The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 

トップページ
2012年 5月

『Live 666』(Tarantura)
live666

『Live 666』(TCDRS-7-1,2) 2CD

June.6 1976 Les Abattoirs,Paris,France

Mono Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good

(Disc-1)
1.Opening SE/2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me/4.Get Off Of My Cloud/5.Hand Of Fate/6.Hey Negrita/7.Ain't Too Proud To Beg/8.Fool To Cry/9.Hot Stuff/10.Star Star/11.Angie/12.You Gotta Move/13.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.Happy/3.Tumbling Dice/4.Nothing From Nothing/5.Outa Space/6.Midnight Rambler/7.It's Only Rock'n Roll/8.Brown Sugar/9.Jumping Jack Flash/10.Street Fighting Man/11.La Marseillaise

たまには旬なレビューもということで(笑)

本作は1976年パリ4日連続公演の3日目となる6月6日公演のオーディエンス音源全曲収録盤。

この6月6日公演は、『Love You Live』に"Hot Stuff""Star Star""Brown Sugar""JJF"の4曲が採用、フランスでは、"Honky Tonk Women""If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud""Hand Of Fate""Hey Negrita""Star Star""You Gotta Move""You Can't Always Get What You Want""Band Introductions""Happy""IORR""Brown Sugar""JJF""SFM"の12曲がテレビ放映されたり(ちなみに日本の「ヤングミュージックショー」では、このフランスの放送から"If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud""Hey Negrita""IORR""Brown Sugar"を除く8曲が放送)、更にこれらに加えてそのテレビ放送の素材と思しきラフミックスのほぼ全長盤映像("Hot Stuff"にビデオ上書きによる音飛びと最後のSFMが曲終盤迄の収録)も流出と、映像や音源が充実した公演だったのが影響したのかは不明ですが、パリ4日連続公演の内、唯一オーディエンス音源によるブートがリリースされていない公演でしたが、ようやく本作で初のブート化。

音自体は、耳障りな歓声や手拍子の類が少ない演奏を大きく拾った好録音で、その録れた音が太いことも含め他の3公演と同傾向の音と言えます。

この音源のブート化により、映像では上書きによる音飛びを起こしてしまっていたり、オフィシャルでは手が加えられていた"Hot Stuff"が、素のままようやくフルに聴けるようになったのはポイントかなと。

音質の方は、ややヒスノイズ多めで中低域に音が詰まったレンジ狭めの音ですが、拍手や手拍子をあまり拾ってない録音状態から、ぱっと聞いた感じはジェネレーションの高いサウンドボード音源かのような印象を受けたりもします。

また、テープチェンジによる曲中カットがないのも他の3公演同様。

とここまでは良いことばかり書いてきましたが、本作はストーンズブートとしての前作のMSG公演収録盤『Sympathy For The God』(TCDES-5-1,2)に引き続き、またもやチャプターが変わる度に音飛びを起こしてしまうという欠点あり・・・。

tarasympathyforthgod1

おかげで、メドレーであることから曲中にチャプターが振られている"Get Off Of My Cloud"の頭は微妙に欠けてしまっているし、イントロにチャプターが被っていないところでも、歓声が不自然にレベル変わっていたりするので、気になる人は気になるかも。

せっかくの好素材でしたが、どうも前回の失敗経験が活かされていないようで・・・。

by Hara ¦ 00:48, Tuesday, May 29, 2012 ¦ 固定リンク


『Pavillon De Paris Day 1』(Sweet Records)
pavillondeparisday1

『Pavillon De Paris Day 1』(SV-6476A/B) 2CD

June.4 1976 Les Abattoirs,Paris,France

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Introduction/2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Hey Negrita/6.Ain't Too Proud To Beg/7.Fool To Cry/8.Hot Stuff/9.Star Star/10.You Gotta Move/11.Angie/12.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.Happy/3.Tumblinhg Dice/4.Nothing From Nothing/5.Outa Space/6.Midnight Rambler/7.It's Only Rock'n Roll/8.Brown Sugar/9.Jumping Jack Flash/10.Street Fighting Man

