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2024年10月
『Beginning Of Cosmic Consciousness』(Empless Valley) |
『Beginning Of Cosmic Consciousness』(EVSD-1956/1957) 2CD
June.3 1972 Pacific Coliceum,Vancouver,British Columbia,Canada
Mono Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Bitch/6.Tumbling Dice/7.Happy/8.Honky Tonk Women/9.Loving Cup/10.Torn And Frayed/11.Sweet Virginia
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Ventilator Blues/3.Midnight Rambler/4.All Down The Line/5.Bye Bye Johnny/6.Rip This Joint/7.Jumping Jack Flash/8.Street Fighting Man
1972年北米ツアー初日、カナダはバンクーバー公演収録盤。
幾多ものタイトルがリリースされているこの公演ですが(よって演奏内容は省略)、一部の曲順や編集、音盤化する際のテープ再生速度に起因する音程や音質が異なるだけで、音源自体はどれも同じオーディエンス録音。
"Rip This Joint"のイントロと"You Can't Always Get What You Want"の最後の余韻部分が僅かに欠けている以外は、曲中カット無しで全曲録れており、音質・バランス共に良く、この時代のオーディエンス録音としてはかなり上質の部類。
2014年の事典で、この公演の代表盤として挙げていたのがDACの『Touring Party Vol.1』(DAC-079)
既発でおかしかった"Ventilator Blues"の位置を本来の曲順通りに配置し、基にしたテープの劣化に起因する音ユレや定位の偏りをモノラル化することで解消。また、全体的に軽いイコライジングを施し、聴き易さを向上させていた好タイトル。
ちなみに、事典では"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくる、ダダッというバスドラム2発を"Gimme Shelter"の終わりから持ってきてと記載していましたが、この曲の終わりも実際にそのように被ってきており、その途中でテープチェンジとなっていたようですので、その部分はここで訂正とします。
その事典の本文中で、DAC盤よりも優れたマスターを使っているものの、代表盤としなかったのがSODDの『S.T.P.Chronicles Vol.1』(SODD 118-121)
DAC盤で早いフェードアウト・イン処理で繋がれていた"JJF"と"SFM"の曲間が、僅かながら長くなった上に滑らかに繋がれていたり、"Gimme Shelter"や"Happy""You Can't Always Get What You Want"の後の曲間をDAC盤より長く収録。ただ、基テープの劣化に起因する音ユレや定位の不安定さがあったり、ピッチは前半低めで後半高めなのがマイナスポイント。
事典が出た後にリリースされ、そのSODD盤と同じ最長マスターを使用していたのが『Vancouver 1972』(-)
SODD盤は"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくるバスドラムを嫌ってその手前でフェードアウトさせ、クロスフェード処理をしていましたが、この『Vancouver 1972』の方はバスドラムが入りテープチェンジのためブツ切れとなる箇所まで収録したうえでクロスフェードさせるという、ほんの僅かながらではあるもののSODD盤よりも更に長く音源を収録。
ピッチの調整は勿論のこと、DAC盤同様に定位の不安定対策としてモノラル化処理していることに加え、他タイトルにあった"All Down The Line"を境とした音質差もなるべく目立たぬよう音質調整を施している等、現時点での代表盤というべきタイトル。
さて、前置きが長くなりましたが本作。
"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくるバスドラム部分を残している以外は、SODD盤と同じ。よってピッチは前半低めで後半高め、基テープの劣化に起因する音ユレや定位の不安定さもそのまま。音量が低めになっている以外は音質も変わらずとなっています。 |
by Hara ¦ 19:07, Tuesday, Oct 29, 2024 ¦ 固定リンク
『Nice 1976 Unreleased Master』(-) |
『Nice 1976 Unreleased Master』(-) 2CD
June.13 1976 Parc Des Sports De L'ouest,Nice,France
※本作のクレジットはStade de L'Ouest
Mono Audience Recording
Quality:Very Good-Good
(Disc-1)
1.Intro./2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Hey Negrita/6.Ain't Too Proud To Beg/7.Fool To Cry/8.Hot Stuff/9.Star Star/10.Angie/11.You Gotta Move/12.You Can't Always Get What You Want/13.Band Introductions/14.Happy
(Disc-2)
1.Tumblinhg Dice/2.Nothing From Nothing/3.Outa Space/4.Midnight Rambler/5.It's Only Rock'n Roll/6.Brown Sugar/7.Jumping Jack Flash/8.Street Fighting Man/9.Outro.
