The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 

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2015年 1月

『Steel Wheels Tokyo 1990 Zui-Kaku』(Mayflower)
mayflowerzuikaku

『Steel Wheels Tokyo 1990 Zui-Kaku』(MF-74/75) 2CD

Feb.20 1990 Tokyo Dome,Tokyo,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent - Very Good

(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Harlem Shuffle/6.Tumbling Dice/7.Miss You/8.Angie/9.Rock And A Hard Place/10.Mixed Emotions/11.Honky Tonk Women/12.Midnight Rambler/13.You Can't Always Get What You Want/14.Little Red Rooster
(Disc-2)
1.Can't Be Seen/2.Happy/3.Paint It Black/4.2000 Light Years From Home/5.Sympathy For The Devil/6.Gimme Shelter/7.Band Introduction/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash

初来日ツアーで唯一"Little Red Rooster"が演奏された2月20日公演。

テンポゆったり目な"Little Red Rooster"が追加されたのでという意図だったのかは不明ですが、この公演では"Ruby Tuesday"がカット。実は前年からのSteel Wheelsツアーで、定番曲"Ruby Tuesday"を演奏しなかったのはこの日のみという、ある意味貴重な公演だったりします。

ちなみにその"Ruby Tuesday"については、5月31日のケルン公演でもセットリストから外されていますが、あちらはUrban Jungleツアー。そしてその5月31日ケルン公演もまた、Urban Jungleツアー唯一の"Ruby Tuesday"未演奏公演だったりもします。

と、ちょいと脱線しましたが、本作は2月20日の東京ドーム公演全曲収録盤。

この公演の既発タイトルは2つ。まずはこの日の目玉だった"Little Red Rooster"のみをボーナス収録した『ALIVE AND ROLLIN' 1990』(VGP-090)。
オーバーレベルで高域が時折ビリビリなってしまっているものの、演奏を大きく捉えた好録音。

vgpaliveandrollin

もう1つは、『Dome On Wheels』(-)で、曲中カット無しの全曲収録盤。
やや遠目からの録音のようですが演奏が大きめに捉えられており、音質もクリアーながらやや硬質な印象ですが、高域が耳につく程では無し。叫び声やかけ声が"Midnight Rambler"以降多めに入ってきますが、よりによって目玉の"Little Red Rooster"ではタイミングのズレた観客の歌声を大きく拾ってしまっているという残念な点も。

domeonwheels

さて本作、『Dome On Wheels』と音の距離感は大差ない、こちらも演奏を大きく捉えた好録音。

高域はクリアーですが低域がかなり強調された音造りとなっており、『Dome On Wheels』よりも聞きやすい印象。"Start Me Up"では叫び声含め音が割れ気味になりますが、"Bitch"以降は低域が時折歪み気味になる程度で聞きづらいといったことは無し。

幸いなことに録音者の周りは叫びはするが拍手や手拍子はしないといった観客が多かったようで、右チャンネルの端の方で手拍子が時折聞こえる程度。その叫び声も耳障りと感じるほどのものは、ほとんどありません。

"Mixed Emotions"まではピッチやや早めで、"Honky Tonk Women"以降は逆にピッチ遅め。何故こういった事になっているのかは不思議ですが、これはきちんと合わせておいてもらいたかったところ。

ミックによるキースの紹介から"Can't Be Seen"が始まるまでの間に音飛びがありますが、ディスク2の冒頭部で、曲が始まる前にいきなりの音飛びというのもどうかと感じるので、ここはきちんとクロスフェード処理をしてあればよかったのにと。

更には"Sympathy For The Devil"のパーカッションが鳴り始めたところで音飛びがあり、曲が終った後の曲間部でも音飛びが再び発生していることから、"Sympathy For The Devil"は別音源かのように推測しがちですが、被ってくる歓声から判断するに音源自体は同じ。では何故にかということで推測してみるに、ひょっとしたら録音者はレコーダーを2台準備してライブに臨んでいたのかもしれません。とはいえ、その音飛び直後の"Gimme Shelter"イントロでは頭の2音が欠落していたりもしますが、テープチェンジにしては時間が短すぎるので、このあたりは疑問の残るところ。

といった具合で、音源自体は悪くないものだっただけに、編集をもう少し丁寧にしてあればといった感のタイトル。

by Hara ¦ 07:24, Friday, Jan 23, 2015 ¦ 固定リンク


『Steel Wheels Tokyo 1990 Mikasa』(Mayflower)
mayflowermikasa

『Steel Wheels Tokyo 1990 Mikasa』(MF-72-73) 2CD

Feb.24 1990 Tokyo Dome,Tokyo,Japan

Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Harlem Shuffle/6.Tumbling Dice/7.Miss You/8.Ruby Tuesday/9.Almost Hear You Sigh/10.Rock And A Hard Place/11.Mixed Emotions/12.Honky Tonk Women/13.Midnight Rambler/14.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Can't Be Seen/2.Happy/3.Paint It Black/4.2000 Light Years From Home/5.Sympathy For The Devil/6.Gimme Shelter/7.Band Introductions/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash

ツアー8公演目となる2月24日公演は、"Rock And A Hard Place"前の曲紹介MCでミックが触れているようにFM東京の収録が入っていたことに加えて、次の2月26日のテレビ収録本番にむけてのカメラリハーサルも行われましたが、そのビデオが流出。本作はそのビデオ音声を収録しています。

