The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Think You Like It』(DAC)
dacthinkyoulikeit

『Think You Like It』(DAC-109) 1CD

Studio Outtakes 1982-83

Track1,2,4-6,9-12
Nov.11-Dec.17 1982 Pathe Marconi Studios,Boulogne Billancourt,France

Track3,7,8
Early May-May.9 1983 The Hit Factory,New York,USA
Early June 1983 Compass Point Studios,Nassau Bahamas

Stereo Soundboard Recordings
Quality:Excellent - Very Good

1.I Think I'm Going Mad(III)/2.In Your Hand/3.Undercover Of The Night(I)/4.Still In Love(V)/5.It Must Be Hell(I)/6.Wanna Hold You(II)/7.Undercover Of The Night(II)/8.Undercover Of The Night(III)/9.Pretty Beat Up(II)/10.Crazy Arms/11.Too Much Blood(II)/12.Still In Love(IV)

DACによるアウトテイク収録のアナログ複刻シリーズ。本作は3作連続リリースとなる『Undercover Of The Night』アウトテイク集の第1弾。

本作に収録されている音源で代表的なタイトルは下記の2つ。

まずは、本作の複刻基となった同名アナログ
『Think You Like It(Undercover Outtakes)』(September Songs One/Two)。

本作の冒頭9曲が、このアナログ収録曲に該当。音質はクリアーなものの低域不足の軽めな音で、ヒスノイズ多め。加えて左右チャンネルが逆で、ピッチは早め。基テープの劣化による片チャンネルのくぐもりや音量のダウンもあり。

lpthinkyoulikeit

続いてはCD時代になってからリリースされた
Rogueの『Under Cover Outtakes』(RG-02)
こちらは、アナログ起こしではなくテープから作成されてますが、ヒスノイズの多いコモった音に加え、ピッチ遅め。

12曲目"Wanna Hold You"と13曲目Too Much Bloodは、オフィシャル音源をスピーカーからマイクで拾ったと思しき音で、アウトテイクではありません。

undercoverouttakes

さて本作ですが、高域のクリアーさはアナログ盤と概ね同等で、低域を持ち上げ音に厚みを持たせるという、一連のアウトテイク集同様の音造り。

ヒスノイズはアナログやRogue盤程ではありませんが、やや多め。アナログにあった片チャンネルのくぐもりや音量のダウンに関しては、本作では最小限に抑えられていることに加え、アナログでは逆だったチャンネルも当然の如く修正されています。また、アナログやRogue盤でブツ切れで終わっていた曲に関しては、そこを終点としてフェードアウト処理を施しています。

キースのヴォーカルテイク"I Think I'm Going Mad(III)"は、アナログでは曲頭が切れていましたが、本作はRogue盤同様に曲前からの収録。

"In Your Hand"は、アナログでは"Untitled Vocal Song"、Rogue盤では"Untitled"と表記されていた曲。本作ではNicoのHPに載っていたこの曲名がクレジットされています。アナログでは曲前のカウントが「Three Four One」でしたが、本作では「One Two Three Four One」とフルにカウントを聞くことができます。

"Still In Love(V)"は、アナログより演奏を56秒程長く収録。この後奏の長さに関してはRogue盤と同様ですが、このRogue盤には曲前にスタジオチャットとピアノの音が収録されていたのに対し、本作は残念ながらアナログ同様にイントロからの収録。したがって、この曲の曲前部分が聴けるのはRogue盤のみとなります。

"It Must Be Hell(I)"の終わりはアナログ盤と同様の長さの為、Rogue盤の方が5小節程長く収録。

"Wanna Hold You(II)"が途中からなのは全盤共通。

"Pretty Beat Up(II)"は、アナログ盤では聴けなかった曲前でのギターの指慣らし音を収録していますが、これはRogue盤同様。

最後の"Still In Love(IV)"はアナログ盤、Rogue盤未収録曲で、LP『Learning The Game』(BRIG 011)やCD『Learning The Game』(RM 002)では"Ralph's Tune"と表記されていた曲。

lplearningthegame

learningthegame

CD『Learning The Game』はチャンネルが逆で定位左寄りとなってますが、本作はLP『Learning The Game』同様に定位右寄り。音質に関しては、コモっていたCD『Learning The Game』よりは良いですが、LP『Learning The Game』よりも基テープのジェネレーションが高かったようで、アナログ盤のすっきりした音に比べてやや荒めの音となっています。

by Hara ¦ 13:07, Sunday, Oct 16, 2011 ¦ 固定リンク

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