The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Earl's Court 1976』(DAC)
earlsdac

May.22 1976 Earl's Court Arena,London,UK

『Earl's Court 1976』(DAC-045) 2CD

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

Mono Audience Recording
Quality:Good-Fair

(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Hey Negrita/6.Ain't Too Proud To Beg/
7.Fool To Cry/8.Hot Stuff/9.Star Star/10.You Gotta Move
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Happy/4.Tumblinhg Dice/5.Nothing From Nothing/6.Outa Space/7.Midnight Rambler/8.It's Only Rock'n Roll/
9.Brown Sugar/10.Jumping Jack Flash/11.Street Fighting Man/12.Sympathy For The Devil

アールズコート6連続公演の2日目の決定盤であった
『Down In The Court』(VGP-250)

earlsvgp

のグレードアップ的タイトル。
この公演は卓直結のステレオSBD音源が残されており『Earl's Court 1976』(RS-90-10876),『Earls Court 1976』(RSCD 076),『Live In London 1976』(SGRS-014),『Hot Stuff-Black & Blue Tour 1976』(LLR CD 090)、『Out Of The Court』(RSCDX 502/624 006-2)、『Order In The Court』(OCR 7601)といったタイトルでリリースされてきましたが、VGP盤はもっとも長くSBD音源を収録しており、音質も他に比べヒスノイズ多めながらすっきりとした音の上、SBD音源欠落部はAUD音源を補填して、一部のカットはあるものの一応全曲を聴くことが出来る様になっていました。

さて本DAC盤、メインとなるSBD音源の長さはVGP盤と同じで"Honky〜"の1コーラス目途中から"You Gotta Move"終了までと、
"You Can't〜"のイントロ途中から"JJF"の2コーラス目途中まで。

音の方は、ジェネレーションの若いテープを入手したようで、音のクリアーさは段違いに向上して一段と聴き易くはなっていますが、
ヒスノイズはVGP盤より減少しているもののまだ多め。

またVGP盤に比べ、DAC盤は左右の分離がかなり向上しており、ステレオ感が一段と増してはいますが、このステレオミックス、所謂オフィシャルの様なギターが左右に分かれている訳ではなく、右チャンネルにはキース・ロニーとオリーブラウン、左チャンネルにビリーの鍵盤、そして中央(時折左に寄りますが)にミック・チャーリー・ビルといったちょっと変わった振り分けになっている上、ロニーはかなり小さめにミックスされているのに対し、ビリーが大きめにミックスされているので、鍵盤がやや鬱陶しく感じることがあります。

なお、VGP盤にて初登場した"You Can't〜"にあった序盤2分程度のテープ劣化による波打ちは当然の如く無し。

続いてSBD音源の補填に使用されているAUD音源。VGP盤はホールエコーが強い分離の悪い遠めの音が使用されていましたが、今回のDAC盤も同じ音源を使用。

音質の方は、メインの音質に少しでも合わせようと、高域を上げ若干すっきりさせているので聴きやすくはなっていますが、分離の悪さはさして変わらず。

ただし、長さの方はDAC盤の方がかなり長くなっていて、まずはオープニング部分、VGP盤は"Honky〜"のイントロ寸前からのスタートでしたが、DAC盤はこの日のオープニングSEだった"Fanfare For The Common Man"を1分50秒も収録。また、"JJF"の中盤以降のライブ終盤は、VGP盤がアンコールの"Sympathy〜"の終盤ソロ途中の5分52秒でフェードアウトとなっているのに対し、DAC盤は10分少々あるこの曲を最後まで収録しており、曲が終った後にフェードアウトとなっています。

ちなみに、SBD音源のもう一つの欠落部分である"You Can't〜"のイントロ。
こちらはAUD音源もSBD音源同様にテープチェンジにあたって音源が無いのか、はたまたディスクの頭に音の悪い音源を持ってこない様に配慮したのか不明ですが、この部分には補填がされていない為、ライブ完全収録には至らず。
ただし、あくまでもイントロのほんの一部なので、気にならない程度ではありますが、
75-76ツアーでは前曲"You Gotta Move"から間髪入れずに、この曲が始まっているので、ここが欠けているのはやや残念。

とまあ色々書いてきましたが、なんだかんだ言ってもSBD部分が格段に向上していたり、アンコールの悪魔が完走していたりするので、本DAC盤がこの公演を収録したブートでは現時点でベストかなと。

by Hara ¦ 07:15, Thursday, Aug 31, 2006 ¦ 固定リンク

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