76欧州ツアーのハイライトの一つであるパリ4日連続公演の初日にあたる6月4日公演を、オーディエンス音源にて全曲収録したタイトル。

『Pavillon De Paris』(DAC-046)
dacpavillondeparis

『Allright Charlie Watts』(DWP-001)
pari4dwp1

『First Does In Paris』(EXCD-31/32)
pari4exile1

これら既発3タイトルと同じオーディエンス録音で、演奏大きく拾った耳障りな歓声や手拍子のない、この時代のものとしては最良の録音で、テープチェンジ等による曲中カットも無し。

本作はファーストジェネレーションのマスターからの作成という触れ込みで、たしかに既発3タイトルに比べるとヒスノイズは少なめで、高域が若干伸びた印象を受けますが、それにより気にならない程度ではあるもののヴォーカルの歪みが僅かながら強調された感も。

その反面、低域については既発より若干軽めではありますが、音が薄いという印象は受けません。

なお、本作がマスターとした音源は"Happy"と"Tumbling Dice"の間に欠落があったようで、そこへは既発音源を補填しているようですが、"Happy"終了直後の2分54秒の繋ぎはスムーズにいっているものの、元の音源に戻る"Tumbling Dice"18秒ではその繋ぎ目でプチっと入ってしまっているので、ここはきちんとクロスフェード処理としておいて欲しかったかなと。

なお、本作は当初、裏ジャケットの曲目クレジットにスペルミスがあったようですが、現在は修正されたものに差し変えられているようです。

by Hara ¦ 00:42, Tuesday, May 29, 2012 ¦ 固定リンク


『Make The World Go'Round』 2種
『Make The World Go'Round』(-) 2CD
maketheworldgoround


『Make The World Go'Round』(DAC-122) 2CD
dacmaketheworldgoround

June.25 1982 Wembley Stadium,London,UK

Stereo Audience Recording
Quality:Very Good

(Disc-1)
1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Chantilly Lace/12.Let Me Go/13.Time Is On My Side/14.Beast Of Burden/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction

(※)ノンクレジット盤は"Take The A Train"と""Under My Thumb"を1つのトラックとしている為、"When The Whip Comes Down"から"Let It Bleed"までトラックナンバーがマイナス1となります。

日本では「Best Hit USA」で、ステージ向かって右脇からの1カメ映像ながら1曲丸々"Under My Thumb"が放送された(後の放送では音声が『Still Life』のものに差し替えられちゃってますが)、1976年以来6年ぶりの凱旋公演となるウェンブリー2日連続公演の初日6月25日公演全曲収録盤。

この公演についてはLP時代、録れている音自体は遠目なもののバランスがよく、また歓声も臨場感のある録れ方をした、全曲収録の3枚組LP『Make The World Go'Round』(WS62582)がリリースされてましたが、このLPと同名を冠したノンレーベル盤・DAC盤共に、やはり同じ音源から作成されています。

maketheworldgoroundlp

まずはノンレーベル盤。こちらはLP起こしですが、LPでキツ目だった高域を抑えて聴きやすい音に仕上げています。また高域を絞ったことにより演奏が若干前に出た印象も。

スクラッチノイズもほとんど除去された上、LPの面替わり部分もクロスフェード処理が施されていますが、"Honky Tonk Women"から間髪入れずに始まる"Brown Sugar"は、この面替わりにあたってしまっている為、イントロが僅かに欠けてしまっています。

また、LPでは定位が左に寄ってしまっていた"Band Introductions""Little T&A""Tumbling Dice"は定位をきちんと中央に修正しているのは好ポイント。


つづいてはDAC盤、こちらはLPの基になったテープから新たに作成されていますが、不思議なことに左右のチャンネルが何故か逆。ただし、テープから作成されただけあってLPやノンレーベル盤ではカットされていた部分も収録。

まずはオープニングの"Take The A Train"、ノンレーベル盤やLPでは9秒程の収録だったのに対し、DAC盤はトラックを分けているだけのことがあって40秒もの拡大収録。

続いて"Chantilly Lace"と"Let Me Go"、"Let It Bleed"と"You Can't Always Get What You Want"といったLPでは面替わりにあたったそれぞれの曲間では、LPでカットされていたミックのMCの一部を聴くことが出来ます。

