The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 

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2013年 8月

『Touring Party Vol.3』(DAC)
dactouringpartyvol3

『Touring Party Vol.3』(DAC-126) 2CD

●Disc-1
July.11 1972 Rubber Bowl,Aklon,Ohio

Stereo Audience Recording
Quality:Very Good

●Disc-2
June.10 1972 Pacific Terrace Center,Long Beach,CA

Mono Audience Recording
Quality:Very Good-Good


(Disc-1)
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.You Can't Always Get What You Want/10.All Down The Line/11.Midnight Rambler/12.Band Introductions/13.Bye Bye Johnny/14.Rip This Joint/15.Jumping Jack Flash/16.Street Fighting Man
(Disc-2)
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.You Can't Always Get What You Want/10.All Down The Line/11.Midnight Rambler/12.Band Introductions/13.Bye Bye Johnny/14.Rip This Joint/15.Jumping Jack Flash/16.Street Fighting Man


ディスク1は、1972年ツアー後半にさしかかった7月11日オハイオ州アクロン公演。

この公演については、やれステレオだモノラルだなどと幾つものタイトルがリリースされてきましたが、基になった音自体は皆同じ。手拍子を結構拾っていたりはするものの演奏をそこそこ大きく捉えた録音で、この時期としては珍しいステレオ録音。

幾つかリリースされてきた中では全編ステレオ収録のSweet Records『Rubber Bowl 1972』(SV-71172)が既発ベストでしたが、これはこれで"JJF"終了直後には中身と全然関係のない音が上書きされていたり、"All Down The Line"のイントロ2音が編集ミスにより重複収録されている、といった既発にはなかった新たな難点があったりと、いまいち決め手に欠けるタイトルではありました。

rubberbowl1972b

さて本作ですが、『Rubber Bowl 1972』同様に全編ステレオ収録で、全体的な音は『Rubber Bowl 1972』よりも僅かながら音にメリハリがついてはいますが、さほどの差はなし。

ディスク冒頭については、『Rubber Bowl 1972』は基テープをめいっぱい収録しようという意図だったのか、約1秒弱のヒスノイズ入りの無音からカットインでスタートしますが、本作もコピーではないという証明の意図なのかヒスノイズ入りの無音が2秒強あってから音源がカットインでスタートする形となっています。

当然のことながら"All Down The Line"のイントロは重複無しの正常収録。

JJF"終了直後の上書き部については、本作はその上書き部分を丸々カットしてクロスフェードで繋いでスムーズに聴けるよう処理してはいますが、若干の音ユレが発生してしまっているのはやや残念。

このJJF"終了直後部分については、モノラル収録だったVGP『Alabama Jubilee』(VGP-306)は欠落がなかったりしますが、本作はここに音の質感が異なるVGPモノラル音源を補填することによって生じる違和感を嫌っての編集だったのかなと推測されます。

vgpalabamajubilee2

なお、別タイトルのレビューでも書きましたが、この日はPAが不調で、ハウリングが随所で発生していることに加え、Tumbling Dice"では曲中で音が一瞬音が途切れる箇所が幾度かあったり、"Sweet Virginia"ではキースのコーラスマイクが終止オフとなっていることから、最初から最後までミックの歌のみでサビに被ってくるコーラスなしというある意味珍しい演奏を聴くことが出来ます。


ディスク2はツアー序盤の6月10日ロングビーチ公演を全曲収録。

この公演については、RISK DISCの『Long Bitch』(RISK DISC 010)が唯一のこの公演を収録したタイトルで、テープチェンジによる曲中カットの無しの全曲収録盤。

longbitch

この『Long Bitch』、ヒスノイズ除去の影響により音の余韻がかなり不自然だったり、全体にキーンという高周波ノイズが漂っていることに加えピッチが若干不安定という、本来の音以前の問題が大きいタイトルではありました。

さて本作、基になった音源は『Long Bitch』と同じ。一部歓声や手拍子が耳障りに感じる箇所があったりはしますが、遠目ながらも演奏はそこそこ大きく録れているので、耳が慣れてしまえば充分聴ける音ではあります。

基にしたテープのジェネレーションは本作の方が若かったようで、『Long Bitch』のような高周波ノイズは無し。

また、『Long Bitch』では"Midnight Rambler"のブレイク部分で一箇所テープの音延びがありましたが、
本作はそのようなことはなく、すんなりと通しで曲を聴くことが出来ます。

