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【番外編】From The Vault『Hampton Coliseum』Soundtrack CD |
From The Vault『Hampton Coliseum』Soundtrack CD
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(CD 1) 1.Introduction(※Take The A Train表記は無し)/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed (CD 2) 1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction
配信リリースから2年、遂に映像まで公式リリースされた81年12月18日のハンプトン公演、今回はそのDVDやBDに、配信音源をプレス化したCDやLPを同封したボックスもリリースされていますが、日本では更にそれらに加えて映像の音声を抽出したCDもサウンドトラック盤として付属したスペシャルボックスが登場。
このサウンドトラック盤が配信音源とどう違うのかが興味深いところ、ということで早速聴いてみましたが、最初に結論を書いてしまうと、今回の映像の音声は生中継時のミックスではなく配信音源と同じミックスでした。
まあこの生中継時のミックス、キースのギターがオフ気味だったり、生中継であったが故の一部マイクのオンオフ切り替え忘れ等ありましたので、それでのリリースは厳しいでしょうから、今回の配慮は後述する?な部分もあったりはしますが妥当ではあるかと。
では今回のサウンドトラックCDと配信の違いはというと、このツアーの重要なオープニングSEだったにも関わらず配信時ではカットされた"Take The A Train"の追加と、長めだったが故に配信ではカットされた曲間部となります。
なおクロージングSEだったジミ・ヘンドリックスの"Star Spangled Banner"は、許可がとれなかったのか今回もカット。映像では場内が再び暗転して"Star Spangled Banner"が鳴り響いているはずの部分も場内のざわめきだけとなっています。
ではまずサウンドトラックCDに追加となった部分についてですが、このCD最大の目玉である"Take The A Train"。"Take The A Train"ではホーンが入る寸前でピアノがコードで、ターンターン(最初のターンがコードC=ドミソ、次のターンがコードC-5=ドミファ#)、ターンタタッ(ターンがコードC、タタッがコードC-5)というフレーズを2回繰り返していますが、この日のキースの"Under My Thumb"のイントロギターの入りは、2回目のターンターンの最初のターン(コードC)の直後から。今回の公式映像では1回目のタタッ(コードC-5)が終わった直後からキースが入ってくるため、ほんの僅かながら入りが早いことになっていることに加え、キースが入ってくる前に"Take The A Train"は完全フェードアウトされてしまっていることから、2回目のターンターン(コードC〜C-5)自体が完全に聴くことが出来なくなっています。配信時"Under My Thumb"に"Take The A Train"を被せるわけにはいかなかったから、こういう編集が元々されていたんでしょうけど、今回のを観たり聴いたりすると後から如何にもくっつけました感が強いため、ここは"Take The A Train"の絞りを遅くして本番通りのクロスフェードをしてもらいたかったところ。
続いて冗長になりがちだった故にカットされた曲間についてですが、前述した通りミックス自体は配信とは同じですので、今回新たにライブ全編を再ミックスしたとは考え難く、おそらく配信音源のミックス作業時、既に将来の映像リリースを念頭に置いて全編ノーカットのミックスが作成されていたと推測します。したがって今回カットされた部分をあとから継ぎ足したということではないかと。
その追加された曲間は以下の12箇所ですが、MC等はカットされていないので基本的に特筆するものは無し。ただ、配信では曲間が短いのではと感じた方もいたであろう、本編ラスト"Jumping Jack Flash"終了後からアンコール"Satisfaction"までの間が長くなり、ちゃんとアンコールらしくはなった反面、今回の丸々1分15秒追加では逆に長すぎると感じたりもしますので、ここは評価の分かれるところかと。
1)"When The Whip Comes Down"が終わった後からMCまでの一部歓声 2)"Black Limousine"終了後。今回は追加されたことによりギターやベースが確認で出してる音を聞ける。 3)"Just My Imagination"終了後にミックが発した「Yeah Baby」前の歓声と、"Twenty Flight Rock"の曲名を言ってからイントロまでの間 4)"Let Me Go"終了後にミックが発した「Thank you」から次のミックの語りまでの間と"Time Is On My Side"イントロ少し前 5)"Time Is On My Side"終了後にミックが次曲"Beast Of Burden"の曲名を言ってからイントロまでの間。 6)"Beast Of Burden"終了後の歓声一部とミックのエレアコ試し弾き一部 7)"Waiting On A Friend"終了後のMC前の一部歓声 8)"Little T&A"終了後にロニーが発した「Happy Birthday」後からミックの語りが入るまでと、ミックの語り後から次曲"Tumbling Dice"イントロまでの一部。 9)"Tumbling Dice"終了後のミックの語り後から次曲"She's So Cold"イントロまでの間。 10)"She's So Cold"終了後にミックが発した奇声から語りまでの間。 11)本編ラスト"Jumping Jack Flash"終了後からアンコール"Satisfaction"までの間 12)"Satisfaction"終了後の歓声1分半強
