The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『More Fast Numbers』(DAC)
dacmorefastnumbers

『More Fast Numbers』(DAC-097) 2CD

Studio Outtakes 1977-1978

Disc-1 Track1,3-12 Disc-2 Track1,3,6,8-10,13
Oct.10-Nov.25 & Dec.5-21 1977
Pathe Marconi Studios,Boulogne Billancourt,France

Disc-1 Track2 Disc-2 Track2,4,5,7,11,12
Jan.5-Mar.2 1978
Pathe Marconi Studios,Boulogne Billancourt,France

Stereo Soundboard Recordings
Quality:Excellent

(※)Disc-2 Track 1-3,6-9,13,14
Mono Soundboard Recordings
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.When The Whip Comes Down(II)/2.Start Me Up(II)/3.Claudine(I)/4.I Can't Help It(II)/5.Miss You(IV)/6.Just My Imagination(I)/7.Munich Hilton(II)/8.Respectable(II)/9.Lies(II)/10.When The Whip Comes Down(I)/11.I Can't Help It(I)/12.Shattered(II)
(Disc-2)
1.Some Girls(I)/2.The Way She Held Me Tight/3.Beast Of Burden(I)/4.I Need You/5.Do You Think I Really Care/6.Just My Imagination(II)/7.Fiji Jim(I)/8.Shattered(I)/9.Miss You(II)/10.A Different Kind/11.Far Away Eyes(II)/12.Hang Fire(I)/13.When The Whip Comes Down(III)

(※)Disc-1 Just My Imagination(III)は(I)のクレジットミス
(※)Disc-1 Lies(II)ははホフマン表記に倣ったもので、事典では(I)
(※)Disc-1 Munich Hilton(II)はホフマン表記に倣ったもので、事典では(I)
(※)両Discに収録された"Miss You"はブート化されていないテイクIをカウントに入れたホフマン表記に倣ったクレジットの為、事典とはテイクが一つずつずれています。
Disc-1 本作(IV)→事典(III)、Disc-2 本作(II)→事典(I)


DACによる『Some Girls』期のアウトテイク集アナログ複刻作。

基となったアナログ『More Fast Numbers』(Play Boy Productions)は、6曲収録の1枚物LPでしたが、本作は全25曲2枚組CDとして拡大複刻。

lpmorefastnumbers

トレイ側の内ジャケに記載されていますが、追加された19曲は'Some Girls Rehearsal'と銘打たれた『All Them Women』(WHOM-SGR-3)『Some Other Girls』(WHOM-SGR-1)『Spend It Fast』(WHOM-SGR-2)といったアナログ3部作で聴けたテイク。

dacmorefastinnner

lpallthemwomen
lpsomeothegirl
lpspenditfast

したがってアナログ『More Fast Numbers』とこれら3種のアナログがあれば、本作の収録曲は全て揃いますが、本作はこれらアナログから落としたのではなく、別のテープから新たに作成されています。

過度のノイズ除去処理を控えたことから、曲によってはヒスノイズ多めだったりするものの、余韻が不自然なものは無し。

"Respectable(II)""I Can't Help It(I)""Just My Imagination(II)""Far Away Eyes(II)""When The Whip Comes Down(III)"といった、基テープの音のレンジが狭かったものをイコライジングして何とか近づけようとした曲もあったりと、若干の音のバラツキはあるものの、全体的に全曲クリアーで厚みのある音に統一されている上、いずれの曲も既発音源に比べて音質向上が図られています。

また、本作はおかしかったピッチやチャンネルも当然の如く全曲修正されています。


では、事典で挙げた本作収録曲それぞれの代表盤と比較してみますと。


●『Twilight Zone』(VGP-048)
vgptwilightzone3

"When The Whip Comes Down(II)""Some Girls(I)""Beast Of Burden(I)"

いずれの曲もVGP盤にあったジリジリといったノイズは軽減され、音質も向上。ちなみに"Some Girls(I)""Beast Of Burden(I)"は本作より型番が少し後のDAC『What Am I Living For?』(DAC-106)と音質・長さ共に同じ。

dacwhatamilivingfor1

その"Beast Of Burden(I)"に関しては、本作より1分近く長く曲の最後の方で過度のディレイエコーがかけられている部分までが聴ける、前述のアナログ『Some Other Girls』(WHOM-SGR-1)や同じくアナログ『Some More Girls』(LP 0079I)といったタイトルがありますが、逆にこちらは本作のようにイントロ前のギター音が入っていない上に、音質がはるかに劣ってしまっています。

lpsomemoregirls


●『All Inside Our Crazy Dreams』(DAC-021)
dacallinsideourcrazydreams1

"Start Me Up(II)""Claudine(I)"

『All Inside Our Crazy Dreams』の方は、ヒスノイズ除去処理の影響で余韻がおかしかったり、高域がきつ目の音になっていましたが、本作は過剰な除去処理を避けたが為にヒスノイズがやや多目なってはいるものの、余韻がおかしいこともなく、音も自然な感じに仕上がっています。


●『Genius Is Pain』(NS001/83)
lpgiusispain

"I Can't Help It(II)""Just My Imagination(I)"
"When The Whip Comes Down(III)"

アナログでかなり遅かったピッチは当然の如くほぼ正常。音質は3曲とも本作の方が向上。ただし『Genius Is Pain』で聴けた"Just My Imagination(I)"は曲前のカウントが本作未収録。なお、"I Can't Help It(II)"にあった2箇所の音飛び(本作のタイムでは2分54秒と3分9秒)は同じ。


