The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Steel Wheels Tokyo 1990 Zui-Kaku』(Mayflower)
mayflowerzuikaku

『Steel Wheels Tokyo 1990 Zui-Kaku』(MF-74/75) 2CD

Feb.20 1990 Tokyo Dome,Tokyo,Japan

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent - Very Good

(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Harlem Shuffle/6.Tumbling Dice/7.Miss You/8.Angie/9.Rock And A Hard Place/10.Mixed Emotions/11.Honky Tonk Women/12.Midnight Rambler/13.You Can't Always Get What You Want/14.Little Red Rooster
(Disc-2)
1.Can't Be Seen/2.Happy/3.Paint It Black/4.2000 Light Years From Home/5.Sympathy For The Devil/6.Gimme Shelter/7.Band Introduction/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash

初来日ツアーで唯一"Little Red Rooster"が演奏された2月20日公演。

テンポゆったり目な"Little Red Rooster"が追加されたのでという意図だったのかは不明ですが、この公演では"Ruby Tuesday"がカット。実は前年からのSteel Wheelsツアーで、定番曲"Ruby Tuesday"を演奏しなかったのはこの日のみという、ある意味貴重な公演だったりします。

ちなみにその"Ruby Tuesday"については、5月31日のケルン公演でもセットリストから外されていますが、あちらはUrban Jungleツアー。そしてその5月31日ケルン公演もまた、Urban Jungleツアー唯一の"Ruby Tuesday"未演奏公演だったりもします。

と、ちょいと脱線しましたが、本作は2月20日の東京ドーム公演全曲収録盤。

この公演の既発タイトルは2つ。まずはこの日の目玉だった"Little Red Rooster"のみをボーナス収録した『ALIVE AND ROLLIN' 1990』(VGP-090)。
オーバーレベルで高域が時折ビリビリなってしまっているものの、演奏を大きく捉えた好録音。

vgpaliveandrollin

もう1つは、『Dome On Wheels』(-)で、曲中カット無しの全曲収録盤。
やや遠目からの録音のようですが演奏が大きめに捉えられており、音質もクリアーながらやや硬質な印象ですが、高域が耳につく程では無し。叫び声やかけ声が"Midnight Rambler"以降多めに入ってきますが、よりによって目玉の"Little Red Rooster"ではタイミングのズレた観客の歌声を大きく拾ってしまっているという残念な点も。

domeonwheels

さて本作、『Dome On Wheels』と音の距離感は大差ない、こちらも演奏を大きく捉えた好録音。

高域はクリアーですが低域がかなり強調された音造りとなっており、『Dome On Wheels』よりも聞きやすい印象。"Start Me Up"では叫び声含め音が割れ気味になりますが、"Bitch"以降は低域が時折歪み気味になる程度で聞きづらいといったことは無し。

幸いなことに録音者の周りは叫びはするが拍手や手拍子はしないといった観客が多かったようで、右チャンネルの端の方で手拍子が時折聞こえる程度。その叫び声も耳障りと感じるほどのものは、ほとんどありません。

"Mixed Emotions"まではピッチやや早めで、"Honky Tonk Women"以降は逆にピッチ遅め。何故こういった事になっているのかは不思議ですが、これはきちんと合わせておいてもらいたかったところ。

ミックによるキースの紹介から"Can't Be Seen"が始まるまでの間に音飛びがありますが、ディスク2の冒頭部で、曲が始まる前にいきなりの音飛びというのもどうかと感じるので、ここはきちんとクロスフェード処理をしてあればよかったのにと。

更には"Sympathy For The Devil"のパーカッションが鳴り始めたところで音飛びがあり、曲が終った後の曲間部でも音飛びが再び発生していることから、"Sympathy For The Devil"は別音源かのように推測しがちですが、被ってくる歓声から判断するに音源自体は同じ。では何故にかということで推測してみるに、ひょっとしたら録音者はレコーダーを2台準備してライブに臨んでいたのかもしれません。とはいえ、その音飛び直後の"Gimme Shelter"イントロでは頭の2音が欠落していたりもしますが、テープチェンジにしては時間が短すぎるので、このあたりは疑問の残るところ。

といった具合で、音源自体は悪くないものだっただけに、編集をもう少し丁寧にしてあればといった感のタイトル。

by Hara ¦ 07:24, Friday, Jan 23, 2015 ¦ 固定リンク

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