そしてLPやノンレーベル盤ではカットされていた"Brown Sugar"のイントロ、実はこちらも歓声で聴きづらかったりはするんですが、しっかりと収録されているのはポイント高し。

音質の方はというと、ノンクレジット盤程に高域は抑えず、低域を持ち上げてベース音を強調した音造りとなっているので、中域に厚みのあるノンクレジット盤と好みが分かれるところ。

なお、ノンクレジット盤で左に片寄った定位(DAC盤は左右逆なので右寄り)を修正していた、"Band Introductions""Little T&A""Tumbling Dice"は修正なく、片寄ったままだったのはちょい残念。

by Hara ¦ 21:40, Sunday, May 27, 2012 ¦ 固定リンク


『All Meat Music』(-)
numberallmeatmusic

『All Meat Music』(007) 1CD

Jan.18 1973 Inglewood Forum,Los Angels,CA

Mono Audience Recording
Quality:Very Good

1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Route 66/6.It's All Over Now/7.Happy/8.Tumbling Dice/9.No Expectations/10.Sweet Virginia/11.You Can't Always Get What You Want/12.Dead Flowers/13.Stary Cat Blues/14.Live With Me/15.All Down The Line/16.Rip This Joint/17.Jumping Jack Flash/18.Street Fighting Man

1973年ウインターツアー初日にあたる、ストーンズ開催の「ニカラグア大地震被災者救援コンサート」収録作。

ブライアン期以来の"Route 66"や"It's All Over Now"、ハイドパークのみの演奏だった"No Expectations"や3年ぶりの"Stary Cat Blues"などレア曲を含んだ興味深いセットリストで、"It's All Over Now"に関しては、3日後のハワイ公演とは異なるこの日だけのアレンジだったりします。

残念ながら新音源発掘とはならず、本作に収録されているのも『Winter Tour 1973』(TMQ 72006もしくはD-305)に代表されるLP時代からの音源。

allmeatmusiclp

この音源、演奏自体は大きく拾っているものの、録音位置がテイラーのアンプの近くだった様で、テイラーのギターばかりが大きく聞こえてしまっているという何ともアンバランスな音。

残念ながら全曲収録ではなく、本編ラストの"SFM"は曲の終盤までで、アンコールの"Midnight Rambler"が未収録なのは既発同様。

事典で挙げたこの公演の既発ベストは、LP未収のMCが一部聴くことが出来る、新たにテープから作成されたVGPの『All Meat Music』(VGP-283)

こちら2004年版ジャケット
vgpallmeatmusic2004

こちらは2001年版ジャケット
vgpallmeatmusic2001

VGP盤はトータルで82分強の為、なんとも微妙な2枚組でしたが、本作はアナログ起こしの1枚物の為、LPの面代わり部分にカットがあります。

まずは、メンバーがステージに上がって"Brown Sugar"演奏スタート前の音出しが始まる寸前からディスクがスタート。したがってその前の歓声とLP時代から冒頭に収録されていた告知アナウンスが未収録。続いて"Gimme Shelter"終了後のミックのMCも序盤未収録なのはLP同様かと思いきや、なんとLPに入っていたMCまでカット。"No Expectations"と"Sweet Virginia"の曲間、そして"Stary Cat Blues"と"Live With Me"の曲間もカットされていますが、ここでまたLPで聴けたMCがカットされてしまっています。

ここまでカットがあるのに、ピッチもやや早めなのは何とも・・・。

音の方はこのシリーズ特有の、音を立体化するエフェクトがかけられており、手拍子の入る曲ではその手拍子が浮き立っちゃったりしてますが、これまでの平面的な音に比べると、奥行きを感じさせる音になっており聴きやすさが増していますが、ここは好みの分かれるところかと。