このビデオ音声を収録している既発タイトルは事典で挙げたVGP『ALIVE AND ROLLIN' 1990』(VGP-090)と『In Concert 1990,2.24』(GIN-XX1)の2タイトル。

vgpaliveandrollin

inconcert1990224

うっすらとビデオ特有のハムノイズが乗った、ヒスノイズやや多めのモノラルサウンドボード音源。歓声がミックスされていない段階の如何にも流出ものといった感じの音ですが、この両タイトルの違いは高域の持ち上げ具合。

本作は、高域のクリアーさ自体はVGP盤に近かったりしますが、周波数調整に気を使ったようで耳につくあたりをうまく抑えていたり、低域もほどよく上げてバランスをとっていることから、3つのタイトルの中では一番聞きやすい印象。

加えてモノラルサウンドボードの平坦さを嫌って、全体に擬似ステレオ処理を施して音に奥行き感を与えているのも効果的となっています。この処理の影響なのか本作の定位はやや左に寄ってしまってはいますが、ヘッドフォンで聞いてみても気になるほどのレベルではありません。

更に芸の細かいことに本作は、VGP『Steel Wheels Tokyo 1990』(VGP-080)に代表される2月26日テレビ放送の流出完全版の歓声部分を、24日のMCを残しつつ、ハムノイズよりもちょっと大きめ程度のささやかな音量で被せて、基ビデオで歓声がミックスされていないという難点の緩和策としているようです。まあ、同日のオーディエンス音声を被せるというのがブートの常套手段ではありますが、今回被せているのはただ観客が騒いでいるだけのものなので、下手に叫び声や拍手が大きく入ってくるよりも、これはこれで聴いていての音の統一感といった観点ではありかと。

vgpsteelwheelstokyo1990

ちなみに映像の方にも触れておくと、カメラスイッチング担当者の意向なのかどうかは不明ですが、全てのカメラ映像を対象にスイッチングしたものではなく、キース用のカメラからの映像が一切取り上げられていないことから、キースのアップはキースコーナーの一部のみで、他の曲ではほとんどキースが大きく映らないという変わったものとなっています。

またこの日は事典で触れたように、ミックがライブ本編終了時にマイクを持ったままバックステージに下がってしまい、アンコールで出てくる際にマイクを持ってくるのを忘れたがために、"Jumping Jack Flash"ではスタッフがマイクを持ってくるまでの間、しばらく歌に入れなかったというトラブルが発生していますが、映像でのこの部分はずっとステージの遠景を映し出していることから、ミックや他のメンバーの表情が確認出来ないというちょっと残念な面も。

なお、この映像を収録しているプレスDVDはというと、現時点で把握出来ているのは本作と同系列のDevil Productionがリリースした『Tokyo 1990』(DPDVD 01/02)のみ。2時間20分強の映像を1枚に詰め込んでいるため、ビデオ映像がフィルムのような質感になってはいるものの、充分観れるレベルではあります。

deviprotokyo1990dvd

by Hara ¦ 02:08, Tuesday, Jan 13, 2015 ¦ 固定リンク


『Paris 1976 2nd Night』(-)
paris19762ndnight

『Paris 1976 2nd Night』(-) 1DVD+1CD

June.5 1976 Les Abattoirs,Paris,France

Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

1.Introduction/2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Hey Negrita/6.Ain't Too Proud To Beg/7.Fool To Cry/8.Hot Stuff/9.Angie/10.Star Star/11.You Gotta Move/12.You Can't Always Get What You Want

キースのトラブルにより前の73年ツアーは設定されなかったため、70年ツアー以来6年ぶりとなったフランス・パリ公演。

フランスでは65,66,67年、そして70年とストーンズがライブを行う度にラジオで放送がされてきましたが、この76年はテレビ収録が行われ、4日間行われたライブから抜粋して「Aux Abattoirs」という番組名で放送されました。

auxabattoirs

ただこの番組、不思議なことに6月4日から7日までの4日連続公演のうち、何故か2日目の6月5日公演からの採用は1曲もなく、アウトテイク映像すら出回ってなかったことから、5日の公演は収録自体が行われていないというのがこれまで有力でしたが、youtubeにライブ中盤までながら6月5日の映像が突如アップ。

その映像をDVD化、そして音声をCDにしてカップリングリリースしたのが本作。

全体的にぼやけてはいるものの発色のよい観やすい映像で、正面からの1カメだったりしますが、この位置からの撮影についてはテレビ番組でも確認できますので、これはニュース用とかではなくマルチの一部が流出したものと推測されます。

冒頭の"Introduction"はなんと10分以上あり、映像がスタートするなりいきなり火吹きパフォーマンスが映し出されますが、このパフォーマンスは日本の「ヤングミュージックショー」で「Aux Abattoirs」が放送された際、番組冒頭のインタビューでの4分割画面の右上で流れていたので、記憶にある方も多いかもしれません。

youngmusicshow

この火吹きパフォーマンスについては、ステージ上に油が残ってしまっていたようで、ミックが"Get Off Of My Cloud"を歌いだした後あたりから床のすべりを気にし始め、曲が終わった直後にスタッフを呼び指示。"Hand Of Fate"では、スポットライトにあたらないようにはしているものの、堂々と演奏中のステージを横切って歩いていき、ステージ中央を拭くスタッフの姿が捉えられていますが、こういうシーンが観れるということこそアウトテイク映像の醍醐味かと。

