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『Rock'n'Roll Circus Sessions』(misterclaudel) |
『Rock'n'Roll Circus Sessions』(mccd-485/486/487/488) 3CD+1DVD
Dec.10-12 Intertel Studios,London,UK
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(※)Disc-2 Track1-4,15,16(part) Mono Soundboard Recording Quality:Very Good
(※)Disc-2 Track5-10,13,14 Disc-3 Track5-9 Mono Soundboard Recording Quality:Excellent
(Disc-1) -Genuine Stereo Mix- 1.Entry Of The Gladiators/2.Song For Jeffrey/3.A Quick One/4.Over The Waves/5.Ain't That A Lot Of Love/6.Something Better/7.Fire Eater And Luna/8.John And Mick/9.Yer Blues/10.Whole Lotta Yoko/11.Jumping Jack Flash/12.Parachute Woman/13.No Expectations/14.You Can't Always Get What You Want/15.Sympathy For The Devil/16.Salt Of The Earth/17.Ending Parade
(Disc-2) -Rehearsal & Outtakes- 1.Parachute Woman #1/2.Parachute Woman #2/3.You Can't Always Get What You Want #1/4.You Can't Always Get What You Want #2/5.Yer Blues(a capella)#1/6.Yer Blues(a capella)#2/7.Yer Blues(Rehearsal take from Nagra reel)/8.Blues Jam/9.Yer Blues(take 1 from Nagra reel)/10.Yer Blues(take 1 Vocal Track)/11.Yer Blues(take 2 Stereo Mix)/12.Whole Lotta Yoko(Stereo Mix)/13.Yer Blues(take 2 Mono Mix 1)/14.Yer Blues(take 2 Mono Mix 2)/15.A Quick One(take 1)/16.A Quick One(take 2)/17.A Quick One(take 3 Stereo Mix "TKAAL" Sound Track)
(Disc-3) -Outtakes- 1.Checkin' Up On My Baby/2.Leavin'Trunk/3.Corina/4.Sonata In C,First Movement -IBC Acetates- 5.Yer Blues/6.Whole Lotta Yoko/7.A Quick One/8.Purple Haze/9.Wild Thing
(※)Disc-1 Track2・・・Jesro Tull (※)Disc-1 Track3 Disc-2 Track11,12,13・・・The WHO (※)Disc-1 Track5 Disc-3 Track1,2,3・・・Taj Mahal (※)Disc-1 Track6・・・Marianne Faithfull (※)Disc-1 Track7・・・Performance (※)Disc-1 Track9,10 Disc-2 Track3〜10 Disc-3 Track5,6・・・The Dirty Mac (※)Disc-3 Track4・・・Julius Katchen (※)Disc-3 Track8,9・・・Jimi Hendrix (Not"Rock'Roll Circus")
70年、69年と続けて書いてきたので、今回はその流れで、これまたタイミングを大きく外してしまっていた68年のロックンロールサーカス関連盤を紹介。
ディスク1は、初登場となるオフィシャルとは異なるステレオラフミックスを収録。 オフィシャルはほとんどモノラルに近いミックスだったのに対し、こちらのミックスはヴォーカルが右、ドラムが左、その他の楽器は基本的に中央やや左ですがエフェクトをかけて左右に膨らみを与えています。