ちなみに事典では『No Expectations』(MG-001)収録の"JJF"と"SFM"を、クレジット鵜呑みにして『Long Bitch』収録の音源とは別物としていましたが、実はMG盤のクレジットは誤りで、正解はVGP『Winterland Stars』(VGP-338)に収録されていた6月8日のウインターランド1stショーからのもの・・・。

noexpectations

vgpwinterlandstars

このウインターランド1stショーも同じく終盤2曲しか残されていないという点で気付かなかったのもなんですが、そもそも『Long Bitch』ときちんと比較していれば、このようなイージーミスも起きなかったのでしょうけど、いずれにせよ誤りは誤りですので、ここにあらためて訂正を記します。

by Hara ¦ 15:25, Saturday, Aug 31, 2013 ¦ 固定リンク


『Rock's Hottest Ticket』(Terantura)
tararockshottestticket

『Rock's Hottest Ticket』(TCDRS-16,17) 4CD
July.1&2 1975 Capital Center Arena,Largo,MD

Mono Audience Recording
Quality:Very Good-Good

TCDRS-16
(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me/5.Get Off Of My Cloud/6.Star Star/7.Gimme Shelter/8.Ain't Too Proud To Beg/9.You Gotta Move/10.You Can't Always Get What You Want/11.Happy/12.Tumbling Dice/13.It's Only Rock'n Roll
(Disc-2)
1.Introduction/2.Doo Doo Doo Doo Doo/3.Fingerprint File/4.Wild Horses/5.Brown Sugar/6.Midnight Rambler/7.Rip This Joint/8.Street Fighting Man/9.Jumping Jack Flash

TCDRS-17
(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me/5.Get Off Of My Cloud/6.Star Star/7.Gimme Shelter/8.Ain't Too Proud To Beg/9.You Gotta Move/10.You Can't Always Get What You Want/11.Happy/12.Tumbling Dice/13.It's Only Rock'n Roll/14.Introduction/15.Doo Doo Doo Doo Doo
(Disc-2)
1.MC/2.Fingerprint File/3.Angie/4.Wild Horses/5.Brown Sugar/6.Midnight Rambler/7.Rip This Joint/8.Street Fighting Man/9.Jumping Jack Flash

TCDRS-16のディスク1と2に収録は、"You Can't Always Get What You Want"の最後の最後や、"Wild Horses"2回目のソロ前のAメロ終わり部分等で、ミックがこのツアーの通常の歌い方とは異なる歌い方をしている点が何となく耳を惹く7月1日ラーゴ公演で、プレスでのブート化は初(Rは知りません)。

残念ながら全曲収録ではなく、"That's Life"と"Outa Space"のビリープレストンが歌う2曲は未収録。

他のテープチェンジによるカットは"You Can't Always Get What You Want"のギターソロ途中と"Wild Horses"のイントロ前。ここはクロスフェード処理するでもなくそのまま繋げただけというものですが、そのテープチェンジ直後は基にしたテープの劣化による高域の音ムラや音ユレが切り替わり後のしばらくの間発生してしまっています。

音の方はそこそこクリアーな音質の、やや距離を感じるエコーがかったオーディエンス録音で、ライブ序盤は手拍子に演奏が埋もれ気味になっていたり、会場の出音が上がってきたライブ終盤の"Brown Sugar"以降は音が団子状態で聞きづらくなっていたりはするものの、総じては演奏を大きめに捉えた良好音源。

このレーベル特有のチャプター切り替わり時の音ブレはありませんが、ディスク1冒頭から最初のテープチェンジあたりまでは、音圧上げすぎの弊害なのか、高域部にややバリバリといった歪みが生じてしまっています。

続いてはこのボックス、ディスク1から4という表記ではなく、公演別というか型番毎にディスク番号がリセットされるので、ラーゴ2日目となる7月2日公演はTCDRS-17のディスク1と2と表記されています(ああややこしい)。

この公演はVGPの『We Hope Ya Like Dis One』(VGP-235)にて、ヒスノイズ多めなVery Goodクラスのモノラルサウンドボード音源で、"It's Only Rock'n Roll""Doo Doo Doo Doo Doo"の2曲がブート化されていましたが、本作はその全長版ということはなくオーディエンス録音での音盤化。

vgpwehopeyalikedisone

ディスク2同様にこちらの公演もビリープレストンの2曲は未収録。その他のテープチェンジによるカットは、まず"You Can't Always Get What You Want"のギターソロ途中。続いては"Fingerprint File"終了直後、
そして"Angie"挟んでまたもテープチェンジですが、こちらはマスターテープのテープチェンジではなくダビング時のもので、この後は"Midnight Rambler"終了後まで高域がコモッてしまってます。

また、これらチェンジ部分はクロスフェード編集されることもなく、そのまま繋がっているだけのものとなっています。

音の方は、盛りあがる部分はさすがに団子状態になりますが、それ以外はやや距離を感じるエコー強めの録音で、クリアーさに欠ける典型的なカセット録音の音質。

こちらもディスク1と2同様にピッチは遅め。

このレーベル特有のチャプター切り替わり時の音ブレこそありませんが、音圧を上げすぎた弊害で、音が全体的にバリバリと歪んでしまっているのは何だかなと・・・。

by Hara ¦ 22:20, Wednesday, Aug 28, 2013 ¦ 固定リンク


『Largo 1981 2nd Night』(-)
largo19812ndnight

『Largo 1981 2nd Night』(-) 2CD

Dec.8 1981 Capital Arena,Largo,MD

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introduction/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction

