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『Frankfurt 1976』(-) 2CD
Apr.29 1976 Fasthalle,Frankfurt,West Germany
Mono Audience Recording Quality:Very Good
(※)Disc-1 Track3 (part)、Disc-2 Track5-14 Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(Disc-1) 1.Honky Tonk Women/2.If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud/3.All Down The Line/4.Hand Of Fate/5.Hey Negrita/6.Ain't Too Proud To Beg/7.Fool To Cry/8.Hot Stuff/9.Star Star/10.You Gotta Move/11.You Can't Always Get What You Want/12.Band Introductions/13.Happy/14.Nothing From Nothing/15.Outa Space/16.Midnight Rambler (Disc-2) 1.It's Only Rock'n Roll/2.Brown Sugar/3.Jumping Jack Flash/4.Street Fighting Man/5.Honky Tonk Women/6.If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud/7.All Down The Line/8.Hand Of Fate/9.Hey Negrita/10.Ain't Too Proud To Beg/11.Fool To Cry/12.Hot Stuff/13.Star Star/14.You Gotta Move(Intro Only)
76年欧州ツアー2日目、4月29日フランクフルト公演収録盤。
ディスク1からディスク2のトラック4"Street Fighting Man"までがオーディエンス音源で、ディスク2のトラック5"Honky Tonk Women"から最後までがサウンドボード音源という、4月29日公演の集大成的タイトル。
まずはオーディエンス音源の方から触れていくと、この公演のオーディエンス音源はこれまで2種ブート化されてきています。
1つはLP『Welcome To Frankfurt』(RSVP 1/2 1116)収録のオーディエンス音源で、"Ain't To Proud To Beg""Fool To Cry""Hot Stuff""Star Star""Hey Negrita""It's Only Rock'n Roll"の6曲がこの公演からのもの。
そしてもう1つはCD『More Than Welcome To Frankfurt』(VGP-135)にて"You Can't Always Get What You Want"から"Street Fighting Man"までの9曲で使用されているオーディエンス音源。
本作に収録されている音源は、VGP盤で使用されていた方のオーディエンス音源で、"Honky Tonk Women"から"You Gotta Move"までのブート化は初。
遠目から録音のようで、"Honky Tonk Women"の途中までは分離の悪い団子状の音になってしまっていますが、出音が整ったそれ以降は若干の距離感はあるものの、周りもさほど騒がしくないバランスの良い音で聞くことが出来ます。
基にした音源はVGP盤より状態の良いものだったようで、メンバー紹介のバックを聞くと分かりやすいのですが、VGP盤はややヒスノイズが波打っていたのに対し、本作はヒスノイズは変わらず多いものの、そのようなことはありません。
ただ、VGP盤は中域がオン気味の音だったことから演奏が若干ながら前面に出た感じとなっていたのに対し、本作はさほど加工をしていない分、VGP盤に比べて奥行きがあって音が引っ込み気味に聞こえるのは好みの分かれるところ。
今回、ライブ前半のオーディエンス音源が聞けるようになったことにより、サウンドボード音源の方でミックのヴォーカルが途切れ途切れになっていたり、キースのギターがオフになっていた"If You Can't Rock Me"序盤が、実際の会場でもそのように鳴っていたことが確認できます。
このオーディエンス音源、本作のクレジット上では全曲収録となっていますが、フル収録ではなく2つの大きな欠落箇所あり。
まずは"All Down The Line"、最初のサビの終わり部分1分16秒から間奏後のサビ頭2分28秒まで。 この部分はテープチェンジとは考え難く、他の要因なんだろうなとは推測されますが、その補填にはサウンドボード音源が使用され見事なクロスフェード編集がされていますが、残念なことにキースが左でロニーが右の左右逆チャンネル。オーディエンス音源自体がモノラル録音だったのだから、この部分に関してはモノラル化して補填してもらいたかったところ。
もう1つの欠落部は"You Gotta Move"のイントロ後半から"You Can't Always Get What You Want"のイントロ頭まで。 この部分についてはサウンドボード音源も発掘されていないために補填は無し。
この"You Gotta Move"、サウンドボード音源が20秒だったのに対してオーディエンス音源の方は47秒と、僅かながら長く聞くことが出来るようにはなっていますが、ディスク2のサウンドボード音源の方の"You Gotta Move"はIntro Onlyと注釈がクレジットされているのに、こちらのオーディエンス音源の方も、やはりイントロしか収録されていないのに注釈がないのは何とも謎。
では、ここで疑問となるのがVGP盤の方にはこの曲がほぼフル収録されているのに何故使用しない?という点。 実はVGP盤に収録されている"You Gotta Move"はこの4月29日の演奏ではなく、前日のツアー初日28日のオーディエンス音源が補填されていたのでした。当時、後述するアナログ盤のみに収録されていたイントロのみの"You Gotta Move"を聴けば、あきらかに違うというのが分かったはずだったんですが、まさか別日が補填されていたとは油断してました・・・。
このことにより76年ツアー初日でブート化されている楽曲は、本作収録の"You Gotta Move"と、前述の4月28日・29日混成盤LP『Welcome To Frankfurt』(RSVP 1/2 1116)に収録されていた"Hand Of Fate""If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud"となります。
なお、"You Gotta Move"でのテープチェンジ後にあたる"You Can't Always Get What You Want"のイントロ頭の方は、VGP盤がフェードインだったのに対し、本作は未編集そのままのカットイン収録としている違いがあります。
ディスク2のトラック5以降が、アナログLP時代からブート化されてきた卓直結のステレオサウンドボード音源で、前述してきたイントロオンリーの"You Gotta Move"がCD化されるのは本作が初。
とはいえ、本作が基にした音源は既発CD同様にこのイントロ部分が未収録だったようで、本作は事典で挙げた『Absolutely Too Stoned To Roll』(GT-1000-A/B)あたりのLPからこの部分を持ってきて補填しているものの、音質がやや異なり、メインのサウンドボード音源に比べて上下のレンジが若干狭くなっています。
そのメインのサウンドボード音源の音質ですが、事典の文中でクリアーで奥行きのある音につき聴きやすいとしていた『Hear The Whistle Browin'』(VGP-268)と比べると、同様にクリアーな音質となっていながらやや落ち着いた印象の音。
若干低域割れ気味なのは同様ですが、ヒスノイズは除去処理している分だけVGP盤よりも少な目。ただその処理の影響で、若干ながら音の余韻がおかしく感じる部分があったりも。しかし何より残念だったのが、キースが左でロニーが右と左右のチャンネルが逆になってしまっている点。ここは後発なので、きちんと合わせておいてほしかったところ。 |
by Hara ¦ 22:03, Wednesday, Feb 08, 2017 ¦ 固定リンク
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