The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 

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2014年10月

『Live At The Superdome』(DAC)
dacliveatthesuperdome

『Live At The Superdome』(DAC-146) 2CD

Dec.5 1981 Superdome,New Orleans,LA

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(※)Disc-1 Track 1,Disc-2 Track 13(part)
Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction/13.Star Spangled Bannner

いきなりミックが3番丸々すっ飛ばして、間奏からそのままエンディングへとつき進む短縮バージョンの"Under My Thumb"という珍演奏で幕を開けたニューオリンズ公演。

前後のポンティアックやラーゴ公演、そして先日公式発売された約2週後のハンプトン公演同様に、ラジオ用の収録が行われており、この公演からは"Let It Bleed"のみが採用されましたが、この曲についてはライブアルバムへの収録が念頭になかったのか、オーバーダブや短縮等の編集はされずにそのままで放送されています。

そんな本公演、前述のFM放送の素材となったマルチサウンドボード音源と卓直結のサウンドボード音源、そして"Under My Thumb"1曲のみですがオーディエンス音源の計3種の音源がブート化されています。

本作の基となったのは、サイトWolfgang Vaultで公開されたFM放送素材のステレオサウンドボード音源。

この日の音源はギターが結構オンにミックスされており、Wolfgang Vault公開音源では公演によってギターバランスがオフ気味であっさりとした印象を受けるものもあったりする中、かなり好感を持てるものとなっています。

この公演を収録した既発プレスタイトルは事典で挙げた『New Orleans 1981』(-)のみ。

neworleans1981

この『New Orleans 1981』(-)と本作を比較してみると・・・。

まず、サイトで公開されていた音源で遅かったピッチは当然ながら両タイトルともに修正。音質については音量レベルの違いを除いても、本作の方が『New Orleans 1981』より幾分音が締まっている印象。とはいえ、その違いはほとんど変わらないレベルだったりはしますが。

そしてサイトで公開された音源は、カセットテープを経由したものであるが故にテープチェンジによる欠落がありますが、それが以下の2ヶ所。

まずは"Let Me Go"終了直後からの10数秒間、この部分で聴けないのはミックが叫ぶ「Let Me Go」と楽器がポロンポロン鳴っている音だけですが、ここには両タイトルともに『Black Limousine』(DAC-035)で聴けた卓直結のモノラルサウンドボード音源を補填。

dacblacklimousine

ただし『New Orleans 1981』の方は補填箇所が曲間であったことから、その補填した音源が卓直結という性質上、歓声がオフになるのを嫌い、公開音源のどこかから歓声を持ってきて補填部分の上に被せるという違和感軽減策をとっています。

続いての欠落補填箇所は"She's So Cold"終了後。ここは奇しくも卓直結モノラル音源の方でもテープチェンジにあたっていたため、曲終了直後にミックが発した「Yeah baby」と「Alright baby」については、『New Orleans 1981』の方はステレオ音源、本作の方は『Black Limousine』で補填に使用されていたモノラル音源と、録音自体が異なるオーディエンス音源をそれぞれ補填してノーカット収録としています。その後にミックが発した「Are you feeling good」は両タイトル共に卓直結モノラル音源を補填していますが、この部分にも『New Orleans 1981』は公開音源のステレオ歓声を被せています。そして『New Orleans 1981』は宅直結モノラル音源部分のみならず、その前のオーディエンス音源部分にも歓声を被せて違和感軽減を図っているのがポイント。

また、補填箇所はテープチェンジ部だけではなく、公開音源では数秒しか収録されてなかった"Take The A Train"についても両タイトル共に卓直結モノラル音源を補填。本作はそのままの補填につき、歓声がほとんどないことに加えてヒスノイズもやや多めに感じるのに対し、『New Orleans 1981』はここでもステレオ歓声を被せて違和感を抱かせぬようにしています。

そして本作ではノンクレジットとなっているものの、これまた公開音源でほんのさわりしか収録されていなかった客出し場内BGMの"School Day"についても、両タイトル共に宅直結モノラル音源を補填していますが、『New Orleans 1981』はここもまたステレオ歓声を被せるといった徹底ぶり。

更に『New Orleans 1981』は、"Star Spangled Bannner"終了直後にビル・グラハムがお礼のアナウンスをしているという珍しい展開があるにも関わらず、公開音源ではこのアナウンス自体が花火の音にかき消されてしまい、ほとんど聞こえないミックスだった点にも目をつけて、宅直結モノラル音源からそのアナウンスを抽出して上に被せて、はっきりと聞こえるようにするという芸の細かさも見せています。

といった具合で、『New Orleans 1981』の方は音源切り替わりの違和感解消をメインとした徹底的に造り込んだタイトルなのに対し、本作は従来ながらの補填手法を使ったオーソドックスなタイトルとなっており、このあたりは評価の分かれるところなのかなと。

by Hara ¦ 00:55, Thursday, Oct 30, 2014 ¦ 固定リンク


【番外編】From The Vault『Hampton Coliseum』Soundtrack CD
hamptonbox

From The Vault『Hampton Coliseum』Soundtrack CD

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(CD 1)
1.Introduction(※Take The A Train表記は無し)/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(CD 2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction


配信リリースから2年、遂に映像まで公式リリースされた81年12月18日のハンプトン公演、今回はそのDVDやBDに、配信音源をプレス化したCDやLPを同封したボックスもリリースされていますが、日本では更にそれらに加えて映像の音声を抽出したCDもサウンドトラック盤として付属したスペシャルボックスが登場。

このサウンドトラック盤が配信音源とどう違うのかが興味深いところ、ということで早速聴いてみましたが、最初に結論を書いてしまうと、今回の映像の音声は生中継時のミックスではなく配信音源と同じミックスでした。

まあこの生中継時のミックス、キースのギターがオフ気味だったり、生中継であったが故の一部マイクのオンオフ切り替え忘れ等ありましたので、それでのリリースは厳しいでしょうから、今回の配慮は後述する?な部分もあったりはしますが妥当ではあるかと。

では今回のサウンドトラックCDと配信の違いはというと、このツアーの重要なオープニングSEだったにも関わらず配信時ではカットされた"Take The A Train"の追加と、長めだったが故に配信ではカットされた曲間部となります。

なおクロージングSEだったジミ・ヘンドリックスの"Star Spangled Banner"は、許可がとれなかったのか今回もカット。映像では場内が再び暗転して"Star Spangled Banner"が鳴り響いているはずの部分も場内のざわめきだけとなっています。

ではまずサウンドトラックCDに追加となった部分についてですが、このCD最大の目玉である"Take The A Train"。"Take The A Train"ではホーンが入る寸前でピアノがコードで、ターンターン(最初のターンがコードC=ドミソ、次のターンがコードC-5=ドミファ#)、ターンタタッ(ターンがコードC、タタッがコードC-5)というフレーズを2回繰り返していますが、この日のキースの"Under My Thumb"のイントロギターの入りは、2回目のターンターンの最初のターン(コードC)の直後から。今回の公式映像では1回目のタタッ(コードC-5)が終わった直後からキースが入ってくるため、ほんの僅かながら入りが早いことになっていることに加え、キースが入ってくる前に"Take The A Train"は完全フェードアウトされてしまっていることから、2回目のターンターン(コードC〜C-5)自体が完全に聴くことが出来なくなっています。配信時"Under My Thumb"に"Take The A Train"を被せるわけにはいかなかったから、こういう編集が元々されていたんでしょうけど、今回のを観たり聴いたりすると後から如何にもくっつけました感が強いため、ここは"Take The A Train"の絞りを遅くして本番通りのクロスフェードをしてもらいたかったところ。