また、VGP盤はやや抜けの悪い音質だったのに対し、LPの方はクリアーな音質でしたが、本作はその間くらいの音質となっています。

by Hara ¦ 21:32, Sunday, May 27, 2012 ¦ 固定リンク


『Cow Palace 1975』(-)
cowpalace1975

『Cow Palace 1975』(005) 1CD
July.15 1975 Cow Palace San Francisco,CA

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

1.Honky Tonk Women/2.All Down The Line/3.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/4.Star Star/5.Gimme Shelter/6.Ain't Too Proud To Beg/7.Happy/8.Tumbling Dice/9.Doo Doo Doo Doo Doo/10.Fingerprint File/11.Midnight Rambler/12.Street Fighting Man/13.Jumping Jack Flash

オフィシャル発売された7月13日LA公演の次にあたる7月15日カウパレス公演収録盤。

この公演はLP時代から2種の音源がブート化されていましたが、本作が基にしている音源は、VGP『It's Only Rock'n Roll』(VGP-036/7)に代表される、75年音源の中でもかなり上位に入るであろう高音質録音。

vgpitsonlyrocknroll

このシリーズ特有のエフェクトが本作にもかけられているようですが、特に効果は感じられず、逆に高域がキツくなってしまっているのは何とも・・・。

また、特に珍しい曲や演奏のないこの公演で、しかも全曲収録盤が多数リリースされてきた後での、選曲意図不明のダイジェスト盤というのも何だかなと。

せめてこの音源収録盤共通の難点であった、中盤欠落の"Rip This Joint"を、もう片方の音源で欠落部補填して収録していたりすれば、まだポイントもあったかと思われますが、なんと曲自体が未収録・・・。

というわけで、何の"売り"もない、ただただ中途半端なタイトル。

by Hara ¦ 21:28, Sunday, May 27, 2012 ¦ 固定リンク


『S.T.P.Chronicles Vol.1』(SODD)
soddstpchroniclesvol1

『S.T.P.Chronicles Vol.1』(SODD 118-121) 4CD

Disc-1 & Disc-2 Track1-5
June.3 1972 Pacific Coliceum,Vancouver,British Columbia,Canada

Mono Audience Recording
Quality:Excellent


Disc-2 Track6-17,Disc-3 Track1-6
June.4 1972 Center Coliseum,Seattle,WA (1st Show)

Mono Audience Recording
Quality:Very Good - Good


Disc-3 Track7-17 & Disc-4
June.4 1972 Center Coliseum,Seattle,WA (2nd Show)

Mono Audience Recording
Quality:Excellent(Main Source),Very Good(Sub Source)

(Disc-1)
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Bitch/6.Tumbling Dice/7.Happy/8.Honky Tonk Women/9.Loving Cup/10.Torn & Frayed/11.Sweet Virginia/12.You Can't Always Get What You Want/13.Ventilator Blues/14.Midnight Rambler
(Disc-2)
1.All Down The Line/2.Bye Bye Johnny/3.Rip This Joint/4.Junping Jack Flash/5.Street Fighting Man/6.Introduction/7.Brown Sugar/8.Bitch/9.Rocks Off/10.Gimme Shelter/11.Happy/12.Tumbling Dice/13.Love In Vain/14.Sweet Virginia/15.Band Intoroduction/16.Loving Cup/17.All Down The Line
(Disc-3)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Midnight Rambler/3.Bye Bye Johnny/4.Rip This Joint/5.Junping Jack Flash/6.Street Fighting Man/7.Introduction/8.Brown Sugar/9.Bitch/10.Rocks Off/11.Gimme Shelter/12.The Loveliest Night Of The Year/13.Happy/14.Tumbling Dice/15.Love In Vain/16.Sweet Virginia/17.Loving Cup
(Disc-4)
1.Band introduction/2.You Can't Always Get What You Want/3.All Down The Line/4.Midnight Rambler(False Start)/5.Midnight Rambler/6.Bye Bye Johnny/7.Rip This Joint/8.Jumping Jack Flash/9.Street Fighting Man

