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2018年 5月
『Vienna 1976』(-) 3CD
June.23 1976 Stadthalle,Wien,Austria
Mono Audience Recording
Quality:Very Good
(※)Disc-3 Track1-10,12-16
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Introduction/2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Hey Negrita/6.Ain't Too Proud To Beg/7.Fool To Cry/8.Hot Stuff/9.Star Star/10.You Gotta Move/11.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Band Introductions/2.Happy/3.Tumbling Dice/4.Nothing From Nothing/5.Outa Space/6.Midnight Rambler/7.It's Only Rock'n'Roll/8.Brown Sugar/9.Jumping Jack Flash/10.Street Fighting Man
(Disc-3)
1.Hey Negrita/2.Ain't Too Proud To Beg/3.Fool To Cry/4.Hot Stuff/5.Star Star/6.You Gotta Move/7.You Can't Always Get What You Want/8.Band Introductions/9.Happy/10.Tumbling Dice/11.Nothing From Nothing/12.Outa Space/13.Midnight Rambler/14.It's Only Rock'n'Roll/15.Brown Sugar/16.Jumping Jack Flash/17.Street Fighting Man(part)
1976年欧州ツアー最終公演は、前回73年欧州ツアーのスタートとなったオーストリアはウイーンの同会場で開催されましたが、本作はその最終公演を2種のオーディエンス音源をフルに使って作成されたタイトル。
Recorder 1と称されたディスク1とディスク2は、幾つかのタイトルでブート化されてきた音源。
遠目ながらも安定していて聴きやすい録音で、盛り上がる箇所では手拍子が結構被ったりはしていますが、不快に感じるほどではありません。
曲中カットはなく、曲間もどこが欠落しているか分からないというほぼ完全なサイズのものにつき、ディスク3に収録されている別音源からの補填はなし。
したがってこの点では既発タイトルとの差は無いことから、違いといえば音質とディスクの面割り程度となりますので、そのあたりを軽く触れてみますと・・・。
この音源から作られた最初のプレスブートが『Tour Of Europe'76』(-)
テープをほとんど加工せずに作成したのではというくらいに自然・・・というか地味な音。面割りはディスク2がキースの紹介から"Happy"が始まるという形にしていますが、ディスク1の終わらせ方が"Happy"のイントロ途中でカットアウトという雑な編集となっています。
続いてリリースされたのがEXILEの『Happy For You』(EXCD-016/17)
クリアーな音質にすべく派手目な音造りとした影響で、高域が逆にキツ目になってしまっているというもの。面割りの方は"Tumbling Dice"までをディスク1に収録しており、ディスク2はビリープレストンのコーナーから。
そして事典で代表盤として挙げたEXILEの『End Of Europe 1976』(EXCD-023/024)
型番見ても分かるとおり、先の『Happy For You』からあまり間をおかずに再リリースされたタイトルで、音造りが過剰すぎたことを認識したのか、『Tour Of Europe'76』と『Happy For You』の間をゆく音質となっています。ディスクの面割りは、メンバー紹介からディスク2スタートに変更。
そして事典出版後にリリースされたTarantura『The Winner Of the Wiener』(TCDRS-36-1,2)
こちらもやや高域強めの音造りで、面割りは『End Of Europe 1976』同様にメンバー紹介からディスク2スタート。
さて本作、音質の方は『End Of Europe 1976』や『The Winner Of the Wiener』が加工による影響と思しきクセが若干高域にあるのに対し、本作はそういったクセなく、ヒスノイズは多めとなったものの『End Of Europe 1976』に近いクリアーさを保った音に仕上がっています。
また、既発タイトルはいずれも若干右寄りの定位だったのに対し、本作は定位を修整してバランスよく聴けるようにしているのもポイントかと。
ディスクの面割りは、『End Of Europe 1976』同様にメンバー紹介からディスク2スタートとなっていますが、ライブでは"You Can't Always Get What You Want"が終わった後のミックの観客の煽りから、そのままメンバー紹介へという流れとなっていたので、Tumbling Dice"から始まる編集の方が良かったのではといった気も。
ディスク3にRecorder 2として収録されているのが、初のブート化となるステレオオーディエンス音源。
音自体はディスク1と2に収録されていたものより演奏自体は大きめに捉えており、周りが静かな曲ではかなり状態の悪いサウンドボードテープっぽく聞こえる箇所もあったりはするのですが、ギターは遠くで控えめに聞こえているといったややバランス欠けたもの。
音質は低域強めのモコっとしたものですが、意外と聴きやすい音となっています。
ただこの音源はカットが多く、"Hey Negrita"の途中からスタートでそれまでの曲が無いのはまだしも、始まってすぐに展開前のギターソロの一部に早くも欠落あり。
その後も"Fool To Cry"は最初のサビ前から後奏に入る前まで。その終了直後から"Hot Stuff"は間奏途中まで、続く"Star Star"は最後のワンショット部分が欠落。"You Gotta Move"はイントロの途中数秒と曲を終わらせた直後の余韻部分、間髪入れず始めた"You Can't Always Get What You Want"は僅かな頭切れの後、1番Aメロの数秒と間奏後のサビの繰り返し2回目から曲の終わりまで。"Tumbling Dice"は後奏のドラムが再び入ってきてスネアドラムをたたき始めたところから欠落。"Nothing From Nothing"はこの音源では丸々欠落しており、続く"Outa Space"も開始40秒弱あたりまで欠落。"Midnight Rambler"はスローブルースパートでのミックの煽り部分の一部と、同じくスローブルースパートの演奏のみの部分の一部、そしてスローブルースパート後半からテンポアップしてしばらくまでの部分が欠落。"It's Only Rock 'n Roll""Brown Sugar"の2曲は無傷でしたが、"Jumping Jack Flash"は2番が始まった直後までで以降は欠落といった具合。
これら欠落部にはディスク1と2に収録されていたRecorder 1のオーディエンス音源が補填されており、スムーズに音源が切り替わる丁寧な編集自体は良かったりするのですが、補填音源の方がクリアーすぎるため、ここは補填音源の高域を落とすなりして音質差を軽減させておいてもらいたかったところ。
また、先に触れたように、このRecorder 2音源では"Nothing From Nothing"が丸々欠落していたことから、本作はRecorder 1からこの曲を持ってきて"Hey Negrita"以降をノーカットで聴けるという編集にしてはいるものの、収録時間の関係からかオーラスの"Street Fighting Man"が最後のサビ途中でフェードアウトとなってしまっています。
これならば"Nothing From Nothing"を入れず"Street Fighting Man"をフル収録してライブを最後まで聴かせるか、"Street Fighting Man"を丸々カットして"Junping Jack Flash"でディスクを終わらせるかどちらかにした方が、この中途半端感がなかったような気がしたりもするのですが・・・。 |
by Hara ¦ 10:00, Saturday, May 26, 2018 ¦ 固定リンク
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