1976年6月13日、フランスはニース公演全曲収録盤。
この公演の既発盤は3種あり、いずれも使用された音源は同じで、ビルのアンプの前で録音したのかと思える位にベースがよく聞こえる低域かなり強めの録音。
時折リミッターがかかって音が頭打ちになるのと、会場全体の音量がピークとなった"Street Fighting Man"の終盤ではテレコ自体の許容量を超えてしまったのか、音が割れすぎて何をやっているのか分からず、ほとんど音楽に聞こえない状況となっていたのが難点。
最初にリリースされたのが"Honky Tonk Women""You Can't Always Get What You Want""Nothing From Nothing""Outa Space"が未収な上、"Street Fighting Man"も途中までという1枚ものCDのVGP『Live In Nice 1976』(VGP-091)
続いては、"Honky Tonk Women"のみが未収と、曲数は増えたものの、ピッチは全体的にかなり低目という難点がありのRisk Disc『Tumbling Nice』(Risk Disc-012)
そして"Honky Tonk Women"も頭のSEから収録され、ようやく全曲収録となったDAC『Black And Blue In Nice』(DAC-094)
ただ同一マスターでの作成とはならず、ようやく収録された"Honky Tonk Women"はメインと比べるとテープのジェネレーションが高かったようで、ヒスノイズが強めなことに加え、やや音が奥に引っ込んでしまったように聞こえるといった難点あり。ただし問題の"Street Fighting Man"終盤は、ギターをやや前面に出るようイコライズしたことにより、かなりの改善が見られるようになっているというタイトル。もちろんピッチは正常。
さて本作ですが、アルバムタイトルにもあるように既発とは異なる初出の音源からの作成。
オープニングのSEから、既発では聴けなかったエンディングSE(フランス国歌"La Marseillaise")までの全曲収録。曲中カットは一箇所だけで、"You Can't Always Get What You Want"の2分12秒部分。本作が基にした音源はダビングを経たもののようで、この2分12秒から9分34秒までは、別テープが繋がれていますが(録音自体は同じ)、この部分のみテープが伸びたような音のふらつきが生じてしまっています。
遠目の録音だったようで全体的に音像はぼやけ気味。
ただ、演奏自体は大きめに捉えられているので聴きやすくはあるものの、マイクの周りがやたらと賑やかで、一部の曲の間奏やサビでは耳に付くレベルで大騒ぎしていたり、興味のない曲になると周りがざわつく音までもしっかりと拾ってしまっているのが何とも。また、テレコのオートレベル機能の弊害で、"Street Foghting Man"の後半は、盛り上がる観客に演奏が埋もれてしまっていたりもします。
音質の方はというと、高域の抜けは今一つながら耳障りな周波数が持ち上がっているということもないので、聴き易いものであるといえます。
なお、演奏はというと全体的にゆったり目に感じる程度で、特筆すべきことは特に無し。
6月4日からのパリ4連続公演より演奏されるようになった"Angie"はこの公演をもってセット落ちとなっています。 |
by Hara ¦ 15:09, Sunday, Oct 20, 2024 ¦ 固定リンク
『Still Life In Tempe 1981』(Mayflower) |
『Still Life In Tempe 1981』(MF-260/261) 2CD
Dec.13 1981 Sun Devil Stadium,Tempe,AZ,USA
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction/13.Star Spangled Bannner
初登場部分含む、映画「Let's Spend The Night Together」の野外部分でお馴染みのサンデビル・スタジアム公演全曲収録盤。
サンデビル・スタジアム公演は、これまで2種類のステレオサウンドボード音源がブート化されてきていましたが、本作は『Satisfaction Guarannteed』(VGP-136)に代表される映画用の素材と思しき、左右のレンジが狭く音が中央に集まっているというミックスの音源から作成されています。
この音源、これまでは全曲が発掘されておらず、"Start Me Up"後の2曲が欠落しているということに加え、"Just My Imagination"の2コーラス目の「raise a family」の部分に一瞬音切れがあるという難点を抱えていたりしましたが、本作はついにそれらが解消された形での音盤化。
ディスク1のスタートからしてテープが回るところから始まっていたり、"Just My Imagination"の音切れもなし、そして未収だった"Jumping Jack Flash""Satisfaction"の2曲に加え、エンディングSEの"Star Spangled Bannner"と花火の音までも収録されています。
この初出となるラスト2曲以降の部分、もう片方の『Phoenix 1981』(DAC-141) や『TEMPE 1981』(-)に代表されるサイト「Wolfgang's Vault」にて公開されていたFMラジオ放送の素材と思しき、左右のレンジが広い高音質ステレオサウンドボード音源を繋いだのではとの疑念も最初は湧きましたが、ちゃんと"Start Me Up"までの各楽器の定位そのままでしたので、この音源を持ってきているということは無し。
