『Munichland Melodies』(DAC-088) 2CD
Studio Outtakes
(※)Disc-1 Track1,7 Disc-2 Track1,2,3,5,7 Mar.25-Apr.4 1975 Musicland Studios,Munish,Germany
(※)Disc-1 Track2,4 Dec.7-15 1974 Musicland Studios,Munish,Germany
(※)Disc-1 Track3,5,6 Disc-2 Track4,6 Jan.22-Feb.9 1975 Mobile Recording Unit,De Dolden,Rotterdam,Holland
Stereo Soundboard Recordings Quality:Excellent-Very Good
(Disc-1) 1.Hey Negrita/2.Cherry Oh Baby/3.Crazy Mama/4.Fool To Cry/5.Slave/6.Melody/7.I Love Ladies (Disc-2) 1.Hand Of Fate/2.Munich Reggae/3.Cellophane Trousers/4.Worried About You/5.Memory Motel/6.Lets Do It Right/7.Hot Stuff
『Black And Blue』のアウトテイク集である同名アナログタイトルを 名乗ってはいますが(表ジャケには表記ないけど)、曲の並びから推測するにExile『Play It Rough』(EXCD-040A/B)のメインで使用されていた音源のアップグレード版。
そのExile盤はメインの音源の他に、1マイク録音のモービルユニット音源や、一部別のテープから持ってきたSBD音源も収録していましたが、本作はメイン音源とExile盤では冒頭に収録されていた"Hot Stuff"を最後に加えているだけの為、2枚組にしてはやや物足りない収録時間となっています。
さすがにこのレーベルだけあって、Exile盤では遅かったピッチはほぼ正常。
また、基にしたテープのジェネレーションがExile盤よりも若かったようで、ヒスノイズはまだまだ多めではあるもののExile盤よりは減少。
そして音質の方も、既発の『Black And Blue』関連のアウトテイク集はいずれも荒めな音の印象を受けましたが、本作はどちらかというと奥行きのある落ち着いた感じの印象の音で、既発ではもっとも音の良かった『Outtakes 1974-75』(EXR 002)よりも音質の向上がみられます。
加えてExile盤で発生していた"Hey Negrita"3分23秒のテープ劣化による音切れ、"Fool To Cry"3分35秒から3分46秒までの左チャンネルレベルダウン、"Slave"2分33秒から2分38秒までの右チャンネルの極端な音のコモリ、"Hand Of Fate"3分58秒と4分56秒の音ブレ、"Cellophane Trousers"2分25秒付近や3分40秒以降に発生している音ブレ、といったこれらの欠点は、本作では基テープの状態が良かったようでいずれも無し。
ただし、"Worried About You"や"Memory Motel"で発生している左チャンネルの周期的な音ユレに関しては本作の基テープでもあったようで、比較的ユレが軽度な"Worried About You"はそのままにしているものの、音ユレの激しかった"Memory Motel"は曲の前半をモノラル化して、聴きやすく処理しています。
また、『Outtakes 1974-75』でしか聴けなかった"Hand Of Fate"曲前のカウントも本作は収録している上、その『Outtakes 1974-75』でカットされていた曲終了後のミックのしゃべりも収録されていることから、初登場部分はないものの、本作の"Hand Of Fate"が過去最長となっています。
なお、Exile盤ではいずれも中途半端な3種の音源が1つのトラックに収録されていた"I Love Ladies"ですが、本作はそのExile盤で2番目に出てくる音源、所謂他盤でもお馴染みのモノラル音源で完走しているものの、 左チャンネルで周期的な音ユレが生じているのと、その左チャンネルの音質がかなりコモっているのが玉にキズ。どうせ元はモノラルなのだから新たにモノラル化した方が良かったような気も。
という訳で、残念ながらExile盤で初登場した、この曲の約20秒程のステレオ音源全長版は今回も発掘ならず。
とはいえ、現行の『Black And Blue』関連のアウトテイク集としては、 最良のタイトル。 |