●『Accidents Will Happen』(VGP-370)
vgpaccidentswillhappen

"Munich Hilton(II)""The Way She Held Me Tight""I Need You"
"Do You Think I Really Care""Fiji Jim(I)""A Different Kind"

6曲とも音質は向上。"The Way She Held Me Tight"はVGP盤がフェードインだったのに対し、本作はテープを急に回したギュインという音から収録。

"I Need You"であった音の落ち込み部分(本作のタイムでは2分56秒から3分5秒)を持ち上げた際のヒスノイズ量は本作の方が若干多め。ちなみに、本作より型番が少し後の『Paris Results』(DAC-103)は、この落ち込みがありませんが、やや印象が異なる奥行きのある音になっています。

"Do You Think I Really Care"は、VGP盤よりヒスノイズがキツくなった印象。ちなみに『Paris Results』(DAC-103) 収録の同曲の方が本作よりも音質が良く、曲のラストも本作やVGP盤より若干長めに収録されています。

"Fiji Jim(I)"は、VGP盤より本作の方がカウント前のギター1音分だけ多く聴くことが出来ます。

dacparisresults1


●『Place Piggale 5/6』(RR 010/11)
placepigalle561

"Just My Imagination(II)""Respectable(II)""I Can't Help It(I)""Miss You(IV)""Far Away Eyes(II)"

音のレンジが狭かった『Place Piggale 5/6』に対し、本作ははるかに向上。

"Just My Imagination(II)"のイントロ途中なのは同じですが、『Place Piggale 5/6』がそのまま入ってくるのに対し、本作はフェードイン。

"I Can't Help It(I)"は事典ではピッチの観点でアナログ『All Them Women』(WHOM-SGR-3)を代表に挙げていましたが、音質ではこの『Place Piggale 5/6』。若干音のレンジは広がったものの、全編に漂うブーンといったハムノイズと思しき音は変わらず。また、カウント含めた曲のサイズは同じ。ちなみに『Some Trax II』(ST 80-70-03)収録の同曲はピッチがかなり遅いものの、カウント前に他では聴けないベース音が聴けることから最長収録はこちら。

sometrax2

"Miss You(IV)"は曲の長さ自体は、『Place Piggale 5/6』よりも曲の前後を長く収録したアナログ『Genius Is Pain』と同じ。しかも『Genius Is Pain』の曲中1分過ぎ付近にあったテープ劣化による音ブレは、若干の音ユレがあるもののほぼ解消。

"Far Away Eyes(II)"イントロ1音目がほんの僅か欠けているのは相変わらず。


●『More Fast Numbers』(RYF-002)
rbelyellmorefastnumbers

"Lies(II)""When The Whip Comes Down(I)""Miss You(II)"
"Shattered(I)""Shattered(II)"

音質は5曲共ほぼ同等。"When The Whip Comes Down(I)"冒頭のテープ劣化に起因する音ユレは変わらず。
"Miss You(II)"は右寄りだった定位を本作は中央に修正しています。


●『Better Results』(OBR 305 CD-023)
obrbetterresult1

"Hang Fire(I)"

曲前カウントが「One」と同時にフェードインしてくるのはOBR盤同様。したがって『Outtakes 1974-75』(EXR 002)で聴けたカウント前のギターの指慣らしは聴けず。ちなみに音質は若干の向上を見せており、本作より型番が後となる『Better Results』(DAC-105)と同じもの。

outtakes74751

dacbetterresults2

by Hara ¦ 22:00, Sunday, Jul 10, 2011 ¦ 固定リンク

△ページのトップへ
 


最近の記事
『L.A.Forum 1975 5th Night:Mik ..

『Beginning Of Cosmic Consciou ..

『Nice 1976 Unreleased Master』 ..

『Still Life In Tempe 1981』(M ..

『Kick Off!! Europian Tour 198 ..

『Perth 1973 Soundboard』(-)

『All Meat Music 1973』(Mayflo ..

『Roseland Ballroom 2002』(-)

『New York Junction』(DAC)

過去ログ
2024年11月
2024年10月
2022年 5月
2022年 4月
2021年10月
2021年 9月
2021年 8月
2021年 5月
2020年10月
2020年 9月
2020年 8月
2020年 7月
2019年 4月
2019年 1月
2018年12月
2018年 5月
2018年 4月
2018年 3月
2018年 2月
2017年12月
2017年 9月
2017年 5月
2017年 4月
2017年 3月
2017年 2月
2016年10月
2016年 9月
2016年 7月
2016年 4月
2016年 3月
2016年 2月
2015年 6月
2015年 4月
2015年 2月
2015年 1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年 9月
2014年 8月
2013年10月
2013年 9月
2013年 8月
2013年 7月
2013年 3月
2013年 2月
2013年 1月
2012年12月
2012年 5月
2012年 2月
2012年 1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年 8月
2011年 7月
2011年 6月
2011年 5月
2011年 2月
2011年 1月
2010年 7月
2010年 6月
2010年 4月
2010年 3月
2010年 2月
2010年 1月
2009年12月
2009年10月
2009年 9月
2008年12月
2008年11月
2008年 9月
2008年 7月
2008年 6月
2008年 5月
2008年 4月
2008年 2月
2008年 1月
2007年12月
2007年11月
2007年10月
2007年 9月
2007年 8月
2007年 7月
2007年 6月
2007年 5月
2007年 4月
2007年 3月
2007年 2月
2007年 1月
2006年12月
2006年11月
2006年10月
2006年 9月
2006年 8月

Links
ローリング・ストーンズ海賊盤事典
Bridges to the Stones

フリーソフトで作るブログ