The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Hold On Tight』(DAC)
dacholdontight

『Hold On Tight』(DAC-083) 3CD

June.27 1975 Madison Square Garden,New York City,NY

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/5.Star Star/6.Gimme Shelter/7.Ain't Too Proud To Beg/8.You Gotta Move/9.You Can't Always Get What You Want
(Disc-2)
1.Happy/2.Tumbling Dice/3.It's Only Rock'n Roll/4.Band Introductions/5.Doo Doo Doo Doo Doo/6.Fingerprint File/7.Cherry Oh Baby/8.Angie/9.Wild Horses
(Disc-3)
1.That's Life/2.Outa Space/3.Brown Sugar/4.Midnight Rambler/5.Rip This Joint/6.Street Fighting Man/7.Jumping Jack Flash/8.Sympathy For The Devil

アンコールの"Sympathy For The Devil"でサンタナが
ゲスト出演したことで知られるMSG 6日連続公演の最終日収録盤。

この公演のブート化されている音源はアナログ時代から2種ありましたが、実のところ、こちらの音源の方が音が近くて迫力もあるのに、名著「The Rolling Stones Bootleg Discography」にて、もう片方の音源の方が「音は断然こちらの方がいいのだ」と記載されたが故からか一向にCD化が進まず、今年ようやく『The Original Hold On Tight』(-) にて初めてまともな形でCD化となった高音質音源が、大御所DACからもリリース。

origholdontight

もう片方の音源との比較に関しては、『The Original Hold On Tight』レビューの項で確認していただくとして、本作と『The Original Hold On Tight』の比較をば。

まず音質、『The Original Hold On Tight』の方は、元々ピッチが早かったが故に高域が伸びていたオリジナルアナログ盤の音を再現するかの如し、高域が伸びた感じの質感だった音だったのに対し、DAC盤はあくまでもピッチ正常化による高域減退そのままのマイルドな質感。

この辺りは、アナログ時代のピッチ早めの高域が伸びた音で聴いていた方にとっては、評価の分かれるところ。

そしてそのピッチに関して、DAC盤は更に厳密な調整を行ったのか、『The Original Hold On Tight』と比べると微妙な差異あり。ただし、音に合わせて楽器でも弾かない限りは、さほど気になるレベルの違いではありませんが・・・。

続いては音源のカット部分、これはDACもマスターテープからという訳でなく、アナログ落としだったようで、当然の事ながらアナログで欠落していた部分は、DAC盤でも欠落しており、そちらに関しては『The Original Hold On Tight』同様、もう片方の音源にて補填。

そのカット部分を改めて書き出しますと、"That's Life""Rip This Joint""JJF"は1曲丸々。そして"You Can't Always Get What You Want"は曲前と曲中、"Midnight Rambler""Brown Sugar"に関しては曲中に欠落あり。

なお、オリジナルのアナログ『Hold On Tight』(CS-MSG-75)に収録されていた"Rip This Joint"は同じMSG公演でも6月24日のものなので要注意。

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補填部分の音源切り替わり部分に関しては、さすがにDAC盤は後発だけのことはあり、より自然な感じでの切り替わりとなっています。

そして、『The Original Hold On Tight』ではアナログ盤同様に
フェードアウト・インとなっていた"You Gotta Move"と"You Can't Always Get What You Want"の曲間も、もちろん別音源を使用してきちんと繋がっています。

ただし、基の別音源が右寄りとなっていた"Rip This Joint""JJF"に関しては、DAC盤もそれなりに定位を修正してはいるのものの以前として右寄りとなっているのに対し、『The Original Hold On Tight』の方は中央近くにきちんと定位している分だけ、若干ではありますが比較して聴き易いといった印象。

あと、『The Original Hold On Tight』の"Gimme Shelter"5分42秒で確認出来る、マイクに何かがあったと思しきノイズ部分に関しては、
DAC盤はその直後の部分を切り貼りしているようで、よく聴くとミックのヴォーカルがおかしなことになっています。

ちなみに『The Original Hold On Tight』は2枚組に詰め込んだ影響で、オリジナルアナログにはあった一部曲間(ミックのMC等は無い歓声のみの部分)をカットしていましたが、DAC盤は当然の事ながら3枚組で収録時間に余裕があることから、もちろんその部分はノーカット収録。そして、アナログの面代わりにあたった部分に関しても、きちんと別音源を補填しています。

ただ、ビリーコーナーが終わって次曲"Brown Sugar"に移る辺りは、実際はドラムが交代したりするので時間が多少空いちゃっているのですが、曲間を詰めた『The Original Hold On Tight』の方が、間髪を入れない絶妙のタイミングで"Brown Sugar"が始まるので、実際とは異なるのにそちらの方が印象が良かったりするのも事実。

といった具合で、『The Original Hold On Tight』と比較して一長一短はあるものの、さすがに後発なだけのことはあるといったタイトルではありますが、ジャケに関しては個人的にはやはり『Hold On Tight』を名乗るからには、あのアナログと同じジャケットにして欲しかったかなと。

by Hara ¦ 00:11, Saturday, Nov 29, 2008 ¦ 固定リンク

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