同会場3日連続公演の中日にあたった12月8日ラーゴ公演全曲収録盤。

ツアーも残すところ10日あまりとなった終盤の公演だけあって、翌1982年ツアーに継続されていくスピーディーでまとまった演奏が主ですが、"Let Me Go"の曲前ではミックが勘違いして"Time Is On My Side"用のMCを途中まで言いかけて気付いてやめたり、その"Time Is On My Side"の間奏や"She's So Cold"のイントロではチャーリーのリズムがひっくり返ってしまっていたり、"Beast Of Burden"は何とも中途半端な感じで曲が終わってしまい、"Start Me Up"ではキースがキーを間違えてイントロを弾き始めたものの慌てて弾き直す、といった1981年ツアーならではの演奏も。

この公演からは"Let Me Go"がFM放送及び『Still Life』に採用されていますが、これも当然の如く編集や加工がされており、本作のタイムでいうと、まず2分26秒から2分35秒まで、次いで2分46秒から2分55秒、3分6秒から4分25秒、そして4分36秒から4分45秒と計4ヶ所にわたる細かいカットがされた上で、ヴォーカルが全面的に録り直しされています。

さて本作ですが、基としているのはWolfgang Vaultにて公開された、FM放送の素材と思しき高音質ステレオサウンドボード音源。

その公開音源で遅かったピッチは、ほぼ正確に修正。

そしてこの公演の公開音源についても、他の公演同様にカセットテープを経由していることからカットがありますが、その欠落部分にはDACの『Capital Connection Vol.2』(DAC-037)にてリリースされていたミキサー卓直結のモノラルサウンドボード音源を疑似ステレオ化して補填しています。

daccapitalconnectionvol2

その補填箇所、ディスク1では前述した"Let Me Go"の4分37秒から4分44秒、つまりオフィシャルでは採用されなかった部分にあたりますが、ロニーのソロ部分だったこともあり、ロニーのギターが左から中央に定位が変わったと感じる程度で違和感がほとんどない見事な補填となっています。

なお、ディスク2の補填箇所については、曲中にカットのあった曲がない為、その前の欠落箇所からの経過時間からおそらく"She's So Cold"終了後と推測されますが、前述した『Capital Connection Vol.2』も"She's So Cold"終了後にテープチェンジがあったようで本作よりも"Hang Fire"との曲間が短く、逆に本作の方が"She's So Cold"終了後にミックがつぶやいたお礼の言葉を多く聴くことが出来ます。

by Hara ¦ 01:46, Tuesday, Aug 27, 2013 ¦ 固定リンク


『New Jersey 1981 3rd Night』(-)
newjersey19813rdnight

『New Jersey 1981 3rd Night』(-) 2CD

Nov.7 1981 Brendan Byrne Arena,Medowlands Sports Complex,East Rutheford,NJ

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Take The A Tarin/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introduction/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.All Down The Line/7.Hang Fire/8.Miss You/9.Start Me Up/10.Honky Tonk Women/11.Brown Sugar/12.Jumping Jack Flash/13.Satisfaction

メドウランズ3日連続公演3日目11月7日公演全曲収録盤。

基となったのは、Wolfgang Vaultが公開したFM放送の素材と思しき高音質ステレオサウンドボード音源。

この公演も初日2日目同様に卓直結のモノラルサウンドボード音源が発掘、ブート化されてはいたものの、この日はテープチェンジ時の操作ミスだったのか、卓直サウンドボード音源自体は"Little T&A"までしかなく、事典で代表盤として挙げていたVGP『Too Tired Rock』(VGP-318) は、以後を輪郭ぼやけ気味の同日オーディエンス音源を補填して、この公演の全曲を聴けるようにしていた唯一のタイトル。

vgptootiredtorock

本作はというと、既発未収録だった"A列車"から始まっていることに加え、一連の公開音源に必ずあるテープチェンジによるカットが曲中にあたらなかったため、曲中補填無しで全曲、ステレオサウンドボード音声で聴くことが出来るタイトルとなっています。

では公開音源でのカットはどこかというと、まずディスク1の"Let Me Go"終了直後。前述のVGP盤では終了直後に、ピックが弦にあたる音とミックが「Thank you」と言っているのを聴くことが出来ますが、公開音源ではその部分が丁度テープチェンジにあたったようで、これらを聴くことが出来ません。