続いて冗長になりがちだった故にカットされた曲間についてですが、前述した通りミックス自体は配信とは同じですので、今回新たにライブ全編を再ミックスしたとは考え難く、おそらく配信音源のミックス作業時、既に将来の映像リリースを念頭に置いて全編ノーカットのミックスが作成されていたと推測します。したがって今回カットされた部分をあとから継ぎ足したということではないかと。

その追加された曲間は以下の12箇所ですが、MC等はカットされていないので基本的に特筆するものは無し。ただ、配信では曲間が短いのではと感じた方もいたであろう、本編ラスト"Jumping Jack Flash"終了後からアンコール"Satisfaction"までの間が長くなり、ちゃんとアンコールらしくはなった反面、今回の丸々1分15秒追加では逆に長すぎると感じたりもしますので、ここは評価の分かれるところかと。

1)"When The Whip Comes Down"が終わった後からMCまでの一部歓声
2)"Black Limousine"終了後。今回は追加されたことによりギターやベースが確認で出してる音を聞ける。
3)"Just My Imagination"終了後にミックが発した「Yeah Baby」前の歓声と、"Twenty Flight Rock"の曲名を言ってからイントロまでの間
4)"Let Me Go"終了後にミックが発した「Thank you」から次のミックの語りまでの間と"Time Is On My Side"イントロ少し前
5)"Time Is On My Side"終了後にミックが次曲"Beast Of Burden"の曲名を言ってからイントロまでの間。
6)"Beast Of Burden"終了後の歓声一部とミックのエレアコ試し弾き一部
7)"Waiting On A Friend"終了後のMC前の一部歓声
8)"Little T&A"終了後にロニーが発した「Happy Birthday」後からミックの語りが入るまでと、ミックの語り後から次曲"Tumbling Dice"イントロまでの一部。
9)"Tumbling Dice"終了後のミックの語り後から次曲"She's So Cold"イントロまでの間。
10)"She's So Cold"終了後にミックが発した奇声から語りまでの間。
11)本編ラスト"Jumping Jack Flash"終了後からアンコール"Satisfaction"までの間
12)"Satisfaction"終了後の歓声1分半強

ここから後はサウンドトラック云々ではなく、生中継ミックスと配信ミックスの異なる点について。

生中継でのキースのギターがオフ気味にミックスされてしまっていたというミスの他にも前述したようにリアルタイムミックスだったが故にマイクのフェーダー操作が間に合わず、生中継ミックスでは音が出ていなかったりしたパートも配信では聞けるようになっています。

まずはイアン・マクレガンのコーラス。"Shattered"展開部に続いてのサビ後の「Uh, shadoobie」や、"Neighbours"ロニーの最初のソロに続くサビが終わった後のAメロ部分でのユニゾンコーラスが配信では聞くことが出来ます。ただ、その反面"Little T&A"では「shock them, show」(おそらく・・・英語力無いので違う気もしますが)とキースが叫んだ後の、ロニーとのコーラスについてはイアン・マクレガンのコーラスが大きくミックスされていましたが、何故か配信では丸々オフにされています。ちなみにこの"Little T&A"のオフにされた部分、不幸なことに映像では背後からのショットで、ロニーがしっかりと映ってしまっていることから、ロニーはマイクで歌っているのに音は聞こえないという事態になってしまってます。

また"Neighbours"のSAXソロも、生中継では序盤オフライン気味になっていたのを最初からオンにミックスされていたり、"Little T&A"では中間のギターソロから歌に戻る際、キースがマイクに近づくのが遅れたが故にオフ気味となっていた「・・・keeps bitching,Snitcher keeps snitching」部分がきちんと聞こえるようになっています。

ただ、前述の"Little T&A"のコーラスもですが、"Brown Sugar"2番「Drums beatin'」前にミックが発した「Yeah」も何故か消されているのは、別に音を外しているわけでもないのに何とも不思議なところ。エンディングで発生しているハウリングはかなり軽減されてはいるものの、こちらは何故か残されていたりするので、こっちをちゃんと処理した方が良かったような・・・。

最後にHot Stuff BBS等で既に指摘されているヴォーカルの一部差し替えについても触れておきますと。差し替えが確認出来たのは"Time Is On My Side"と"Miss You"の2曲。

まずは"Time Is On My Side"。生中継のミックは2番の「You're searching for good times」と歌うところを、3番とごっちゃになった「You're searching for "real love"」と歌ってしまっていることから、その部分をきちんとした歌詞になるようオーバーダブして差し替えていますが、その部分をよく見ていると、たとえ一言とはいえ映像と音声が微妙に合っていないのが分かります。キースのコーラスについてもこの2番始め幾つかの箇所で差し替えをしていることから、こちらももキースの口元に注意してみると映像と音が合っていなかったり・・・。

ちなみにこのミックのオーバーダブについて、同じハンプトン公演を収録している『Still Life』はどうかというと、何故か本来の1番を無くして2番→3番→3番と歌っているというなんとも不思議な編集がされています。

ここでそれぞれの編集をまとめておくと

『Hampton Coliseum』/『Hot Rocks』/Irma Thomas版/
1番:Now you always say,That you want to be free
2番:You're searching for good times,But just wait and see
3番:Cause I got the real love,The kind that you need

ハンプトン生中継
1番:Now you always say,That you want to be free
2番:You're searching for "real love",But just wait and see
3番:Cause I got the real love,The kind that you need

『Still Life』
1番:You're searching for good times、But just wait and see
2番:Cause I got the real love,The kind that you need
3番:Cause I got the real love,The kind that you need


そして"Miss You"ですが、これは1番と2番それぞれが終わった後の「Ah・・・」のヴァースを全て差し替えており、2番(「dyin' to meet you」)の後の「Ah・・・」のヴァースは、生中継では「Ah・・・」だけでしたが、
今回のリミックス音源では区切り毎に「Lord I miss you」と歌っています。ちなみにこの差し替えは、VGP『Time Is On Our Side』(VGP-038)等に収録されたFM放送ミックスでも聞くことが出来ます。

●追記

サウンドトラックCDは、インフォメーションによるとロンドンでリマスタリングとのこと。たしかに同封の配信音源CDと聞き比べると、サウンドトラックCDの方が音量レベルが若干小さい等あるものの、高域が僅かながら伸びており、全体的にすっきりした印象を受けます。

by Hara ¦ 13:07, Sunday, Oct 26, 2014 ¦ 固定リンク


『Licks Tokyo Dome 2003 2nd Night』(-)
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『Licks Tokyo Dome 2003 2nd Night』(-) 2CD

