The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Goin' Back To The Roots』(DAC)
dacgoingbacktotheroots

『Goin' Back To The Roots』(DAC-102) 2CD

(Disc-1)
Coliseum,Charote,NC July.6 1972

Stereo Audience Recording
Quality:Excellent

1.Bitch/2.Rocks Off/3.Gimme Shelter/4.Happy/5.Tumbling Dice/6.Love In Vain/7.Sweet Virginia/8.You Can't Always Get What You Want/9.All Down The Line/10.Midnight Rambler/11.Band Introduction/12.Bye Bye Johnny/13.Rip This Joint/14.Jumping Jack Flash/15.Street Fighting Man

(Disc-2)
The Scope,Norfolk,VA July.5 1972

Mono Audience Recording
Quality:Very Good

1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Love In Vain/8.Sweet Virginia/9.You Can't Always Get What You Want/10.All Down The Line/11.Midnight Rambler/12.Band Introductions/13.Bye Bye Johnny/14.Rip This Joint/15.Jumping Jack Flash/16.Street Fighting Man/17.Outro

ディスク1はアナログ時代からブート化されている、1972年ツアーのオーディエンス録音でも屈指の名音源であるシャーロット公演。

ややドラムが引っ込み気味なものの演奏を大きく拾っており、マイルドな高域と若干歪み気味の低音が程良い迫力を醸し出している好録音。

幾つもブート化されてきた、この音源の代表的なタイトルといえば、VGP『Drippin' Honey』(VGP-294)やSODD『Going Back To 1972』(SODD 054)

vgpdriphoney1
soddgoingback721

本作は、これら2タイトルよりも中低域に一段と厚みを持たせて、聴感上の迫力を増強しています。

今回も既発欠落部分の新たな発掘はならず、"Bitch"がギターソロのすこし前から、"Midnight Rambler"は1コーラス目の途中からの収録というのは相変わらずですが、定位が左に寄っていた"Sweet Virginia"、逆に右に寄っていた"Bye Bye Johnny"をきちんと中央に修正しているのはさすが。

ディスク2は、前日のノーフォーク公演。
この公演は2種類の音源がブート化されていますが、本作は『Going Back To The Roots』(Wizard Rekords VGP-062)や、そのVGP盤に比べると一部長く収録している部分はあるものの、ピッチが遅く音質も劣ってしまっている『Drive Me Crackers』(RSBB-1001)でブート化されていた方の音源。

vgpgoingbacktotheroots
drivemecrackers

キースのギターがやたらと大きく捉えられており、バランスとしては若干悪いものの、耳につく手拍子や歓声の類をほとんど拾っていないことから、比較的聴きやすい部類の良好録音。

全曲収録ではありますが、"You Can't Always Get What You Want"の冒頭に、テープチェンジが原因と思しきカットあり。このカット部分、既発タイトルが1コーラス目の途中からの収録だったのに対し、本作はイントロにホーンが入った直後からの収録となっています。

また、既発タイトルではそれ以外にもカットが2箇所あり、"You Can't Always Get What You Want"ではギターソロの途中数秒。『Drive Me Crackers』はそのままでしたが、VGP盤は更に一部カットして、それなりにうまく繋げてはいるものの、聴けばやはり分かってしまってます。

本作はノーカットで収録していますが、そのカットされていた部分はヒスノイズが増えていますので、基音源のレベルが低かったのを持ち上げたか、補填を施したようです。

もう一つのカットはその前々曲"Love In Vain"の1コーラス目。
『Drive Me Crackers』では、1番の歌詞でいう1回目「followerd」途中から2回目の「in my hand」を歌いきった後のアルペジオまでがカットされており、突然音飛びを起こしたように聞こえますが、VGP盤は1コーラス丸々カットしてイントロ直後から2番が始まるという構成。

では、本作はというと、イントロ前の曲間から2回目の「in my hand」を歌いきった後のアルペジオまで、音源自体は同じながらジェネレーションの高い音を補填していますが、残念なことに音質がかなり劣化している上、こちらの音は終始チリチリといったノイズが漂ってしまっています。

更にはその歌い出し直後から、マイクの向きを調整しようとしたのかマイクに触れるゴソゴソという音は入っているは、近くの客は歌詞でいうスーツケースの部分をフライングして言い出してしまっているは等散々な状況になっていることから、既発タイトルがこの部分をカットしていた意味が分かったような気はします。

ただ本作の場合、せっかくいい音で残っていたイントロまで劣化した音源に差し替えてしまっているので、補填を必要最低限に留めれば尚良かったのにと、この点はホントに残念。

ちなみにこの公演での"All Down The Line"のエンディング。ホーンだけが曲を早々と終わらせてしまい、ミスに気づいて何とかつじつまを合わせているように聞こえますが、実はディスク1の翌日公演でもこの曲で同じミスをホーン隊がしでかしています。曲終了の合図はキースが出しているはずですが、この曲の終盤になるとキース自体が紛らわしいアクションでもしていたのか何とも不思議。

by Hara ¦ 07:05, Friday, Jan 07, 2011 ¦ 固定リンク

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