本作はこの欠落部分について特に補填をしていないことから、ほんとに些細ではありますがVGP他の既発音源でのみ唯一聴ける部分となりますが、逆に卓直サウンドボード音源の終了間際である"Little T&A"終了直後にミックと(おそらく)キースがそれぞれに言葉を発した部分や、オーディエンス音源のテープチェンジにあたった"Brown Sugar"終了後にミックが発した「Alright」2回については、このステレオサウンドボード音源でのみ聴くことが出来ます。

続いてもう一ヶ所の欠落部はというと、高域の波打ち加減で"She's So Cold"終了後あたりというのは分かるのですが、VGP収録のオーディエンス音源と比較しても"All Down The Line"までの曲間は同じ。

ただ"All Down The Line"が始まると高域の波打ちが無くなることから、間違いなくテープチェンジはされているはずですので、オーディエンス音源の方も偶然同じ箇所がカットされている可能性が高いと考えられます。

公開音源では遅かったピッチはほぼ正確に修正。

この公演も前日同様にラフな81年ツアーの魅力満載。前日ミスを連発していたチャーリーはこの日も"Black Limousine"で、ロニーのイントロに合わせられず半泊遅れて曲に入ったが為に、妙にもっさりとした始まりになっていたり、4回目の演奏となった当時の新曲"Going To A Go Go"は、未だエンディングが固まっていないことから、各人のタイミングが合わずにグダグダな終わり方をしていたり、"Beast Of Burden"ではミックが最初のサビの後、Aメロに入るタイミングが遅れてしまったことから、歌とバックがずれたまま曲が進んでいきますが、キースはまるでミックの歌を聞いていなかったかの如く、本来のタイミングでサビのコーラスを強引に入れてようやく曲が立て直ったりと、とてもツアー中盤の演奏とは思えない迷走ぶりを楽しむことが出来ます。

なお、この日も裏ジャケにクレジットはありませんが、"Honky Tonk Women"にティナ・ターナーがゲスト参加しています。

by Hara ¦ 07:07, Wednesday, Aug 21, 2013 ¦ 固定リンク


『New Jersey 1981 2nd Night』(-)
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『New Jersey 1981 2nd Night』(-) 2CD

Nov.6 1981 Brendan Byrne Arena,Medowlands Sports Complex,East Rutheford,NJ

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Take The A Tarin/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introduction/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.All Down The Line/7.Hang Fire/8.Miss You/9.Start Me Up/10.Honky Tonk Women/11.Brown Sugar/12.Jumping Jack Flash/13.Satisfaction

メドウランズ3日連続公演2日目11月6日公演収録盤。

ディスクをかけるといきなり耳馴染みのあるバンドコールからスタート。事典では、この6日公演の卓直結モノラルサウンドボード音源を収録した既発盤『Five Stones Ready To Roll』(VGP-313) の解説で、「バンドコールをオフィシャル『Still Life』から、つまり前日の11月5日の音を流用」と書きましたが、今回Wolfgangが初日と3日目の同会場公演をこれまで聴けなかったバンドコール含めて公開したことから、消去法で『Still Life』に収録されていたバンドコールはこの公演のからものということが判明しました。

vgpfivestonesreadytoroll

とはいえ、このVGP盤は『Still Life』からの流用につき、A列車にバンドコールの被るタイミングが実際の公演と異なっていたため、A列車がバンドコール直後から数秒前に戻ってしまっているというおかしなことになっていましたが、本作収録のWolfgang公開音源もよく聞くとバンドコール直後からA列車が数秒前に戻ってしまっていることから、バンドコールについては『Still Life』から流用しているようです。

公開音源で遅かったピッチはほぼ正常に修正。

一連の公開音源同様、カセットテープを経由したものがアップされている故にこの公演についてもテープチェンジによる欠落が2ヶ所ありますが、サイトでのアップの仕方に手違いがあったのか、冒頭から最初のテープチェンジにあたる"Let Me Go"2分41秒までは、何故か左右が逆になってしまっていたことから、本作はきちんと左右反転させての修正を施した上で、欠落した8秒間に前述の卓直モノラル音源を疑似ステレオ化させて補填しています。

もう1つのテープチェンジは"Tumbling Dice"終了直後。卓直モノラル音源では、おそらく場内には流れていないであろうバンドへのミックの話し声と、観客へリクエストを募るミックのMCが聴けますが、本作はその欠落箇所については補填をしていないことから、ここだけは卓直モノラル音源のみで聞ける部分となります。

この日も1981年ツアー特有の迷演が存分に楽しめ、"Let's Spend The Night Together"のエンディングでは、ミックが構成を見失ってしまったが為にグダグダになりかけていたりしますが、とにかくこの日はチャーリーが絶不調で、フィルを入れるとつんのめってしまう箇所が幾つもあったり、"Tumbling Dice"では曲後半のキースだけになる部分で迷子になったかと思えば、"Hang Fire"のギターソロ後の決めの部分では一人だけズレまくり、"Start Me Up"の最後のサビでは2度程止まりそうになるわ、初日に引き続きティナ・ターナーがゲスト参加した"Honky Tonk Women"ではイントロで曲に入ったかと思った途端に叩くのを止めてしまったり、"JJF"での間奏つんのめりはまだしも最後のサビの後に3連のフィルを入れようとしてこれまたずっこけかけそうになったりと、散々なことになってしまっています。