Mar.16 2003 Tokyo Dome,Tokyo,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent


(Disc-1)
1.Pre Show Music/2.Opening SE/3.Brown Sugar/4.Start Me Up/5.It's Only Rock'n Roll/6.Don't Stop/7.All Down The Line/8.Angie/9.Monkey Man/10.Midnight Rambler/11.Tumbling Dice/12.Band Introductions/13.Slipping Away/14.Happy
(Disc-2)
1.Sympathy For The Devil/2.B-Stage SE/3.When The Whip Comes Down/4.Mannish Boy/5.You Got Me Rocking/6.Gimme Shelter/7.Honky Tonk Women/8.Street Fighting Man/9.Satisfaction/10.Jumping Jack Flash


2003年3月16日東京ドーム公演、6つ目となるオーディエンス音源での全曲収録盤。

既発タイトル同様に演奏は大きく捉えていますが、スピーカーから離れた位置での録音だったようで、他のタイトルに比べるとややエコーがかって全体的に奥行きを感じますが、音が遠いといった印象は受けず。Bステージの印象もこれまた同様ですが他のタイトルほどメインとBステージの落差はありません。そして両ステージ共に耳障りな手拍子や拍手・歓声の類はほとんど無し。

この音源、rober953と名乗る方がネットに挙げたものですが、本作は元々コモリ気味だったこの音源を、聴きやすくしようとイコライジングを施してはいるものの、ドンシャリ気味の音になってしまっており、一部で高域が耳につくことも。もう少し高域を押さえ気味にして中低域に厚みを持たせた方が良かったかもしれません。

また本作は、ドーム公演では珍しくも開演を知らせるブザーからディスクがスタートしており、客電が落ちるまで9分弱もの時間を収録していますが、このドーム公演はオープニングSEの開始が客電と連動していたのが幸いして、ちゃんと客電が落ちる寸前にチャプターが振られています。

by Hara ¦ 07:37, Thursday, Oct 23, 2014 ¦ 固定リンク


『Tokyo Dome 2003 Second Night』(-)
tokyodome2003secondnight

『Tokyo Dome 2003 Second Night』(-) 2CD

Mar.16 2003 Tokyo Dome,Tokyo,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(※)Disc-2 Track 3,4,5
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent - Very Good

(Disc-1)
1.Intro/2.Brown Sugar/3.Start Me Up/4.It's Only Rock'n Roll/5.Don't Stop/6.All Down The Line/7.Angie/8.Monkey Man/9.Midnight Rambler/10.Tumbling Dice/11.Band Introductions/12.Slipping Away/13.Happy
(Disc-2)
1.Sympathy For The Devil/2.B-Stage SE/3.When The Whip Comes Down/4.Mannish Boy/5.You Got Me Rocking/6.Gimme Shelter/7.Honky Tonk Women/8.Street Fighting Man/9.Satisfaction/10.Jumping Jack Flash

2003年の来日公演は、武道館、横浜アリーナときて、東京ドームと大阪ドームでそれぞれ2回の計6公演開催されましたが、本作が収録しているのは東京ドーム2日目となる3月16日公演。

この日の"Brown Sugar"はPAのミスでキースのギターが冒頭オフになってしまい、大半の観客はせっかくのオープニングが中途半端にしか聞こえなかったというトラブルについては事典でも触れましたが、その他にも"It's Only Rock'n Roll"でのミックの構成勘違いや、"Monkey Man""Tumbling Dice"でのキースのギターの危うさ等々、聞きどころが幾つかある公演だったりします。

さて、この公演のオーディエンス音源については事典で4種紹介しましたが、本作が収録しているのはそれらとは異なる5つ目のオーディエンス音源となります。

メインステージの音の近さについては『Restart Me Up』(-) もしくはそこからのコピー『Forty Licks Tour 2003』(WLR-2168)にかなり似た感じですが、本作の方がドーム特有のエコーが少なめなことに加えて、音の重心がやや低くなっておりバスドラムもオンに聞こえます。

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録音者の周りの騒がしさは『Restart Me Up』より静かで、音質もマイルドな落ち着いた印象。

ちなみに音の近さについては『Licks Japan Tour 2003 Complete Box』(OOC 001-012)も同程度で、周りの観客の騒がしさも本作と同じくらいに静かですが、こちらは左右の音の広がりに乏しく、音の重心もやや中域寄り。

licksjapanoocbox

というわけで本作のメインステージ部分は、『Restart Me Up』と『Licks Japan Tour 2003 Complete Box』のいいとこ取りといった感があります。

ただしBステージとなると話は別で、音の近さと厚さは『Restart Me Up』が周りが騒がしめなものの、この3タイトルの中では一番。『Licks Japan Tour 2003 Complete Box』は、『Restart Me Up』に比べると音が引っ込み気味で低域もやや軽め。本作は『Licks Japan Tour 2003 Complete Box』に音の近さは似ているものの、高域を無理に引っ張り上げたようで、スネアドラムのアタック音やヴォーカルのサ行タ行がやや耳についてしまうので、ここはうまく調整して欲しかったところ。

by Hara ¦ 00:36, Wednesday, Oct 22, 2014 ¦ 固定リンク


『Licks Budokan 2003』(-)
licksbudokan2003

『Licks Budokan 2003』(-) 2CD

Mar.10 2003 Budokan Hall,Tokyo,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent - Very Good

(Disc-1)
1.Pre Show Music/2.Buzzer Intro - Pre Show Music/3.Jumping Jack Flash/4.You Got Me Rocking/5.Live With Me/6.Let It Bleed/7.No Expectations/8.Rocks Off/9.Everybody Needs Somebody To Love/10.Worried About You/11.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.Slipping Away/3.Before They Make Me Run/4.Start Me Up/5.It's Only Rock'N Roll/6.Rock Me Baby/7.Can't You Hear Me Knocking/8.Honky Tonk Women/9.Tumbling Dice/10.Brown Sugar/11.Satisfaction

2014年の来日公演収録ブートの盛り上がりを受け、過去の来日公演も続々と発掘・リリースされてきていますが、本作が収録しているのは2003年の武道館公演。なんと新たな7つ目となるオーディエンス音源での全曲収録盤。

"Tumbling Dice"でミックが客席にペットボトルの水を撒いた際の観客の盛り上がりが(本作のタイムでいうと3分15秒)、他の既発タイトルのどれよりもダイレクトに捉えられていることから、録音ポジションはアリーナのロニー側前方(Dブロックあたり?)と推測しますが、その割には既発と比べると音像が奥まった印象。これはおそらく録音ポジションが前過ぎて、PAスピーカーがマイクの指向先より後ろになってしまったことだろうかなと。加えて、ネットに挙がった基音源(rober953という方がアップしたもの)がコモり気味だったのを、クリアーに加工する際に中低域を削ったことも、音の距離感の一因かも。

その音のクリアーさ加減、Silverdiscsの『Live At The Budokan Hall』(SD-001A/B)に近い印象の、高域の持ち上げぶりがやや過剰気味に感じますが、耳につく周波数自体の調整はしているようで、一部気になる箇所はあるものの、Silverdiscs盤のように高域が耳に突き刺さるといったようなことはありません。