ディスク1からディスク2のトラック5までは、この日のみの演奏となった"Torn & Frayed"や"Ventilator Blues"がセットリストに組み込まれていた、1972年ツアー初日のバンクーバー公演で、SODDとしては『Vancouver First Night』(SODD 038/039)以来2度目のCD化。

soddvancouver1

この公演については、ピッチを修正して曲順を正しく並び替えたDAC『Touring Party Vol.1』(DAC-079)が既発ではベストでしたが、本作もDAC盤同様に正しい並びの曲順となっています。

dactourlingpartyvol11

その正しいと言われる曲順、"You Can't Always Get What You Want"の後に"Ventilator Blues"が配置されていますが、おそらくこの間でテープチェンジがあったようで、DAC盤以外の既発タイトルはいずれも"You Can't Always Get What You Want"の曲終わりの余韻部分に被るチューニング音の途中でフェードアウトしていましたが、本作はそのチューニング音が既発より長く収録されたことから、曲が完全に終わるまで聴くことが出来るようになっています。

ちなみにDAC盤は、その余韻にダダッというバスドラムが2発被って、あたかも曲が最後まで収録されているように聞こえますが、そのバスドラムの直後がやや不自然な繋ぎになっており、今回あらためてチェックしてみたところ、このダダッというバスドラムは"Gimme Shelter"が終わった際のものだったことが判明。不自然な繋ぎに聞こえたのは、そのバスドラムの直後に叫び声が入っていたことから、DAC盤はそれを嫌って叫び声をカットしたことによるものだったようです。

なお、"Rip This Joint"のイントロ欠けの為のフェードインは既発同様ですが、"Honky Tonk Women"のイントロ前と"JJF"と"SFM"の曲間のカットについては、DAC盤よりも本作の方が自然な感じの編集となっています。

とせっかくのグッドポイントがあるにも関わらず、そこはやはり何かしらやらかすこのレーベル・・・。2度目のCD化だというのにピッチが早かったり、"Midnight Rambler"は音が左に片寄ってしまっているという、型番100を超える専門レーベルにも関わらずのトホホぶり。


続くディスク2のトラック6からディスク3のトラック6までは、
翌日のシアトルでのファーストショー。

この公演については事典で挙げたVGP『A Fair To Remenber Revisited』(VGP-141) が既発で唯一の全曲収録盤。

vgpfairtoremenmber1

本作も基の音源自体はVGP盤と同じですが、テープチェンジにあたった"Sweet Virginia"は、曲が終わる寸前でのフェードアウト処理は同じものの、本作の方がVGP盤よりフェードアウトが遅めにつき、曲の最後の部分をほんの僅かながら長く聴くことが出来ます。

逆に次のテープチェンジ部分にあたった、中間のSAXソロ途中までの"Rip This Joint"と2コーラス目のサビからの"JJF"は、VGP盤が編集せずカットそのままなのに対し、本作はフェードアウト・イン処理を施している分、ここはほんの僅かながらVGP盤の方が長めに聴くことが出来ます。

ちなみにどうでもいいといえばどうでもいい部分ではありますが、オープニングのバンドコールの前の歓声と、"SFM"が終わりアナウンスが流れた後の場内BGMについては本作の方がVGP盤より長く収録されていたりします。

全体的な音質は本作の方がすっきりとした音で、高域が刺激的なVGP盤より聴きやすかったりしますが、これもまたピッチが早め・・・。

なお、中盤以降に頻繁となる音割れはVGP盤も同様です。


ディスク3のトラック7からディスク4は、演奏開始直後にギターが鳴らなくなってしまったことから仕切直して始める"Midnight Rambler"や、"Happy"演奏前の長いチューニングの間を持たせる為にニッキーホプキンスが遊びで弾いた曲"The Loveliest Night Of The Year"といったレアな演奏がLP時代からブート化されていた同日のセカンドショー。

この公演は2種の音源がブート化されていますが、本作もDAC『Seattle Superfonic』(DAC-013)同様に、LP時代からブート化されていた方の音源をメインとし、欠落している部分をもう片方の音源で補填して全曲収録としています。

dacseattlesupersonic1

"Brown Sugar"から"Gimme Shelter"までと、"Band Introduction"以降"JJF"のイントロが若干欠けているもののライブ終了までがメインの音源で、それ以外の"Happy"から"Loving Cup"までがもう片方の音源。

