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『Midnight Ramblers』 (DAC) |
『Midnight Ramblers』 (DAC-184) 2CD
Disc-1 Nov.10 1969 San Diego International Sports Arena,San Diego,CA
Mono Audience Recording Quality:Excellent
Disc-2 July.26 1972 Madison Square Garden,NY
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(Disc-1) 1.Introduction - Carol/2.Sympathy For The Devil/3.Prodigal Son/4.You Gotta Move/5.Under My Thumb/6.Live With Me/7.Little Queenie/8.Satisfaction/9.Honky Tonk Women/10.Street Fighting Man (Disc-2) 1.All Down The Line/2.You Can't Always Get What You Want/3.Midnight Rambler/4.Band Introductions/5.Bye Bye Johnny/6.Rip This Joint/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.Jumping Jack Flash
本作は、アナログ2枚組LP『Midnight Ramblers』(Phoenix Records 44785)のアップグレード復刻作。
ディスク1は、Phoenix盤LPのサイド1と2に収録されていた、69年11月10日サンディエゴ公演からのオーディエンス音源。
このオーディエンス音源、当時のオーディエンス録音としてはトップレベルの高音質を誇っていましたが、Phoenix盤LPの方はダビングを重ねたテープが基になっているようで、まるで幕がかかったかのようなコモり気味の音質。
一方の本作は裏ジャケットにわざわざクレジットしているように、この音源を録音したダブ・テイラー自身が作成したTMOQの1枚物LP『San Diego'69』(TMOQ-71078)を基にしていることから、そのTMOQ盤に遜色ない高音質となっています。
こちらの画像はネットから
今回チェックに使ったのは同スタンパーの『Stoneaged San Diego'69』(Box Top Records)
このサンディエゴ公演については、ブートCD黎明期よりLPの基となったテープ音源からCDが作成されていたことから、コンサート全曲を容易に聞くことが出来ましたが、このTMOQ盤の抜粋された曲目によるCDといえば、その黎明期にリリースされたアナログ起こしの『Stoneaged』(WPOCM 1189 D 043-2)のみだったので、本作はこのWPOCM盤以来となります。
ここでカットされた曲は"Jumping Jack Flash""Stray Cat Blues""Love In Vain""I'm Free""Midnight Rambler"の5曲。オープニングの"Jumping Jack Flash"がカットされているのは、コンサート全体をダイジェスト収録したライブ盤としてはマイナスですが、そこを除けば中盤のアコースティックコーナー含め、コンサートの流れをきちんと押さえた選曲となっており、1番途中からキースのギターのチューニングが狂ってしまうものの、そのままギターを変えずに最後まで押し通すという、演奏の崩れが少ないこのツアーでは珍しい類となるラストの"Street Fighting Man"もきちんと収録していることはポイントかと。
これまでの既発CDでは、ノイズ除去処理の影響により音の余韻がおかしかったタイトルがあったり、いずれのタイトルも曲間にヒスノイズ除去処理特有のシュワシュワとしたデジタルノイズが多少なりとも乗っていたりした中、本作はテクノロジーの進歩のおかげか、そのようなことのない自然な音となっています。
事典でこの音源の代表盤として挙げた、VGPの『Stoneaged San Diego Sixty-Nine』(VGP-008) -Digital Remastered Edition-も、やはりノイズ除去処理特有のデジタルノイズが若干あることに加えて、全体的にやや硬質な音となっていたので、本作もLPの抜粋選曲とはせず全曲収録としてあれば尚良しでしたが、残念ながら今回はあくまでもLPの復刻が主眼のようなのでそうはしなかったのでしょう。
ディスク2は、1972年北米ツアー最終日となる7月26日マジソン・スクエア・ガーデン公演から、ミキサー卓直結のクリアーな高音質ステレオサウンドボード音源。
このサウンドボード音源、残念ながらライブ中盤から終盤までの9曲しか発掘されていないため、序盤から中盤にかけての"Brown Sugar""Bitch""Rocks Off""Gimme Shelter""Happy""Tumbling Dice"、本編ラストの"Street Fighting Man"、アンコールの"Uptight〜Satisfaction"の計8曲が未収録なのに加えて、 "Jumping Jack Flash"は曲の途中でフェードアウトしてしまうというもの。
この音源、アナログLP時代は"All Down The Line"から始まるタイプと、"Bye Bye Johnny"から始まるタイプという2種類の曲順がありましたが、Phoenix盤『Midnight Ramblers』は後者の"Bye Bye Johnny"から始まるタイプ。
このPhoenix盤収録の音源は、ミックテイラー側のチャンネルをモノラル化したもののため、曲中のキースの音量が著しく低かったりするというアンバランスな音だったのに対し、本作が収録しているのは、裏ジャケットに復刻元としてクレジットしているように"All Down The Line"から始まるアナログLP『Welcome To New York』(TMOQ-71080)からの左右に音が分離したステレオ音源。
こちらのステレオ音源の事典で挙げた代表盤は『Nasty Songs』(DAC-065)
『Nasty Songs』は、それまでのCDタイトルのいずれもがヒスノイズ除去により程度の差こそあれ微妙におかしかったのに対し、ヒスノイズをある程度残してでも余韻がおかしくならない様に処理して、音の自然さを強調したタイトルでしたが、本作も使っているマスター自体は『Nasty Songs』と同じで、全体の音量を少し抑え目にしているだけ。
ただ、曲順については『Nasty Songs』が曲をライブの演奏順に並べ替えていたのに対し、本作はアナログLP『Welcome To New York』に準じたランダムなもの。
またLP時代からあった"Midnight Rambler"11分37秒付近でのテープレコーダーの一時停止操作ミスによると思しき音切れも、ほとんどの既発CDタイトルはいずれも音を摘んでいて音飛びの様になっていましたが、『Nasty Songs』は基テープそのままの音切れ状態のまま収録。
それに対して本作は摘んで繋いではいるものの、きちんとテイラーのギターフレーズを活かした違和感のない繋ぎ処理としています。 |
02:57, Saturday, Mar 17, 2018 ¦ 固定リンク
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