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また、クリアーな音質で周りが騒がしめということについても、音の近さの差を除けばSODD盤に近いものがありますが、騒がしい中でも耳障りに感じがちな少人数による手拍子や拍手の類が本作はあまり無いので、こちらもさほど気にはならず。

ただ・・・"Slipping Away"では1分3秒あたりから10秒弱ほど、右チャンネルから携帯の呼び出し音が聞こえており、これは一度気がついてしまうとちょっと気になってしまうかもしれませんが、これを場内で当時体感した方々は相当苛立ったのではないかと推測してしまいます。

なお、既発では『Budokan 2003』(-)や、冒頭部分をそこからコピー補填した『One Night At Budokan』(-) が、ディスクスタートから"Jumping Jack Flash"のイントロ弾き始めまで、短縮編集をせずに14分29秒もの長さを収録していましたが、本作はそれより更に長い27分16秒となっています。とはいえ、長くなった部分については、場内が手拍子で盛り上がった"Mona"等が初めて収録されており、曲が終わる度に拍手が巻き起こっていた当時の開演前状況を思い出させてくれたりもしますが、基本的には場内BGMが延々鳴っているだけの部分につき、そうそう聴くものではないかと。

budokan2003

onenightatbudokan

ブザーが鳴る箇所にチャプターを振って、スタートからそれまでの間(本作は22分40秒)を簡単に飛ばせるようにしているのは『One Night At Budokan』同様の編集。ブザーが鳴った後もノーカットなのは本作も当然ながら同様で、ブザーから客電が落ちるまでは3分半強もあることから、客電が落ちて場内の盛り上がりが最高潮になったところからこのライブを聞きたい場合は、ブザーから早送りするか、"Jumping Jack Flash"の頭出しをして巻き戻すしかなかったりするので、『One Night At Budokan』レビュー時にも書いたように、客電が落ちる寸前にもチャプターを振っておいてくれると親切だったのにという気はします。

by Hara ¦ 12:18, Sunday, Oct 19, 2014 ¦ 固定リンク


『One Night At Budokan』(-)
onenightatbudokan

『One Night At Budokan』(-) 2CD

Mar.10 2003 Budokan Hall,Tokyo,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Pre Show Music/2.Buzzer Intro - Pre Show Music/3.Jumping Jack Flash/4.You Got Me Rocking/5.Live With Me/6.Let It Bleed/7.No Expectations/8.Rocks Off/9.Everybody Needs Somebody To Love/10.Worried About You/11.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.Slipping Away/3.Before They Make Me Run/4.Start Me Up/5.It's Only Rock'N Roll/6.Rock Me Baby/7.Can't You Hear Me Knocking/8.Honky Tonk Women/9.Tumbling Dice/10.Brown Sugar/11.Satisfaction

2003年武道館公演全曲収録盤。

本作のベースは、Mayflowerの『The Man Who Stole The Sun』(MF-38/39)もしくは『Live At Budokan 2003』(MF-38/39)やTaranturaの『One Night In A Judo Arena -Special Guest Is A Ghost-』(TCDRS-45-1,2)でブート化されてきた音源。

mayflowerthemanwhostolethesun

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taranturaonenightinajudoarena

基本的な音はMayflower盤に近く、ネットに挙がっていた大元の音源が低域オンで高域控えめの太めな音だったのを、高域を持ち上げてすっきりとしたクリアーな質感の音に仕上げています。

Mayflower盤は高域を持ち上げた際、耳につく周波数を調整していなかったがために高域キツ目な印象を受けましたが、本作は調整をしたようで、クリアーさは同等ですが高域がMayflower盤ほど耳につかないようになっています。とはいえ"Rocks Off"のエンディング等のシンバル強打部分等では、やはり高域が耳についたりはするのですが・・・。また、これは中低域のイコライジングの違いなんでしょうけど、本作の方がMayflower盤より若干奥行き感があるように仕上がっています。

この音源、ネットにアップされた際は"Jumping Jack Flash"が始まる10秒前から始まる形になっており、Tarantura盤は特に補填せずそのままでしたが、Mayflower盤はExileの『Live At The Budokan Special Edition』(EXM-015A/B/C)より、ブザーの少し前の部分からコピー補填しています。

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本作のディスク冒頭処理はというと、ディスク開始から"Jumping Jack Flash"のイントロ弾き始めまで、短縮編集をせずに14分29秒もの長さを収録していた『Budokan 2003』(-)の音源を補填。

budokan2003

その『Budokan 2003』はその14分29秒を丸々1トラックとしていたのに対し、本作はブザーが鳴る箇所にチャプターを振って、ブザーが鳴るまでの9分25秒を簡単に飛ばせるようにしています。ただ、ブザーが鳴った後も客電が落ちるまで3分半強もあったりするので、ここまでやるなら客電が落ちる寸前にもチャプターを振っておいてくれると尚良しだったような気も。

またこのアップされた基音源、マスターに問題があったのか"Rocks Off"の中盤にも1分弱の欠落があり、Tarantura盤は音質が劣る未ブート化音源を、Mayflower盤はこれまたExile盤からコピー補填していましたが、そのいずれも音質差が生じていたのに対し、本作はOut Of Controlレーベルの『Licks Japan Tour 2003 Complete Box』(OOC 001-012)から欠落部をコピー補填。

licksjapanoocbox

全体的な音の仕上がり具合がOOC盤に近かったことから、OOC盤の音質調整も若干明るくした程度のようで、この部分に補填しているという前情報を知らない限り、まず分からないような見事な繋ぎ処理となっています。

そしてアンコールの"Satisfaction"終了後も、ネットにアップされた基音源はメンバーがステージから完全に立ち去る前にフェードアウトしていましたが、Mayflower盤はここもまたExile盤からコピー補填をして終演後のアナウンスまで聞けるようにしていたのと同様、本作もまた『Budokan 2003』からコピー補填して終演後のアナウンスを聞けるようにしています。

by Hara ¦ 01:49, Wednesday, Oct 15, 2014 ¦ 固定リンク


『Mundialito'82』(DAC)
dacmudialito82

『Mundialito'82』(DAC-132) 2CD

July.11 1982 Stadio Communale Di Torino,Turin,Italy

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Angie/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction/12.Tchaikovsky Overture 1812 Opus 49

DACリリースのLP復刻タイトル。

復刻の基となったアルバムは、LP時代では数少ない全曲収録タイトルだった3枚組LP『Mundialito'82』(SS 11)。

mundialito82lp

表ジャケットにサッカーボールがデザイン、裏ジャケット(本作では表ジャケットを折り返した裏側)には、当時のイタリア代表チームの集合写真がデザインされていますが、これは事典にも記載したように、本作が収録している1982年7月11日公演は、イタリア代表がサッカーワールドカップスペイン大会決勝で優勝を決めた日。ということで、このアナログLPはイタリア繋がり以外には何の関係もありませんが、制作者としてはワールドカップ優勝記念盤としてリリースしたかったんでしょう、多分。

mundialito82lpback

その中身の音源ですが、当時の録音としてはかなりクリアーな音質で演奏を大きく捉えていることに加えて、耳障りな歓声や手拍子の類はほとんど拾っていないという、82年ツアーのブートの中でも上質な部類に属するもの。