"Angie"が終わった後、ミックが次の曲を"You Gotta Move"と勘違いして曲名を連呼するのは、『Les Rolling Stones Aux Abattoirs』(VGP-241)や『Les Loups Dans L'Abattoir The Complete 1976 Paris Tapes』(G.R.Box 20)収録のオーディエンス音源でも以前から確認出来ましたが、ミックが自分が使っていたマイクをロニーとビリーとオリーの3人組用にして、自分はビルの前にあったマイクを使って本来の次曲"Star Star"に臨んでしまったがために、歌い出しがオフ気味になってしまったというのが確認出来たり、"Star Star"では前日の風船のたたみ方が悪かったのか、風船が半分も膨らんでいなかったという事実が分かるのも映像ならでは。

vgpauxabattoirs

godfather76paribox

さて、音声の方ですが、"Get Off Of My Cloud"からビリーの鍵盤のバランスが大きくなってしまってはいますが、こういった映像にありがちな歓声がオフということのない、きちんと歓声もミックスされたモノラルサウンドボード音源で、クリアーさには若干欠けるものの充分音質が良いといえるレベルの音となっています。また、アップ元のビデオのジェネレーションも低かったのか、ヒスノイズもさほどなし。

映像の方は残念ながら"You Can't Always Get What You Want"中盤のロニーのギターソロ途中で終わってしまってますが、CDの方もオーディエンス音源を繋げたりせずフェードアウトで終了。

この日のオーディエンス音源自体が演奏を大きく捉えた好録音だったことから繋いでもさほど違和感はなかったろうし、ライブ後半丸々となると2枚組になるので水増しっぽく捉えられそうですが、この曲だけなら1枚に収まるので、ディスク終了時の中途半端感解消策としてオーディエンス音源を繋げてくれれば尚良しだったかも。

by Hara ¦ 23:31, Sunday, Jan 11, 2015 ¦ 固定リンク


『Pavillon de Paris 1976』(Mayflower)
mayflowerpavillondeparis1976

『Pavillon de Paris 1976』(MF-64/65/66) 2CD+1DVD

June.6 1976 Les Abattoirs,Paris,France

Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Disc-2 Track 7-16
June.4,5,7 1976 Les Abattoirs,Paris,France

Disc-2 Track 7,8,9,10,11
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

Disc-2 Track 12,13,14,15,16
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent-Very Good

(Disc-1)
1.Introduction/2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me/4.Get Off Of My Cloud/5.Hand Of Fate/6.Hey Negrita/7.Ain't Too Proud To Beg/8.Fool To Cry/9.Hot Stuff/10.Star Star/11.Angie/12.You Gotta Move/13.You Can't Always Get What You Want/14.Band Introductions/15.Happy/16.Tumbling Dice/17.Nothing From Nothing/18.Outa Space
(Disc-2)
1.Midnight Rambler/2.It's Only Rock'n Roll/3.Brown Sugar/4.Jumping Jack Flash/5.Street Fighting Man/6.Outro/7.Angie(6/4)/8.Introduction(6/5)/9.Honky Tonk Women(6/5)/10.Ain't Too Proud To Beg(6/5)/11.Fool To Cry(6/7)/12.Hot Stuff(6/7)/13.Tumbling Dice(6/7)/14.Outa Space(6/7)/15.Midnight Rambler(6/7)/16.Cherry Oh Baby(6/7)


本作がメインで収録しているのは、1976年6月6日パリ公演のテレビ放送用のワーキングビデオの音声。

裏ジャケットにこの音源の代表盤であるDAC『French Made』(DAC-009)のジャケットがデザインされていることから、DAC盤を基にしたのかと思いきや、"Ain't Too Proud To Beg"最初のサビの編集がDAC盤独自のものではなく、従来タイトル同様のものとなっていることから、DAC盤のコピーではありません。

mayflower76pariback

dacfrenchmade

ここで、その"Ain't Too Proud To Beg"最初のサビの編集について触れておくと、この最初のサビは本来どうだったのかとというと、この公演のオーディエンス音源収録盤であるTaranturaの『Live 666』(TCDRS-7-1,2)で確認が可能。

live666

この曲のサビは同じヴァースを2回繰り返す構成になっていることから便宜上1回目2回目と分けますが、最初のサビは以下になっています。

(1回目) Ain't too proud to beg, sweet darlin'. Please don't leave (ハウリング)me, don't you go.
(2回目) Ain't too proud to beg, sweet darlin'. Please don't leave me, don't you go.


ビデオ映像の方の音声は基本的にどういう編集になっているかというと、サビの2回目部分は2番のサビの同じ部分を補填していて、以下のようになっています。

(1回目) Ain't too proud to beg, sweet darlin'. Please don't leave (ハウリング)me, don't you go.
(2回目) Ain't too proud to beg, (ハウリング)sweet darlin'. Please don't leave me, don't you go.

