The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 

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2020年 9月

『The Incredible Art Collins Tapes Vol.2』 (DAC)
dactheincrediblevol2

『The Incredible Art Collins Tapes Vol.2』 (DAC-201) 2CD

Nov.11-Dec.19 1982 Pathe-Marconi Studios,Boulogne Billancourt,France

(※)Disc-1 Track3
Jan.30-Feb.9 & Feb15-Mid March 1983 Pathe-Marconi Studios,Boulogne Billancourt,France

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Wanna Hold You/2.Pretty Beat Up/3.Feel On Baby/4.Unknown Instrumental (The Dog)/5.Keep It Cool/6.Can't Find Love/7.Heart Beat take #1/8.Heart Beat take #2/9.Heart Beat take #3/10.Cooking Up a.k.a. What I Am Sayin' Is True/11.Something I Want/12.Eliza/13.Chris' Song/14.Part Of The Night a.k.a. Golden Caddy/15.Pink Pick/16.Pull Over
(Disc-2)
1.The Golden Mile/2.The Dog/3.Show Me A Woman/4.Show Me A Woman/5.Melobar/6.Mick's Idea (In Your Hand)/7.Hideaway/8.Run And Take/9.Dance Mr. K (Still In Love)/10.Munich Hilton/11.Christine/12.Identification/13.Flirty


『The Incredible Art Collins Tapes Vol.1』 (DAC-200)(以下Vol.1)に続くDACの「Art Collins Tapes」第二弾で、Vol.1同様に『Undercover』のアウトテイクを集めたタイトル。

dactheincrediblevol1

本作が収録しているのはインフォによるとテープ・ナンバーNo.4、No.15、No.16、No.18とのことで、先にリリースされていたEmpress Valleyの11枚組ボックス『Art Collins Tapes And More...』(EVSD-1288-1298)に該当するのは、

CD-03のトラック2〜4、
CD-05のトラック3,トラック9("The Dog"のことだがクレジットでは"Rocker")
CD-06は丸々全て  ※トラック15は"Melobar"と表記されているが、実際は本作ディスク2のトラック4"Show Me A Woman"
CD-07のトラック1,20,21 ※トラック1は"Mick's Idea"と表記されているが、実際は本作ディスク2のトラック5"Melobar"
CD-08のトラック1〜6

artcollinstapes

本作もVol.1同様、『Art Collins Tapes And More...』の欠点だった、逆転した左右のチャンネルや高めのピッチ、そしてばらつきのあった音量を整えて、聴き易さを向上させています。


このテープに収められた音源はVol.1同様に全ての曲が初登場というわけではないので、まずはどの曲がリリース済みだったのかの確認から。


ディスク1の"Wanna Hold You""Pretty Beat Up""Cooking Up a.k.a. What I Am Sayin'Is True""Chris'Song""Part Of The Night a.k.a. Golden Caddy""Pink Pick"と、ディスク2"Melobar"の7曲は、『Bird's Vault - RI 61/16(Volume Three)』(OBR 93 CD 039)他。
一部定位を若干修正していたりはするものの音質はほぼ変わらず。

obrbirdsvault3


ディスク1の"Unknown Instrumental (The Dog)"とディスク2の"The Dog""Show Me A Woman"の3曲は、『Bird's Vault - RI 61/16(Volume Two)』(OBR 93 CD 038)他。
ちなみに本作のディスク1とディスク2に収録されている"The Dog"、まったく同じテイクで音質も変わらず。本作はオリジュナルマスター(=テープ)に基づくというコンセプトにつき、重複テイクがあってもあえて収録しているようですが、同じディスクに収録されていないのが救いではあるかも。とはいえこの"The Dog"は、Vol.1にもまったく同じ音で収録されていたりもするという・・・。
"Show Me A Woman"は"Tie You Up(The Pain Of Love)"とクレジットされていた曲で、この曲としては2番目に古いテイク(II)。

