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『Liver Than You'll Ever Be』(DAC) |
『Liver Than You'll Ever Be』(DAC-116) 4CD
Nov.9 1969 Alameda County Coliseum,Oakland,CA (2nd show)
Mono Audience Recording Quality:Excellent
(※)Disc-3 Mono Soundboard Recording Quality:Excellent - Very Good
(Disc-1) 【Ike & Tina Turner】 1.Come Together/2.Respect 【Terry Read】 3.Marking Time/4.I've Got News For You/5.Superlungs My Supergirl 【B.B.King】 6.Get Off My Back Woman/7.Instrumental
(Disc-2 & 4) 1.Jumping Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil/4.Stray Cat Blues/5.Prodigal Son/6.You Gotta Move/7.Love In Vain/8.I'm Free/9.Under My Thumb/10.Midnight Rambler/11.Live With Me/12.Gimme Shelter/13.Little Queenie/14.Satisfaction/15.Honky Tonk Women/16.Street Fighting Man
(Disc-3) 1.Sympathy For The Devil/2.Stray Cat Blues/3.Prodigal Son/4.You Gotta Move/5.Love In Vain/6.Live With Me/7.Gimme Shelter/8.Little Queenie/9.Satisfaction
ストーンズのブートレグ第1号であるLP『Live'r Than You'll Ever Be』(Lurch Records)と同名を冠した本作は、そのLPに収録されていたオーディエンス音源の全長版はもとより、サウンドボード音源、そして別のオーディエンス音源によるストーンズ本編と前座までも収録した1969年11月9日オークランドコロシアムでのセカンドショーの集大成的タイトル。
●ディスク1
ディスク1は、この公演の前座3組を約50分程。
頭2曲はアイク&ティナ・ターナー。『Get Yer Ya-Ya's Out』のデラックスエディション収録のMSG公演でも演奏されていた"Come Together"は途中から。次の"Respect"は曲終了後のショーのフィナーレ部分がブツ切れ。
続いてはテリー・リード。この人に関しては、ジミーペイジにロバートプラントを紹介した人とか、1990年にジョン・エントウイッスル、キースエマーソン、ジェフ・バクスター、サイモン・フィリップスが組んだバンド「THE BEST」での来日がアナウンスされていたのにドタキャンした人という印象しかなかったりします(苦笑)。収録3曲中"Marking Time"は途中から。
3組目はBBキング。"Get Off My Back Woman"は途中からの収録な上、曲中(1分47秒)にもカットあり。次の"Instrumental"は、音源がソロ部分の途中から始まって、ソロが終わりかけたとこまでの収録につき、曲名を特定出来ずにこう表記したのかなと。
音の方は、3組ともやや遠目からの録音のようですが、演奏を大きく捉えた耳障りな手拍子や歓声のない好音源です。
●ディスク2
ディスク2は、初ブート化となるオーディエンス音源にてストーンズのセカンドショーを全曲。
この音源のトピックはやはり、従来のオーディエンス音源ではテープチェンジにあたってしまっていた為、聴くことが出来なかった"Under My Thumb"の前半部を聴くことが出来る点。
録れている音はというと、こちらも従来のオーディエンス音源同様にややスピーカーから離れた録音ですが、従来音源と比べても、スネアが若干引っ込んで、ミックのヴォーカルが気持ちエコーがかっているかな程度の違いで、ほとんど大差ありません。また、歓声や手拍子もたしかに従来音源とは異なっていますが、この音源もまた従来同様に周りの観客が静かだったようで、耳障りな歓声や手拍子の類はありません。
こちらの音源では、前述の"Under My Thumb"がフルに録れている代わりに、"Live With Me"がテープチェンジで後半の1分強しか録れていませんでしたが、本作は、前曲"Midnight Rambler"終了直後にミックが発した「Arlight」のちょっと後から、曲が始まって1分58秒までの欠落部分に、従来のオーディエンス音源を補填。ほとんど両方の音源に違いがない為、全く違和感なく曲を通して聴くことが出来ます。
従来音源では録音レベル調整の為に一部で音量がかなり上下していた"JJF"に関しては、こちらの音源も1回目のサビから2コーラス目にかけて、同じくレベル調整をしていたようで音量の変化自体はありますが、従来程の上下幅ではありません。
また、バンド名だけではあるものの、従来音源では聴けなかったオープニングのバンドコールを収録していますが、従来音源で聴けた終演後の客出し場内BGMは、その前にテープを止めたようで未収録。本作のこの最後の部分はフェードアウトせずにブツ切れでディスクが終わっています。
観客が盛りあがった"Satisfaction"では、マイクの前の観客の動きの影響による音の変化が従来音源にもありましたが、本作の方が変化幅は大きいようです。
●ディスク3
ディスク3は、アナログ時代1枚物LP『Oakland Sixty-Nine』(-)にて初ブート化されたサウンドボード音源。