また、音質の方もVGP『Satisfaction Guarannteed』で聴けた、ノイズリダクションをかけ過ぎたかのような余韻の音ではなく、自然な響きの余韻かつ、嫌みのないすっきりと伸びた高域の音で、『Satisfaction Guarannteed』と比べては勿論のこと、先に触れた『TEMPE 1981』等で使われている音源収録盤よりも高音質となっています。
ただ良いことばかりだけではなく、その反面、ピッチが気にならない程度にやや高めであったり、本作が基にしたテープの交換が、"Miss You"と"Honky Tonk Women"の間あたってしまったようで、『Satisfaction Guarannteed』では聴けるミックの喋りが一部未収となってしまっています。
とはいえこの未収部分、"Miss You"後の煽りが終わった後のものにつき、うまく繋いでさえあれば全く気にならないレベルだったのですが、ここだけフェードアウト・イン処理となってしまっているので、ここはうまく繋げておいてもらいたかったところ。 |
by Hara ¦ 06:45, Thursday, Oct 17, 2024 ¦ 固定リンク
『Kick Off!! Europian Tour 1982』(Empless Valley) |
『Kick Off!! European Tour 1982』(EVSD-1960/1961) 2CD
May.26 1982 Capitol Theater,Aberdeen,Scotland
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
※Disc-1 Track12(Part)-Track15 & Disc-2
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Introduction/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Chantilly Lace/12.Let Me Go/13.Time Is On My Side/14.Beast Of Burden/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Tumbling Dice/4.She's So Cold/5.Hang Fire/6.Miss You/7.Honky Tonk Women/8.Brown Sugar/9.Start Me Up/10.Jumping Jack Flash/11.Satisfaction
ブート初登場となるミキサー宅直結のステレオサウンドボード音源を含む、1982年ツアーの初日となるコットランドはアバディーン公演の全曲収録盤。
その初出となるサウンドボード音源は、ディスク1頭の"Take The A Train"(本作は"Introduction"表記)から、"Let Me Go"2分43秒までのライブ前半部のみ。
82年ツアーの卓直結音源というと、TSP『Shattered In Europe』に代表される7月17日のナポリ公演(こちらはライブ頭から後半までの抜粋)があるが、そのナポリ音源がモノラルだったのに対し、本作はステレオでの収録。
宅直結音源が大量流出した前年の1981ツアーもほぼモノラルだったので、この年代の音源にしては珍しいかと。
中低域に厚みを持たせた耳馴染みの良い音質の音源で、この手の音にありがちな、ギターよりも鍵盤が前面に出てしまっているというのは本作にも何曲かあり。
この音源で興味深いのが"Shattered"の後半3分24分以降のミックのヴォーカル。
ピッチのおかしなハーモナイザーがかけられていて、かなりの違和感を覚えたりするので、後に触れるこの公演のオーディエンス音源をあらためてよく聴いてみると、たしかに実際の会場の出音でもミックのヴォーカルがおかしなことにはなってはいるものの、イアン・マクレガンが被せているコーラスが大きめだったりするので、サウンドボード音源程の不自然さは感じられず。
また、"When The Whip Comes Down"の3分9秒には、無線と思しきしゃべりが一言混入してしまっており、これはさすがに消すことが出来ないだろうなと思える反面、この公演が初演となった"Chantilly Lace"終盤3分48秒に乗っかってしまっている、デジタルと思しきノイズは消しておいてもらいたかったところ。
なお、サウンドボード音源が切れる"Let Me Go"2分43秒以降は、SODD『Aberdeen 1982』(SODD 086/87)にてリリースされていたオーディエンス音源を収録。
ややエコーがかった奥行き感のある音ではあるものの、演奏自体は大きめに捉えられているという聴き易い音源で、テープチェンジによる曲中カットはなし。SODD盤と比べると、本作は低域が若干厚くなっており音量もやや大きめ。
基にしたテープ自体は同じだったようで、"Honky Tonk Women"2分36秒から"Brown Sugar"開始までの間で、大きく聴こえる観客のものと思しき話し声がメガホンを通したような不自然な音になっているのも同じならば、アンコールの"Satisfaction"がフェードイン気味で始まる編集となっているのも同じ。 |
by Hara ¦ 10:52, Sunday, Oct 13, 2024 ¦ 固定リンク
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