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『Mundialito'82』(DAC-132) 2CD
July.11 1982 Stadio Communale Di Torino,Turin,Italy
Stereo Audience Recording Quality:Excellent
(Disc-1) 1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden (Disc-2) 1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Angie/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction/12.Tchaikovsky Overture 1812 Opus 49
DACリリースのLP復刻タイトル。
復刻の基となったアルバムは、LP時代では数少ない全曲収録タイトルだった3枚組LP『Mundialito'82』(SS 11)。
表ジャケットにサッカーボールがデザイン、裏ジャケット(本作では表ジャケットを折り返した裏側)には、当時のイタリア代表チームの集合写真がデザインされていますが、これは事典にも記載したように、本作が収録している1982年7月11日公演は、イタリア代表がサッカーワールドカップスペイン大会決勝で優勝を決めた日。ということで、このアナログLPはイタリア繋がり以外には何の関係もありませんが、制作者としてはワールドカップ優勝記念盤としてリリースしたかったんでしょう、多分。
その中身の音源ですが、当時の録音としてはかなりクリアーな音質で演奏を大きく捉えていることに加えて、耳障りな歓声や手拍子の類はほとんど拾っていないという、82年ツアーのブートの中でも上質な部類に属するもの。
この音源の既発代表盤は事典に挙げた、LP起こしをベースとした『Mundialito'82』(-)。
LP起こしの『Mundialito'82』は、ヒスノイズを若干除去した程度でイコライジングを施さずLPそのままの音をキープ。LPで早かったピッチは正常に修正していたのに対し、テープから落とした本作は、一部ヒスノイズが若干多めだったり、高域がちょっと強めに感じるところがあるものの、よりクリアーな音質となり、左右の音の広がりも僅かながら本作の方が広め。
LPでは聴きづらかったオープニングの"Take The A Train"と"Under My Thumb"での、録音レベル調整によって音が大きく歪んだり急に小さくなったりしていた部分を、完全ではないもののなるべく均等な音量レベルになるよう補整しているのは両盤共通。
その"Under My Thumb"最初のサビで発生していたオーバーレベルによる音割れと音飛びについては、LP起こしの『Mundialito'82』は次のサビの同部分をコピー補填してスムーズに聴けるよう編集しているのに対し、本作は他所から持ってきていないため、音割れそのままですが音飛びの方は発生していません。
LP起こしの『Mundialito'82』は、ディスクの面替わり部分はあまり違和感を覚えぬようクロスフェード処理等で繋いでいましたが、LPで頭欠けを起こしていた"Miss You"については、若干音量レベルが異なってしまってはいるもののテープ音源を補填して、ほとんど音質差なくスムーズに聴けるように編集されています。本作はテープから作成されていることから当然そのようなカットはなく、LP起こしの『Mundialito'82』に比べて、よりスムーズにこの部分を聴くことが出来ます。
"Start Me Up"の曲前も、LP起こしの『Mundialito'82』は巧妙に繋げてはいるものの、歓声にほんの僅かな欠けが生じていたようで、歓声に僅かながらの音量差が生じていましたが、本作はそちらもそのようなことなくスムーズに。
ちなみにLPと本作の基となったテープ本来のテープチェンジは"Going To A Go Go"直後にありますが、LP起こしの『Mundialito'82』と本作のクロスフェードの位置が全く同じだったのは偶然なんでしょうけど、なんとも興味深いところ。
LP起こしの『Mundialito'82』では、"Hang Fire"の展開部及び"Miss You"のサックスソロ冒頭で、右チャンネルから発生しているザザッという軽いノイズは、基にしたLPのディスクコンディションに起因するもののようで、チェックに使用したLPや本作に、このようなノイズは発生していません。
"Time Is On My Side"の3コーラス目にあるマイクに何かが触れたノイズについては、本作含む全てのタイトル共通ですが、LP起こしの『Mundialito'82』が細かなレベル修正等を施していたのに対し、本作は特に修正等していないことから、当たってから数秒間定位が極端に右に寄ってしまってます。
また、LP起こしの『Mundialito'82』で一瞬音ブレが生じていた、"Satisfaction"1コーラス目冒頭「When I'm drivin'」については、比較用LPでも発生しているものの、テープから起こした本作には無いことから、これはLPマスターの問題。
その"Satisfaction"が終わった後は、客出しのSEとしてチャイコフスキーの序曲"1812年"が流され、LP起こしの『Mundialito'82』にも収録されていますが、本作は不完全ながら"1812年"が終わった後の場内アナウンスまで収録しています。
惜しむらくは、録音者の前に立っている観客の影響なのかLPでは定位が片寄ったりしており、LP起こしの『Mundialito'82』の方はある程度修正していたのに対して本作はそのままにつき、ここは修正してもらいたかったところ。
なお、事典にも書きましたが曲目を見れば分かるように、この日はツアー初日に続いて"Little T&A"が演奏されず、メンバー紹介でキースを紹介した後はいきなり"Angie"が始まるという何とも変な感じの流れに。ただ曲が始まった後、ミックが歌い出せず一回り余分にイントロを回していることから、キースがメンバー紹介中にチャーリーと示し合わせて、突発的にこの流れにした可能性が大かと推測されます。 |
by Hara ¦ 22:48, Monday, Oct 13, 2014 ¦ 固定リンク
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