残念ながらライブ全編ではなく、序盤・中盤・終盤がカットされた曲目となっており、1972年にビル・グラハムがラジオで流したと言われる音源ですが、今のところアナウンスの入った番組全体とか、本作収録曲以外の曲は未発掘。
卓直結の音源故、歓声は拾っておらず生々しい音ではありますが、この手の音源特有のバランスの悪さはさほど感じません。
本作の音質は、中域に音が集まりレンジの狭かったアナログや、音のレンジ自体はアナログより広がっているもののヒスノイズ多めの既発代表盤CD『Oakland Sixty-Nine』(RS-692=VGP-003)に比べて、ヒスノイズを余韻に影響ない程度に除去し、VGP盤ではやや響き気味だった中低域を絞って一段と落ち着いた印象の聴きやすい音に仕上げています。
また。VGP盤では基にしたアナログの質が良くなかったのか、"Live With Me"以降に定期的なスクラッチノイズと思しきノイズが入っていましたが、本作にはそのようなノイズは無し。
この音源、アナログ時代から"Satisfaction"の3コーラス目冒頭に音切れがあり、『Oakland'69』(AF005)や『Oakland Coliseum Arena 1969 FM-SB』(SODD-029)は、その切れている部分に1コーラス目の同部分を繋げて、すんなりと聴かせる作りになっていますが、1曲毎にフェードアウトするのが難点。
本作のこのカット部分に関しては、これらタイトルと異なり、欠落部には2コーラス目から音を持ってきて、必要最小限分のみの補填をしています。
"You Gotta Move"頭の1音が欠けているのは本作も既発盤同様ですが、既発盤で最初のカッティング直後に音量レベルが低くなっていた点に関しては、本作はそのようなことなくすんなり聴くことが出来ます。
●ディスク4
ディスク4は、LP『Liver Than You'll Ever Be』のオーディエンス音源全長版。
この音源、ややスピーカーから離れた位置から録られたと思しき音ではありますが、演奏自体は大きく捉えており、また周りの観客が静かなこともあって、非常に聴きやすい好録音。
この音源のこれまでの代表タイトルはVGP『From San Francisco To Paris』(VGP-276)
それまでのタイトルに比べ、全体的にクリアーさが増した過去最高音質タイトルでしたが、本作はこのVGP盤の音に若干ですが厚みを増した音造りとしています。
また、このVGP『From San Francisco To Paris』は、終演後の客出し場内BGMを初めて収録したこの音源の全長収録盤でしたが、本作もメインの音源自体の長さは全く同じ。 また従来タイトル全てで前半部が欠落していた"Under My Thumb"に関しては、ディスク2のオーディエンス音源を補填し、全く違和感なく1曲通して聴けるようにしてあります。
同じく従来盤全てにあった"Little Queenie"イントロの音量変化も本作は均一に。
その音量変化といえば、オープニングの"JJF"では録音時のレベル調整の影響で下記の4つが大きく音量が小さくなってしまっていますが、本作及びVGP『From San Francisco To Paris』では、その部分の音量を持ち上げている為、まるでスプレーを吹き付けているかのようなヒスノイズが炸裂しています。
1)最初のサビの「gas gas gas」の2回目・3回目と次のギターストロークの頭。 2)2番「schooled with a strap right across my back」の間の2箇所。 3)2回目のサビの「In fact」の前 4)3番「And left for dead」の「dead」が終わるあたりと「I fell down」に入る直前
ちなみにVGP『From San Francisco To Paris』リリース以前のVGP盤で、"JJF"のこの部分はどうだったかというと・・・。
まずは紙ジャケ仕様でリリースされた『Liver Than You'll Ever Be』(RS-510) ディスクのレーベル面は銀で、Lurch Records表記とTMOQのロゴあり。1)はカットされていて音飛びとなっており、あとの3つは音量そのまま。
続いては、プラケ仕様でVGP表記入りの黒レーベルとなった 『The Original Liver Than You'll Ever Be』(VGP-024) 1)は音量が下がる部分を、3回目のサビの同部分補填。2)と3)は1番の「And I howled 」からサビ「In fact it's a gas 」迄を補填。4)は3番自体をおかしな編集にしており、最初の部分の歌詞が「I was raised by a toothless bearded hag,I was drowned,to my feet and I saw they bled,」と意味不明な物になってしまってます。
なお、ジャケットは『The Original Liver Than You'll Ever Be』でプラケース仕様ですが、中のディスクは紙ジャケ仕様『Liver Than You'll Ever Be』と同じRS-510というものもあったりするので要注意。
本作は前述した通り、これら"JJF"のレベル調整部分はまるでスプレーを吹き付けているかのような音になっているわけですが、"Under My Thumb"同様にディスク2の音源を補填すれば、このようなことにならないのにそれをやっていないのは、基の音源に記録されていた音を最大限生かすという意味からすれば正しいのでしょうけど、既にそれはVGP『From San Francisco To Paris』でやっていることにつき、ここは聴きやすさ優先で補填して欲しかったかなと。 |
by Hara ¦ 23:59, Monday, Oct 24, 2011 ¦ 固定リンク
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