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『Danish Brew』(DAC-084) 2CD
Oct.7 1973 Brondby-Hallen,Copenhagen,Denmark (1st & 2nd Show)
(Disc-1) Stereo Audience Recording Quality:Excellent
(Disc-2) Mono Audience Recording Quality:Excellent
(Disc-1)1st Show 1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Dancing With Mr.D./7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man
(Disc-2)2nd Show 1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/ 5.Star Star/6.Doo Doo Doo Doo Doo/7.Angie/8.You Can't Always Get What You Want/9.Midnight Rambler/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Rip This Joint/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man
ディスク1は1stショーを収録。
"JJF"のサビでビリー・プレストンが珍しくもコーラスを付けているこのショーは、これまで2ndショーとされてきましたが、今回本作に収録されたアップグレード音源が発掘された際に、1stショーと紹介されていたことから、本作のクレジットもそれに準じています。
このアップグレード音源、録音自体は従来と同じものですが、レンジの狭いモノラルだった従来に比べ、音のレンジが格段に広がってランクアップした反面、後述しますが従来よりもカット部分が多いのがやや玉にキズ。
さて、このアップグレード音源を収録した既発タイトルは、本作同様に1st&2ndショーを収録した『Copenhagen 1973』(-) (※)クレジットは従来説通りに2ndショー
と1stショーのみ収録の1枚物 『An Afternoon In Copenhagen』(SODD-072)
この音源、全体的に遠目な音ではあるものの、意外とバランスも良く、また歓声もあまり拾っていないことから、この時代では聴きやすい部類となる良好録音。
では既発と比較してみますと・・・ まずは、メインとなるアップグレード音源に関して。
この音源、"Brown Sugar"から"Gimme Shelter"までは、残念なことに左チャンネルに周期的な音量レベルダウンがありますが、本作及び『Copenhagen 1973』はそのまま修正せずに収録。
ただし『Copenhagen 1973』は右寄りの定位もそのままだったのに対し、本作は定位をきちんと合わせてあります。
『An Afternoon In Copenhagen』に関しては、この欠点を嫌い、おそらく右チャンネルを中心とした疑似ステレオ処理を行っており、音の質感も元来の音に近づけようとしている為、若干元音より奥行き感があるように感じるものの、大きく印象が変わることはなし。
こういった処理に関しては、DACも一部のタイトルで行っており、本作でも冒頭2曲だけでも処理して良かったのではないかなとは思いますが、SODDとの差別化として、あえてそのまま直さずにリリースしたのかなと。
全体の音に関しては、『Copenhagen 1973』は違和感でない程度にヒスノイズを軽く除去した程度。『An Afternoon In Copenhagen』はヒスノイズ除去処理がやや強い様で、一部曲間の歓声がゆらいでいます。DAC盤は音の抜け含め、若干の調整を行っていますが、ヒスノイズ除去はほとんど行っていないようで、かなりヒスノイズが残っている印象。
続いてこの音源のカット部分に関する補填について
カット部分は3箇所あり、オープニングのバンドコールから"Brown Sugar"のイントロリフ2フレーズ、"Angie"と"You Can't Always Get What You Want"の曲間、そして"Midnight Rambler"とHonky Tonk Women"の曲間。
これらの部分に関しては、『Greatest Dane』(VGP-045)に代表される従来音源をどのタイトルも補填。
『Copenhagen 1973』はメインとなるアップグレード音源の右寄り定位を、そのままにしていることから、音源が切り替わると音が右に寄る印象。
『An Afternoon In Copenhagen』は、この補填ソースにもメイン同様に疑似ステレオ処理を施しており、音源切り替わりの違和感は一番感じさせない印象。欲を言えば"Brown Sugar"のイントロなんかは、ギターが箱鳴りするあたりの周波数をもう少し調整すれば尚良かったかも。
そして本作、補填音源は『Copenhagen 1973』よりも若干マイルドにしつつ、メインの音に極力合わせた音造りになっている上、元々右寄りなメイン音源の定位を中央に合わせてあることから、音源が切り替わっても音の広がりが変わる程度で、これまたさほど違和感は感じない印象。
とまあ、序盤の周期的なレベルダウンがそのままなのは残念ですが、アップグレード音源を若干聴きやすく向上させたのが本作で、そのレベルダウン問題を解消させようとしたが故に、全体の音を作り替えてしまっているのが『An Afternoon In Copenhagen』につき、この辺は好みが分かれるところ。
ディスク2は、アナログ時代からブート化されてきた2ndショーで、やや低域が歪み気味なものの、バランスの良いこの時代にしては優良クラスとなるオーディエンス録音。こちらの既発ベストは、前述の『Copenhagen 1973』(-)。
それまでのリリースの中では欠点が少なかった『Are You Ready Copenhagen』(-)を基に、ピッチ修正はもちろんのこと、"Star Star"で発生していた強烈なデジタルノイズ部分に関しては、他収録盤から音質を整えて補填したタイトル。
この音源、ステレオ収録なのかと思っていましたが、本作のインフォによると元々はモノラル録音で、テレコのアジマスずれによる位相ズレによる錯覚だとのこと。たしかにジェネレーションの若いテープから作成された本作の音を聴く限りは、その説が正解かなと。
さすがに本作は、基にしたテープのジェネレーションが若いだけあって、既発の中低域にあった歪みがなくなっており、あの歪みは録音状態ではなく、ダビングによるものだというのが判明。ただ、これまでのその音の歪みが逆に全体的な迫力の要素となっており、本作は歪みがなくなった分、おとなしめの音になった印象を受けるのもたしか。とはいえ、音質としては本作は格段の向上を見せており、また『Copenhagen 1973』にあった定位の片寄りも、まあモノラルなんだから当然と言えば当然なんですが、きっちりと中央に定位。
"You Can't Always Get What You Want"の曲前にあった音飛びに関しては、『Copenhagen 1973』もそれなりに修正はしてはいるものの、若干不自然に音が飛ぶ箇所があったのに対し、本作はまったく自然な流れに。
また、"Midnight Rambler"前の曲間カットに関しても同様で、インフォにもある通り、勘違いした観客の「Hey! Little Red Rooster!」のかけ声も、音飛びなく聴くことが出来ます。
といった具合で、1stショー序盤のレベルダウンをどう捉えるかにもよりますが、このコペンハーゲン2回公演収録盤としては、現状ベストなタイトルではあります。 |
by Hara ¦ 00:59, Thursday, Sep 24, 2009 ¦ 固定リンク
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