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『Live From The Radio Paris 1970』(Goldplate) |
『Live From The Radio Paris 1970』(GP-1505CD1/2) 2CD
Sep.22 & 23 1970 Palais Des Sports,Paris,France
Mono Soundboard Recording Quality:Very Good
(※)Disc-2 Track14,15 Mono Soundboard Recording Quality:Excellent
(Disc-1) Radio Introduction/2.Jumping Jack Flash/3.Roll Over Beethoven/4.Sympathy For The Devil/5.Stary Cat Blues/6.Love In Vain/7.Dead Flowers/8.Midnight Rambler/9.Live With Me/10.Little Queenie/11.Let It Rock/12.Brown Sugar/13.Honky Tonk Women/14.Street Fighting Man/15.Radio Outroduction/16.Backstage Radio Report/17.It's My Life Baby (Disc-2) 1.Jumping Jack Flash/2.Roll Over Beethoven/3.Sympathy For The Devil/4.Stary Cat Blues/5.Love In Vain/6.Dead Flowers/7.Midnight Rambler/8.Live With Me/9.Let It Rock/10.Little Queenie/11.Brown Sugar/12.Honky Tonk Women/13.Street Fighting Man/14.Sympathy For The Devil(rebroadcast)/15.Brown Sugar(rebroadcast)
(※)Disc-1 Track17・・・Buddy Guy and Junior Wells with Eric Clapton
1970年ツアー続きということで、ここでも結構古めなタイトルを。
アルバムタイトルにあるように、本作が収録しているのはラジオ放送された1970年のパリ公演。
ストーンズのパリ公演は65,66,67年と公演を行う度にラジオ放送されてきましたが、この年は9月22日と23日の2公演がそれぞれ「Europe 1」にて全曲放送されています。
ディスク1に収録されているのは9月22日公演。 この公演の放送は、1曲毎にアナウンスが被っちゃっているのが玉にキズ。
この放送を収録したタイトルとして、事典で代表盤として挙げたのは『Paris Affair』(VGP-127)と『Return of The Marquis De Sade』(Mid Valley 511)の2つ。
基にしたテープは同じで、ヒスノイズ多めでクリアーさに欠けるジェネレーションの高い音。VGP盤と比べると、Mid Valley盤の方が高域の持ち上げ加減をやや控えめにし、逆に低域を少し持ち上げている印象。
本作は、高域がMid Valley盤同様にやや控えめ、低域はVGP盤に似た感じなものの、オーバーレベルが原因と思しき音割れについては、VGP盤よりも若干聞きやすくなっている印象に仕上げていますが、これら既発とそれほど大きな差があるわけではなし。
では、事典で触れた2曲の編集違いについてはどうかというと、まずは"Jumping Jack Flash"。 VGP盤では最後のサビの「Gas Gas Gas」あたりから音量が10秒程落ち込んでいましたが、Mid Valley盤は完璧ではないものの音量修正を施しており、VGP盤程に音量が落ちたという印象は受けず。本作は、Mid Valley盤同様に修正を施しており、ほんの僅かながら音の落ち込み度合が改善されています。とはいえほとんど大差ないと言っていいレベルだったりはしますが・・・。
続いて"Little Queenie"のイントロ1分6秒と1分8秒にあった一瞬の音切れ。 VGP盤はそのまま、Mid Valley盤はその途切れた部分を詰めてしまったがために音飛びを起こしたようになっていましたが、本作は、おそらくその前の似た部分をコピー補填して音飛びを解消させています。ただ、ちょうどその音飛び部分でテイラーがちょっとしたオブリガードを入れており、既発では断片的ながらそのフレーズを聴くことが出来ましたが、本作ではそのオブリ部分を丸ごと差替えたがために、無かったこととなっています。
この"Little Queenie"の処理については、こちらも事典出版後リリースだったTarantura『Europe 1』(TCDRS-37)も同様に行っていますが、このTarantura盤については、聞きやすくしようと全体的に疑似ステレオ処理をしていたまでは良かったものの、合わせてリヴァーヴエコーまでかけていたのは、ちょっとやり過ぎかといった感も。ちなみにこのTarantura盤、チャプター処理が不得手で音ブレを起こしているタイトルが多いこのレーベルにしては珍しく、音ブレのないものとなっています。
なお、Mid Valley盤の方のみに収録されていた、前座のバディ・ガイとジュニア・ウェルズのステージにクラプトンが飛び入りした"It's My Life Baby"は本作にも収録。
また、バンドがステージに上がって来る際のバンドコールについては、ここに挙げた既発2タイトルは寸前でのフェードインだったのに対し、本作はほんの僅かながらそれらより前から収録しています。
ディスク2は翌23日公演。 こちらも全曲が放送されていますが、前日公演の放送とはうってかわって余計なアナウンスを挟まないものとなっています。
事典で代表盤としたのはVGPの『Some Like It Hot!』(VGP-044) Gold CD Limited Edition。
全体的にやや強目に感じる位に低域をしっかり拾った音で、ヒスノイズ多めのエアチェック音源。残念ながら全曲同一マスターではなく、"Honky Tonk Women"と"Street Fighting Man"の2曲は低音不足で中域が響き気味というメインより音質の落ちる音源となっています。
本作も"Honky Tonk Women"と"Street Fighting Man"が別マスターなのはVGP盤同様。メインとなる"Brown Sugar"までの音源については、低域を若干絞ってVGP盤よりも明るめな印象の音造り。VGP盤で低域不足だった"Honky Tonk Women"と"Street Fighting Man"は同様に明るめな音造りとしてはいるものの、低域不足については、元々入っていない音を持ち上げることは当然ながら出来なかったようで、ほとんど大差なし。
またVGP盤には、編集時の混入と推測される「ピッ」という電子音が、"Little Queenie"の1分26秒と36秒付近、"Brown Sugar"の4分13秒付近にそれぞれ入ってしまっていましたが、本作にはそれは無し。
ただ、サイトHot Stuffでの本作のレビューにより聞き逃していたことに気づきましたが、"Stray Cat Blues"の3分付近にも実はこの電子音が入っており、本作の方もチャプター位置の関係で3分4秒となりますが、やはりこの電子音が混入してしまっています。このことから本作のディスク2は、VGP盤をコピーして作成したということが分かります。
ちなみにこの電子音、VGPの『Some Like It Hot』1stエディションにも入ってしまっているため、この電子音が入っていない唯一のタイトルは、この音源の初出タイトルであったGray Sealの『Paris 1970』(GS-93001)のみですが、こちらはヒスノイズが多く、音も左に偏ってしまっていたり、"Brown Sugar"が終わりきらないうちにフェードアウトしてしまうという他とは別の難点あり。
ディスク2の最後2曲はボーナストラックで、どちらも後年の再放送から。
"Sympathy For The Devil"は、VGP『From The Vault』(VGP-100)に収録されていたものと同じ。 音自体は高音質なものの、イントロが若干フェードイン気味で終わりは4分少々でフェードアウトという中途半端な状態。本作はスタート箇所は同じなものの、終わりは僅かながらフェードインが早められていることから、このVGP盤のコピー。
"Brown Sugar"はVGPの『The Royal Dragon』(VGP-083)にボーナス収録されていたものと同じ。 メインの音源よりは高音質なものの、低域割れ気味なことに加えてテープ劣化が原因の細かいドロップアウト箇所が結構あり。こちらもVGP盤からのコピーですが、高域部がチャリチャリ鳴っているという圧縮特有の音となっていることから、本作はVGP音源を一旦mp3化したものをマスターとしたようです。
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23:27, Thursday, Sep 22, 2016 ¦ 固定リンク
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