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『Live At The Superdome』(DAC) |
『Live At The Superdome』(DAC-146) 2CD
Dec.5 1981 Superdome,New Orleans,LA
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(※)Disc-1 Track 1,Disc-2 Track 13(part) Mono Soundboard Recording Quality:Excellent
(Disc-1) 1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed (Disc-2) 1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction/13.Star Spangled Bannner
いきなりミックが3番丸々すっ飛ばして、間奏からそのままエンディングへとつき進む短縮バージョンの"Under My Thumb"という珍演奏で幕を開けたニューオリンズ公演。
前後のポンティアックやラーゴ公演、そして先日公式発売された約2週後のハンプトン公演同様に、ラジオ用の収録が行われており、この公演からは"Let It Bleed"のみが採用されましたが、この曲についてはライブアルバムへの収録が念頭になかったのか、オーバーダブや短縮等の編集はされずにそのままで放送されています。
そんな本公演、前述のFM放送の素材となったマルチサウンドボード音源と卓直結のサウンドボード音源、そして"Under My Thumb"1曲のみですがオーディエンス音源の計3種の音源がブート化されています。
本作の基となったのは、サイトWolfgang Vaultで公開されたFM放送素材のステレオサウンドボード音源。
この日の音源はギターが結構オンにミックスされており、Wolfgang Vault公開音源では公演によってギターバランスがオフ気味であっさりとした印象を受けるものもあったりする中、かなり好感を持てるものとなっています。
この公演を収録した既発プレスタイトルは事典で挙げた『New Orleans 1981』(-)のみ。
この『New Orleans 1981』(-)と本作を比較してみると・・・。
まず、サイトで公開されていた音源で遅かったピッチは当然ながら両タイトルともに修正。音質については音量レベルの違いを除いても、本作の方が『New Orleans 1981』より幾分音が締まっている印象。とはいえ、その違いはほとんど変わらないレベルだったりはしますが。
そしてサイトで公開された音源は、カセットテープを経由したものであるが故にテープチェンジによる欠落がありますが、それが以下の2ヶ所。
まずは"Let Me Go"終了直後からの10数秒間、この部分で聴けないのはミックが叫ぶ「Let Me Go」と楽器がポロンポロン鳴っている音だけですが、ここには両タイトルともに『Black Limousine』(DAC-035)で聴けた卓直結のモノラルサウンドボード音源を補填。
ただし『New Orleans 1981』の方は補填箇所が曲間であったことから、その補填した音源が卓直結という性質上、歓声がオフになるのを嫌い、公開音源のどこかから歓声を持ってきて補填部分の上に被せるという違和感軽減策をとっています。
続いての欠落補填箇所は"She's So Cold"終了後。ここは奇しくも卓直結モノラル音源の方でもテープチェンジにあたっていたため、曲終了直後にミックが発した「Yeah baby」と「Alright baby」については、『New Orleans 1981』の方はステレオ音源、本作の方は『Black Limousine』で補填に使用されていたモノラル音源と、録音自体が異なるオーディエンス音源をそれぞれ補填してノーカット収録としています。その後にミックが発した「Are you feeling good」は両タイトル共に卓直結モノラル音源を補填していますが、この部分にも『New Orleans 1981』は公開音源のステレオ歓声を被せています。そして『New Orleans 1981』は宅直結モノラル音源部分のみならず、その前のオーディエンス音源部分にも歓声を被せて違和感軽減を図っているのがポイント。
また、補填箇所はテープチェンジ部だけではなく、公開音源では数秒しか収録されてなかった"Take The A Train"についても両タイトル共に卓直結モノラル音源を補填。本作はそのままの補填につき、歓声がほとんどないことに加えてヒスノイズもやや多めに感じるのに対し、『New Orleans 1981』はここでもステレオ歓声を被せて違和感を抱かせぬようにしています。
そして本作ではノンクレジットとなっているものの、これまた公開音源でほんのさわりしか収録されていなかった客出し場内BGMの"School Day"についても、両タイトル共に宅直結モノラル音源を補填していますが、『New Orleans 1981』はここもまたステレオ歓声を被せるといった徹底ぶり。
更に『New Orleans 1981』は、"Star Spangled Bannner"終了直後にビル・グラハムがお礼のアナウンスをしているという珍しい展開があるにも関わらず、公開音源ではこのアナウンス自体が花火の音にかき消されてしまい、ほとんど聞こえないミックスだった点にも目をつけて、宅直結モノラル音源からそのアナウンスを抽出して上に被せて、はっきりと聞こえるようにするという芸の細かさも見せています。
といった具合で、『New Orleans 1981』の方は音源切り替わりの違和感解消をメインとした徹底的に造り込んだタイトルなのに対し、本作は従来ながらの補填手法を使ったオーソドックスなタイトルとなっており、このあたりは評価の分かれるところなのかなと。 |
by Hara ¦ 00:55, Thursday, Oct 30, 2014 ¦ 固定リンク
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