とはいえこの公演、ラジオ放送に採用されたのは前述のA列車のみなものの、映画『Let's Spend The Night Together』には"Going To A Go Go""You Can't Always Get What You Want""She's So Cold""Miss You""Satisfaction"の5曲も採用されていることからも分かるように、チャーリーのずっこけぶりによる迷走を除けば、全般的には勢いのある演奏を聴くことが出来ます。

by Hara ¦ 02:22, Wednesday, Aug 21, 2013 ¦ 固定リンク


『New Jersey 1981 1st Night』(-)
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『New Jersey 1981 1st Night』(-) 2CD

Nov.5 1981 Brendan Byrne Arena,Medowlands Sports Complex,East Rutheford,NJ

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Disc-2 Track 5,6
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Take The A Tarin/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Down The Road Apiece/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.All Down The Line/7.Hang Fire/8.Miss You/9.Start Me Up/10.Honky Tonk Women/11.Brown Sugar/12.Jumping Jack Flash/13.Satisfaction

メドウランズ3日連続公演初日にあたるこの11月5日公演は、映画『Let's Spend The Night Together』で"Little T&A""Tumbling Dice""All Down The Line""Hang Fire""Let It Bleed""Start Me Up""Brown Sugar"の7曲が採用、『Still Life』にも"Under My Thumb"が採用されていることに加え、VGP『Down The Road Apiece』(VGP-303)に代表されるミキサー卓直結のモノラルサウンドボード音源、そしてEXILEの『Down The Road Medowlands』(EXCD-009/010) にてオーディエンス音源がそれぞれほぼ全曲リリースと、非常に音源に恵まれた公演でしたが、Wolfgang VaultがFM放送の素材と思しきステレオサウンドボード音源を公開、その音源を基に、おかしかったピッチ修正等施して作成されたのが本作となります。

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音の方はやや硬質に感じる部分があるものの、すっきりとしたクリアーな高音質ステレオサウンドボードで、この音でツアーのレア曲"Down The Road Apiece"が聴けるようになったのは特筆もの。

この音源も一連のWolfgang Vault音源同様、カセットテープを経由している故にテープチェンジによる欠落がありますが、最初の欠落は"Going To A Go Go"の冒頭3小節強だけだったものの、次のチェンジはテープ操作を忘れていたのか、"Tumbling Dice"の最後の最後3分55秒から
"Hang Fire"のイントロ冒頭5秒までの間という、かなり長い間レコーダーが止まっていてしまったようで、"She's So Cold"と"All Down The Line"は曲が丸々欠落してしまっています。

本作はその欠落部に前述のモノラルサウンドボード音源を補填していますが、モノラル音源そのままというわけではなく疑似ステレオエフェクトをかけて、音源が切り替わった際の違和感軽減を図っているようです。

また、このWolfgang Vault音源での"Under My Thumb"は、オープニングSEの"Take The A Tarin"が入ったテープを"Under My Thumb"が始まってもフェーダー下げるのを忘れてしまっていたようで、40秒過ぎからはその"Take The A Tarin"の女性ヴォーカルが聞こえてきます。

更にこの"Take The A Tarin"が入ったテープ、当時のニューアルバム『Tatoo You』を収録したテープに上書きしていたもののようで1分58秒過ぎあたりから"Hang Fire"がはっきり聞こえるようになり、"Under My Thumb"が終わった後の曲間ではドンピシャのタイミングで"Slave"が始まっていたりしますが、幸いだったことにあくまでもFM放送用のミキシング卓上での出来事だったようで、前述のモノラルサウンドボード音源やオーディエンス音源では、このトラブル(?)は確認出来ません。

本作はそのトラブルを回避しようと、"Under My Thumb"自体を『Still Life』からのものにピッチを合わせて差し替えてしていますが、実はこの"Under My Thumb"、演奏は11月5日ですがバンドコールは全然別もの。

11月5日本来のバンドコールは本作で確認出来るように、途中で接触不良と思しき音切れが発生していたことから、こんなややこしいことになっていたのかと。

前述のモノラルサウンドボード音源ではテープスタートが遅かったのかバンドコール自体が未収録でしたが、オーディエンス音源の方は音切れの度合いが異なるものの(オーディエンスはバンド名が完全にオフになってしまっています)、たしかにこの公開音源と同じバンドコールが確認出来ます。

