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【番外編】From The Vault『L.A.Forum (Live In 1975)』DVD & Soundtrack CD |
From The Vault『L.A.Forum (Live In 1975)』DVD & Soundtrack CD
July.11 1975 Inglewood Forum,Los Angels,CA
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(CD 1) 1.Fanfare For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud/5.Star Star/6.Gimme Shelter/7.Ain't Too Proud To Beg/8.You Gotta Move/9.You Can't Always Get What You Want/10.Happy/11.Tumbling Dice/12.It's Only Rock'n Roll/13.Band Introductions/14.Doo Doo Doo Doo Doo (CD 2) 1.Fingerprint File/2.Angie/3.Wild Horses/4.That's Life/5.Outa Space/6.Brown Sugar/7.Midnight Rambler/8.Rip This Joint/9.Street Fighting Man/10.Jumping Jack Flash/11.Sympathy For The Devil
From The Vaultシリーズ第2弾は1975年のLAコンサート。
配信リリースされていた7月13日のステレオサウンドボード音源のCD化もさることながら、ここで取り上げるのはDVDとそのサウンドトラックCD。
映像の方はブートではお馴染みの7月11日とされていた公演ですが、本作は7月12日というこれまでの日付をくつがえすクレジットが表記されてはいるものの、これまでの説を否定するだけの決定的な証拠がないことから、ここでは従来通りの11日としておきます。
この映像、ブートでは"画のブレが極力すくないもの""発色がなるべく強いもの""音質がクリアーなもの"と、この3点をポイントにビデオ時代から幾つも入手してきたものでしたが、今回はさすがにオフィシャル、経年劣化によるトラッキングズレの映像ブレが希にあったりするものの、ブートとは雲泥の差のクオリティ。
一部ビデオの劣化ブレもしくはキズを隠す意図があったのか、今回のリリースでは違うショットが僅かながら挟み込まれたりはしていますが、基本的には従来映像とほとんど同じものとなっています。
画質の向上具合もですが、事典の7月11日のビデオ落としCDである『L.A.Connection』(VGP-085)の解説で触れた、"Honky Tonk Women"でのビリー・プレストンのエレピの過剰なミックスと"Jumping Jack Flash"の音切れがどうなったのかという点がどうなっているのかにも興味があるところ。
(旧ジャケット)
ということで、まずは"Honky Tonk Women"。1番の「upstairs for a ride」の後から、左手で弾いているベース音部分から音が入ってくるので、ビル・ワイマンのベースと勘違いしがちですが、これはビリーが弾いているエレピの音。
このエレピ、ビデオのオリジナル音声では最初のギターソロまでオンな状態となっていますが、本作はオリジナルのモノラル音声でなく、別ミックスのステレオに差し替えられていることから、このエレピについても異なる印象になっているのかと思いきや、何故か導入部分の左手フレーズは明確に聞こえるようにミックスされているのが何とも不思議。ただし、オリジナルのようにしばらくオンになっているのではなく、最初のサビからはオフ気味となっています。
つづいては"Jumping Jack Flash"。オリジナルでは最後のサビが終わった後の後奏となるギターソロが始まって20秒ほど経った部分で、まず軽く音飛びした後、高域がキツめで音が歪み気味の音声に1分10秒ほど切り替わり。この音声から元の音声に戻る際に再び音飛びが発生しているという状況でしたが、本作は何と驚くべきことに、最後のサビが終わった直後のBコードのストロークから1分33秒の間、本作のタイムでいうと3分38秒から5分21秒まで、なんと翌日の12日公演の音声が挟み込まれています。
これについては、事典で挙げた『The Lost Millard Masters』(VGP-340) に11日と12日両日のオーディエンス音声が収録されているので、確認することが可能。
ただここで不思議なのは、差し込まれた12日公演の音声のキースとロニーの位置が逆になっており、この1分33秒の間だけ、ロニーのギターソロが右からで、キースのコードワークが左から聞こえてくるというおかしなものになっています。
映像でのこの間は、あまりギターの手許を映さないので、さほど違和感は覚えないかと思われますが、ドラムに目を向けてみると、例えば4分19秒あたりではチャーリーがトップシンバルを叩いていないのに、その音が聞こえていたり、4分48秒あたりではロングフィルが鳴っているのに、画像では普通にリズムキープしているといった具合になってしまっています。
またこの差し換え部分、12日の方が11日の本来の音声より15秒ほど長いことから、映像の方では無難なカットを差し挟んで尺を強引に合わせていたりします。
ここで不思議なのは、前述のとおり、音声自体はマルチテープから新たにミックスしているので、こんな意味不明の編集をしなくても大丈夫だったような気がしますが、偶然にもマルチテープの11日の同部分に問題があったのでしょうか。
といった具合で、第1弾の81年ハンプトンも一部差し換えがあったことにより、オリジナル音声を収録していたブートにも僅かながらの価値が残されましたが、この75年LA公演もまた、ビデオのオリジナルミックスが聞けるということに加え、オフィシャルでは差し替えられたが故に聞くことが出来ない、"Jumping Jack Flash"最後のサビが終わった直後から1分10秒強の、本来の演奏を聴くことが出来るということで存在価値が残されたこととなったのでした。
なお、今回のサウンドトラックCD。DVD音声を全て収録かと思いきや、DVDでは隠しトラックとなっていた、 エンドクレジットのバックで流れていた終演後の客出しBGMが始まった途端にフェードアウトするので、このBGMについてはDVDよりもはるかに短い収録となっています。まあ、BGMの長さ云々についてはさほど気にするポイントではありませんが、"Sympathy For The Devil"終了後のチャーリーのドラムロール等の遊びが終わりきらないうちに、フェードアウトが始まってしまっているので、ここはあとほんの数秒開始を遅らせてもらいたかったところ。とはいえ、ドラムロールの最後の方が聞けなくなっているのではなく、若干音量が下がっていった程度のものではありますが・・・。
資料的な価値が僅かながら残ったこれまでのプレスブートDVD7種についても、最後に軽く触れておきます。
『L.A Blues』(GANJA 63) 発色は1番濃い。ビデオ劣化によるキズやブレが少々あり。
『Tour Of The Americas'75』(WLR-2133) 14CD+1DVDのボックスセット。DVDはメニュー画面含めて『L.A Blues』のコピー。
『Tour Of The Americas At The LA Forum 75』(DPDVD-04) 映像は『L.A Blues』と同等。
『Los Angels 1975』(MF-01/02) 映像は『L.A Blues』と同等だが、純粋オーディエンスやマトリクス等の4種の音声が選べるのと、ディスク2は「Hot As Hell」と名付けられた別アングル映像9曲に75年の他公演映像が収録。
『L.A. Friday Upgrade』(RTR-018) 配信された13日音源をプレスCDとLPに11日の映像DVDも同封という、本作と同趣向のボックス。映像の方は『L.A Blues』と同等。
『Tour Of The Americas'75』(AS189) 発色は薄いが、映像のブレやキズは『L.A Blues』よりも少な目。
『Live At L.A.Forum 1975』(IMP-PV-805) 画質はここで挙げたブートDVDの中で一番荒れ目。発色については『L.A Blues』と『Tour Of The Americas'75』(AS189)の間くらいですが、他のタイトルには無い、MCのみならず歌詞までもつけられた字幕がポイント。
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by Hara ¦ 00:33, Saturday, Nov 08, 2014 ¦ 固定リンク
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