The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Shepherds Bush Empire』(SODD)
soddshephersbushempire

『Shepherds Bush Empire』(SODD 082/083) 2CD
June.8 1999 Shepherds Bush Empire,London

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent-Very Good

(Disc1)
1.Intro/2.Shattered/3.It's Only Rock'n Roll/4.Respectable/5.All Down The Line/6.Some Girls/7.Melody/8.I Got The Blues/9.Brand New Car/10.Moon Is Up
(Disc-2)
1.Saint Of Me/2.Honky Tonk Women/3.Band introductions/4.You Got The Silver/5.Before They Make Me Run/6.Route 66/7.You Got Me Rocking/8.Tumbling Dice/9.Brown Sugar/10.Jumping Jack Flash

スタジアムばかりであった1999年B2Bツアーにて唯一行われたスモールギグ収録盤。

VLツアーのニューオリンズ公演の抜粋ラジオ放送を彷彿させる"Shattered"でのスタートや、1977年エルモカンボ公演以来の演奏となる"Melody"。そしてVLツアーで前半のみ演奏されていた"Brand New Car"や、ライブ初登場の"Moon Is Up"と、B2B/NSツアーなのに何故か思い出したように前作『Voodoo Lounge』からのレア曲が登場する意外なセットリスト。また、この当時にやたらゲスト出演していたシェリル・クロウが"Honky Tonk Women"でここでも登場と、如何にもスペシャルな感じの公演ではあります。

この貴重な公演の音源は2種類ありますが、本作はステージ向かって左斜め前より撮られたオーディエンスビデオから落とされた方の音源。

下の画像はビデオからですが、キャプチャーが面倒なんで、画面をそのまま撮ってます(笑)。

shephersvideo

さて、その音の方は、スピーカーが近くにあったようで、ヴォーカルがやたら前面に出た印象を受け、時折他の楽器がアンバランスな部分はあるものの、邪魔な歓声はほとんどなく、"Melody"のホーンソロの生々しさや、"JJF"が始まる直前のミックの指示がはっきりと聞こえるあたりは、ライン録音を彷彿させる好録音。

音域のレンジが若干狭くヒスノイズも多め、時折音が割れるところもありますが、それほど気にするレベルでは無し。

この音源を収録した既発ブートは3種。

まずはこの音源を最初にリリースした
『Secret Affair』(VGP-225)
この音源を最初にリリースしたタイトルで、音自体はほとんどいじっていないのか、後発盤と比べると、音がコモっているような印象。

vgpsecretaffair

続いては、Crystal Catの
『Sweet Home London』(CC493-95)
超高音質録音のウェンブリー音源とのカップリングタイトルで、こちらは高域・低域それぞれを持ち上げて音にメリハリをつけた上、高域を上げたことにより大きくなったヒスノイズを除去。ただし、このライブの目玉曲の一つである"Melody"のイントロの一部がカットされて音が飛んでしまっているという最大の難点があるのと、そのヒスノイズ除去処理の影響でやや音が不自然になってます。

ccsweethomelondon

そしてCrystal Cat盤に対抗すべくリリースされたリマスター盤
『Shepherds Bush Empire』(VGP-225)
高域を持ち上げ全体的にクリアーな音質にしつつ、音の余韻が不自然にならないようヒスノイズを無理に除去しない音造りで、このビデオ音源を収録した既発タイトルではベスト。

vgpshephersbushempire

さて本作、高域は『Shepherds Bush Empire』に比べるとやや抑えめ。その代わり中低域に厚みを持たせたことにより、若干歪み気味だった低音の効果も相まって迫力ある音造りにしています。この辺りは、比較するとすっきりとした音に感じる『Shepherds Bush Empire』と好みの別れるところ。また、余韻が不自然にならない程度にヒスノイズも除去処理しています。

なお、『Shepherds Bush Empire』は"Saint Of Me"と"Honky Tonk Women"でディスクを分けていますが、実は"Saint Of Me"が終わった後、観客が"Saint Of Me"のサビを歌い続ける中に"Honky Tonk Women"のイントロが切り込んでいくというライブ展開だった為、いい感じのところでディスクチェンジとなっていました。

本作はその点、"Saint Of Me"からディスク2が始まる様に編集されているのでアドバンテージかなと。

まあ、二つ折りの中ジャケには何故かABBツアーの写真が使われているという、このレーベルらしい相変わらずなズッコケもあったりするのですが(笑)

by Hara ¦ 01:54, Tuesday, Sep 29, 2009 ¦ 固定リンク

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