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『Australian Tour 1966』(DAC) |
『Australian Tour 1966』(DAC-196) 1CD
Track 1-2 Feb.16 1966 Kingsford Smith Airport,Sydney,Australia
Track 3-12 Feb.18 1966 Commemorative Auditorium Showgrounds,Sydney,Australia (1st Show)
Track 13-21 Feb.24 1966 Palais Thatre St.Kilda,Melbourne,Australia (2nd Show)
Track 22 Oct.26 1965 IBC Studios,London,UK
Track 23 Dec.19 1967 Lime Glove Studios,London,UK
Track 1-12 Mono Soundboard Recording Quality:Very Good
Track 13-21,23 Mono Soundboard Recording Quality : Excellent
Track 22 Stereo Soundboard Recording Quality : Excellent
1.Stones Arrived Kingsford Smith Airport,Februry 16,1966/2.Ward Austin 2UW Airport Interview/3.Ward Austin Introduction/4.Mercy Mercy/5.She Said Yeah/6.Play With Fire/7.Not Fade Away/8.The Spider And The Fly/9.That's How Strong My Love Is/10.Get Off Of My Cloud/11.19th Nervous Breakdown/12.Satisfaction/13.Band Introduction/14.The Last Time/15.Mercy Mercy/16.She Said Yeah/17.Play With Fire/18.Not Fade Away/19.That's How Strong My Love Is/20.Get Off Of My Cloud/21.Satisfaction/22.Lady Jane/23.2000 Light Years From Home
現存するラジオ放送された2公演に、新たに発掘された関連音源を加えて、1966年2月18日から3月2日まで行われたオーストラリアツアーの集大成を目指したのが本作。
冒頭2トラックが新たに発掘された関連音源で、本作の少し前にリリースされた同コンセプトの Callingの『Live In Australia 1966』(LCCD5079)にも収録されていますが、この『Live In Australia 1966』、肝心のシドニー公演の音質がイマイチであったり、トラックが変わる際にギャップ(微細な空白)やノイズが入ってしまっているという、この手のハーフオフィシャルものにありがちな欠点があったりするという、なんとも残念なタイトル。
トラック1の"Stones Arrived Kingsford Smith Airport,Februry 16,1966"は、ストーンズがキングスフォード・スミス空港(シドニー国際空港)に来ることを伝えるラジオアナウンス。
本作と『Live In Australia 1966』どちらもカットインで始まりますが、本作の方が0コンマ数秒分だけ前から始まっている分、バックに流れるBGM(ストーンズとは関係なし)のホーン1音を聴くことが出来ます。
トラック2の"Ward Austin 2UW Airport Interview"。 Ward Austin(ウォード・オースティン)は人名で、当時のシドニーの人気ラジオDJだそうで、 この方によるストーンズ来豪のレポート(何故か『Live In Australia 1966』には未収録)と、メンバーへのインタビューのトラック。
その両タイトルに収録されているインタビュートラック、本作はヒスノイズ多目ではあるものの自然な音なのに対し、『Live In Australia 1966』はヒスノイズ除去処理をやや強めにしている影響で、金属的なノイズが時折発生しているという難点有り。
トラック3から12は、ツアー初日にあたる2月18日シドニーでの1stショー。
"Mercy Mercy""She Said Yeah""Play With Fire""The Spider And The Fly""That's How Strong My Love Is"、同じく本作に収録されている6日後のメルボルン公演では聴くことの出来ない"The Spider And The Fly"といった、後年演奏されることの少ない当時の新作『Out Of Our Heads』からの楽曲を中心としたセットリスト。
そして"Get Off Of My Cloud"では2番のサビでキースのコーラスが早く入ってしまったが故に、自身のヴォーカルだけが残ってしまったことを自分のミスと勘違いしたミックが、3番ではサビを1ヴァース分短く歌ってしまい、逆に自分だけ早くサビを終わらせてしまうという珍展開、そしてラストの"Satisfaction"では観客がステージに乱入したのか、ミックが1番をまともに歌えないという60年代ならではの場面を捉えていたりと聴きどころの多いこの公演は地元シドニーのFM局「2UW」がライブ全曲を放送。
本作はこの放送のエアチェックテープから作成されています。
基がFM放送ではあるものの、当時のレコーダーの性能によるものなのか、クリアーさに欠ける団子気味の輪郭のぼやけた音ではありますが、さすがに放送音源だけあって音のバランスはしっかりしていて聴き応えのあるものとなっています。
事典でこの音源の代表盤として挙げていた、本作と同系列のVGP『Brian Jones・He Is Not Dead』(VGP-017)リマスター盤と比べても、劇的に変わったまでとはいきませんが、全体の音量を上げているにも関わらずヒスノイズは減少、そして低域の厚みが増していることによって聴き易さが向上しています。
