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『Lucifer』(Mid Valley 460/461/462/463) 4CD
June.22 1975 Madison Square Garden,New York City,NY
Mono Audience Recording Quality:Excellent-Very Good(Disc-1&2) Quality:Excellent-Very Good(Disc-3&4)
(Disc-1&3) 1.Fanfale For The Common Man/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me/5.Get Off Of My Cloud/6.Star Star/7.Gimme Shelter/8.Ain't Too Proud To Beg/9.You Gotta Move/10.You Can't Always Get What You Want/11.Band Introductions/12.Happy/13.Tumbling Dice/14.It's Only Rock'n Roll/15.Doo Doo Doo Doo Doo (Disc-2&4) 1.Fingerprint File/2.Angie/3.Wild Horses/4.That's Life/5.Outa Space/6.Brown Sugar/7.Midnight Rambler/8.Rip This Joint/9.Street Fighting Man/10.Jumping Jack Flash/11.Sympathy For The Devil
ジャケットに星がいっぱい散りばめられている特徴的なデザインであることから、Haalcyonレーベルかと思いきや、本作はなんとMid Valleyからのリリース。
とはいえ、中に封入されているポストカードらしきものには、Halcyonとクレジットされていたりと、制作側の混乱も見受けられたりはしますが・・・。
さて本作は、アンコール"Sympathy For The Devil"でクラプトンが飛び入りしたMSG6日連続公演初日を、これまでブート化されてきた2種類の音源をそれぞれ全曲収録した4枚組。
まず「Source Lucifer」と名付けられたDisc-1&2は、2種の音源の内、後からブート化された方の音源。
全曲収録はもちろんのこと、従来音源では聴くことが出来なかった、終演後の客出し場内BGMまで収録されています。
音の方は、従来音源同様に遠目からの録音ですが、高域の抜けが良いことから、全体的にすっきりとした印象を受けるのと、こちらも周りの観客比較的静かな為、たとえ演奏を大きく拾っていなくとも、さほど距離感を感じず聴くことが出来るのが特徴。
ただし、従来音源に比べると、ギターが奥に引っ込んでしまっており、"You Can't Always Get What You Want""Happy""Tumbling Dice"辺りでは、ギターより前面に出たビリーのオルガンが新鮮な反面、鬱陶しく感じてしまうのが玉にキズ。
この音源を収録した代表タイトルは、『Sympathy For Slowhand』(DAC-075)
このDAC盤と本作を比較すると・・・。
音質に関して、DAC盤は高域をシンバル類の抜けが自然な感じにし、中低域に厚みを持たせた音作りになっているのに対し、本作は高域はDAC盤に似たような質感ですが、中低域の増強がないことから、比較すると音が薄い印象を受けます。
ピッチは問題無し。
続いて3ヶ所ある、この音源の欠落部分の補填に関して。
まずは、"You Gotta Move"での、曲が一旦終わってピアノ・リフレイン部分に移る部分。ここでミックが発する「You Gotta Move」というつぶやきとピアノ・リフレイン部分での歌い出し3音がカットされており、双方共もう片方のソースにて補填。
DAC盤は定位を合わせ、ヒスノイズも同程度に調整して、切り替わりがほとんど分からない見事な補填を施しているのに対し、本作も音の繋ぎ自体はうまいのですが、オープニングから"You Gotta Move"の切れるところまでの定位が若干右寄りな為、音源が切り替わった際に定位が変わってしまってます。ただし、元音源に戻った後の定位は中央で合っているので、戻る際の定位の違和感は無し。また、補填ソースのヒスノイズがメインよりも若干多め。
続いて"Brown Sugar"、こちらはイントロの最初の1フレーズが丸々と2フレーズ目の最初の1音がほんのわずかに欠けていましたが、DAC盤は、繋ぎ部分をスムーズに聴かせるべく、2フレーズ目で入るチャーリーのフィルから音源を切り替えているのに対し、本作はチャーリーのフィルの少し前からクロスフェードしていますが、双方とも違和感なし。
そして"Midnight Rambler"終了直後のミックのファルセットでの叫び声。DAC盤は元々なかったかのような繋ぎ処理を施しているのに対し、本作はファルセットの叫び声とそれに続く「Alright!」の叫び声の1回目を別音源にて補填しており、これに関してはDAC盤に対してアドバンテージかと。
続いてDisc-3&4は「Source Devil」と銘打たれた、先にブート化された方の音源。
質感としてはディスク1&2の音源に近いのですが、こちらの音源の方がベースラインがはっきりと聞こえる箇所もあったりするのが特徴。
本作では「Source Devil」と称するくらいで、この音源自体はMVも既に『Devil』(Mid Valley 057/058)でリリース済。
ただしこの『Devil』イコライジング過多による高域キツ目で低音不足な 音作りの上、ヒスノイズも多くなってしまっています。また、"You Can't Always Get What You Want"の7分過ぎにはカットがあり、その部分の処理に関しては、本来のそことは異なる違う部分をつなぎ合わせて、 曲のサイズを合わせているという困りもののタイトルでした。
この音源の代表タイトルは、事典で挙げたVGPの『Eric Clapton & His Rolling Stones』(VGP-315)
このVGP盤と本作を比較すると、音質は入力レベルが違うだけでほぼ同等、ピッチもほぼ同じ。
本作は、さすが後発だけのことはあり、VGP盤では"Doo Doo Doo Doo Doo"のイントロ前に、テープチェンジによるカットがあった関係で、一部ミックのMCが聞けませんでしたが、本作はその部分にもう片方の音源を補填しています。ただし、その補填した音源の定位が右寄りになっており、 聴いていると如何にも補填しましたという感じになっているのはちょっと残念。
更にどういう訳か、曲が終わった直後からディスク1終了までの間にも、もう片方の音源を補填しているのは意味不明。VGP盤のその部分も特にカットがある訳でもないので、何故にそこで別音源を補填しちゃうのかは理解不能。
また、"JJF"終了後から、アンコール"Sympathy For The Devil"までの間の歓声も、VGP盤はテープチェンジと思しきカットがありますが、ここでも本作はもう片方の音源を補填して時間を合わせています。まあこの繋ぎに関しては、あくまで拘る人はっていうレベル。
そしてアンコール"Sympathy For The Devil"終了後も、VGP盤は客出し用場内BGMが鳴り出す前にフェードアウトとなっていますが、本作は曲終了直後から別音源を繋いで、こちらのディスクでも終演後の客出し場内BGMまで聴けるようにしています。
したがってこの部分に関しては、VGP盤の方が長く収録されていると言えますが、単なる歓声とシールドの接触不良によるノイズが若干鳴るだけの部分につき、ここもあくまで拘る人にはって感じかなと。
なお、本作には前述のポストカードらしき物に加え、ツアープログラムのミニチュアまでオマケで付いているのですが、これが残念なことに微妙に数ミリ大きい為、プラケースの中に収まらないという、相変わらずの詰めの甘さ。
もし、それが意図するサイズなんだとしたら、それはそれでミニチュアにする意味があまり無い様な気もするのですが・・・。 |
by Hara ¦ 01:59, Wednesday, Oct 14, 2009 ¦ 固定リンク
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