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ディスク1の"Can't Find Love""Heart Beat take #1""Eliza"の3曲は『Too Much Blood』(DAC-182)で、音質変わらず。

dactoomuchblood


ディスク1の"Heart Beat take #2""Heart Beat take #3""Something I Want""Pull Over"とディスク2の"Show Me A Woman"(トラック3の方)の5曲は、『Bird's Vault - RI 61/16(Volume One)』(OBR 93 CD 037)他。
なお、"Show Me A Woman"はOBR盤では"Tie You Up(The Pain Of Love)"とクレジットされていた曲で、最初期(I)のテイクですが、Vol.1にも"Slinky (Slow Instrumental of The Pain Of Love)"という曲名で同じものが収録されています。

obrbirdsvaultcd1


ディスク2の"The Golden Mile""Mick's Idea (In Your Hand)""Run And Take""Dance Mr.K (Still In Love)""Christine""Identification""Flirty"の7曲は『All About You』(DAC-187)他。
インフォメーションでは「better than DAC-187」とされてはいますが、DAC-187自体が元々高音質だったこともあり、本作の方が微妙に落ち着いた質感になったかも程度の違い。

dacallaboutyou


ディスク2の"Hideaway"は、『Cahin Saw Massacre』(DAC-110)では"Blues Jam #3(The Stumble)"とクレジットされていた曲で、本作の方が落ち着いた印象の音造り。

dacchainsaw


・・・と本作は既発テイクが多く、本作収録のアート・コリンズ・テープでの初登場となったのは3曲。ただしその内1曲はVol.1と重複していたりします。

"Keep It Cool"
ミックのファルセットが主のテイクですが、Vol.1の"Keep It Cool #1"と同じで音質も変わらず。

"Feel On Baby"
「ホワイトブック」と称されるデータ本「Recording Index 1961-2016」で(I)とされていたキースがヴォーカルを取る最初期テイク。

recordingindex2


"Munich Hilton"
データ本「Recording Index 1961-2016」で(II)とされていたインストテイク。
曲の途中、フェードインで始まるが、そこまでの演奏が長くて飽きて来たのか、チャーリーは色々なフィルを試していたり、ロニーも途中でギター弾くのを止めたりしている、ややだらけ気味のテイク。

recordingindex

by Hara ¦ 01:20, Monday, Sep 21, 2020 ¦ 固定リンク


『The Incredible Art Collins Tapes Vol.1』 (DAC)
dactheincrediblevol1

『The Incredible Art Collins Tapes Vol.1』 (DAC-200) 2CD

Nov.11-Dec.19 1982 Pathe-Marconi Studios,Boulogne Billancourt,France

※Disc-2 Track-3,4
Nov.7-9 1982 Pathe-Marconi Studios,Boulogne Billancourt,France

※Disc-2 Track-9
from Tattoo You Sessions 1981

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Too Tough (Triple X)/2.It Must Be Hell/3.Undercover Of The Night/4.Tie You Up (The Pain Of Love)/5.She Was Hot/6.Feel On Baby/7.All The Way Down/8.Too Much Blood/9.Tried To Talk Het Into It/10.Too Much Blood/11.Pretty Beat Up (XMAS issue)/12.Dog Shit
(Disc-2)
1.Keep It Cool #1/2.Keep It Cool #2/3.Gotta Know You (Wanna Hold You #1)/4.Wanna Hold You #2/5.All The Way Down/6.Gotta Know You/7.Rocker (The Dog)/8.Slinky/9.Slave (Vocal 1 Complete)

本作が収録しているのは、ローリング・ストーンズ・レコードの副社長だった故Arthur Collins氏(82年の退職後はマネジメント会社を興し、イギー・ポップのマネジメントを長年していたらしいですが)が所有していたストーンズのレア音源テープ。