この音源の既発代表盤は事典に挙げた、LP起こしをベースとした『Mundialito'82』(-)。

mundialito82

LP起こしの『Mundialito'82』は、ヒスノイズを若干除去した程度でイコライジングを施さずLPそのままの音をキープ。LPで早かったピッチは正常に修正していたのに対し、テープから落とした本作は、一部ヒスノイズが若干多めだったり、高域がちょっと強めに感じるところがあるものの、よりクリアーな音質となり、左右の音の広がりも僅かながら本作の方が広め。

LPでは聴きづらかったオープニングの"Take The A Train"と"Under My Thumb"での、録音レベル調整によって音が大きく歪んだり急に小さくなったりしていた部分を、完全ではないもののなるべく均等な音量レベルになるよう補整しているのは両盤共通。

その"Under My Thumb"最初のサビで発生していたオーバーレベルによる音割れと音飛びについては、LP起こしの『Mundialito'82』は次のサビの同部分をコピー補填してスムーズに聴けるよう編集しているのに対し、本作は他所から持ってきていないため、音割れそのままですが音飛びの方は発生していません。

LP起こしの『Mundialito'82』は、ディスクの面替わり部分はあまり違和感を覚えぬようクロスフェード処理等で繋いでいましたが、LPで頭欠けを起こしていた"Miss You"については、若干音量レベルが異なってしまってはいるもののテープ音源を補填して、ほとんど音質差なくスムーズに聴けるように編集されています。本作はテープから作成されていることから当然そのようなカットはなく、LP起こしの『Mundialito'82』に比べて、よりスムーズにこの部分を聴くことが出来ます。

"Start Me Up"の曲前も、LP起こしの『Mundialito'82』は巧妙に繋げてはいるものの、歓声にほんの僅かな欠けが生じていたようで、歓声に僅かながらの音量差が生じていましたが、本作はそちらもそのようなことなくスムーズに。

ちなみにLPと本作の基となったテープ本来のテープチェンジは"Going To A Go Go"直後にありますが、LP起こしの『Mundialito'82』と本作のクロスフェードの位置が全く同じだったのは偶然なんでしょうけど、なんとも興味深いところ。

LP起こしの『Mundialito'82』では、"Hang Fire"の展開部及び"Miss You"のサックスソロ冒頭で、右チャンネルから発生しているザザッという軽いノイズは、基にしたLPのディスクコンディションに起因するもののようで、チェックに使用したLPや本作に、このようなノイズは発生していません。

"Time Is On My Side"の3コーラス目にあるマイクに何かが触れたノイズについては、本作含む全てのタイトル共通ですが、LP起こしの『Mundialito'82』が細かなレベル修正等を施していたのに対し、本作は特に修正等していないことから、当たってから数秒間定位が極端に右に寄ってしまってます。

また、LP起こしの『Mundialito'82』で一瞬音ブレが生じていた、"Satisfaction"1コーラス目冒頭「When I'm drivin'」については、比較用LPでも発生しているものの、テープから起こした本作には無いことから、これはLPマスターの問題。

その"Satisfaction"が終わった後は、客出しのSEとしてチャイコフスキーの序曲"1812年"が流され、LP起こしの『Mundialito'82』にも収録されていますが、本作は不完全ながら"1812年"が終わった後の場内アナウンスまで収録しています。

惜しむらくは、録音者の前に立っている観客の影響なのかLPでは定位が片寄ったりしており、LP起こしの『Mundialito'82』の方はある程度修正していたのに対して本作はそのままにつき、ここは修正してもらいたかったところ。

なお、事典にも書きましたが曲目を見れば分かるように、この日はツアー初日に続いて"Little T&A"が演奏されず、メンバー紹介でキースを紹介した後はいきなり"Angie"が始まるという何とも変な感じの流れに。ただ曲が始まった後、ミックが歌い出せず一回り余分にイントロを回していることから、キースがメンバー紹介中にチャーリーと示し合わせて、突発的にこの流れにした可能性が大かと推測されます。

by Hara ¦ 22:48, Monday, Oct 13, 2014 ¦ 固定リンク


『Glasgow 1982』(-)
glasgow1982

『Glasgow 1982』(-) 2CD

May.27 1982 Apollo Theatre,Glasgow,Scotland

Stereo Audience Recording
Quality:Very Good

(※)Disc-2 Track 8(part)〜11
Mono Audience Recording
Quality:Very Good - Good

(※)Disc-2 Track 12
Mono Audience Recording
Quality:Good

(Disc-1)
1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Chantilly Lace/12.Let Me Go/13.Time Is On My Side/14.Beast Of Burden/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction

1982年ツアーの2公演目となるスコットランドはグラスゴーのアポロシアター公演全曲収録盤。

82年ツアーはウォームアップを兼ねて最初の4公演は比較的小規模会場で行われましたが、このアポロシアターのキャパは日本のNHKホールと同等の3500人だったりしますので、これを小規模というのかという気も・・・。ちなみにストーンズは73年に2公演、76年は3公演をこの会場でライブを行っています。

ツアー初日では何故かカットされていたキースコーナーはこの公演からで、曲は前年に引き続いての"Little T&A"。間奏に入る前の構成が怪しかったりするものの、半年近くぶりとは思えないほど前年後半以上にスピーディーな演奏となっています。

82年ツアーはこのような細かなミスはあるものの、ツアー開始時から既に演奏がまとまっており、前年81年ツアーのような日によって曲のテンポが変わっていたり、ミスが続発して演奏が危うかったりといった、他のバンドではあり得ないストーンズならではの面白さにややかけたりしますが、そんな数少ないずっこけぶりを聞けるのが、この日の"Twenty Flight Rock"。

ロニーがフライングしてイントロのリフを単音で弾き始め、バックはそれに合わせて通常通り3回目のリフが終わったところでブレイクしますが、キースは2回目から複音のリフで入ってきて、その自分のリフを1回目と考えたようでバックが止まっても1人だけリフを弾いてしまっていることから、演奏が崩れるかと思いきや、そこはきちんとまとまっているこのツアー、何事も無かったかのようにミックの歌もバックもキースに合わせて曲に入っています。

ここで不思議なのは何故にロニーがフライングして先にリフを弾き始めてしまったのかということ。『Still Life』やFM放送、そしてサイト「Wolfgang Vault」等の左右にギターが分離した分かりやすい81年ツアーのステレオ音源で実際に確認してみると、ロニーの入り方は以下の3パターン。

リフ2回目・・・11/6、11/30
リフ3回目・・・11/7
ブレイク以降・・・11/23、11/24、11/25、12/1、12/5、12/8、12/9、12/13、12/18、12/19

このようにイントロ最初から入ることはまず無いので、この日どういう合図でロニーがフライングしてしまったのかは、まずあり得ないでしょうけど映像でも残っていて、それで確認しない限りは何とも不明ですが、ある意味興味深いミスではあります。