ただしダーティーマックの演奏分についてはミックスが異なり、ヴォーカルが中央でドラムが右、クラプトンのギターが左、ジョンのギターとベースはステレオに振り分けられています。
また、マリアンヌの"Something Better"やストーンズの"Salt Of The Earth"といったマイミング楽曲のバッキングトラックは、まとめて左に定位。
収録曲は全てオフィシャルと同じですが、ジョン・レノンがストーンズを紹介する際、オフィシャルは手話を強調しようという意図なのか、紹介部分を無音にしていましたが、本作はそのようなことなくしっかりと収録されています。
そのストーンズ部分、いきなり"Jumping Jack Flash"のイントロで、手拍子を思い切り拾ってしまっているのはラフミックスならでは。ミックス作成中に気づいたのか、曲を邪魔する手拍子はこの部分だけで以降は無し。
ロックンロールサーカスは元々ライブ盤リリースの予定があり、このディスク1に収録されている音も、如何にも60年代っぽい極端なリアルステレオミックスとなっていたりすることから、ライブ盤用のものかとの推測も成り立ちそうですが、ここに収録されている"Yer Blues"が、当時のモノクロ映像等で採用されていた方のテイク2ではなく、オフィシャルリリースされた時に採用されたテイク1であることから、これは90年代のオフィシャル作成時のラフミックスと考えた方が妥当かと。
続いてディスク2。 最初の4トラックは、ストーンズのリハーサルテイクですが初出は無し。ただ事典にも書いたように、この4トラック全てを収録したタイトルがありませんでしたが、本作がようやく収録したことにより、1枚でまとめて聞けるようになっています。
ただ残念なことに、新たにテープからという訳にはいかなかったようで、"Parachute Woman #2"と"You Can't Always Get What You Want"2テイクの計3曲は、アナログ起こしでスクラッチノイズが結構聞こえてきますが、事典でこの3曲の代表盤として挙げた、Chapter Oneの『Rock'n'Roll Circus』(CO 25123)よりは遥かにクリアーな音質で収録されています。
ディスク冒頭の"Parachute Woman #1"は、『Let It Beep』(WLR-2103)を事典では代表盤として挙げておきましたが、こちらも本作の方がクリアーな音質で収録されています。ただしその分、元々割れ気味だった高域の歪が若干強調された感はありますが・・・。
トラック5から14までは、ダーティーマックの演奏を収録。 ここに収録されている演奏は、Mid Valleyの『Rock And Roll Circus Session』(MVR-662/663)や『The Dirty Mac』(MC-014)といったダーティーマックの音源にフォーカスを絞ったまとめタイトルでも聞くことが可能。
ちなみに本作ディスク1のラフミックスに関しては、これらまとめタイトルには未収録につき、いずれまた新たなまとめタイトルが出るかもしれません。
では本作収録分について軽く触れていくと、まず最初のアカペラ2トラックは同じもので、基にした音源の違い。バックステージでミックとジョンがこの曲の一節を軽く合わせる程度というものですが、アナログ時代はビートルズのブートLP『Strawberry Fields Forever』(CLUE 9)でしか聞けなかったという、それなりに貴重なものでしたが、オフィシャルでDVD化された際に「Close But No Cigar」という項目でボーナス収録されたことから、今や珍しくも何ともなくなってしまっています。
"Yer Blues(a capella)#1"はそのオフィシャルDVDから。 "Yer Blues(a capella)#2"の方はラジオ番組「Lost Lennon Tapes Show」で放送されたものからですが、基にしたのが低いレートで変換されたmp3音源だったため、先に触れたまとめタイトルと比べると、かなり音質は劣ってしまっています。
"Yer Blues(Rehearsal take from Nagra reel)""Blues Jam""Yer Blues(take 1 from Nagra reel)"は、同じくラジオ番組「Lost Lennon Tapes Show」からですが、先ほどのアカペラのような劣化した音ではなく、ちゃんと高音質で収録されており、既発のやや硬質気味な音質のまとめタイトル2種よりも自然な感じで聞きやすくなっています。
"Yer Blues(take 1 Vocal Track)"はジョンのヴォーカルが前面に出て、演奏がやや後ろの方で鳴っている印象のトラック。その前の"Yer Blues(take 1 from Nagra reel)"はカメラ備え付けのマイクによる録音のため、ジョンのヴォーカルはほとんど拾っていなかったので、その真逆な感じ。このヴォーカルメインのトラックは、まとめタイトル2種には未収録。
