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『The Rolling Stones In Action - German Tour 1965』(DAC) |
『The Rolling Stones In Action - German Tour 1965』(DAC-150) 1CD
Track 1-5 Aug.8 1964 Kurhaus Kuizaal,Hague,Netherlands
Track 6-14 Sep.13 1965 Ernst-Merck-Halle,Hamburg,West-Germany
Track 15-22 Sep.15 1965 Waldbuhne, Berlin, West-Germany
Track-23 June.3 1964 ABC(US TV) 「Hollywood Palace Show」 -Rehearsal-
Track 6-14,23 Mono Soundboard Recording Quality:Excellent
Track 1 Mono Audience Recording Quality:Very Good
Track 2-5,15-22 Mono Audience Recording Quality:Good
1.Beautiful Delilah/2.Walking The Dog/3.Hi-Heel Sneakers/4.Susie Q/5.Mona/6.Everybody Needs Somebody To Love/7.Pain In My Heart/8.Around And Around/9.Time Is On My Side/10.I'm Moving On/11.Charlie's Intro To The Last Time/12.The Last Time/13.Satisfaction/14.I'm Alright/15.Everybody Needs Somebody To Love/16.Pain In My Heart/17.Around And Around/18.Time Is On My Side/19.I'm Moving On/20.The Last Time/21.Satisfaction/22.I'm Alright/23.Not Fade Away
アルバムのサブタイトルはGerman Tour 1965ですが、いきなり冒頭5曲は1964年8月8日オランダのハーグ公演で、オフィシャルビデオ『25X5』に、当時のライブでの狂騒ぶりが映し出されていたのがこの公演。
ビデオではスタジオテイクの"Carol"が映像とのシンクロなど関係なく被されていましたが、LP時代からこの公演のオーディエンス音源自体はブート化されてきています。
LP時代は『Back To The Hague』(Mustang Records)、CDでは事典で代表盤として挙げた『Ready Steady Stones』(VGP-248)にて、"Walking The Dog"から"Mona"までの4曲を聞くことが出来ましたが、本作の1曲目に収録されている"Beautiful Delilah"はプレスのブートでは初登場となるトラック。
これまでのこの公演の音源については、事典に記したとおり、PAから出ているミックのヴォーカルが全く聞こえない点、ドラムやギター等のPAを通さないでも鳴る楽器がしっかりと録れている点、絶叫の歓声が曲間でこもった感じでさほど大きく捉えられていないという点、そして演奏中にも関わらず話し声が普通に録れていることから察するに、 ステージ脇のカーテン裏にいる関係者が録ったものなのではないかと推測される音でしたが、この"Beautiful Delilah"はどうやら別音源のようで、ミックのヴォーカルをはっきりと聞くことが出来ます。
ただ不思議なのは、ミックのヴォーカルはラジオ放送かのようにはっきりと聞こえるのに、ライブ冒頭のバンドコールはかなり遠くめなぼやけた音像となっていること。
このことから、ひょっとしたらBBCあたりの同曲を被せているのかと思いつきチェックしてみましたが、BBC音源で2テイク聞くことが出来る"Beautiful Delilah"は、いずれも1番→2番→3番ときちんと歌っているのに対し、本作の方は1番→1番→3番と歌っています。
また、サビの後半部にも異なる点があり、BBCテイクは両方とも「You are so tantalizing〜」と歌っているのに対し、本作の方は 「Why you are so tantalizing〜」と頭にWhyをつけて歌っています。
したがってこの演奏自体がフェイクということではない模様。
続く4曲は既発と同じ音源から作成されていますが、ロージェネレーションのマスターが基となっているようで、中域が張り出したいかにもカセット録音といった感じの既発に比べて、上下の音のレンジが広がった鮮明度の増した音で収録されています。とはいえ、まったくヴォーカルが聞こえない点は相変わらずだったりしますが・・・。
トラック6"Everybody Needs Somebody To Love"からトラック14"I'm Alright"までの8曲9トラックは、Red Tongue Recordsのボックス『Live In Hamburg 1965』(RTR-032)にて初登場した、1965年9月13日ハンブルグ公演のサウンドボード音源。
