『Another Still Life』(-) 2CD
***Compilations album of "US Tour 1981" Broadcast Recordings Nov.25 1981 Rosemont Horizon,Des Plaines,IL (Disc-1 Track8) Dec.1 1981 Silverdome,Pontiac Michigan (Disc-1 Track1〜7,10,11,16) Dec.5 1981 Superdome,New Orleans,LA (Disc-1 Track9) Dec.9 1981 Capital Arena,Largo,MD (Disc-1 Track11,14,15 Disc-2 All Tracks) Dec.13 1981 Sun Devil Stadium,Phoenix,AZ (Disc-1 Track12) Dec.18 1981 Hampton Coliseum,Hampton Roads,VA (Disc-1 Track13)
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(Disc-1) 1.Take The A Train〜Under My Thumb/2.Shatterd/3.Black Limousine/4.Twenty Flight Rock/5.Going To A Go Go/6.Time Is On My Side/7.Waiting On A Friend/8.Beast Of Burden/9.Let It Bleed/10.You Can't Always Get What You Want/11.Band Introductions/12.Hang Fire/13.Miss You/14.Brown Sugar/15.Start Me Up/16.Jumping Jack Flash (Disc-2) 1.Twenty Flight Rock/2.Going To A Go Go/3.You Can't Always Get What You Want/4.Band Introductions/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction
そのタイトル名からも推測出来るように、1981年USツアーのラジオショー音源をメインとした、裏『Still Life』的なステレオサウンドボード音源集。
まずは、散らばり気味な1981年USツアーのラジオショーに関してまとめてみますと。
1981年USツアーのラジオショーは大きく2つに大別出来ます。
最初の1つは、1982年8月16日放送の「Super Groups」のストーンズ2時間スペシャル。この放送では下記の21曲が放送(A列車と星条旗も各々1曲とカウント)。
1.Take The A Train(12/9)/2.Under My Thumb(11/5)/3.Beast Of Burden(11/25)/4.Let's Spend The Night Together(12/18)/5.Shatterd(12/18)/6.Black Limousine(12/1)/7.Twenty Flight Rock(12/9)/8.Going To A Go Go(12/9)/9.You Can't Always Get What You Want(12/1)/10.Band Introductions(12/1)/11.Let Me Go(12/8)/12.Time Is On My Side(12/18)/13.Let It Bleed(12.5)/14.Just My Imagination(12/18)/15.She's So Cold(12/9)/16.Hang Fire(12/13)/17.Miss You(12/18)/18.Start Me Up(11/25)/19.Jumping Jack Flash(12/1)/20.Satisfaction(12/13)/21.Star Spangled Banner(12/1)
この放送、当時のニューアルバム『Still Life』と重複する曲(2,4,5,7,8,11,12,14,18,20)に関しては、全てアルバム用にオーヴァーダブやミックスを施されたテイク、つまりアルバムと同じ音が使用されていましたが、当時はアルバム発売から2ヶ月半しか経ってないこともあってだったのか、これら重複曲に関しては全てピッチが早められるという、非常に違和感を感じる編集となっていました。
これら重複曲のピッチ問題は、残念ながらKBFH等、以後の再放送でも修正はされず。
この放送に関しては、VGPの『Ride Like The Wind』(VGP-290)が、ラジオショーディスクからストレートに落としている為、途中で差し込まれるインタビュー等含めて、最高の音質にて放送を丸ごと聴くことが出来ます。
続いてもう片方の放送が、1983年3月19日の「Super Groups In Concert」。 この番組では以下の23曲を放送。
1.Take The A Train(12/1)/2.Under My Thumb(12/1)/3.Let's Spend The Night Together(12/18)/4.Shatterd(12/1)/5.Twenty Flight Rock(12/1)/6.Going To A Go Go(12/1)/7.Time Is On My Side(12/1)/8.Waiting On A Friend(12/1)/9.Beast Of Burden(11/25)/10.Black Limousine(12/1)/11.Let It Bleed(12/5)/12.You Can't Always Get What You Want(12/9)/13.Band Introductions(12/9)/14.Tumbling Dice(7/6 '78)/15.She's So Cold(12/9)/16.Hang Fire(12/13)/17.Miss You(12/18)/18.Honky Tonk Women(7/19 '78)/19.Brown Sugar(12/9)/20.Start Me Up(12/9)/21.Jumping Jack Flash(7/19 '78)/22.Satisfaction(12/13)/23.Star Spangled Banner(12/9)
前年放送と比べ、『Still Life』重複曲に関しては、大半が別のテイクに差しかえられている為、裏『Still Life』的な放送となっていますが、どういう訳か1978年ツアーの音源(14,18,21)が含まれているのが玉にキズ。
また、『Still Life』と重複している2曲(3,22)に関しては、この放送もピッチは早いままですが、"Let's Spend The Night Together"は、何故か曲の最後のサビを4小節程強引にカットした意味不明のエディットバージョン。
この放送に関しても、VGPが『On Top Of Old Smokey』(VGP-280)で、ラジオショーディスクを丸ごとCD化しています。