では『Still Life』で採用されたのはいつのバンドコールかというと、Wolfgang Vaultで11月6日公演も同時公開されましたが、どうやらその6日から持ってきていたというのが正解だったようです。

本作もその点は気付いていたようで、本来の11月5日のバンドコールを残しつつ、『Still Life』に切り替わるという絶妙な編集が施されています。

ただこの補填した『Still Life』の"Under My Thumb"、やはりそのままという訳ではなく曲の中盤以降、ヴォーカルの一部差し替えやオーヴァーダブがされていることから、やはりオリジナルミックスも必要ということで、本作はボーナストラックとして、そのWolfgang Vault公開の"Under My Thumb"のオリジナルミックスを収録。更にそれに加え、補填を『Still Life』からではなくモノラルサウンドボード音源にしてみたらどうだろうという仮編集テイクまで収録していることについては、ユーモアが感じられるグッドポイントかなと。

・・・と、ここまで色々と凝った造りなのに、唯一残念なのは"Just My Imagination"の51秒にWolfgang Vaultでは無かったデジタルの音ブレが起きてしまっている点。

"Honky Tonk Women"でゲスト参加しているティナターナーが、裏ジャケのクレジットから洩れていたりするのは、まあどうでもいい点とは言えますが、この音ブレについては非常に残念。

※このように書きましたが、補整した交換ディスクが準備されるとのことにつき、実際リリースされたらここの音ブレ部分については加筆・修正することとします。

by Hara ¦ 12:15, Saturday, Aug 17, 2013 ¦ 固定リンク


『Chicago 1981 3rd Night』(-)
chicago19813rdnight

『Chicago 1981 3rd Night』(-) 2CD

Nov.25 1981 Rosemont Horizon,Des Plaines,IL

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Under My Thumb/2.When The Whip Comes Down/3.Let's Spend The Night Together/4.Shattered/5.Neighbours/6.Black Limousine/7.Just My Imagination/8.Twenty Flight Rock/9.Going To A Go Go/10.Let Me Go/11.Time Is On My Side/12.Beast Of Burden/13.Waiting On A Friend/14.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction

1981ツアーシカゴ3日連続公演3日目にあたる11月25日公演といえば、初日や2日目のような卓直SBD音源の流出もなければ、オーディエンス音源すら発掘されておらず、唯一この公演の音を聞くことが出来たのが、FMで放送された後にオフィシャル化された"Beast Of Burden"と"Start Me Up"の2曲だけといった状況でしたが、Wolfgang VaultがそのFM放送の素材と思しき音質最高のステレオSBD音源にて全曲を公開。その音源をプレスCD化したのが本作となります。

リリースするにあたり、公開音源で遅かったピッチはほぼ正常に修正。

この音源も他の公開音源同様にカセットテープを経由してのものだったことから、テープチェンジにあたった"Let Me Go"後半の一部に(本作のタイムでは4分17秒)、"She's So Cold"前の曲紹介MCから曲の冒頭1コーラス丸々と、それぞれ欠落が生じていますが、この公演については前述の音源発掘状況につき当然の如く本作も補填はしておらず、フェードアウト・インとなっています。

さて、冒頭に記したオフィシャル化された2曲についてですが、リリースにあたっては色々と手を加えるストーンズ、もちろんこれらの曲も例外ではなく、まずはシングル『Going To A Go Go』のB面としてリリースされた"Beast Of Burden"。

こちらはヴォーカルはオーヴァーダブされずそのままですが、演奏の方はイントロ17秒から34秒、サックスソロ冒頭2分36秒から3分10秒まで、最後のサビが終わった直後5分16秒から6分23秒まで、そして6分39秒から曲が終わるまでと、計4ヶ所2分20秒弱のカット。

これらカット編集してリリースされたこの曲のエンディングは、ミックが歌っているバックで唐突に演奏が終わってしまったという何とも中途半端な印象を受けざるを得ないようなものでしたが、本作で聴ける実際の演奏はというと、ミックが一旦アドリブを終わらせて、これからもう一回アドリブをと歌い出した途端に演奏が終ってしまうという更にひどいものだったことから、この編集もやむなしかとは思いますが、だったら素材となる公演は他に幾つもあるのだから何故にこの公演から?という点がなんとも理解に苦しむところではあります。

そして『Still Life』に収録の"Start Me Up"はというと、3分12秒から3分19秒と3分53秒から4分までの非常に細かいカットを施した上、ヴォーカルは全面的に録り直し。

聞き比べてみると、節回しは実際の公演にある程度合わせてはいるものの、その歌い方は実際のツアー中盤以降の喉を大きく開いたものではなく、ミック本来のダミ声っぽい歌い方で録り直していると共に、歌詞やアドリブは実際の公演と変えているのが分かります。

