Stone/7.Sympathy For The Devil/8.Tumbling Dice/9.Honky Tonk Women/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Brown Sugar
(Disc-3)
1.Intro/2.Satisfaction/3.Let's Spend The Night Together/4.Flip The Switch/5.Gimme Shelter/6.It's Only Rock'n Roll/7.Sister Morphine/8.Bitch/9.Saint Of Me/10.Out Of Control/11.Miss You
(Disc-4)
1.Band Introductions/2.You Don't Have To Mean It/3.Wanna Hold You/4.Little Queenie/5.The Last Time/6.Like A Rolling Stone/7.Sympathy For The Devil/8.Tumbling Dice/9.Honky Tonk Women/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Brown Sugar


このBridges To Babylonツアーから年またぎとなったストーンズの北米ツアー。本作が収録しているのは2年目となった1998年1月30日と31日に行われたポートランド・ローズガーデン2日連続公演。

ディスク1と2には、1月30日公演を収録。

この日は、当時の新曲でBridges To Babylonツアー演奏曲の中でもレアな"Already Over Me"が、2週間前の16日MSG公演以来のセットイン。きっちりとまとまった良い演奏をしていたものの、観客の反応はイマイチで、曲が始まっても周りのザワツキが止まらずといった状態。反応良ければ日替わり曲に昇格出来たのでしょうけど、結局約2週間後の2月15日ラスベガス公演を最後に演奏されなくなったのでした。

この公演を収録した既発タイトルは、その曲名を冠したVGP『Already Over Me』(VGP-197)。

vgpalreadyoverme

演奏を大きく捉えた好録音で、前述のざわめきはあるものの基本的に耳障りな手拍子や歓声の類はないという音源を収録。オープニングのSEはフェードインしているものの、曲中カット無しの全曲収録。クリアーな音質でバランスも良かったりはしますが、高域がややシャリシャリ気味になっているというタイトル。

本作が基にしている音源もこのVGP盤と同じものですが、VGP盤でフェードインだったオープニングSEは頭から収録。全体的に低域が響き気味だったVGP盤と比べて、本作は低域を削っている分だけすっきりとした印象の聞きやすい音になっていますが、シャリシャリ気味だった高域部分が強調されて耳につく箇所が増えてしまったりといった面も。

そして残念なことに本作はピッチが高めという難点あり。後発なだけに、ここはきちんと調整してリリースしてもらいたかったところ。

なお、このローズガーデンでの2公演、FM放送用の収録があったサンディエゴ公演の前ということもあり、リラックスしていたのか両日ともストーンズはミスが多め。

この30日公演では、まず"Gimme Shelter"の間奏でベースがコード展開し忘れてバックがおかしなことに。続いて"You Got Me Rocking"では間奏後にキースがリフを弾き出す前にミックが歌い出していたり、"Out Of Control"ではミックが低い声での音程が取れず、中途半端に高いキーでAメロを歌おうとしてうまくいかず、挙げの果てには最初のサビでフライング。そしてBステージの"I Just Wanna Make Love To You"ではバックが展開部に早く入ってしまい、4回繰り返す「Love To You」が省略され、ミックが1回歌って慌てて展開部を歌うといった具合です。

ディスク3と4に収録されているのは翌31日公演。

いきなりキースがオープニングSEとのタイミングを合わせられず、変に間が開いてのスタートとなった"Satisfaction"。続く"Let's Spend The Night Together"では、チャーリーがイントロでのタムロールの入りが微妙に遅れ、通常にドラムを入れない箇所にスネアドラムを叩いてタイミングを合わせるという力技を披露。"Flip The Switch"ではロニーが先に展開部に入ってしまい、演奏が崩れかけそうになるところをミックが合図を送って立て直すといういきなりの冒頭3曲連続ミス。

以降はしばらくノーミスが続きますが、ライブ終盤で再びミス発生。"Start Me Up"では、ロニーの間奏の入りが4小節遅れてしまったのをコーラス隊が合わせずそのままサビに突入、ミックはロニーに合わせようと歌わないでいたようですが止む無くコーラス隊に合わせ途中からサビに参加。"Jumping Jack Flash"では間奏終了後に3回入るコードBのストロークを、ロニーとチャーリーが勘違いし4回のタイミングでリフに戻ろうとしたため演奏がぐちゃぐちゃに。ミックも歌に入ってはみるものの途中で止めてみたりと、ちょっとした混乱状態となってしまっています。

そんな31日公演を収録していた既発タイトルが『Bridges To Oregon』(VGP-171)

vgpbridgestooregon

やや遠目のエコーがかった音ながらも演奏を大きく捉えており、マイルドな音質の聴きやすいタイトルで、コピー盤『Live At Rose Garden,Portland,Oregon,January 31,1998』(SRS Records)もリリースされています。

liveatrosegarden

本作はVGP盤とは別音源。全体的にエコーがかっているのはVGP盤と同様ながら、高域が各段にクリアーになっている上、VGP盤よりも音の重心が低いのが特徴。

基がMDやDAT録音ではなくカセット録音だったようですが、テープチェンジは"Out Of Control"と"Like A Rolling Stone"終了後。"Sympathy For The Devil"冒頭のパーカッションが欠けているか否かは判断つきづらいところですが、基本的には曲中カット無しの全曲収録となっています。

なお、ディスク1と2の30日公演と違い、こちらは正常なピッチで収録されています。

by Hara ¦ 00:38, Monday, Apr 03, 2017 ¦ 固定リンク


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