歓声も曲間にしっかりと入っていることから卓直結のサウンドボードではなく、放送用等の何らかの意図で録られたものと推測されますが、ミックを主としたヴォーカルトラックが大きめで演奏はかなり小さい音量というバランスだったりすることから、まだラフミックス段階のものかと。
ライブ頭の"Everybody Needs Somebody To Love"は曲の途中から、ライブ最後の"I'm Alright"曲が終わった余韻部分で音源が切れてしまうのはRTR盤と本作いずれも同じ。
RTR盤はオリジナルリールとリマスターの2種を収録しており、"Everybody Needs Somebody To Love"の冒頭については、リマスターがフェードイン処理を施しているのに対し、オリジナルリールはカットインとなっています。本作はというとRTR盤オリジナルリール同様にカットイン収録。
RTR盤のオリジナルリールは、全編プチプチというノイズが乗っていて聞きづらかったりしましたが、本作はそのようなことは無し。
音質については、RTR盤同様にロージェネレーションのマスターが基のようで、この時代の音源としては充分高音質といえるもの。音圧はRTRのリマスターとオリジナルリールの中間程度で、リマスターほど高域を強調していないことから、ヒスノイズはRTRリマスターより少なめ。またオリジナルリールよりも低域を若干厚めな印象となっています。
ちなみに"Charlie's Intro To The Last Time"というのは、そのトラック名のとおりチャーリーによる次曲"The Last Time"の曲紹介。ブートでおなじみ65年春のパリ公演や、オフィシャル『Charlie is my Darling』のボーナスCD『Live In England '65』収録の英国公演では"Little Red Rooster"を紹介していましたが、このハンブルグ公演では"The Last Time"を紹介。
翌66年7月のホノルル公演ではチャーリーが"Lady Jane"を紹介するところを、既に演奏した"The Last Time"と紹介するというボケをかましていたりするのは、おそらくハンブルグ公演の時期あたりから66年春まで"The Last Time"を紹介していたという流れからのジョークかという推測が出来たりもします。
ちなみにこのチャーリーの曲紹介で、テープ転写によるものと思しき、この公演とは関係のない音楽がうっすらと聞こえるのは本作とRTR盤共通。
続くトラック15"Everybody Needs Somebody To Love"からトラック22"I'm Alright"までの8トラックは、 ハンブルグ公演の2日後となる1965年9月15日のベルリン公演。
この公演もLP時代からブート化されてきたオーディエンス音源で、初出はLP『The Riot Show/Berlin 1965』(MDR-1)でしたが、既発ではテープから起こした『Ready Steady Stones』(VGP-248)が事典での代表盤。
ギターがかなり大きなバランスで録れており、ヴォーカルが遠目にエコーがかって聞こえるというバランスで、ドラムやベースはほとんど聞こえず。VGP盤は大きなバランスのギターそのままといった感の中域が出た明るい音となっていましたが、本作は中域を若干控えめに調整。ただしその中域を下げた分、音がこじんまりとして中低域が箱鳴り気味となっているのは好みの分かれるところ。
この音源も観客の絶叫がほとんど聞こえないことや、その録れている音のバランスから推測すると、本作冒頭の64年8月オランダ・ハーグ公演同様に、関係者が舞台袖にて録音したテープが基かと。
録音者は電池もしくはテープの節約なのか曲間は必ずテレコを止めていたようで、大半の曲の冒頭が欠けてしまっているのと、最後の"I'm Alright"は曲の途中で終了。この"I'm Alright"のテープ終了部、VGP盤はフェードアウトで終わらせていましたが、本作はカットアウトとなっています。
"Time Is On My Side"からは電池がなくなってきたのかテープ回転が不安定になるという難点については、本作も当然ながら同様。
本作ラストは、『25X5』でディーン・マーチンとの嫌味なやり取りを観ることが出来た1964年6月3日収録のハリウッドパレスショー。これまで放送された"Not Fade Away"と"I Just Want To Make Love To You"の2曲はブート映像や音源で楽しむことが出来ましたが、本作が収録しているのは初のプレスブート化となる"Not Fade Away"のリハーサルで、高音質のモノラルサウンドボードにて収録。
映像自体も、このレビューを書いている時点でYoutube等で鮮明な状態で観ることが出来ますが、間奏の途中でキースの低音弦がブリッジから外れてしまったようで、間奏のカッティングが高音弦しか鳴らなくなり演奏が止まってしまうというもの。ミックが笑ってしまっているのは音声でも確認できますが、映像ではギターの状態をブライアンに見せているのも見ることが出来ます。 |
by Hara ¦ 19:19, Friday, Jan 02, 2015 ¦ 固定リンク
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