ちなみに82年ツアー唯一のステレオ音源であるリーズ公演も、ロニーが入ってくるのはブレイクから。

さて本作ですが、3種の音源で構成されています。メインの音源は後方席での録音のようで、最初は手拍子の奥で演奏が鳴っている印象。"When The Whip Comes Down"あたりから、奥行きを感じる音ではあるものの良好なバランスで演奏を聴けるようになりますが、曲間の拍手が演奏に比べてかなり大きいいことから結構耳障りだったりするので、ここは音量レベルを下げる等の調整をしてもらいたかったところ。

続いての音源が"Let Me Go"3分23秒から曲が終わった直後の4分1秒までと、"Honky Tonk Women"ギターソロの途中2分20秒から"Satisfaction"が始まる寸前までで使用されているモノラル音源。こちらもやはり後方席での録音のようで、メインと似た感じの録れ方はしていますが音は若干軽め。また、使用部分がライブ終盤の観客が盛り上がる箇所だったことから、手拍子の奥で演奏が鳴っているといった印象。

そして3つ目の、音源が"Satisfaction"で使用されているモノラル音源。キースのギターやミックのヴォーカル、そしてスネアドラムや鍵盤等の上物は聴けますが、それ以外は団子となっていてはっきり聞き取れないといった録音。ただし手拍子をほとんど拾っていないので、耳が慣れればそれなりに聴けはします。

by Hara ¦ 12:05, Saturday, Oct 11, 2014 ¦ 固定リンク


『Sweet Tropical Sun』(Empress Valley)
evsweettropicalsun

『Sweet Tropical Sun』(EVSD-661〜668) 8CD

Jan.21 & 22 1973 Honolulu International Center,Honolulu,HI

EVSD-661〜664 Disc-1〜4
Mono Audience Recording
Quality:Very Good

EVSD-665〜668 Disc-1〜4
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1) ※EVSD-661,665
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Bitch/4.Rocks Off/5.Gimme Shelter/6.It's All Over Now/7.Happy/8.Tumbling Dice/9.Sweet Virginia/10.Band Introductions/11.Dead Flowers
(Disc-2) ※EVSD-662,666
1.You Can't Always Get What You Want/2.All Down The Line/3.Midnight Rambler/4.Live With Me/5.Rip This Joint/6.Jumping Jack Flash/7.Street Fighting Man/8.Radio Advertisements
(Disc-3,4) ※EVSD-663,664,667,668
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.It's All Over Now/6.Happy/7.Tumbling Dice/8.Sweet Virginia/9.Dead Flowers/10.You Can't Always Get What You Want/11.All Down The Line/12.Midnight Rambler/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man

ミックの入国許可が下りず中止となってしまったストーンズの初来日公演(1月28日〜2月1日)。その前の公演地であるハワイでの3公演を、新たに発掘した音源と従来の音源それぞれメインに作成した全曲収録盤を封入して、ハワイ公演の決定版を目指したボックスセット。

ボックスには新音源と従来音源それぞれのディスクを収納する紙ジャケットと名刺大の説明カード、ハワイ公演の写真を使った24ページのブックレット、紙ジャケ大のミックとキースのカードが1枚づつに、来日中止をうけてのミックとストーンズ名義のメッセージカードといったものが封入されてます。

evsweettropicalsunbox


まずは新たに発掘された方の音源から。EVSD-661から664の黒レーベルディスク(以下、黒盤)がこちらにあたり、ミックがGジャンを着ているジャケットに入れられていましたが、ジャケットにはディスク番号の記載がないので要注意。ちなみに紙ジャケ大のカードは、ミックの方がこちらのジャケットに帯で挟まれていました。

evsweettropicalsungjumper


ディスク1と2に収録されているのは初日の21日公演。従来音源に比べると遠目からの録音となっていますが、周りが騒がしくないことに加えて、エコーがかってはいるもののバランスも意外と良いことから、
これはこれで聴きやすい印象。クリアーな低域もしっかり拾った音質で、やや高域にくせがあったりはしますが不快に感じるほどでは無し。

ディスク1冒頭は、従来音源では聴くことが出来なかったドラムのサウンドチェック14秒のあと、カットアウト・インでバンドコールの少し前からの収録。

テープチェンジは"You Can't Always Get What You Want"の6分10秒から7分14秒までの1分4秒間。この部分には従来音源が補填されていますが、前述の距離感の差での補填部分だけ音が近くなっているのはまだしも、やや右寄りのメイン音源との定位調整がされていないため、如何にも補填しましたという繋ぎになっているのはやや残念。

ディスク2の最後は、SODDの『Stones In Exotic Honolulu』(SODD 117)のみに収録されていたこの公演を含むホノルル公演全体の告知ラジオCM。1966年のホノルル公演はラジオ収録されていたこともあって、このCMでも1966年のオープニングのバンドコール後半部分が放送されています。

soddstonesinexotichonolulu


黒盤のディスク3は1月22日1stショーの新音源。

こちらも従来音源より音が遠く、"Rip This Joint"あたりから音がやや団子気味になるものの、それまでは遠いながらも良好なバランスで聴くことが出来ます。

音質をクリアーにするために高域を結構持ち上げているようで、ヒスノイズが多いことに加えて一部耳につく箇所も。また基がそうだったのか後からなのかが不明ですが低域も強調されており、通常聞きづらいベースラインが聞き取れるのは新鮮ですが、響きすぎに感じる部分も。

Rip This Joint"1分31秒や"Jumping Jack Flash"最初のサビ0分34秒で結構大きく聞こえてくる、ジャリっとしたノイズはマイク付近で発生したもののようで、ダビングや編修段階で発生したものではありません。

テープチェンジは"You Can't Always Get What You Want"の5分8秒から5分28秒までの20秒間。この部分には従来音源が補填されていますが、ディスク2の初日音源同様にこちらも距離感の差で補填部分だけ音が近くなっていますが定位差はさほど無し。

また本作の基になったテープはダビングを経たもののようで、テープチェンジ以外でも"You Can't Always Get What You Want"の曲前でカットアウト・イン、"All Down The Line"では2分47秒から49秒までの2秒間に従来音源を補填と、録音マスターにはなかったであろう欠落部が本作にはあったりします。

なお、事典ではこのショーの従来音源収録盤の紹介で、前日のショーでメンバー紹介のあった"Sweet Virginia"と"Dead Flowers"の曲間にテープチェンジがあったことから、メンバー紹介が欠落していると書きましたが、その部分がノーカットの本作の登場によりメンバー紹介自体が行われなかったことが判明しました。

また、この音源の登場により"Midnight Rambler"と"Rip This Joint"の間にも、従来音源ではテープチェンジがあったことが判明しています(その部分をよく聞けば編集痕があったのが分かります)。


黒盤のディスク4は1月22日2ndショーの新音源。

前日や1stショーの新音源同様に遠目の録音ですが、このショーについては周りが騒がしめで"Dead Flowers"では手拍子が耳につくことも。

ヒスノイズが多めだったりしますが全体的な音質はクリアー。ただし低域が出過ぎで一部歪み気味になっており、ベースラインがよく聞き取れるという利点はありますが、ここは少し聴きやすく調整してもらいたかったところ。

