The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Nasty Music』-2007 edition-(SODD)
soddnasty07

『Nasty Music』-2007 edition-(SODD 052/053) 2CD

Oct.17 1973 Foret Nationale,Brussels,Belgium (1st Show)
Sep.9 1973 Empire Pool,Wembley,UK
July.26 1972 Madison Square Garden,NY

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Brown Sugar(10/17 1st)/2.Happy(9/9)/3.Gimme Shelter(9/9)/4.Tumbling Dice(10/17 1st)/5.Doo Doo Doo Doo Doo(9/9)/6.You Can't Always Get What You Want(10/17 1st)/7.Dancing With Mr.D(10/17 1st)/8.Angie(10/17 1st)
(Disc-2)
1.Honky Tonk Women(10/17 1st)/2.Midnight Rambler(10/17 1st)/3.All Down The Line(7/26 '72)/4.Bye Bye Johnny(7/26 '72)/5.Love In Vain(7/26 '72)/6.Sweet Virginia(7/26 '72)/7.Rip This Joint(10/17 1st)/8.Jumping Jack Flash(10/17 1st)/9.Street Fighting Man(9/9)

制作者によほどの思い入れがあるのか、昨年の「2006 Original Remastered Version」に引き続いて、またもやの『Nasty Music』リリース。今回は「2007 Original New Master」だそうで・・・。

soddnasty06

では、2006年版のNastyとどう違うのかというと、まずは大半を占めるラジオ放送音源。

音質は2006年版に比べて一段と音の厚みを増強し、全体的な迫力を増しつつも、高域の方は従来通りにマイルドな質感といった音作り。

当然の事ながら2006年版でもきちんと処理されていた"Happy"の1:31、2:04付近及び"Gimme Shelter"の30秒以降にあったスクラッチのようなノイズと"Angie"のオルガンソロに被るノイズは除去。

そして2006年版での難点であった"Dooテ�5"終盤の左チャンネル音ユレ解消対策によるものかと推測された定位の右寄りも改善。

と、ここまでは改善された部分に関してでしたが、逆にオリジナルのアナログでもきちんと入っていた"You Can't Always Get What You Want"のイントロ前に「タン」と入る一発のスネアが2006年版にはその後の余韻もほどほどに収録されていたのに対し、2007年版はスネアが入った後に急なフェードアウト繋ぎ処理をしている為、やや性急な印象。

ディスク1ラストの"Angie"の曲終了後の処理に関しては、大元となった1974年の放送で直後にアナウンスが被っていたことから、音の絞りが早いタイトルがほとんどでしたが、SODDもご多分に漏れず。

2006年版は曲が終わりきらない内からフェードアウトが始まり、曲終了直後のハイハット1発がほとんど消えかかっているのに対し、2007年版は同じく曲が終わりきらない内からフェードアウトが始まるものの絞りがゆるやかな為に、2006年版に比べるとしっかりと聞き取ることが出来ます。

ただ、曲終了と共に歓声もほとんど入らずにディスクが終了してしまうといった点は相変わらず。後年のラジオショーディスクによっては、その後の歓声処理をきちんと行っているものも現在ではあるので、この辺はきちんと処理してもらいたかったかなと。

曲終了後の歓声処理といえば"Midnight Rambler"に関しても、2006年版同様に2007年版も曲終了後の絞りが早く、ほとんど歓声がないまますぐに"All Down The Line"のイントロに切り替わってしまいます。この辺はライブ盤なんだからオリジナルのアナログ編集にこだわらなくてもという気がするんですが・・・。

その"All Down The Line"から始まる4曲の72年卓直結SBD音源部分。2006年版はヒスノイズ除去処理の弊害でキュルキュルと静かな部分で鳴ってますが、2007年版は少し除去レベルを落とした様で、ヒスノイズは2006年版に比べると若干増していますが、2006年版では"Bye Bye Johnny"のイントロで左チャンネルがキュルキュル鳴っていたのに対し、2007年版はその点は解消。ただし、元々他曲に比べヒスノイズが多かった"Love In Vain"に関しては、2006年版ほどではないにしろやはりキュルキュル鳴っています。

この72年部分の全体的な音質に関しても、2007年版は2006年版に比べて音に厚みを持たせています。

といった感じで今回の2007年版、単純に2006年版をイコライジングし直した訳でなく、新たに作り直しており、たしかに”『Nasty Music』というタイトルとしては”現状ベストではありますが、その『Nasty Music』自体がまだ情報や音源が乏しかった時代の名盤であって、ラジオショー音源や他の音源がこれだけ揃っている現在、そのラジオショー音源と卓直結音源が混在するこのタイトルにどれだけの価値があるのかというと、甚だ疑問かなと。

しかしSODD、昨年は『Nasty Music』の2006年版にそのラジオショー部分だけの抜粋CD-R、更には『Europe'73』リリースに、今回の『Nasty Music』2007年版と、あまりにも同じ音源の使い回しが凄まじ過ぎるような気が・・・(苦笑)

by Hara ¦ 08:07, Saturday, Dec 15, 2007 ¦ 固定リンク

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