ちなみにこの"Start Me Up"終了後のMCも『Still Life』に採用されており、そちらは終了直後の「Yeah baby」後4分17秒から4分30秒までをまずカット、採用されたお礼の一言を挟んだ後の4分32秒から4分40秒を再びカットし、そこからミックの煽りを6秒程いれて次曲"Satisfaction"に繋がる編集となっています。

by Hara ¦ 13:09, Thursday, Aug 15, 2013 ¦ 固定リンク


『Hampton 1981 2nd Night』(-)
hampton19812ndnight

『Hampton 1981 2nd Night』(-) 2CD

Dec.19 1981 Hampton Coliseum,Hampton Roads,VA

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Under My Thumb/2.When The Whip Comes Down/3.Let's Spend The Night Together/4.Shattered/5.Neighbours/6.Black Limousine/7.Just My Imagination/8.Twenty Flight Rock/9.Going To A Go Go/10.Let Me Go/11.Time Is On My Side/12.Beast Of Burden/13.Waiting On A Friend/14.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introduction/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction

1981年のツアー千秋楽となった12月19日のハンプトン公演を、Wolfgang Vaultにて公開された高音質ステレオサウンドボード音源をメインに全曲収録したタイトル。

この公演からは、"Just My Imagination"のみ、オフィシャル『Still Life』にかなり短かく編集されて採用されていますが、そのカットポイントは本作のタイムでいうと、2分20秒から2分36秒まで、2分52秒から3分23秒まで、3分55秒から4分19秒まで、4分43秒から4分51秒まで、5分59秒から6分38秒まで、6分53秒から8分37秒までの6箇所にあたります。

また『Still Life』では、曲の最後の「ジャジャジャジャジャッ」という8分5連のキメの部分にミックのかけ声が聞こえますが、これはオーバーダビングによるものにつき、本作では聴くことが出来ません。

このハンプトン最終公演も一連のWolfgang Vault公開音源同様に、アップされた音源はカセットへのダビングを経由していることから、テープチェンジによる欠落が2箇所あり、本作はその部分を2枚組CD『Grande Finale』(-)にてリリースされていたオーディエンス音源にて補填。

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まずは、"Let Me Go"後半2分25秒から32秒までの約7秒間。補填されたオーディエンス音源は、基の『Grande Finale』そのままではなく低域を上げたりしての音質調整はしているようですが、元々ホールエコーがかなり強い音源であったことから、補填部分については演奏自体がかなり奥に引っ込んだ印象。

そしてもう一箇所はアンコールの"Satisfaction"最初のブレーク部分、1分28秒から33秒までの約5秒間。こちらも『Grande Finale』からの補填ですが、この『Grande Finale』は本編とアンコールで別のオーディエンス音源から作成されており、この"Satisfaction"の方が前述の"Let Me Go"よりもスネアドラムが前面に出ていた分、繋ぎでの違和感は僅かの差ながら少なめかと。なお、こちらの補填音源も基の『Grande Finale』を低域上げたりしての音質補整はされているようです。

ちなみに前日18日は、そのPPV映像で"Brown Sugar"でキースがイントロを弾くのを待つチャーリーが印象的だったりするように、"Honky Tonk Women""Brown Sugar""Start Me Up"のライブ終盤3曲をまるでメドレーの如くたたみかけるように連続演奏するといった、明らかに収録を意識した演出をしていたりしますが、本作収録の19日はこれまで通りに曲間開ける形に戻しており、この終盤3曲を切れ目無く演奏する演出は翌1982年ツアーで復活することとなります。

by Hara ¦ 23:51, Monday, Aug 12, 2013 ¦ 固定リンク


『Swiss Made Vol.2』(DAC)
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『Swiss Made Vol.2』(DAC-129) 2CD

●Disc-1
Sep.26 1973 Festhalle Bern,Switzerland(2nd Show)

Mono Audience Recording
Quality:Very Good

●Disc-2
Oct.6 1973 Skandinavium Gothenburg,Sweden (2nd Show)

Mono Audience Recording
Quality:Very Good - Good

(Disc-1)
1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Dancing With Mr.D./7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man
(Disc-2)
1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Doo Doo Doo Doo Doo/7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man

ディスク1に収録は、9月26日ベルンでのセカンドショー。

本作に先行してGodfatherが『Before The Affair』(G.R.845)というタイトルでこの公演をリリースしていましたが、本作はこのGodfather盤とは異なる音源による全曲収録盤。

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いきなり最初の"Brown Sugar"がオーバーレベルにより、SAXソロ前のサビ途中まで音がひどく割れてしまっていますが、録音レベルが落ち着いて以降は演奏を大きく捉えた良好音源。

Godfather盤で聞こえていた叫び声が本作でも同じ位のレベルで聞こえることや、演奏の近さもほぼ同等であることから、録音ポジションはかなり近かったことが分かります。