何故にわざわざハウリング部分を増殖させているのか理解に苦しむところ。この編集は、事典でDAC盤と並んでもう1つの代表盤として挙げたGodfatherの『Les Loups Dans L'Abattoir The Complete 1976 Paris Tapes』(G.R.Box 20)やVGP『French Made 1976』(VGP-258)、Speedball『Les Abattoirs Paris 76』(SBC002-2)等々、DAC盤以外のタイトルで聞くことが出来ます。

godfather76paribox

vgpfrenchmade1976

speedballpari76

では、独自編集のDAC『French Made』はというと、

(1回目) Ain't too proud to beg, sweet darlin'. Please don't leave me, don't you go.
(2回目) Ain't too proud to beg, sweet darlin'. Please don't leave me, don't you go.

1回目は2番のサビから、そして2回目は3番のサビを補填しています。
ちなみのこのDAC盤の編集はこれだけにとどまらず、サビに入ってくるハウリングを徹底的に嫌って、2番のサビの2回目にあたる部分までも1番のサビ同様に3番のサビの同部分を補填して、この曲のサビにハウリングが一切被っていなかったかのような編集としています。


本作はDAC盤以外のタイトルと同じ編集、即ち最初のサビでハウリングが2回聞こえるものとなっています。


続いては事典でも触れた、このビデオ音声の3つの難点部分が本作はどういう編集をしているかについて。

まずは"Hot Stuff"。
ビデオ音声では、間奏終了後に8秒ほど間奏の一部が上書きされているという難点があり、既発は曲をリヨン公演のサウンドボード音源に差し替えるか、間奏終了後の上書き含む部分をカットして曲を短縮版としていましたが、本作は3分2秒から3分11秒まで、Tarantura『Live 666』で聞けたオーディエンス音源を補填して、サウンドボード収録ブートとしてはこの曲をノーカットで通して聞ける唯一のタイトルとしています。

この公演のオーディエンス音源は他のパリ公演同様に演奏を大きく捉えたものにつき、音源切り替わり部分についても、後述するメインの音質調整効果もあって音質が若干変わったな程度になっていることから、違和感をさほど覚えずに聞くことが出来ます。


2つめは"Star Star"。
ビデオ音声では、3コーラス目のサビの途中以降から曲が終わる直前までの部分が欠落していましたが、テレビで放送されたこの曲が幸いなことにこの日からの採用だったことから、本作も事典の代表盤2つと同じくテレビ放送を曲頭から補填しています。


そして3つめ"Street Fighting Man"。
ビデオ音声はラスト数十秒程が欠落しており、幾つかのタイトルはフェードアウト処理としていましたが、これも"Star Star"同様にテレビ放送に採用されていたことから、VGP『French Made 1976』とGodfather『Les Loups Dans L'Abattoir The Complete 1976 Paris Tapes』は欠落部分からテレビ音声を補填。

DACの『French Made』はというと、事典ではこちらもテレビ音声に差し替えとしていましたが、実は基となったビデオ音声のまま"Street Fighting Man"がちゃんと完走していたということが判明。

その判明ポイントですが、テレビ放送では"Street Fighting Man"終了直後すぐにオフィシャルの"Satisfaction"が流れることから、終了後のチャーリーのドラムロールとミックの終演の挨拶を聞くことが出来ない番組の造りとなっていました。

したがってテレビ音声を補填していたVGP『French Made 1976』は、曲終了後すぐに音声をフェードアウトで絞っており、当然ながら終了後を聞くことが出来ず。

Godfather『Les Loups Dans L'Abattoir The Complete 1976 Paris Tapes』はというと、テレビ音声に切り替えた後、曲終了時のバンド全体でドカドカ演っている部分からテレビ音声にオーディエンス音声をクロスフェードさせて、曲終了後はおろかその後の客出しSE"La Marseillaise"までも聞くことが出来るようにしています。

ではDAC盤はというと、"Street Fighting Man"終了直後のDAC盤で聞けるドラムロールと、Godfather盤やTarantura盤で聞けるドラムロールを聞き比べると、被っている歓声が異なっていることに加え、DAC盤の歓声は他の曲が終わった後の歓声に近い感じのものであること、そして終了後の歓声部分にまでビデオ特有のハムノイズが確認できることから、DAC盤が基にしたビデオ音源は曲が完走しているものであったという結論に至っています。


本作の"Street Fighting Man"は、欠落部からテレビ音声補填するのではなく、曲の頭から曲全体をテレビ音声に差し替えており、曲の終了直後付近からオーディエンス音源をクロスフェード。そして同封のDVDの尺に合わせるために歓声を切り詰めて、客出しSE"La Marseillaise"が早く始まる編集となっています。

加えて本作は、ビデオ音声の"Brown Sugar"がイントロ途中で一旦フェードアウト気味になり、やたらビリーのクラビネットがオンにミックスされているのを嫌って、"Brown Sugar"と続く"Jumping Jack Flash"もテレビ音声に差し替え。したがって終盤の3曲は全てテレビ音声となっています。

さて本作の音質の方ですが、DAC『French Made』やSpeedball『Les Abattoirs Paris 76』のような鮮度の高いクリアーな音と異なり、高域控えめで中低域に厚みを加えた、ややモコっとした質感の音。ただこの音質が幸いして、テレビ音声やオーディエンス音源に切り替わっても、ほとんど違和感を覚えずにライブ全体を通して聴けるようになっています。まあ耳につく周波数帯に注意しながら、もう少しクリアーにしても良かったような気はしますが、これはこれで聞きやすい音。