メインの音源は、ボーカルが引っ込み気味なのがやや残念ですが、すっきりとクリアーな音質の演奏を大きく拾った好録音。また補填に使われている音源も、音のレンジは狭いものの演奏を大きく拾った録音であることから、音源が切り替わってもさほどの違和感は無し。

ではDAC盤と本作はというと、本作はモノラルの再処理を行っていない分、DAC盤より若干ながら音に奥行きがありますが、定位の片寄りや音ユレがあるのが気になるところ。

なお、本作はバンド名部分だけですが既発未収のバンドコールが収録された上、イントロが若干欠けている"JJF"については同じフェードインでも本作の方が立ち上がりが早くなっています。

しかし、やはりこの公演も本作のピッチは早めというトホホぶり・・・。

by Hara ¦ 04:16, Friday, May 25, 2012 ¦ 固定リンク


『Frankfurt Tape 1973』(-)
frankfurttape1973

『Frankfurt Tape 1973』(004) 1CD

Sep.30 1973 Festhahalle,Frankfurt,West-Germany (2nd Show)

Mono Audience Recording
Quality:Very Good

1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Dancing With Mr.D/7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man

1973年9月30日のフランクフルト公演セカンドショー全曲収録盤。

この公演は、テイラーのバランスがやたら大きい若干遠目のオーディエンス録音がブート化されていましたが、本作の音源も従来同様。

この音源を収録した既発タイトルは、いずれもファーストショーとのカップリング2枚組で2種。

まず事典で代表に挙げたStone Crazy『The Frankfurt Tapes 1973』(SC-002)

scthefrankfurttapes

そしてVGPの『Guten Abend Frankfurt』(VGP-266)

vgpgutenabendfrankfurt

音質はVGP盤が若干メリハリついていたりしますが、テープチェンジにあたった為に欠けてしまった"Honky Tonk Women"のイントロについては、Stone Crazy盤は補填無しで欠けたまま。一方のVGP盤はファーストショーの音を補填していますが、ファーストショー音源でイントロに被ってしまっている手拍子が突然消えて不自然になるのを嫌ったが故に、セカンドショー音源に戻るのが歌に入る寸前のリフからと、Stone Crazy盤よりも9秒近く短くなってしまっているのがマイナスポイントとなっていました。

また、オープニングのバンドコールも1秒にも満たないほんの僅かなものですが、Stone Crazy盤の方が長かったりしています。

さて本作ですが、そのほんの僅かなバンドコール部分はStone Crazy盤と同じ。

そして"Honky Tonk Women"のイントロはVGP盤同様にファーストショー音源を補填していますが、セカンドショー音源をフルに活用しているので、手拍子は突然消えるものの、セカンドショー音源はStone Crazy盤と同じサイズになっています。

音の方はというと、立体効果が得られるエフェクトを全体にかけた、このシリーズ特有の音造りになっていることから、奥行きが感じられる音に仕上がっています。

なお、このシリーズ第3弾まではレーベル面表記が「Number 00*」というものでしたが、本作からはただの3桁数字に変更されたようです。

by Hara ¦ 14:07, Saturday, May 19, 2012 ¦ 固定リンク


『A Destructive Element』(Godfather)
godfatheradestructiveelement

『A Destructive Element』(G.R.661) 1CD

Sep.19 1973 Odeon Theatre,Birmingham,UK (1st Show)

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

1.Intro/2.Brown Sugar/3.Gimme Shelter/4.Happy/5.Tumbling Dice/6.Star Star/7.Dancing With Mr.D/8.Angie/9.You Can't Always Get What You Want/10.Midnight Rambler/11.Honky Tonk Women/12.All Down The Line/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man


演奏を大きく捉えた、1973欧州ツアー音源の中でも上位に入る好録音である、バーミンガム1stショー音源収録盤。

この音源の既発では、音造りの好みの分かれるところですが、以下の2タイトルが代表盤。

マイルドな音ですがやや線が細いDACの『Birmingham Odeon』(DAC-067)

dacbirmingham1

音に厚みはあるがやや高域キツ目のIMP『Birmingham Remaster 1973』(IMP-N-016)

impbirmingham1

本作はというとIMPのコピー盤。

とはいえストレートなコピーではなく、音の厚みを若干減退させていることから、DAC盤とIMP盤の中間のような音になっています。

"Happy"から"Star Star"まで左チャンネルで起きる、テープ劣化による周期的な音量ダウンによる音ユレは上記2タイトル同様そのまま。

by Hara ¦ 08:22, Saturday, May 19, 2012 ¦ 固定リンク


『Smoking Stones』(-)
smokingstonescd

『Smoking Stones』(-) 2CD

July.9 1975 Inglewood Forum,Los Angels,CA
Mono Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good

