The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Perth 1973 Soundboard』(-)
perth1973soundboard

『Perth 1973 Soundboard』(-) 1CD

Feb.24 1973 Western Australia Cricket Ground,Perth Australia

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent


1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Honky Tonk Women/8.All Down The Line/9.Midnight Rambler/10.Band Introduction / Happy Birthday Nicky/11.Little Queenie

メンバー紹介時、この日が誕生日のニッキー・ホプキンスに向けて、ミックがバック付きでハチャメチャに歌うバースデイソング"Happy Birthday Nicky"でブート収集家間で有名なこの公演を、ミキサー卓直結のサウンドボード音源にて、しかもこの時期としては珍しいステレオで収録したタイトル。

残念ながら全曲流出はしておらず、コンサート中盤の"Love In Vain""Sweet Virginia""You Can't Always Get What You Want"、終盤のRip This Joint""Junping Jack Flash"""Street Fighting Man"の6曲は未収録だったり、この手の音にしてはドラムが薄めに録れていたりする影響で全体に軽めに聴こえはするものの、両方のギターが前面に出た生々しいミックスはそれを補って余りあるくらい聴き応え充分な音源。

この音源の初出はアナログLPの『Happy Birthday Nicky』(Noja Records 002)
※片側のCDデザイン等によく使われる大陸ベロの方が表ジャケットっぽいデザインになっているが、レコードの取り出し口を標準的な向かって右とするならば、こちらが表ジャケかと。

happybirthdaynickylp

高域の伸びた非常にクリアーな音で収録されているが、曲順が変えられており、"Bitch"の後に"Tumbling Dice"が来て、飛ばされた3曲は"Little Queenie"の後に何故か"Gimme Shelter"と"Rocks Off"が逆になった状態で収録。

この音源を収録した代表盤として挙げたのがDACの『Happy Birthday Nicky』(DAC-017)

dachappubirthdaynicky

幾つかの既発タイトルにあったチャンネルの左右反転やピッチを修正。
LPで軽めに感じた音も低域を持ち上げて全体的に厚みを持たせた上で、音質もマイルドにして聞き易さの向上を図ったタイトル。もちろん曲順も正しいものに並び替えられています。


さて、本作ですが、リリース・インフォに記載されていたように、新たにテープを入手して作成したのではなく、ブートCD黎明期のタイトルOH BOYの『Happy Birthday Nicky』(Oh Boy 2-9039)をベースに作成。

ohboyhappybirthdaynicky

遅かったOH BOY盤のピッチを修正。
OH BOY盤では何故か欠落していた"Brown Sugar"が始まる寸前のミックの喋りと、"Honky Tonk Women"のイントロ冒頭を、これまた黎明期にリリースされた24日・26日混合盤のRockawhile Productions『Live In Perth Australia』(RS89101)から補填。
音が整えられた近年リリースのものではなく、まだイコライジング等のなかった黎明期タイトルを使っているため加工しやすかったのか、違和感のない繋ぎとなっています。

liveinperthaustralia

この公演についてはオーディエンス音源が発掘されていないため、新たに聞けるパートや楽曲の補填は無し。

音質はというと、シャリシャリ気味だったアナログLPほどではありませんが、耳につかない程度に高域を持ち上げ、中低域も響き気味になりそうな帯域を抑えることにより、これまでの代表盤だったDAC盤より全体的にすっきりとした音に仕上がっています。

なお、本作のインフォにあった"Rocks Off""Gimme Shelter""Happy"の曲間重複の件
たしかにOH BOY盤は露骨に重複している箇所があったりしましたが、DAC盤は気づかないレベルにきちんと重複部分の削除編集がされており、本作もDAC盤とほぼ同等に仕上げています。

ただ、"Bitch"終了後に途中切れとなっているテイラーが弾いているワウのかかったギターの続きが"Rocks Off"の後にあったりするのに、DAC盤同様にこれはそのまま。せっかくそこに着眼したのだから、そこはきちんと編集してもらいたかったところ。

by Hara ¦ 08:28, Saturday, May 07, 2022 ¦ 固定リンク

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