惜しむらくは、モノラルの平坦さを解消すべく全体的に擬似ステレオエフェクトをかけたまでは、後発としては良いアイデアな気もしますが、残念なことに定位が全体的に左に寄ってしまっているので、ここはきちんと中央に定位を調整してもらいたかったところ。


ディスク2の残り10トラック9曲は、他のパリ3公演からの音源。

6月4日の"Angie"はDAC『From Paris To Toronto』(DAC-127)に代表されるオーディエンス音源。この日の"Angie"はテレビ放送されているのに、何故オーディエンス音源を選択したのかは意図不明。これも中低域に厚みを加えています。

dacfromparistotoronnto


6月5日の"Introduction""Honky Tonk Women""Ain't Too Proud To Beg"も、VGP『Les Rolling Stones Aux Abattoirs』(VGP-241)を代表としたオーディエンス音源で、VGP盤より若干マイルドな印象。

vgpauxabattoirs


そして6月7日からの"Fool To Cry"はオーディエンス音源。代表盤であるDACの『Europe 76』(DAC-087)よりも音の線が細い印象の音造りですが、そもそもこの曲はステレオサウンドボード音源があるのに、何故にオーディエンスなのかは意図不明。

daceurope76

"Hot Stuff""Tumbling Dice""Outa Space""Midnight Rambler""Cherry Oh Baby"はステレオサウンドボード音源で、こちらもDAC『Europe 76』(DAC-087)でまとめられていますが、"Hot Stuff""Tumbling Dice""Outa Space""Midnight Rambler"はDAC盤よりモコっとした印象。"Cherry Oh Baby"は逆に僅かながらシャープな印象の音造りとなっています。



DVDについても触れておくと、6月6日のワーキングビデオを収録しているプレスDVDで把握できているのは、WOWの『Aux Abbatoirs Live in Paris 1976』(WOW-009 1/2)とSODDの『Paris Complete 1976』(SODD-122)の2タイトル。

wowpari76dvd

soddpari76dvd

発色度合いは本作含め3タイトルともほぼ同等。画質は本作が僅かながら鮮明な気もしますが大差なし。ちなみにSODD盤と本作は黒枠付。

本作の映像は全てがワーキング映像ではなく、欠落のある"Star Star"と"Street Fighting Man"はもちろんのこと、"Honky Tonk Women""Hand Of Fate""Star Star""You Gotta Move""You Can't Always Get What You Want""Happy""It's Only Rock'n Roll""Brown Sugar""Jumping Jack Flash"の11曲と"Band Introductions"をテレビ番組「Aux Abattoirs」で放送されたものに差し替えています。

ちなみに事典では、この日の"If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud""Hey Negrita"もテレビ放送されたことになっていますが、これは誤りでこの曲の放送は他日分でもありませんので、ここで訂正しておきます。

ということで、本作は純然たる6月6日公演のワーキング映像収録DVDではなく、6月6日公演でのベストな選択をしたタイトルということになります。

また他の曲でも色々と既発2タイトルとは異なる点がありますが、まずはCDのところで触れた"Ain't To Proud To Beg"の最初のサビ部分、本作含めた3タイトル全てのその部分はテープが伸びてしまって映像が乱れてしまってますが、そうならない映像もビデオ時代にあったりしましたので、ハウリング部分をわざわざ増やした謎の編集はこれが原因ではないようです。本作は音声を差し替えていることから、映像自体は乱れているものの音声は問題なく聞けるようになっていますが、WOW盤とSODD盤は音声差し替え等を行っていないため、この部分は音声も乱れてしまっています。

間奏終了後に8秒ほど間奏の一部が上書きされていた"Hot Stuff"。
音声はそうなってしまっていますが、映像自体は普通に進行しているため、本作はCD同様にオーディエンス音声を補填して尺を合わせた音声に差し替えて、これまでのこの映像の欠点を克服しています。既発2タイトルについては、当然ながらそのままにつき間奏後の映像と音声は一致せず。加えて間奏前のサビについても、既発2タイトルはビデオテープの伸びによって映像・音声ともに乱れていますが、本作は音声を差し替えた上で映像も微妙に調整が施していることから、曲の頭から終わりまできちんとシンクロしている唯一のタイトルということになります。

間奏後のサビ後から曲の最後まで欠落していた"Star Star"については、WOW盤とSODD盤は欠落したままにつき、曲が短くなってしまっているのはもちろんのこと、この曲後半の見せ場である風船シーンもまったく見れなくなってしまってます。本作は前述したようにテレビ放送に差し替えてあるので、この曲はノーカット収録。

同じく曲の終盤が欠落していた"Street Fighting Man"。WOW盤とSODD盤は欠落部からテレビ放送を繋いでいますが、編集がやや雑で、音声がいかにも繋ぎましたとなっているのが玉にキズ。本作はこちらも頭からテレビ放送になっているので問題なし。

また、テレビ放送では"Street Fighting Man"終了直後、オフィシャルの"Satisfaction"スタジオテイクが流れますが、本作はその部分をオーディエンス音声に差し替えているのはもちろん、映像の終わりに間に合わせる形に歓声を詰めて、客出しSE"La Marseillaise"が鳴るよう編集されています。

