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『Rainbow Springs』(DAC-119) 1CD
Feb.11 1973 Western Springs Stadium,Auckland,New Zealand
Mono Audience Recording Quality:Very Good
(※)Track 10(part),13-15 Mono Audience Recording Quality:Good
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Bitch/4.Rocks Off/5.Gimme Shelter/6.Happy/7.Tumbling Dice/8.Love In Vain/9.Sweet Virginia/10.You Can't Always Get What You Want/11.All Down The Line/12.Midnight Rambler/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man
日本・香港公演が中止となってしまった為、1973年ウインターツアーとしては、1月22日のハワイ公演以来、約3週間ぶりとなったニュージーランド公演全曲収録盤。
この日はちょっと間が空いた影響もあったのか、いきなり1曲目の"Brown Sugar"では、キースが勘違いして3コーラス目後のサビを繰り返さなくてはいけないところでAメロに戻ってしまったことにより、バンド全体が迷子になっていたり、"Sweet Virginia"ではミックのハープが出だしのA音だけは合っているものの、その後は通常とは違うフレーズを吹いていたりと、 イレギュラーな演奏を聴くことが出来ます。
この公演を収録した既発タイトルは、音自体は聞きやすいもののピッチ早めで音ユレが多い、 Shaved Disc『There's Not A Friend To Help Me Through...』(TSD-019)
そして事典で代表盤として挙げた『Winter Tour-Aukland 1973』(VGP-015)、 及びその再発拡張盤『All Meat Music』(VGP-055)
"Brown Sugar"の頭から"Midnight Rambler"迄のメインとなる音源は、スピーカーの前で録ったのかと思われる程に大変近く録れた音で、ベースの音量が急に上がった"Tumbling Dice"の後半以降はベースラインもくっきりよく聞こえるという、ぱっと聞きサウンドボード録音の様な音。
ただしこの音源は高域が歪み気味に録れてしまっていることから、シンバル類等が耳につく感じになっており、VGP盤は更に高域を持ち上げている為、かなり高域がキツくなっていましたが、本作は中低域に厚みを持たせる音造りにしていることから、どちらかというと比較的聴きやすい音質だったTSD盤を厚くしたかなという印象の音に仕上がっています。
基にしたテープの劣化による"Brown Sugar"や"All Down The Line"での音伸びは、本作も既発同様ですが、基にしたテープが若干既発より良かったようで、TSD盤にあった音ユレ等に関しては本作の方が状態がいい印象かなと。
またVGP盤では、"Gimme Shelter"ソロ以後の右チャンネルと"Happy"ソロ途中からしばらくの間の左チャンネルが、それぞれに音量が小さくなり定位が片寄ってしまってましたが、本作にはそれがなく、安定した定位で曲を通して聴く事ができます。
このメイン音源、"Sweet Virginia"の曲前がテープ節約なのか一部カット、"You Can't Always Get What You Want"のギターソロ途中からソロ後のAメロ「at the reception」迄はテープチェンジと思しき欠落、"Midnight Rambler"終了後のメンバー紹介以降は未収録となっており、既発タイトルはいずれも"Sweet Virginia"の曲前はそのまま、"You Can't Always Get What You Want"に関しては欠落したままクロスフェード編集、ライブ後半は2月20日のアデレイド公演から"JJF""SFM"を持ってきて収録していましたが、本作は同日の別音源でこれら欠落部を補填しています。
そして既発は全てバンドコールが入る寸前からCDが始まっていましたが、本作はその前の30秒程も別音源から持ってきています。とはいえこの部分に関しては、バンドがステージに上がった際のパラパラといった拍手が少しだけ聞こえる程度のものですが・・・。
この別音源、テイラーのギターアンプ正面のポジションだったようで、テイラーのギターが妙に大きく録れており、テイラーの弾いているフレーズは良く聞こえるものの、他の音は遠くなってしまっているというバランスなのが何とも残念。
加えてこの別音源、基テープに相当ヒスノイズがあったようで、ヒスノイズ除去処理はしているものの、この処理特有のシュワシュワといった音が全編に大きく漂っており、まるで蝉が鳴いている中でのコンサートといった感じに聞こえます。
とまあ、補填音源のバランスの悪さはあるものの、初めてこの公演が全曲聴けるようになったのはポイント高いかなと。 |
by Hara ¦ 23:54, Sunday, Oct 30, 2011 ¦ 固定リンク
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