この「Art Collins Tapes」と呼ばれるテープ音源については、今夏ネットで大量公開され(本作のインフォによるとトータル約12時間)、Empress Valleyが『Art Collins Tapes And More...』(EVSD-1288-1298)にてテープ全てを早々とCD化していましたが、このタイトル、左右のチャンネルが逆だったり、ピッチは高め、そして音量にばらつきがと、素材が良かっただけにもう少し丁寧に造ってほしかったかなといった感が。

artcollinstapes

そういった基テープの欠点をすべて改善した上で音盤化したのが本作。

本作が収録しているのはインフォによるとテープ・ナンバーNo.6とNo.12とのことで、『Art Collins Tapes And More...』ではどれにあたるかというと、CD-01のトラック3、CD-02のトラック5(=CD-03のトラック1)、CD-04のトラック4から最後まで、CD-05は丸々全て、そして『Undercover』のアウトテイク集である本作ラストにボーナストラックとして収録された『Tattoo You』のアウトテイク"Slave (Vocal 1 Complete)"は、CD-09のトラック16(ボックス内の曲目表では14トラック入りとなっているが実際は16トラック)になります。

また、このテープに収められた音源は全てが初登場という訳わけではなく、

ディスク1の"Too Tough (Triple X)""It Must Be Hell (diff. vocals)"はOBR『Bird's Vault - RI 61/16(Volume Three)』(OBR 93 CD 039)他で

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ディスク1の"Undercover Of The Night""She Was Hot""Feel On Baby""Too Much Blood""Too Much Blood"と、ディスク2の"All The Way Down"はDAC『Too Much Blood』(DAC-182)他

dactoomuchblood

ディスク1の"Tried To Talk Her Into It"は『Foxes In The Boxes Vol.1&2』(-)他でリリースされている「Foxes In The Boxes」音源

foxesintheboxesvol1

ディスク2、トラック2の21分弱の長尺未発表曲"Keep It Cool #2"は『Foxes In The Boxes Vol.3』(-)で聴けたものですが、冒頭のベース音が既発では頭欠けしていたのに対し、本作は頭から聴けるという、極ほんの僅かに長いものとなっています。

foxesintheboxesvol3

そしてディスク2 "Wanna Hold You #2"と"Rocker (The Dog)"はOBR『Bird's Vault - RI 61/16(Volume Two)』(OBR 93 CD 038)等で聴けたものとなっています。

obrbirdsvaultcd2

このテープで初登場となったのは以下の9曲

"Tie You Up (The Pain Of Love) (diff. vocals)"は、「ホワイトブック」と称されるデータ本「Recording Index 1961-2016」(V)とされていたテイク。

recordingindex3

"All The Way Down"は、データ本「Recording Index 1961-2016」で(II)とされていたもので、ヴォーカルはオフィシャルで使われているものと同じですが、被ってくるコーラスが異なっていたり、曲が短縮編集される前のテイク。

recordingindex2

"Pretty Beat Up (XMAS issue)"はヴォーカルがオフ(レコーディング前?)のインストヴァージョンで、全編にシンセブラスがフィーチャーされた派手なミックス。

続く"Dog Shit"も、如何にも80年代っぽいフレーズのシンセブラスがフィーチャーされた8ビートのインスト

ディスク2冒頭の"Keep It Cool #1"も『Foxes In The Boxes Vol.1&2』とは異なるテイクで、ヴォーカルはミックのファルセットが主。このテイクの登場でこの曲は都合3テイク、ブート化されたことになります。

"Gotta Know You (Wanna Hold You #1)"は、11月11日からのレコーディングに先立ち、ミックとキースによるプリプロダクション音源。キースがボーカルとギターで、ミックがドラムを担当。"Wanna Hold You "の初期テイクとされていますが似ているのはギターの一部くらい。

トラック6のバンド演奏の"Gotta Know You"は、ミックのヴォーカルが途中少しだけ入っている程度のほとんどインストテイク。ちなみに展開部分は"Mixed Emotions"のイントロを彷彿させるフレーズも。

"Slinky (slow instrumental of The Pain Of Love)"はデータ本「Recording Index 1961-2016」で(I)とされていた最初期のインストテイク。

