The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Exile On Main St.Outtakes』(SODD)
soddexileouttakes

『Exile On Main St.Outtakes』(SODD 069) 1CD

Compilations album of studio outtake

Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent

1.Get A Line On You/2.Good Time Woman/3.Shake Your Hips/4.Hillside Blues/5.Sweet Virginia/6.Bent Green Needles/7.Loving Cup/8.Ventilator Blues/9.I Ain't Signifying/10.Let It Loose/11.All Down The Line/12.Travelin'Man/13.Stop Breaking Down/14.Shine A Light/15.I'm Going Down

『Exile On Main Street』のアウトテイク集。

1曲目"Get A Line On You"は、レオン・ラッセルの1st『Leon Russell』の24金ディスク版(GZS-1049)で一度オフィシャル化されていた後に"Shine A Light"となる曲のリハーサルテイク。

leonrusselgold

そのレオンのクレジットではミックがヴォーカルで、リンゴ・スターがドラムとクレジットされていますが(他のメンバーは不明)、NicoのHPによると"キース以外のストーンズ4人+レオン"というラインナップだそう。たしかにドラムのフィルインを聴く限りでは、タムの使い方等、リンゴというよりはチャーリーそのものですので、Nicoの分析の方が正しいんでしょう。

8曲目"Ventilator Blues"は毎度お馴染み1972年ツアー中に行われたダラスでのリハーサルから。一応、ミキサーを通しての録音ですが、ミキサーダイレクトのミックのヴォーカル以外は、スタジオの何ヶ所かにマイクを立てているだけ。という訳で、アマチュアバンドが自分たちの練習を、スタジオ備え付けの録音機で録音しているのと同じような音につき、これをスタジオアウトテイクと称するには当然無理があります。同傾向の音としては1978年のウッドストックリハーサルもあり、これもよく『Some Girls』のアウトテイク集に入れられがちではありますが、せっかくのアウトテイク集に、こういった音が入ってくるのは個人的には大減点。

上記2曲以外は、本当の流出スタジオアウトテイクで、過去リリースされた同傾向のタイトルと比べても、音の編集技術が上がった分だけ、格段の音質向上が図られています。

また、この手の編集物にありがちな各曲の音質差に関しては、出来うる限りの均一化が図られています。ただし、"Hillside Blues"はちょっと音の輪郭が甘めだったり、"I Ain't Signifying""Stop Breaking Down""Shine A Light"といった曲あたりは、余韻が不自然だったり一部高域が耳に刺さったりと、如何にも加工しましたといった音になっていますが、これらは基音のジェネレーションが高かったことによるもの。

ちなみに、6曲目"Bent Green Needles"は"Sweet Black Angel"の初期インストテイクのことですが、この曲名クレジットでのブート化はおそらく初めてかも(少なくとも大御所VGPではありませんでしたね)。

なお、本作では"Good Time Woman"と"Shake Your Hips"が独立した曲として収録されていますが、実は"Shake Your Hips"の冒頭に"Good Time Woman"のフェードアウトしていく音が一部被っていることから、これら2曲をクロスフェード収録していたSister MorphineレーベルのCD-Rタイトル『I Gave You Diamonds.You Give Me Desease:The Exile Outtakes:』の単なるコピーという説もありますが、本作の"Shake Your Hips"の丁度1分辺りを聴くと分かりますが、ほんの一瞬音が変わるので、別音源を繋げているのが確認できます。

sistermorphineexileout

Sister Morphineの方は、この部分で音が変わる不自然さが無いので、基にしたテープは前述の"Good Time Woman"の最後が被っていることから同じなんでしょうけど、SODDが基にしたテープの方は、何故か"Shake Your Hips"に音欠けが生じていたものと推測されます。

ただ、この音源の代表盤である『Wingless Angels』(VGP-153)をはじめ、他の既発タイトルに関しても、この部分に関しては一瞬の音ブレらしきものがありますので、大元のテープ自体がそうなっていて、後は各メーカーの処理の差異かとも。

vgpwingang

前述のダラスリハーサル収録に続いて、この点に関しても、本作自体の全体的な出来は良いだけになんとも残念ではあります。

by Hara ¦ 23:46, Friday, Nov 28, 2008 ¦ 固定リンク

△ページのトップへ
 


最近の記事
『Perth 1973 Soundboard』(-)

『All Meat Music 1973』(Mayflo ..

『Roseland Ballroom 2002』(-)

『New York Junction』(DAC)

『The Rolling Stones Steel Whe ..

『Australian Tour 1966』(DAC)

・・・

『Palladium 1978』(-)

『Complete Lacerated』(-)

『Live...1978』(KING STREET)

過去ログ
2022年 5月
2022年 4月
2021年10月
2021年 9月
2021年 8月
2021年 5月
2020年10月
2020年 9月
2020年 8月
2020年 7月
2019年 4月
2019年 1月
2018年12月
2018年 5月
2018年 4月
2018年 3月
2018年 2月
2017年12月
2017年 9月
2017年 5月
2017年 4月
2017年 3月
2017年 2月
2016年10月
2016年 9月
2016年 7月
2016年 4月
2016年 3月
2016年 2月
2015年 6月
2015年 4月
2015年 2月
2015年 1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年 9月
2014年 8月
2013年10月
2013年 9月
2013年 8月
2013年 7月
2013年 3月
2013年 2月
2013年 1月
2012年12月
2012年 5月
2012年 2月
2012年 1月
2011年12月
2011年11月
2011年10月
2011年 8月
2011年 7月
2011年 6月
2011年 5月
2011年 2月
2011年 1月
2010年 7月
2010年 6月
2010年 4月
2010年 3月
2010年 2月
2010年 1月
2009年12月
2009年10月
2009年 9月
2008年12月
2008年11月
2008年 9月
2008年 7月
2008年 6月
2008年 5月
2008年 4月
2008年 2月
2008年 1月
2007年12月
2007年11月
2007年10月
2007年 9月
2007年 8月
2007年 7月
2007年 6月
2007年 5月
2007年 4月
2007年 3月
2007年 2月
2007年 1月
2006年12月
2006年11月
2006年10月
2006年 9月
2006年 8月

Links
ローリング・ストーンズ海賊盤事典
Bridges to the Stones

フリーソフトで作るブログ