音のクリアーさと奥行き感についてはGodfather盤の方が優れていますが、本作の方がやや音が太かったり、ヒスノイズもGodfather盤よりはるかに少なめ。そして何よりピッチが早かったGodfather盤と違って本作はピッチも正常。

加えて、Godfather盤は"Midnight Rambler"中盤のスローパート導入部分にあったテープチェンジによる欠落部の補填処理が、補填音源の音造りがイマイチだったことから違和感ありましたが、本作にも当然基がカセット音源につき、おそらくどこかに欠落部があったのでしょうけど、それがどこだか分からないくらい見事な補填処理を行っています。

惜しむらくは、Godfather盤には耳障りな手拍子や拍手がほとんどありませんでしたが、本作の方の音源ではマイクの近くに騒ぐ観客が一人いたようで、曲終了後や希に曲中にパチパチという手拍子や拍手が耳についたり、"Star Star"の間奏前での話し声や他の曲で時折入る叫び声、そして"Dancing With Mr.D."では2コーラス目でマイクに何かがあたる音が大きく入ってしまっていたりするので、これはちょっと残念な点ではあります。

『Swiss Made Vol.2』というタイトルなのに、ディスク2は10月6日にスウェーデンのゴーセンバーグで行われたセカンドショーを全曲収録。

この公演の既発タイトルとしては、EXILEがこの日の1stショーと誤ったクレジットでリリースした『You Can't Say We're Satisfied』(EXCD-013)とTaranturaの『Songs For Europe』(TCDRS-1-1-1,2)の二つがありますが、どちらも基は同じで、後方席での録音と思しきエコーがかった分離イマイチの音。

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ただしTarantura盤の方は、EXILE盤での過剰なヒスノイズ除去による余韻の不自然が無かったり、まだ若干早めなもののEXILE盤ほどピッチが早くなかったことから、poorだったEXILE盤に比べてGood - Fairクラスの音にはなっていました。

さて本作、基となる音源はやはりTarantura盤と同じですが、音の補整技術が上な分、Very Good-Goodへとランクアップ。

Tarantura盤でまだ早かったピッチはほぼ正常、加えてTarantura盤は音圧を上げすぎたが故に音の端々に歪みが生じていましたが、本作も録音時の歪み自体は若干あるものの、こういった音の加工によって生じた歪みは無し。

また、Tarantura盤は音が時折片側に寄ったりしていましたが、本作はきちんとあらためてモノラルにして作り直しているようで、こういった音の片寄りもありません。

なお、テープチェンジによりTarantura盤では"Honky Tonk Women"のイントロがフェードインとなっていましたが、本作はやや金属的なヒスノイズが漂った別音源を補填してのノーカット収録としています。

ちなみにこれはどうでもいいといえばどうでもいいことですが、裏ジャケットの曲順表記の6曲目がどちらの公演も"5"になっていたり、ディスク2はそれに加え8曲目も"9"と表記されているという、ジャケットの誤植が比較的少ないDACでは珍しいことではあります。

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by Hara ¦ 02:38, Friday, Aug 02, 2013 ¦ 固定リンク


『Before The Affair』(Godfather)
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『Before The Affair』(G.R.845) 1CD

Sep.26 1973 Festhalle Bern,Switzerland(2nd Show)

Mono Audience Recording
Quality:Very Good

1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Dancing With Mr.D./7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man

本作リリース時点ではブート初登場だった、9月26日はベルンでのセカンドショー。

この公演での"Honky Tonk Women"は、チャーリーがまずリズムを刻み、その後からキースがニュアンスの違いはあれどギターを被せてくるという、ある意味スタジオテイクに近い珍しいアレンジとなっているのが耳を惹くところ。

本作は、ドラムの音量バランスがやや小さかったりしますが、ヴォーカルやギター等の上物はしっかりと大きく捉えた、奥行き感のある良好音源を使用した全曲収録盤。

ヒスノイズはそこそこあるもののクリアーな音質で、耳障りな手拍子や歓声もほとんど無いことから、結構聴きやすい音源だったりします。

残念なのは全体的にかなりピッチが早め。せっかくの良好音源なので、ここはきっちりと合わせてもらいたかったかなと。

また、テープチェンジによる欠落が、"Midnight Rambler"中盤のスローパート導入部分にあり(本作のタイムで4分58秒から5分48秒まで)、ここは別音源で補填されはしていますが、補填されている音源は音が左に寄り、右からはムラのある強烈なヒスノイズがなっているというもの。左チャンネルをモノラルにして繋げぎさえすれば、もう少し良い結果になったろうに、こちらも何とも残念なところではあります。

なお、同公演の後発となるDAC『Swiss Made Vol.2』(DAC-129)に収録されている音源は、録音ポジションこそ近いものの別ソース。

dacswissmadevol2

by Hara ¦ 00:15, Thursday, Aug 01, 2013 ¦ 固定リンク


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