なお、本作DVD冒頭の"Documentary"ですが、これはナレーションやコメントといったものははなく、ただメンバーの会場入りシーンやバックステージの模様を捉えているだけの素材映像で、WOW盤の"Arrivals And Backstages"とクレジットされているもの同じです。

by Hara ¦ 20:09, Saturday, Jan 10, 2015 ¦ 固定リンク


『Steel Wheels Tokyo 1990 Gai-Ka』(Mayflower)
mayflowergaika

『Steel Wheels Tokyo 1990 Gai-Ka』(MF-70/71) 2CD

Feb.16 1990 Tokyo Dome,Tokyo,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent - Very Good

(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Harlem Shuffle/6.Tumbling Dice/7.Miss You/8.Ruby Tuesday/9.Angie/10.Rock And A Hard Place/11.Mixed Emotions/12.Honky Tonk Women/13.Midnight Rambler/14.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Can't Be Seen/2.Happy/3.Paint It Black/4.2000 Light Years From Home/5.Sympathy For The Devil/6.Gimme Shelter/7.Band Introductions/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash


日替わり曲では、どちらかというと地味だった初日の"Play With Fire"から一般受け度の高い"Angie"がセットインした、初来日公演2日目となる2月16日公演(事典では何故かその"Angie"の前に「新曲」という言葉が入ってしまってました、すみません)。

この公演を収録している既発タイトルはVGP『Steel Wheels Japan Tour 1990』(VGP-346)のみでしたので、本作が2つめの全曲収録盤。

vgpsteelwheelsjapantour1990

VGP盤は若干遠目の録音で、気にならない程度ですが歓声や叫び声等をやや多めに拾っているのと、音質はクリアーであるものの全編に漂うヒスノイズはかなり多め。そして"MIxed Emotion"以降は、"You Can't Always Get What You Want"の2分14秒から"Can't Be Seen"終了までは若干軽減されるものの、バスドラムが歪んでしまっているのが難点。

本作は録音位置こそVGP盤より遠めだったりしますが、ドーム特有のエコーの影響は少なく、音の分離についてはVGP盤よりくっきりとした印象で、周りの騒がしさは本作の方がVGP盤より静かめ。ただし"Satisfaction"では右斜め前の観客が、曲中だというのにおそらく警備員相手なのでしょうか、まくし立てているのが聞こえてきたりします。

音のクリアーさやヒスノイズ多めなところはVGP盤とほぼ同じ。

"It's Only Rock'n Roll"と"Brown Sugar"の間に、DAT特有のトラッキングエラーずれによるデジタルノイズが聞こえますが、録れている音から推測するにこれはカセットでの録音で、ピッチはVGP盤より早め。

テープチェンジによる楽曲の欠落は、"Paint It Black"のイントロのみ。ただ、本作はダビングを何回か経たテープをマスターにしたようで、曲間が重複収録されている部分が何ヶ所か。

まずは"Tumbling Dice"と"Miss You"の曲間。本作のトラック7"Tumbling Dice"のタイムでいうと4分34秒から4分47秒の13秒間がその前の13秒とまったく同じ。

次に"Rock And A Hard Place"終了直後4分45秒からの約5秒間。観客の叫び声とミックの発する一言が二度収録されてしまっています。

そしてディスク2冒頭のミックのキース紹介MC直後の歓声部で0分12秒から約3秒ほど重複。この部分については、男性の叫び声が一旦ブツ切れとなってしまっているので、流して聞いていても気づく人は気づくかもしれません。

また、"Honky Tonk Women"イントロ部のカウベルに音飛びが生じていますが、これもダビング時によるものかと。VGP盤はそのようなことはないので、欠落している"Paint It Black"のイントロとこのカウベル部をVGP音源で補填する等、前述のピッチの早さ含めて、後発ならではの編集や修正をしておいてもらいたかったところ。

と、欠落部や重複ヶ所等の難点をあげつらいましたが、逆に本作はVGP盤で欠落していた"Midnight Ramler"終わりの数秒から"You Can't Always Get What You Want"はイントロ途中までの部分をノーカットで聞くことが出来るのはポイント。

加えてVGP盤は、その"You Can't Always Get What You Want"終了後でも、観客とのコールアンドレスポンスの途中でフェードアウト処理していましたが、本作はその部分もノーカット収録となっています。

by Hara ¦ 07:45, Saturday, Jan 10, 2015 ¦ 固定リンク


『Shea Stadium 1989 Final Night』(-)
sheastadium1989finalnight

『Shea Stadium 1989 Final Night』(-) 2CD

Oct.29 1989 Shea Stadium,New York City,NY

Stereo Audience Recordings
Quality:Excellent-Very Good

(Disc-1)
1.Continenntal Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Undercover Of The Night/6.Harlem Shuffle/7.Tumbling Dice/8.Miss You/9.Ruby Tuesday/10.Play With Fire/11.Dead Flowers/12.Rock And A Hard Place/13.Mixed Emotions/14.Honky Tonk Women/15.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Can't Be Seen/3.Happy/4.Paint It Black/5.2000 Light Years From Home/6.Sympathy For The Devil/7.Gimme Shelter/8.Band Introductions/9.It's Only Rock'n Roll/10.Brown Sugar/11.Satisfaction/12.Jumping Jack Flash/13.Outro(Carmen)

75年のMSGとLAフォーラム、そして76年のアールズコート以来13年ぶりの1会場6公演となった、89年のニューヨークはシェアスタジアム公演(このBlogでは頑なにシェイではなく昔ながらの呼び方で通します)。