ボーナストラック扱いの"Slave (Vocal 1 Complete)"は、『The Pain Of Love』(DAC-107)で聴けるものと同じ演奏でヴォーカルも変わらずですが、サックスをオーバーダヴする前の状態のテイク。『The Pain Of Love』収録テイクはモノラルな上、8分40秒弱でフェードアウトしているのに対し、本作のテイクはステレオで、それよりも1分ほど長く演奏の終りまで収録しています。

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by Hara ¦ 18:26, Friday, Sep 11, 2020 ¦ 固定リンク


『Wembley Stadium 1999 Day2』(-)
wembleystadium1999day2

『Wembley Stadium 1999 Day2』(-)

June.12 1999 Wembley Studium,London,UK

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Introduction/2.Jumping Jack Flash/3.You Got Me Rocking/4.Bitch/5.Respectable/6.Gimme Shelter/7.Angie/8.Honky Tonk Women/9.Saint Of Me/10.Out Of Control/11.Paint It Black/12.Band Introduction/13.Thief In The Night/14.Before They Make Me Run
(Disc-2)
1.B-Stage S.E./The Popcorn/2.Route 66/3.Like A Rolling Stone/4.Midnight Rambler/5.Sympathy For The Devil/6.Tumbling Dice/7.It's Only Rock'n Roll/8.Start Me Up/9.Brown Sugar/10.Satisfaction

『Wembley 1999 2nd Night』(-)のリマスター再発盤。

1999年Bridges Babylonツアー、ウェンブリースタジアム2日連続公演の2日目となる6月12日公演収録盤。

この公演を収録した既発盤は3種

『Over Wembley』(VGP-226)
2種類の音源から作成されており、メインの音源は演奏を大きく捉ええてはいるものの高域キツ目の音質で定位が右寄り。メンバー紹介と"Start Me Up""Satisfaction"で使用されているサブ音源もメインに似た感じの音ではありますが、若干荒れ気味の音で歓声が割れてしまっているというもの。

vgpoverwembley


『The Complete Wembley 1999 Performances』(RR 028/29/30/31)
前日公演もカップリングされた4枚組タイトル。
やや遠目の音で若干エコーがかってはいますが、周りが静かなので意外と聞きやすいのではという印象。ただ、メインステージの音は低域がブンブン響いていたりするのが玉にキズ。

thecompletewembley


そして本作の基である『Wembley 1999 2nd Night』(-)
演奏を大きく捉えた好録音で、耳障りな歓声や手拍子の類は無し。若干高域が耳につく部分があったり、中域が若干響き気味のやや軽めの音ではあるものの、総じてクリアーで聴きやすい音質。

wembley19992ndnight

その『Wembley 1999 2nd Night』のリマスター版となる本作。
箱鳴り気味だった中域を抑え、ベースラインが聞こえるよう低域を持ち上げたことにより、音の抜けと聴き易さが向上。高域の方も耳につく帯域より上の部分を若干持ち上げて、クリアーさを更に強調してはいますが、そこまで上げなくてもといった感も。とはいえ、このリマスターで確実に音質が1ランクアップした印象を受けます。

クレジットでは『Wembley 1999 2nd Night』は両ディスクとも最初のトラkックが"Introduction"という表記になっていましたが、本作はディスク2最初のトラックの方を"B-Stage S.E./The Popcorn"と表記変更しています。

そのステージ移動の際のBGMであるJames Brownの"The Popcorn"に続けて始まる"Route 66"はPAのミスによりイントロが外に出ておらず、まるで音飛びしてるかのように聞こえるのは何とも・・・。

PAミスといえば、"Saint Of Me"でも曲の前半でスネアがオフになっており、まるでチャーリーがスティックを落としたかのような音に聞こえてしまっていたりも。

ちなみにこの日もシェリル・クロウが、6日のシェフィールド、8日のロンドン・シェパーズ・ブッシュ、そして前日11日のウェンブレースタジアムに引き続きゲスト参加していますが、曲はそれまでの3公演同様"Honky Tonk Women"。

by Hara ¦ 20:28, Thursday, Sep 03, 2020 ¦ 固定リンク


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