ちなみに先に触れた『Live In Australia 1966』は逆にミックのヴォーカルを浮きだたせようとしたのか、中域を持ち上げていることに加え、低域を更に薄くしてしまっていることから逆に聴きづらくなってしまっているという残念な出来。
なお、既発全ての"Satisfaction"では、3番まで歌いきった後の3分16秒頃から、テープをデジタル化する際に入り込んだと思しき定期的なピーという信号音が5回入っていましたが、本作はその部分のヒスノイズが瞬間的に増しはするものの、きちんと削除処理しているのがポイント
そして当然ながら『Reelin' And Rockin'』(VGP-274)や『Brian Jones・He Is Not Dead』のリマスター前バージョン(ジャケット同じ)、『Beat Beat Beat』(MCS-101)、『Live In The Sixties』(WLR-2145)といったタイトルにあった、"Get Off Of My Cloud"終わり部分のドロップアウトも『Brian Jones・He Is Not Dead』リマスター版同様にちゃんと修正されています。
トラック13から21は2月24日メルボルンでの2ndショー。
この日の2ndショーもメルボルンのFM局「3UZ」にて放送。 先のシドニー公演で演奏された"The Spider And The Fly"と"19th Nervous Breakdown"は放送時のカットなのか、このショーでは演奏されなかったのかは不明ですが選曲には無く、かわりに"The Last Time"が入っています。
この放送、"She Said Yeah"と"That's How Strong My Love Is"の終了後にはアナウンスによるCMを挟んでいることから、"Play With Fire"のイントロにそのアナウンスが被ってしまっていることに加え、ラストの"Satisfaction"は当時の大ヒット曲のはずなのに、イントロからミックが歌詞を間違え3番から1コーラス歌ったところで、エンドクレジットアナウンスが被り、そのままエンディングになってしまうという尺合わせのための強引な短縮編集が玉にキズ。
また、コーラスマイクが不調だったのか、はたまたミックス時のミスかは不明ですが、コーラス用のマイクがオフになってしまっている為、"She Said Yeah"や"Get Off Of My Cloud"といった、コーラスと掛け合いとなっている曲に物足りなさを感じてしまうのもやや難点だったり。
そんなこの放送ですが、シドニーとは異なり超高音質のエアチェックテープが残されていることから、今やハーフオフィシャルの格好の餌食となり、かなりの数のブートが乱発されている状況。
元が良いだけにいずれのタイトルでも高音質で楽しめたりすることから、ここでは事典で代表盤として挙げていた同系列のVGP『Bill Wyman's Black Box』(VGP-329) との比較をしてみましたが、アルバム全体の音量を整えるためかVGP盤より音量が若干小さくなっている程度で、ほとんど変わらず。
なお、トラック13の"Band Introduction"は、これまで次の"The Last Time"と同じトラックになっていたものを分けただけなので、新たな部分が発掘されたということではありません。
残りの2曲はボーナストラック的な扱いで、まずトラック22は、オフィシャル未リリースの"As Tears Go By"ステレオミックス。 こちらは過去にはDeggaの『Necrophilia』(SSM 120Y 637)のみ収録されていたというレアなもの(残念ながら未所持のため画像もネットから)。アコースティックギターとヴォーカルはモノラルで、ストリングスのみ左右に振り分けられたミックス。音の鮮度という点ではオフィシャルよりもわずかに落ちますが、充分高音質といえるレベルの音で収録。
本作ラストとなるトラック23の"2000 Light Years From Home"は、LPやCDの音盤としては初となるプロモ映像音声。
ミックのヴォーカルとキースのコーラスはオフィシャルと異なる別テイク。
バックの演奏についても、ほとんどオフィシャルと同じなものの、曲終盤の、オフィシャルCDでいうと4分26秒から入ってくるピアノ4音からなるフレーズがオフになっていたり、 1番歌い出しの「Sun turnin'」の「turnin'」、 2番の「Freezing red deserts turn to dark」の「turn」に「Energy here in every part」の「here」、 3番の「Bell flight fourteen you now can land」の「fourteen」と「can」、「See you on Aldebaran」の「Aldebaran」、「Safe on the green desert sand」の「desert」、 それぞれのヴォーカルの上にサウンドエフェクトが被っているのが特徴。
本作が基にしているのはBBC-TV「Top Of The Pops」の近年再放送されたビデオソースからとのことですが、この再放送では残念ながら曲の最後まで放送されなかったことから、3分46秒からはこれまでのフィルムの音を繋いで完走収録。音源切り替わり後、ほんの僅かに音質が変わりますが、よく聴かないと分からないレベルでほとんど違和感ないのがポイント。
なお、このプロモ映像、幾つものブートDVDに収録されてはいるものの、ほとんどのタイトルが音声をオフィシャルに差し替えており、本来の音声のまま収録しているのは『Touring Histry Volume Five(Rare Video 1964-1968)』(Bad Wizard)と『Through The Past Darkly:Sucking in the 60's』(AS 153)の2タイトルのみ。
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by Hara ¦ 10:44, Saturday, Sep 18, 2021 ¦ 固定リンク
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