"Yer Blues(take 2 Stereo Mix)"とWhole Lotta Yoko(Stereo Mix)は、ドラムとベースが右、クラプトンが左、ジョンが中央やや左寄り、そしてヴォーカルとバイオリンは中央というミックス。『Rock And Roll Circus Session』はIBC Mono Acetateとミスクレジットされて、そして『The Dirty Mac』にはWide Stereo Versionと称されてそれぞれ収録されていますが、本作が一番クリアーで高音質。
"Yer Blues(take 2 Mono Mix 1)"は高域やや潰れ気味のミックス。まとめタイトル2種にも収録されていますが、『Rock And Roll Circus Session』はEarly Alternate Stereo Mixes 4-track Reelとミスクレジットされています。
"Yer Blues(take 2 Mono Mix 2)"は、まとめ2種はモノラルに近いステレオすなわちオフィシャルミックスで収録されていますが、本作は何故かそれをモノラル化したものが収録されています。
・・・と、これら"Yer Blues"、やたらたくさん入ってはいますが、実際の演奏はリハーサルテイクと本番の2テイクのみ。
ブートVHS時代に出回っていたモノクロ映像にはテイク2が収録されていて、そちらがブート愛好家の中ではポピュラーなテイクでしたが、ジョンが歌詞を間違えていたのが原因だったのか、オフィシャルでLD/VHS化された際はクラプトンのギターがあっさり目のテイク1の方が採用、このまま熱い演奏のテイク2がお蔵入りになるかと思いきや、DVDのボーナストラックとしてこちらもめでたくオフィシャル化されたので、ミックスの違いはあれど現在は手軽に見聞きできる状況となっています。
ちなみにそのテイク2の歌詞間違いですが、1回目のBメロの「My mother was of the sky, My father was of the earth」が「My mother was of the earth,My father was of the Sky」と逆になってしまっているのと、2回目のBメロ「Just like Dylan's Mr. Jones」を「Feel like Dylan's Mr. Jones」と2ヶ所失敗してしまっているので、オフィシャルのメインで採用されなかったのもやむなしかなといったところ。
ディスク2最後の3トラックは、フーの"Quick One"3テイク。
テイク1はオフィシャル未リリーステイクですが、ヒスノイズが多いことに加えて高域キツ目の音造りとなってしまっているので、耳につく周波数を抑える等してもらいたかったところ。
テイク2は、The WHOのオフィシャルボックス『Thirty Years Of Maximum R&B』にてオフィシャル化されていましたが、この時は6パートで構成される楽曲中、最初の「Her Man's Been Gone」と最後の「You Are Forgiven」の2パートが、このロックンロールサーカスのテイク2で、残りの4パートがオフィシャルのスタジオテイクという編集となっていました。本作収録のテイク2は当然ながら最初から最後まで同一テイクの完走版ですが、 少しでも音質の良いものをという発想からなのか、こちらも最初の「Her Man's Been Gone」と最後の「You Are Forgiven」の2パートをオフィシャルから流用しているため、オフィシャルパートはステレオなのに残りのパートはモノラル、そして音質も若干差がでてしまっていますので、ここはモノラルで通してもらいたかったところ。
そしてテイク3は、フーの映画『The kids Are Alright』のサウンドトラックからとなっていますが、音質はオフィシャルのサントラ盤よりもかなり劣化してしまっています。
ディスク3冒頭から4トラック収録されているタジ・マハールとジュリアス・カッチェンそれぞれの演奏は、オフィシャルのメイン映像では採用されませんでしたが、今やDVDのボーナストラックとして映像付で収録されていたりしますので、まあCDプレイヤーで聞きたい人向け。
IBCアセテートからの収録となっている"Yer Blues"はテイク2。次の"Whole Lotta Yoko"とともにモノラルミックスですが、盤の状態が良くなかったのか高域がやや潰れ気味。『Rock And Roll Circus Session』はクレジットされているものの別のステレオミックスが収録されていることから、このアセテート音源は未収録。『The Dirty Mac』にはちゃんと収録されていますが、本作の方が音質はクリアーです。
フーの"Quick One"はtake3のミックス違い。