テープチェンジは"You Can't Always Get What You Want"の1分45秒から2分4秒までの19秒間。この部分には従来音源が補填されていますが、従来音源の低域を上げる等して音質調整を施していない分、音源切り替わりの不自然さが出てしまっています。

冒頭のバンドコール未収録なのは従来音源同様ですが、"Street Fighting Man"修了後のアナウンスについては、この音源で初めて聴けるようになっています。

****************************************************************************

アロハシャツを着たミックが写っている紙ジャケに入れられている、EVSD-665から668の青レーベルディスク(以下、青盤)に収録されているのが従来音源。単体でのリリースも念頭にあったのか、ディスク表記が黒盤と同じ1から4だったりして、ちょっと紛らわしいのが難点。

evsweettropicaisunaloha


ディスク1と2に収録されているのは21日公演。この公演の従来音源ベストはSODDの『Stones In Exotic Honolulu』(SODD 117)。

soddstonesinexotichonolulu

従来音源は一部テープ劣化による音ブレはあるものの、若干遠目ながらバランス良く録れたクリアーな音質のステレオ録音で、一応全曲を収録していることにはなっていますが、"Jumping Jack Flash"はテープチェンジが原因で、最初のサビが終わった後のリフから3コーラス目のサビの途中まで欠落。

事典で挙げたSODD盤含む既発タイトルは全て、この欠落部に翌22日の2ndショーの音源を繋いでいましたが、本作は黒盤の同日別音源を補填して通しで聴けるようにしています。ただその補填部分、基音源の録音位置の違いで音が遠くなってしまっているのは仕方ありませんが、シンバル類が耳についてしまうのが玉にキズにつき、この耳につく周波数を調整してもらいたかったところ。また補填音源がモノラル故、音源切り替わり時に音の広がりが結構変わるので、思い切って疑似ステレオ処理をしてみても面白かったかもしれません。

全体的な音質は、SODD盤が既発と比べてロージェネレーションのマスターから作成されている分、すっきりとした感じの音となっていましたが、本作も同じくロージェネレーションのマスターから作成してはいるものの、SODD盤より僅かに硬質な印象。

続いてオープニングのバンドコール前の歓声について。SODD盤含む既発タイトルはバンドコール後の歓声をコピー補填していましたが(つまりバンドコール前後で同じ歓声が聞こえる)、本作は黒盤で初登場したドラムのサウンドチェック部分を、こちらのディスクにも冒頭に持ってきて既発タイトルとの差別化を図ってはいるものの、バンドコール前にあったバンドコール後の歓声をきちんとカットせずにクロスフェードしてしまっていることから、この変な編集が本作でも解消されていないのは残念。

なおディスク2ラストに収録されている告知ラジオCMは、黒盤やSODD盤に収録されているものと同じものです。


青盤のディスク3は1月22日1stショーの従来音源で、事典での代表盤はVGPの『In Exotic Honolulu』(VGP-040)。このVGP盤、ジャケットのクレジットではジャケットでは21日1stショーと誤記されているので要注意。

vgpinexotichonolulu1

アナログ時代から多数のタイトルがリリースされてきたのがこの音源で、少し遠目のステレオオーディエンス録音。

"You Can't Always Get What You Want"の前半で顕著なテープ劣化による音ユレが一部にあるものの、クリアーでバランスの良い音質の上質録音。

本作も音質についてはVGP盤と同等ですが、"You Can't Always Get What You Want"前半の音ユレについては、その部分をモノラル化することによって、左チャンネルのレベルダウンによる聞きづらさを緩和しています。

またVGP盤はじめ既発タイトルのテープチェンジにあたった"Sweet Virginia"と"Dead Flowers"の曲間や、"Midnight Rambler"と"Rip This Joint"の曲間のテープチェンジによる欠落部については黒盤の別音源を補填していますが、どうせならモノラルの補填音源を疑似ステレオ化して音の広がりの差異を緩和してあれば尚良しだったかと。

そして"Street Fighting Man"終了後も、黒盤の別音源の方が僅か2秒ほど長かったことから、本作は差別化を図るために少しでも長くと考えたのかクロスフェードして補填していますが、補填開始のポイントを早めに設定してしまったがためにメインのステレオ音源が13秒ほどVGP盤より短くなってしまっているのは、ちょっと疑問の残る編集。


そして最後に青盤のディスク4が1月22日1stショーの従来音源で、事典での代表盤はVGPの『Blue Hawaii』(VGP-212)。

vgpbluehawaii

この公演も他のハワイ公演従来音源同様、やや遠目のステレオオーディエンス録音で、若干ホールエコーが強めなもののバランス自体は悪くありません。

まずメイン音源の音質ですが、VGP盤と本作はほぼ同等。

VGP盤は一応全曲を収録していたものの、"Tumbling Dice"はフェードイン、"Midnight Rambler"の中盤から終盤にかけてはおそらくテープチェンジによるものと思しきカットがありましたが、本作は黒盤の別音源をこの部分に補填。VGP盤の"Tumbling Dice"はフェードインでイントロが始まった後、最初の1コーラス目に周期的なドロップアウトがあったことを本作は嫌って、曲の冒頭26秒を別音源としています。また"Midnight Rambler"についても、VGP盤では欠落後から曲の終わりまで26秒ほどしかなかったことから、本作は曲中で従来音源に戻すようなことはせず、"Midnight Rambler"欠落開始から次曲"Rip This Joint"が始まる寸前まで別音源としています。

更にこれら曲に被っていたカット以外にも従来音源には頻繁にカットがあり、本作は"Rocks Off""Gimme Shelter""It's All Over Now""Happy""Tumbling Dice""Sweet Virginia""Dead Flowers""You Can't Always Get What You Want"の曲間と、"Street Fighting Man"終了後にも別音源を補填していますが、VGP盤で右寄りだったメインの音源の定位を修正していないことに加えて、やはりステレオとモノラルの違いによる音の広がりの差異を感じるので、ここはメイン音源の定位修正と補填音源の疑似ステレオ化をしてもらいたかったところ。

なお、VGP盤は何故かディスク冒頭と最後に、オフィシャル『Their Satanic Majesties Request』に入っていたイビキの音が収録されているという、意味不明の編集となっていましたが、当然のことながら本作には収録されていません。

by Hara ¦ 23:20, Tuesday, Oct 07, 2014 ¦ 固定リンク


『Milwaukee 1999』(-)
milwaukee1999

『Milwaukee 1999』(-) 2CD

Feb.19 1999 Bradley Center,Milwaukee,WI

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Intro/2.Jumping Jack Flash/3.Live With Me/4.Respectable/5.You Got Me Rocking/6.Honky Tonk Women/7.Memory Motel/8.Sweet Virginia/9.Some Girls/10.Paint It Black/11.You Got The Silver/12.Before They Make Me Run/13.Out Of Control
(Disc-2)
1.B-Stage SE/2.Route 66/3.Just My Imagination/4.Midnight Rambler/5.Tumbling Dice/6.It's Only Rock'n Roll/7.Start Me Up/8.Brown Sugar/9.Sympathy For The Devil

