The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Steel Wheels Tokyo 1990 Mikasa』(Mayflower)
mayflowermikasa

『Steel Wheels Tokyo 1990 Mikasa』(MF-72-73) 2CD

Feb.24 1990 Tokyo Dome,Tokyo,Japan

Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Continental Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Harlem Shuffle/6.Tumbling Dice/7.Miss You/8.Ruby Tuesday/9.Almost Hear You Sigh/10.Rock And A Hard Place/11.Mixed Emotions/12.Honky Tonk Women/13.Midnight Rambler/14.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Can't Be Seen/2.Happy/3.Paint It Black/4.2000 Light Years From Home/5.Sympathy For The Devil/6.Gimme Shelter/7.Band Introductions/8.It's Only Rock'n Roll/9.Brown Sugar/10.Satisfaction/11.Jumping Jack Flash

ツアー8公演目となる2月24日公演は、"Rock And A Hard Place"前の曲紹介MCでミックが触れているようにFM東京の収録が入っていたことに加えて、次の2月26日のテレビ収録本番にむけてのカメラリハーサルも行われましたが、そのビデオが流出。本作はそのビデオ音声を収録しています。

このビデオ音声を収録している既発タイトルは事典で挙げたVGP『ALIVE AND ROLLIN' 1990』(VGP-090)と『In Concert 1990,2.24』(GIN-XX1)の2タイトル。

vgpaliveandrollin

inconcert1990224

うっすらとビデオ特有のハムノイズが乗った、ヒスノイズやや多めのモノラルサウンドボード音源。歓声がミックスされていない段階の如何にも流出ものといった感じの音ですが、この両タイトルの違いは高域の持ち上げ具合。

本作は、高域のクリアーさ自体はVGP盤に近かったりしますが、周波数調整に気を使ったようで耳につくあたりをうまく抑えていたり、低域もほどよく上げてバランスをとっていることから、3つのタイトルの中では一番聞きやすい印象。

加えてモノラルサウンドボードの平坦さを嫌って、全体に擬似ステレオ処理を施して音に奥行き感を与えているのも効果的となっています。この処理の影響なのか本作の定位はやや左に寄ってしまってはいますが、ヘッドフォンで聞いてみても気になるほどのレベルではありません。

更に芸の細かいことに本作は、VGP『Steel Wheels Tokyo 1990』(VGP-080)に代表される2月26日テレビ放送の流出完全版の歓声部分を、24日のMCを残しつつ、ハムノイズよりもちょっと大きめ程度のささやかな音量で被せて、基ビデオで歓声がミックスされていないという難点の緩和策としているようです。まあ、同日のオーディエンス音声を被せるというのがブートの常套手段ではありますが、今回被せているのはただ観客が騒いでいるだけのものなので、下手に叫び声や拍手が大きく入ってくるよりも、これはこれで聴いていての音の統一感といった観点ではありかと。

vgpsteelwheelstokyo1990

ちなみに映像の方にも触れておくと、カメラスイッチング担当者の意向なのかどうかは不明ですが、全てのカメラ映像を対象にスイッチングしたものではなく、キース用のカメラからの映像が一切取り上げられていないことから、キースのアップはキースコーナーの一部のみで、他の曲ではほとんどキースが大きく映らないという変わったものとなっています。

またこの日は事典で触れたように、ミックがライブ本編終了時にマイクを持ったままバックステージに下がってしまい、アンコールで出てくる際にマイクを持ってくるのを忘れたがために、"Jumping Jack Flash"ではスタッフがマイクを持ってくるまでの間、しばらく歌に入れなかったというトラブルが発生していますが、映像でのこの部分はずっとステージの遠景を映し出していることから、ミックや他のメンバーの表情が確認出来ないというちょっと残念な面も。

なお、この映像を収録しているプレスDVDはというと、現時点で把握出来ているのは本作と同系列のDevil Productionがリリースした『Tokyo 1990』(DPDVD 01/02)のみ。2時間20分強の映像を1枚に詰め込んでいるため、ビデオ映像がフィルムのような質感になってはいるものの、充分観れるレベルではあります。

deviprotokyo1990dvd

by Hara ¦ 02:08, Tuesday, Jan 13, 2015 ¦ 固定リンク

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