なお、ジミヘンの2曲はロックンロールサーカスと全く関係のないウインターランドでのライブからとなっています。
DVDの方にも少しだけ触れておくと、収録曲は以下
(DVD Disc) -Rough Cut Edition- 1.Entry Of The Gladiators/2.Song For Jeffrey/3.Fire Eater And Luna/4.A Quick One/5.Ain't That A Lot Of Love/6.Something Better/7.John And Mick/8.Yer Blues/9.Whole Lotta Yoko/10.You Can't Always Get What You Want/11.Sympathy For The Devil/12.Salt Of The Earth -Rough Cut VS Final Cut- 1.Entry Of The Gladiators/2.Song For Jeffrey/3.Fire Eater And Luna/4.A Quick One/5.Ain't That A Lot Of Love/6.Something Better/7.Yer Blues/8.Whole Lotta Yoko -The Dirty Mac Outtakes- 1.Yer Blues(take 2 in Color)/2.Yer Blues(German TV Documentary "Piece Of His Mind)/3.Yer Blues("John And Yoko")/4.Yer Blues(Austria TV Archive) -B&W Video Version- 1.Jumping Jack Flash/2.Parachute Woman/3.No Expectations/4.You Can't Always Get What You Want -The WHO Multi Angle- 1.A Quick One -Dirty Mac Multi Angle- 1.Yer Blues
-Rough Cut Edition-と題されたパートは、ビデオテープ時代のブートでお馴染みのモノクロ編集版。 歪みがほぼ全くない状態で収録されており、VHS時代でもこんな状態の良いものはそうそう無かったレベルにつき、大変貴重かと。
次の-Rough Cut VS Final Cut-は、モノクロ編集版とオフィシャルの2分割画面による比較映像となっており、オフィシャルリリースの際に、どの部分が差し替えられたかがよく分かる造りになっているのですが、よりによってストーンズ部分が未収録・・・。作られてないのか、ディスク制作時にカットされたのかは不明ですが、いつの日かストーンズ部分も収録したコンプリート比較版を見てみたいものです。
-The Dirty Mac Outtakes-と称されたオフィシャルのメイン映像未収録集。 最初のテイク2は、オフィシャルの4分割画面と違って、きちんと編集された映像で楽しむことが出来ますが、画質自体は荒め。続く2つはテレビのドキュメンタリー番組からの断片映像で前者はカラーで後者はモノクロ。そしてAustria TV Archiveと称されたタイムコード入りの映像は、ややぼけ気味ながらもフル収録で、オフィシャルのマルチアングルには未収録。
続く-B&W Video Version-は、ストーンズの4曲。 オフィシャルDVDはフィルム映像でしたが、ここに収録されているのはモノクロのビデオ映像。カメラの切り替え等の編集自体はオフィシャルDVDと全く同じとなっており、このビデオ映像がどういう意図で作られたのか興味深いところではあります。
フーの-The WHO Multi Angle-は、映画「The Kids Are Alright」とオフィシャルDVDを2分割画面で同時に観ることが出来、その編集の違い比較するトラック。微妙にカットが異なっているのが分かります。
ラストの-Dirty Mac Multi Angle-。 オフィシャルはカメラごとの4分割画面となっていましたが、本作の方はそれに加えてモノクロ編集版映像とAustria TV Archive映像を加えての6分割画面となっています。
最後に、後発盤であるOriginal Master Series『Rock'n'Roll Circus Sessions』(OMS 325-328)は、 装丁が異なることを除けば、DVD含めて本作のフルコピー盤です。
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by Hara ¦ 02:00, Sunday, Sep 25, 2016 ¦ 固定リンク
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