タイトルにFinal Nightと銘打つ本作が収録しているのは、最終6つ目にあたる10月29日公演。

いきなり叫び声の奥から"Continenntal Drift"が始まるのでどうなることかと思いきや、周りの騒がしさは"Bitch"の序盤で落ち着き、以降は時折騒がしくなる程度で不快に感じる程ではないので一安心。

加えて"Continenntal Drift"から幾度となく、スタジアム近隣のラガーディア空港から発着する飛行機の騒音が演奏に匹敵するくらいの大きさで聞こえてきたりもしますが、こちらも"Bitch"のイントロに被るのが最後で、それ以降は聞こえず。

と、こんな状況の本作ですが、演奏自体を大きく捉えており、平面的ではなく奥行きのある音で録れているという聞きやすい感じの好音源。70年代のカセット録音を彷彿させるクリアーさに欠ける中低域中心の音質ですが、中域が耳につくといったことはありません。

終演後に打ち上げられる花火のバックとして場内に流される"Carmen"までの全曲収録で、リリース同時期に販売店舗のギフトとして配布されていた同日のオーディエンス映像を確認すれば分かるように、テープチェンジは"Play With Fire""You Can't Always Get What You Want""It's Only Rock'n Roll"終了後の3ヶ所で、ミックのMCが一部欠落していますが、次曲のイントロが欠けているといったことは無し。

なお本作に限らずですが、89年ツアーはサポートメンバーのみでストーンズ自体の紹介は無いことから、"Band Introductions"というクレジットというのは、はたして適切かどうかは疑問に思うところ。

by Hara ¦ 23:51, Wednesday, Jan 07, 2015 ¦ 固定リンク


『The Rolling Stones In Action - German Tour 1965』(DAC)
dacrollingstonesinaction

『The Rolling Stones In Action - German Tour 1965』(DAC-150) 1CD

Track 1-5
Aug.8 1964 Kurhaus Kuizaal,Hague,Netherlands

Track 6-14
Sep.13 1965 Ernst-Merck-Halle,Hamburg,West-Germany

Track 15-22
Sep.15 1965 Waldbuhne, Berlin, West-Germany

Track-23
June.3 1964 ABC(US TV) 「Hollywood Palace Show」 -Rehearsal-


Track 6-14,23
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

Track 1
Mono Audience Recording
Quality:Very Good

Track 2-5,15-22
Mono Audience Recording
Quality:Good


1.Beautiful Delilah/2.Walking The Dog/3.Hi-Heel Sneakers/4.Susie Q/5.Mona/6.Everybody Needs Somebody To Love/7.Pain In My Heart/8.Around And Around/9.Time Is On My Side/10.I'm Moving On/11.Charlie's Intro To The Last Time/12.The Last Time/13.Satisfaction/14.I'm Alright/15.Everybody Needs Somebody To Love/16.Pain In My Heart/17.Around And Around/18.Time Is On My Side/19.I'm Moving On/20.The Last Time/21.Satisfaction/22.I'm Alright/23.Not Fade Away


アルバムのサブタイトルはGerman Tour 1965ですが、いきなり冒頭5曲は1964年8月8日オランダのハーグ公演で、オフィシャルビデオ『25X5』に、当時のライブでの狂騒ぶりが映し出されていたのがこの公演。

ビデオではスタジオテイクの"Carol"が映像とのシンクロなど関係なく被されていましたが、LP時代からこの公演のオーディエンス音源自体はブート化されてきています。

LP時代は『Back To The Hague』(Mustang Records)、CDでは事典で代表盤として挙げた『Ready Steady Stones』(VGP-248)にて、"Walking The Dog"から"Mona"までの4曲を聞くことが出来ましたが、本作の1曲目に収録されている"Beautiful Delilah"はプレスのブートでは初登場となるトラック。

lpbacktothhague

vgpreadysteadystones

これまでのこの公演の音源については、事典に記したとおり、PAから出ているミックのヴォーカルが全く聞こえない点、ドラムやギター等のPAを通さないでも鳴る楽器がしっかりと録れている点、絶叫の歓声が曲間でこもった感じでさほど大きく捉えられていないという点、そして演奏中にも関わらず話し声が普通に録れていることから察するに、
ステージ脇のカーテン裏にいる関係者が録ったものなのではないかと推測される音でしたが、この"Beautiful Delilah"はどうやら別音源のようで、ミックのヴォーカルをはっきりと聞くことが出来ます。

ただ不思議なのは、ミックのヴォーカルはラジオ放送かのようにはっきりと聞こえるのに、ライブ冒頭のバンドコールはかなり遠くめなぼやけた音像となっていること。

このことから、ひょっとしたらBBCあたりの同曲を被せているのかと思いつきチェックしてみましたが、BBC音源で2テイク聞くことが出来る"Beautiful Delilah"は、いずれも1番→2番→3番ときちんと歌っているのに対し、本作の方は1番→1番→3番と歌っています。

また、サビの後半部にも異なる点があり、BBCテイクは両方とも「You are so tantalizing〜」と歌っているのに対し、本作の方は 「Why you are so tantalizing〜」と頭にWhyをつけて歌っています。