参考までに、他の代表的な81年ラジオ放送収録盤にも触れておきますと
『Time Is On Our Side』(TSP-CD-018=VGP-038)
アナログ時代のTSP名盤の複刻という形を取ってはいますが、VGPの製作の1CD。1982年放送分から一部の曲及び曲間のインタビュー等をカットしたダイジェスト盤。
1982年の放送から、1,2,3,4,6,7,8,9,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20を収録。
残念ながら『Still Life』重複曲のピッチは、修正されずに早いまま。
ちなみに、この『Time Is On Our Side』は2つのバージョンがあり、ディスクのレーベル面が黒で「For Members Only Not For Sale Vol.038」と表記されているものは、ジャケ未掲載ながら"Miss You"が収録されています。
また、イントロにアナウンスが被る"Jumping Jack Flash"に関しては、アナウンスの収録を嫌ってか、フェードイン処理が施されています。
続いては1983年放送分のダイジェスト1CD 『Mission Direct Hits』(VGP-247)
1983年の放送から、2,3,4,5,6,9,10,11,12,15,16,17,18,19,20,22を収録。
基本的にはアナログ時代の同名タイトル複刻という形をとってはいますが、アナログには入ってなかった"Brown Sugar"を収録する代わりに、アナログに入っていた"Jumping Jack Flash"が未収録。とはいっても"Jumping Jack Flash"は1978年のテイクだから、この処理は正解な訳ですが。ところがこのタイトル、肝心の12月1日の"Time Is On My Side"と"Waiting On A Friend"が未収録な上、1978年の"Honky Tonk Women"が収録されてしまっているという、やや片手落ちなところも。
こちらも『Still Life』重複曲のピッチは、修正されずに早いままで、"Let's Spend The Night Together"は前述のエディットバージョン。
もう一つ1983年放送分のダイジェスト1CD 『On Top Of Old Smokey』(AT-81)
こちらもアナログ時代の代表的タイトルをストレートにCD化しており、1983年の放送から、4,5,6,7,8,11,12,13,14,15,18,19,20,21,22を収録。
何故か"Honky Tonk Women"〜"Brown Sugar"が冒頭に移されているという不可思議な曲の並びもですが、これまた1978年のテイクが含まれているのに、肝心の12月1日"Take The A Train"と"Under My Thumb"が未収録という、こちらも片手落ちなタイトル。
といった具合で、これまで1981年のUSツアーラジオショー音源収録盤に関しては、何らかの不具合があった訳ですが、本作はというと。
ディスク1丸々とディスク2のトラック5までが、ラジオショー音源にあたり、これまで様々なタイトルに散らばっていた音源が、ここで初めてまとまっての収録。
『Still Life』と重複する曲は後述する曲を除いてカット。重複しない方の曲としては、12月9日の"Take The A Train"と、番組のエンディングでアナウンサーがクレジットを読み上げる際のBGMとして使用されていた、いずれも不完全収録の12月1日と12月9日各々の"Star Spangled Banner"という、基本的にストーンズの演奏ではないの3曲を除いた全てを本作は収録。
音質の方はというと、VGP『On Top Of Old Smokey』に匹敵する高音質。
たとえテイクが違えども同じ曲を同じディスクには収録していないことや、各ディスクの曲順をおおよそライブの曲順に合わせている為、各ディスク単体で楽しむことが出来るのもポイント高し。
これまでアナウンスが被っていたが為に、イントロをカットしたタイトルが多かった"Jumping Jack Flash"に関しては、イントロをアナウンスごとノーカット収録。
なお、前述した通り、『Still Life』と重複するテイクに関しては、『Another Still Life』というタイトル通りのコンセプトだったのか、基本的に外してあるようですが、ディスク2を12月9日のラーゴ公演で固める為に、"Twenty Flight Rock"と"Going To A Go Go"だけは『Still Life』との重複テイクをピッチ修正して収録されています。
ちなみに、前述した12月9日の未収録分"Take The A Train"については、『Capital Connection Vol.3』(DAC-038)で同日のモノラルサウンドボード音源が発掘されているので、この音源に繋げて収録というのも可能だったのでしょうが、あくまでもラジオショー関連のステレオ音源を収録という点に拘ったのかなと。
その12月9日の"Take The A Train"。1982年の放送では、この"Take The A Train"とバンドコールに被って、キースの"Under My Thumb"のイントロフレーズが3小節程進むのですが、唐突に『Still Life』と同じ11月5日のテイクにイントロ頭から切り替わるという、何とも不自然な編集だったのでした。
また、前述した12月9日の"Star Spangled Banner"。こちらもCM明けアナウンスのBGMだったことに加えて不完全収録につき、これを"Satisfaction"の後に繋げても、逆に中途半端な印象となりそうなので、未収としたのは妥当なところか。
そして、ディスク2の"Hang Fire"からラスト"Satisfaction"までは「Wolfgang's Vault」で公開された12月9日のラジオショーのアウトテイク音源。
"Hang Fire"以降という中途半端さが災いしてか、プレスブートとしては本作が初。シンバル類に時折、圧縮音源特有の音ユレが確認出来ますが、それを除けば音質は最高。
なお、"Brown Sugar"と"Start Me Up"はディスク1と重複していますが、基本的にミックスもほぼ同じ。違いといえば、前述のシンバル類の音ユレと、聴感状の音の太さの差程度ですが、ラジオショーだと歓声に埋もれがちに始まる"Brown Sugar"は、若干ながらこちらの方が曲始めがくっきりとした印象を受けます。
といった感じで、とりあえず本作は、これまで中途半端なものしかなかった1981年USツアーのラジオショー音源収録盤としては、集大成的な位置づけのタイトルかなと。
なお、本作は当初、ディスク1の"Take The A Train〜Under My Thumb"と"Shatterd"が誤植で逆にクレジットされた物が出回ったようですが、現在はそのクレジットも修正されているようです。
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