ここから後はサウンドトラック云々ではなく、生中継ミックスと配信ミックスの異なる点について。
生中継でのキースのギターがオフ気味にミックスされてしまっていたというミスの他にも前述したようにリアルタイムミックスだったが故にマイクのフェーダー操作が間に合わず、生中継ミックスでは音が出ていなかったりしたパートも配信では聞けるようになっています。
まずはイアン・マクレガンのコーラス。"Shattered"展開部に続いてのサビ後の「Uh, shadoobie」や、"Neighbours"ロニーの最初のソロに続くサビが終わった後のAメロ部分でのユニゾンコーラスが配信では聞くことが出来ます。ただ、その反面"Little T&A"では「shock them, show」(おそらく・・・英語力無いので違う気もしますが)とキースが叫んだ後の、ロニーとのコーラスについてはイアン・マクレガンのコーラスが大きくミックスされていましたが、何故か配信では丸々オフにされています。ちなみにこの"Little T&A"のオフにされた部分、不幸なことに映像では背後からのショットで、ロニーがしっかりと映ってしまっていることから、ロニーはマイクで歌っているのに音は聞こえないという事態になってしまってます。
また"Neighbours"のSAXソロも、生中継では序盤オフライン気味になっていたのを最初からオンにミックスされていたり、"Little T&A"では中間のギターソロから歌に戻る際、キースがマイクに近づくのが遅れたが故にオフ気味となっていた「・・・keeps bitching,Snitcher keeps snitching」部分がきちんと聞こえるようになっています。
ただ、前述の"Little T&A"のコーラスもですが、"Brown Sugar"2番「Drums beatin'」前にミックが発した「Yeah」も何故か消されているのは、別に音を外しているわけでもないのに何とも不思議なところ。エンディングで発生しているハウリングはかなり軽減されてはいるものの、こちらは何故か残されていたりするので、こっちをちゃんと処理した方が良かったような・・・。
最後にHot Stuff BBS等で既に指摘されているヴォーカルの一部差し替えについても触れておきますと。差し替えが確認出来たのは"Time Is On My Side"と"Miss You"の2曲。
まずは"Time Is On My Side"。生中継のミックは2番の「You're searching for good times」と歌うところを、3番とごっちゃになった「You're searching for "real love"」と歌ってしまっていることから、その部分をきちんとした歌詞になるようオーバーダブして差し替えていますが、その部分をよく見ていると、たとえ一言とはいえ映像と音声が微妙に合っていないのが分かります。キースのコーラスについてもこの2番始め幾つかの箇所で差し替えをしていることから、こちらももキースの口元に注意してみると映像と音が合っていなかったり・・・。
ちなみにこのミックのオーバーダブについて、同じハンプトン公演を収録している『Still Life』はどうかというと、何故か本来の1番を無くして2番→3番→3番と歌っているというなんとも不思議な編集がされています。
ここでそれぞれの編集をまとめておくと
『Hampton Coliseum』/『Hot Rocks』/Irma Thomas版/ 1番:Now you always say,That you want to be free 2番:You're searching for good times,But just wait and see 3番:Cause I got the real love,The kind that you need
ハンプトン生中継 1番:Now you always say,That you want to be free 2番:You're searching for "real love",But just wait and see 3番:Cause I got the real love,The kind that you need
『Still Life』 1番:You're searching for good times、But just wait and see 2番:Cause I got the real love,The kind that you need 3番:Cause I got the real love,The kind that you need
そして"Miss You"ですが、これは1番と2番それぞれが終わった後の「Ah・・・」のヴァースを全て差し替えており、2番(「dyin' to meet you」)の後の「Ah・・・」のヴァースは、生中継では「Ah・・・」だけでしたが、 今回のリミックス音源では区切り毎に「Lord I miss you」と歌っています。ちなみにこの差し替えは、VGP『Time Is On Our Side』(VGP-038)等に収録されたFM放送ミックスでも聞くことが出来ます。
●追記
サウンドトラックCDは、インフォメーションによるとロンドンでリマスタリングとのこと。たしかに同封の配信音源CDと聞き比べると、サウンドトラックCDの方が音量レベルが若干小さい等あるものの、高域が僅かながら伸びており、全体的にすっきりした印象を受けます。
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by Hara ¦ 13:07, Sunday, Oct 26, 2014 ¦ 固定リンク
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