ツアー10公演目となったミルウォーキー公演を収録した本作。

オープニングSEの"Might As Well Get Juiced"が始まった直後からディスクがスタート、メンバー紹介が丸々欠落していたり、一部曲間にカットがあったりしますが、この日演奏された20曲については曲中カット無しの全曲収録となっています。

演奏を大きく捉えた好録音ですが、如何にもホールでの録音といった感のエコーがかったもので低域の分離が悪く、バスドラムは全くといって聞こえず、ベースも聞き取れるのは"Live With Me"のイントロくらいですが、音が軽いといったわけではなく低音はしっかりと拾っているので、これは録音場所の音響の問題かと。

このような低域の分離の悪さはあるものの、全体的にクリアーで高域が耳につかない聴きやすい音質で、周りの客も若干騒がしめなところはありますが、気になるレベルではありません。

Bステージはやや低域が減退していますが、音の距離自体はさほど変わらず。右側の客が一部うるさかったりするのが玉にキズですが、不快になるほどではないかと。

セットリストはこの時期の平均的なもので、演奏も特筆すべきものがなかったりしますが、このツアーのブートでは音の良い方の部類に入るので、メンバー紹介が欠落しているという点がやや残念ではあるものの、これはこれで優良なタイトル。

by Hara ¦ 23:48, Saturday, Oct 04, 2014 ¦ 固定リンク


『Osaka 1998 2nd Night』(-)
osaka19982ndnight

『Osaka 1998 2nd Night』(-) 2CD

Mar.21 1998 Osaka Dome,Osaka,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent - Very Good

(Disc-1)
1.Introduction/2.Satisfaction/3.Let's Spend The Night Together/4.Flip The Switch/5.Gimme Shelter/6.Angie/7.You Got Me Rocking/8.Saint Of Me/9.Out Of Control/10.Under My Thumb/11.Miss You/12.Band Introductions/13.Thief In The Night/14.Wanna Hold You
(Disc-2)
1.Move To B Stage/2.Little Queenie/3.I Just Wanna Make Love To You/4.Like A Rolling Stone/5.Sympathy For The Devil/6.Tumbling Dice/7.Honky Tonk Women/8.Start Me Up/9.Jumping Jack Flash/10.You Can't Always Get What You Want/11.Brown Sugar

日本では初となった"I Just Wanna Make Love To You"を演奏した、大阪2日目はBridges To Babylon 来日公演最終日となった3月21日公演全曲収録盤。

この公演の既発全曲収録盤は2つありますが、まずはVGPの全公演収録ボックス『Far East 98』(VGP-176)。演奏は大きく捉えているものの、やや輪郭甘めで手拍子や歓声も結構拾っているといった感じの音で、Bステージの録れ方もさほどは変わらず。

vgpfareast98

もう1つが全公演収録ボックス『Bridges To Babylon Japan Tour -1998-』に封入され、単体でもリリースされていた『I Just Wanna Make Love To You』(0321-1/2)。こちらの音は遠いことに加えて定位が左に寄ってしまっている上に、叫び声や手拍子も多く拾ってしまっているというイマイチなもの。

ijustwannamakelovetoyou

さて本作はというと、オープニングSEが場内で鳴り始めて観客が盛り上がったところからの収録につき、オープニングSEの冒頭部分が欠落していますが、以降は曲中カット無しの全曲収録。

"Let's Spend The Night Together"の途中まではマイクの位置が定まっていないのか、音がゆれたり若干コモったりとやや落ち着かなかったりしますが、それ以降はBステージ含めほぼ中央に安定。

音の距離感は『Far East 98』と大差なく、Bステージで音が遠くなるといったことがないのも同様ですが、本作は『Far East 98』よりも音が若干細い印象。観客の手拍子や歓声は本作の方が少なめで、音質も本作の方が高域若干控えめとなっています。

by Hara ¦ 23:15, Friday, Oct 03, 2014 ¦ 固定リンク


『The Babylon Dome』(Tarantura)
thebabylontime

『The Babylon Dome』(TCDRS-35-1,2) 2CD

Mar.20 1998 Osaka Dome,Osaka,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Very Good

(Disc-1)
1.Satisfaction/2.Let's Spend The Night Together/3.Flip The Switch/4.Gimme Shelter/5.Anybody Seen My Baby?/6.It's Only Rock'n Roll/7.Saint Of Me/8.Out Of Control/9.Time Is On My Side/10.Miss You/11.Band Introduction/12.You Don't Have To Mean It/13.Wanna Hold You
(Disc-2)
1.SE/2.Little Queenie/3.The Last Time/4.Like A Rolling Stone/5.Sympathy For The Devil/6.Tumbling Dice/7.Honky Tonk Women/8.Start Me Up/9.Jumping Jack Flash/10.You Can't Always Get What You Want/11.Brown Sugar

オープニングSE未収で、いきなり"Satisfaction"演奏開始の合図となる炸裂音からディスクがスタートするという、後発としては減点ものの本作は、ストーンズとしては初となった大阪公演初日収録盤。

録れている音の近さは、既発の全公演ボックス『Far East 98』(VGP-176)とほぼ同等。

vgpfareast98

本作も録音した位置は好ポジションだったようで、周りが騒がしめなものの演奏を大きく捉えており、Bステージになってもほとんど音が変わらなかったりしますが、残念なことにレコーダーのオートレベル調整機能を使って録音したようで、リミッターがかかって音が潰れてしまっている箇所がかなりあるのが残念。

ただ、この公演最大の目玉である、Steel Wheelsツアー以降2014年の欧州ツアーまでで唯一の演奏となっているレア曲"Time Is On My Side"については、曲中に叫び声が遠目に聞こえていたりはするものの状態良く聴くことが出来ます。

全体的にクリアーな音質なのはこれも『Far East 98』同様。『Far East 98』は高域が時折耳につく箇所があったりしましたが、本作は耳につくという程では無し。ただし前述の録音方法の影響なんだろうと思いますが、高域がツブレ気味。

なお、もう1つの既発である全公演収録ボックス『Bridges To Babylon Japan Tour -1998-』に封入され、単体でもリリースされていた『Time Is On My Side』(0320-1/2)は、録れている音が遠いことに加えて、音のレンジが狭く周りも騒がしいという難点あり。

timeisonmyside

ちなみに"You Don't Have To Mean It"と"Wanna Hold You"の間にカットがありますが、これは現地での録音にMini Disc(MD)が使われていたようで、そのディスクチェンジによるものかと。

そして21世紀に入って10年以上経ってから制作されたブートとは思えない、Taranturaレーベル特有であるチャプターが変わる際の音ブレ・・・。本作にもやはりあって、"Little Queenie""Sympathy For The Devil""Tumbling Dice"の前の3箇所で確認出来ます。

by Hara ¦ 23:52, Wednesday, Oct 01, 2014 ¦ 固定リンク


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