(Disc-1)
1.Newscast From 1st May 1975(Coutesy of KMET-FM,Los Angels)/2.Introduction/3.It's Only Rock'n Roll/4.Band Intoduction/5.Doo Doo Doo Doo Doo/6.Fingerprint File/7.Ain't Too Proud To Beg/8.You Gotta Move/9.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/10.Star Star/11.Newscast From 10th July 1975(Coutesy of KABC-TV,Los Angels)
(Disc-2)
1.Official Radio AD(From 1st May 1975 Los Angels/2.You Can't Always Get What You Want/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Angie/6.Wild Horses/7.Brown Sugar/8.Jumping Jack Flash/9.Newscast From 9th August 1975(Coutesy of KWEB-FM,Los Angels)

1975年アメリカンツアーLA5連続公演初日の7月9日公演は、これまで2種の音源がブート化されてきましたが、本作は複刻基タイトルである『Smoking Stones』(-)や、事典で挙げていた『L.A.Fog』(TMQ 8207/8)等、幾つかのタイトルでLP時代にブート化された方の音源で初のCD化。

smokingstoneslp

lafoglp

まあ厳密には、もう片方のブート化音源であるCD時代になってから登場したミラード音源の代表盤『Love You Live Los Angels』(DAC-049)にて、テープチェンジによる"You Can't Always Get What You Want"のギターソロ途中の欠落部への補填として、本作と同じ音源が約1分17秒程使用されているので、その部分だけはCD化されていたとも言えますが・・・。

dacloveyoulivelosangels

さて本作、既に7月13日公演の音源とならぶ75年ツアー屈指の好録音であるミラード音源の方で、前述のDAC盤を含め幾つものタイトルにて全曲ブート化されていたりすることから、どちらかというとマニア向けなタイトルと言えますが、音自体は気持ち遠めなものの、マイクの周りが静かで耳障りな手拍子・歓声の類が少なく、どちらかというと落ち着いた印象を受ける聞きやすい好録音だったので、これはこれで手軽に聞けるようになったのは便利だったりします。

なお、本作はLPの単純な複刻のようで、針音除去に加えて、LPの面替わり部分については繋ぎ処理が施されていますが、それ以外の音源補填等はなし。したがって"You Gotta Move"は、曲中の一旦終わらせる部分でフェードアウトし、ピアノのリフレインからフェードインしてくるのはLPのまま。

ちなみに事典でも触れていますが、各ディスクの最初と最後に収録されているラジオやテレビのレポート等のうち、Disc-1ラストに収録されている「Eyewitness News」という番組のバックで流れている"Honky Tonk Women"はメインと同じ7月9日の演奏です。

by Hara ¦ 23:46, Tuesday, May 15, 2012 ¦ 固定リンク


『Stones In Exotic Honolulu』(SODD)
soddstonesinexotichonolulu

『Stones In Exotic Honolulu』(SODD 117) 1CD

Jan.21 1973 International Center,Honolulu,Hawaii

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.It's All Over Now/6.Happy/7.Tumbling Dice/8.Sweet Virginia/9.Band Introductions/10.Dead Flowers/11.You Can't Always Get What You Want/12.All Down The Line/13.Midnight Rambler/14.Live With Me/15.Rip This Joint/16.Jumping Jack Flash/17.Street Fighting Man/18.Stones In Honolulu Radio AD