したがってこの演奏自体がフェイクということではない模様。

続く4曲は既発と同じ音源から作成されていますが、ロージェネレーションのマスターが基となっているようで、中域が張り出したいかにもカセット録音といった感じの既発に比べて、上下の音のレンジが広がった鮮明度の増した音で収録されています。とはいえ、まったくヴォーカルが聞こえない点は相変わらずだったりしますが・・・。



トラック6"Everybody Needs Somebody To Love"からトラック14"I'm Alright"までの8曲9トラックは、Red Tongue Recordsのボックス『Live In Hamburg 1965』(RTR-032)にて初登場した、1965年9月13日ハンブルグ公演のサウンドボード音源。

hamburg1965

歓声も曲間にしっかりと入っていることから卓直結のサウンドボードではなく、放送用等の何らかの意図で録られたものと推測されますが、ミックを主としたヴォーカルトラックが大きめで演奏はかなり小さい音量というバランスだったりすることから、まだラフミックス段階のものかと。

ライブ頭の"Everybody Needs Somebody To Love"は曲の途中から、ライブ最後の"I'm Alright"曲が終わった余韻部分で音源が切れてしまうのはRTR盤と本作いずれも同じ。

RTR盤はオリジナルリールとリマスターの2種を収録しており、"Everybody Needs Somebody To Love"の冒頭については、リマスターがフェードイン処理を施しているのに対し、オリジナルリールはカットインとなっています。本作はというとRTR盤オリジナルリール同様にカットイン収録。

RTR盤のオリジナルリールは、全編プチプチというノイズが乗っていて聞きづらかったりしましたが、本作はそのようなことは無し。

音質については、RTR盤同様にロージェネレーションのマスターが基のようで、この時代の音源としては充分高音質といえるもの。音圧はRTRのリマスターとオリジナルリールの中間程度で、リマスターほど高域を強調していないことから、ヒスノイズはRTRリマスターより少なめ。またオリジナルリールよりも低域を若干厚めな印象となっています。

ちなみに"Charlie's Intro To The Last Time"というのは、そのトラック名のとおりチャーリーによる次曲"The Last Time"の曲紹介。ブートでおなじみ65年春のパリ公演や、オフィシャル『Charlie is my Darling』のボーナスCD『Live In England '65』収録の英国公演では"Little Red Rooster"を紹介していましたが、このハンブルグ公演では"The Last Time"を紹介。

翌66年7月のホノルル公演ではチャーリーが"Lady Jane"を紹介するところを、既に演奏した"The Last Time"と紹介するというボケをかましていたりするのは、おそらくハンブルグ公演の時期あたりから66年春まで"The Last Time"を紹介していたという流れからのジョークかという推測が出来たりもします。

ちなみにこのチャーリーの曲紹介で、テープ転写によるものと思しき、この公演とは関係のない音楽がうっすらと聞こえるのは本作とRTR盤共通。



続くトラック15"Everybody Needs Somebody To Love"からトラック22"I'm Alright"までの8トラックは、
ハンブルグ公演の2日後となる1965年9月15日のベルリン公演。

この公演もLP時代からブート化されてきたオーディエンス音源で、初出はLP『The Riot Show/Berlin 1965』(MDR-1)でしたが、既発ではテープから起こした『Ready Steady Stones』(VGP-248)が事典での代表盤。

lpberlin1965

vgpreadysteadystones

ギターがかなり大きなバランスで録れており、ヴォーカルが遠目にエコーがかって聞こえるというバランスで、ドラムやベースはほとんど聞こえず。VGP盤は大きなバランスのギターそのままといった感の中域が出た明るい音となっていましたが、本作は中域を若干控えめに調整。ただしその中域を下げた分、音がこじんまりとして中低域が箱鳴り気味となっているのは好みの分かれるところ。

この音源も観客の絶叫がほとんど聞こえないことや、その録れている音のバランスから推測すると、本作冒頭の64年8月オランダ・ハーグ公演同様に、関係者が舞台袖にて録音したテープが基かと。

録音者は電池もしくはテープの節約なのか曲間は必ずテレコを止めていたようで、大半の曲の冒頭が欠けてしまっているのと、最後の"I'm Alright"は曲の途中で終了。この"I'm Alright"のテープ終了部、VGP盤はフェードアウトで終わらせていましたが、本作はカットアウトとなっています。

"Time Is On My Side"からは電池がなくなってきたのかテープ回転が不安定になるという難点については、本作も当然ながら同様。



本作ラストは、『25X5』でディーン・マーチンとの嫌味なやり取りを観ることが出来た1964年6月3日収録のハリウッドパレスショー。これまで放送された"Not Fade Away"と"I Just Want To Make Love To You"の2曲はブート映像や音源で楽しむことが出来ましたが、本作が収録しているのは初のプレスブート化となる"Not Fade Away"のリハーサルで、高音質のモノラルサウンドボードにて収録。

映像自体も、このレビューを書いている時点でYoutube等で鮮明な状態で観ることが出来ますが、間奏の途中でキースの低音弦がブリッジから外れてしまったようで、間奏のカッティングが高音弦しか鳴らなくなり演奏が止まってしまうというもの。ミックが笑ってしまっているのは音声でも確認できますが、映像ではギターの状態をブライアンに見せているのも見ることが出来ます。

by Hara ¦ 19:19, Friday, Jan 02, 2015 ¦ 固定リンク


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