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『Broadway』(DAC-092) 3CD
Nov.27 1969 Madison Square Garden,New York City,NY (Disc-1,Disc-3 Track2)
Nov.28 1969(1st) Madison Square Garden,New York City,NY (Disc-3 Track3,4,7,9,10,11)
Nov.28 1969(2nd) Madison Square Garden,New York City,NY (Disc-2,Disc-3 Track6,8)
Nov.26 1969 Civic Center,Baltimore,MD (Disc-3 Track5)
(Disc-1) Mono Audience Recording Quality:Excellent
(Disc-2) Mono Audience Recording Quality:Very Good
(Disc-3) Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(Disc-1) 1.Jumpin' Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil/4.Stray Cat Blues/5.Love In Vain/6.Prodigal Son/7.You Gotta Move/8.Under My Thumb - I'm Free/9.Midnight Rambler/10.Live With Me/11.Little Queenie/12.Satisfaction/13.Honky Tonk Women/14.Street Fighting Man
(Disc-2) 1.Jumpin' Jack Flash/2.Carol/3.Sympathy For The Devil/4.Stray Cat Blues/5.Love In Vain/6.Prodigal Son/7.You Gotta Move/8.Under My Thumb/9.Midnight Rambler/10.Live With Me/11.Little Queenie/12.Satisfaction/13.Honky Tonk Women/14.Street Fighting Man
(Disc-3) 1.Opening/2.Jumpin' Jack Flash(11/27)/3.Carol(11/28 1st)/4.Stray Cat Blues(11/28 1st)/5.Love In Vain(11/26)/6.Midnight Rambler(11/28 2nd)/7.Sympathy For The Devil(11/28 1st)/8.Live With Me(11/28 2nd)/9.Little Queenie(11/28 1st)/10.Honky Tonk Women(11/28 1st)/11.Street Fighting Man(11/28 1st)
ディスク1は、MSG初日にあたる11月27日公演。
この公演の音源は1種類ですが、やや距離感はあるものの演奏がはっきりと捉えられている上、不快に感じる歓声や手拍子の類がなく音もクリアーという、1969年のオーディエンス録音としては、トップクラスの音源。
さすがに名音源だけあって、VGPも3度この音源をリリースしていますが、事典で挙げた『Stoned-M.S.G.1969』(VGP-018)のリマスター(レーベルが黒の方)、もしくは気持ち音の印象が変わるかな程度の違いとなっている『It's No Hangin Matter』(VGP-096)あたりが既発の代表盤。
今回のDAC盤の音の印象としては、『It's No Hangin Matter』の低音が響く部分を若干すっきりさせている『Stoned-M.S.G.1969』リマスターの中域を気持ち下げて、ややマイルドさを出した感じ。
音の違い自体は若干ですが、他の部分での既発との違いは幾つかあります。
まず、既発タイトル全てにあった"Sympathy For The Devil"6分過ぎの音ブレに関して、DAC盤は見事に解消。
続いて2箇所あったテープチェンジ部分の編集に関して。
まず最初のテープチェンジは、"Love In Vain"最後の1音の余韻部分で一旦切れて、テープを入れ替えた直後の始まりは"Prodigal Son"曲前の試し弾き直前の男性の叫び声から。
VGP盤はいずれも"Love In Vain"終了後に、"Satisfaction"終了後の歓声(今回のDAC盤のタイムでいえば5分17秒から5分21秒)を繋げ、"Prodigal Son"曲前の男性の叫び声からクロスフェードさせてますが、DAC盤は同じく"Satisfaction"終了後の歓声を繋いではいるものの、"Prodigal Son"曲前の男性の叫び声をカットし、"Prodigal Son"の試し弾きストロークから繋いでいる為、VGP盤より繋ぎがより自然な感じとなっています。
という訳で、DAC盤がカットした男性の叫び声にあたる1秒程、VGP盤の方が長いということになりますので、既発にもまだまだアドバンテージがあるということに(そこまで拘る人はそうそういないでしょうけど)。
もう一つは"Midnight Rambler"終了直後のテープチェンジ。
ここでは最後の余韻部分に、ミックの「Arlight」というかけ声が入っていますが、『It's No Hangin Matter』及び『Stoned-M.S.G.1969』のリマスターは、フェードアウトを若干早めにしている為、「Arlight」がかすかに聞こえる程度となっていましたが、今回のDAC盤はフェードアウトタイミングを遅らせていることにより、はっきりと聞こえるようになっています。
ディスク2は、同じくMSGの11月28日2ndショー。
既発タイトルはIMPの『Live In New York 1969』(IMP-CD 036-37)。
音自体は、中域が若干割れ気味ながら演奏を大きく拾った録音で、"JJF"や"Love In Vain""Prodigal Son"で観客の話し声や怒号を拾っているものの、総じて不快な歓声・手拍子の類がほとんど無いという良好音源なんですが、"You Gotta Move"以降、ピッチが不安定になるという難点があった為、これまでIMP盤のみのリリースとなっていました。
今回のDAC盤ですが、この音源最大の難点であったピッチの不安定さに関しては、曲中で何度もピッチが変わる"You Gotta Move""Under My Thumb""Midnight Rambler"の3曲は、まだ若干のピッチのユレが残っているものの、かなりの改善が。また、IMP盤ではかなりピッチが早くなっていた"Live With Me"以降に関しては、当然の如く正確に修正されており、IMP盤に比べると格段の聴きやすさとなっています。
また、音質の方もIMP盤に比べると、IMP盤では耳につくこともあった中域を引っ込めてマイルドな感じの音に仕上げて聴きやすくしています。ただ、全体的におとなしめの印象となってしまっているので、もう少し音を明るい感じにしても良かったかも。
ディスク3は、オフィシャル『Get Yer Ya-Ya's Out!』のラフミックスを収めた通称"Apple Acetate"音源。
この音源に関しては、既発より状態の良いアセテート盤から落とした『Get Yer Alternate Ya-Ya's Out 1969』(IMP-N-020)が既発では、もっとも聴きやすかったタイトル。
本作は、既発にあったスクラッチノイズをほぼ完全に除去。今までスクラッチノイズが気になっていた人は、ストレスなく聴くことが出来るようになっています。
ただし、PAのバリノイズを消した1975年ツアー初日収録盤『Somewhere Over The Rainbow』(DAC-085)、マスターDATのデジタルノイズを消した2006年シュトッツガルト公演収録盤『The Bigger Bang In Stuttgart』(DAC-074)同様に、ノイズを除去した弊害として、全体的に音が引っ込んだ印象となってしまっているので、除去後の音補正をして音にメリハリをつければ文句なしだったんですが、これは残念なところ。
残念なところといえば、もう一点不可解なのが、IMP盤はギターの位置が左右逆だった"Stray Cat Blues""Love In Vain""Sympathy For The Devil"の3曲を、ボーナストラックとして左右反転したものをあらためて収録していましたが、本作は何故か"Stray Cat Blues"のみを左右反転して本編に収録。3曲ともなら分かるのですが、イマイチ中途半端な感が否めません。
スクラッチほぼ完全除去という素晴らしい処理を行っているだけに、次回あるかどうかは不明ですが、もしこの音源を再度リリースの際は、前述の音のメリハリ処理やチャンネル修正含めて、きちんとしたものにしてもらいたいものです。 |
by Hara ¦ 13:27, Saturday, Jan 23, 2010 ¦ 固定リンク
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