1973年ハワイ公演の初日にあたる1月21日ホノルル公演収録盤。

事典では代表盤としてVGP『In Exotic Honolulu』(VGP-040)を挙げましたが、そのVGP盤と比較してみますと。

vgpinexotichonolulu1

まずは音質、この音源は元々バランスの良いクリアーな音質でしたが、本作の方がロージェネレーションのマスターから作成されているだけあって、全体的にすっきりとした感じの音になっており、それと比べてしまうとVGP盤はややざらついた音という印象を受けてしまいます。

続いてオープニングのバンドコール前の歓声について。両タイトル共にバンドコール後の歓声をコピー補填している点は同じですが、本作は音がすっきりとした分だけ繋いだ部分が分かり易くなってしまっているのがやや残念。もう少し耳につかない編集が出来たような気も・・・。

そして"JJF"の最初のサビが終わった後のリフから3コーラス目のサビの途中までのテープチェンジと思しき欠落部に、翌22日の2ndショー音源の同箇所を補填しているのは両タイトル共にですが、その補填された音の定位が片側に寄ってしまっているのも同じ。この音源、この時代にしては珍しいステレオ録音ですが、本作は何故かVGP盤含めた既発タイトルとは左右が逆ですので、この片寄りも逆になっています。これも修正してあれば尚良しだったんですけどね。

本作ラストに収録されているのは、この公演を含むホノルル公演の告知ラジオCMで既発未収。1966年のホノルル公演はラジオ収録されていたこともあって、このCMでも1966年のオープニングのバンドコールの後半部分が放送されていますが、そのバックにビデオのハムノイズのような音が漂っているのは、主な1966年ホノルル公演ラジオ放送収録盤『Sold Out』(HI-916601)や『In Action』(IST 18)、そして『Bill Wyman's Black Box』(VGP-329)も同様。ということでこのノイズは、収録の段階からのものであったことが分かりました。

soldout1
inaction1
vgpbiiwyman1

by Hara ¦ 01:27, Monday, May 14, 2012 ¦ 固定リンク


△ページのトップへ
 


最近の記事
『L.A.Forum 1975 5th Night:Mik ..

『Beginning Of Cosmic Consciou ..

『Nice 1976 Unreleased Master』 ..

『Still Life In Tempe 1981』(M ..

『Kick Off!! Europian Tour 198 ..

『Perth 1973 Soundboard』(-)

『All Meat Music 1973』(Mayflo ..

『Roseland Ballroom 2002』(-)

『New York Junction』(DAC)

過去ログ
2024年11月
2024年10月
2022年 5月
2022年 4月
2021年10月
2021年 9月
2021年 8月
2021年 5月
2020年10月
2020年 9月
2020年 8月
2020年 7月
2019年 4月
2019年 1月
2018年12月
2018年 5月
2018年 4月
2018年 3月
2018年 2月
2017年12月
2017年 9月
2017年 5月
2017年 4月
2017年 3月
2017年 2月
2016年10月
2016年 9月
2016年 7月
2016年 4月
2016年 3月
2016年 2月
2015年 6月
2015年 4月
2015年 2月
2015年 1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年 9月
2014年 8月
2013年10月
2013年 9月
2013年 8月
2013年 7月
2013年 3月
2013年 2月
2013年 1月
2012年12月
2012年 5月
2012年 2月
2012年 1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年 8月
2011年 7月
2011年 6月
2011年 5月
2011年 2月
2011年 1月
2010年 7月
2010年 6月
2010年 4月
2010年 3月
2010年 2月
2010年 1月
2009年12月
2009年10月
2009年 9月
2008年12月
2008年11月
2008年 9月
2008年 7月
2008年 6月
2008年 5月
2008年 4月
2008年 2月
2008年 1月
2007年12月
2007年11月
2007年10月
2007年 9月
2007年 8月
2007年 7月
2007年 6月
2007年 5月
2007年 4月
2007年 3月
2007年 2月
2007年 1月
2006年12月
2006年11月
2006年10月
2006年 9月
2006年 8月

Links
ローリング・ストーンズ海賊盤事典
Bridges to the Stones

本日   40
昨日   30
累計   325421

ここをクリックしてブラウザのアドレス欄に表示されているのがRSS用のURLです。このURLをRSSリーダーなどに設定してご利用ください。

ログイン
保存

フリーソフトで作るブログ