|
『L.A.69』(DAC-120) 1CD
Nov.8 1969 Inglewood Forum,Los Angels,CA (2nd show)
Mono Audience Recording Quality:Very Good
(※)Track-17 Feb.10-Mar.31 1969 Olympic studios,London,UK
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
1.Sam Cutler Introduction/2.Jumping Jack Flash/3.Carol/4.Sympathy For The Devil/5.Stray Cat Blues/6.Prodigal Son/7.You Gotta Move/8.Love In Vain/9.I'm Free/10.Under My Thumb/11.Midnight Rambler/12.Live With Me/13.Little Queenie/14.Satisfaction/15.Honky Tonk Women/16.Street Fighting Man/17.Sister Morphine
DACによるOBR複刻シリーズである本作は、1969年ツアー2日目で3公演目にあたるLA公演の2ndショー全曲収録盤。
この公演から当時の未発表曲"You Gotta Move"がセットリストに追加され、また1stショーでは演奏されなかった"Under My Thumb"も入り、残念ながら初日演奏した"Gimme Shelter"は外れているものの、3公演目にして1969年ツアーでは最長の全15曲となっています。
この公演の音源はこれまで2種ブート化されており、まず1つはSonic Zoom『Born In The Crossfire Hurricane』(SZ 1002)のみでブート化されている音源。(レビュー当初、この盤の存在をすっかり忘れてました。私信Thanks atsu-y氏)
ヒスノイズはそこそこあるものの、演奏を大きく捉えた好録音。『Liver'Than You'll Ever Be』や『San Diego 69』と同じ人による録音という説もあり、たしかに"JJF"では歌い出し前から1コーラス目にかけて前述の2タイトル同様にヴォリューム調整による音量の上げ下げがあったりします。一応全曲収録ではありますが、テープチェンジにより"Live With Me"の最初のサビまで欠落あり。また"I'm Free"の前のMCにもカットあり。
そしてもう1つが本作の基となったOBRアナログ『L.A.69-Nov.8,-2nd show』(OBR 305 018)に収録されていた音源。
OBR盤も全曲収録だったものの、1LP+1EPの変則形態でのリリースだった為、"Midnight Rambler"がEPのSide Oneに収録されており(Side Twoは、本作ラストにも収録されている"Sister Morphine"のアウトテイク)、アナログでライブ全曲通して聴こうと思うと、Side B(LPはAB表記で、EPはOneTwo表記)の"Under My Thumb"まで聴いたらEPに切り替えて"Midnight Rambler"を聴いた後、またLPに戻るというなんとも面倒くさい代物でした。
CDでもこのOBR盤と同じ音源で幾つかリリースされていましたが、いずれも何故かオープニングの"JJF"が未収録で、唯一全曲収録だったのは11月15日イリノイ公演とのカップリング盤のVGP『Cocaine On A Dentist Chair』(VGP-068)のみ。
こちらは全曲曲順通り並んでいるのは当然のこと、OBR盤では左側に寄り気味だった定位もきっちり修正されている上、"JJF"2コーラス目のサビが終わった後の2回目のBストロークで、テープダビング時の操作ミスと思われる音切れ部分も僅かながらLPより長く聴けるという既発ではベストなタイトル。
さて本作、基となった音源はOBR盤やVGP盤と同じ音源で、Sonic Zoom盤収録の音源同様に演奏を大きく拾った、この年代の録音としては良質な部類の音。
ギターはオンに録れているもののミックのヴォーカルがやや奥に引っ込み気味というバランスの為、ヴォーカルがよく聞こえる代わりにギターが引っ込み気味のSonic Zoom盤収録音源とは好みの分かれるところ。
本作はOBR盤やVGP盤よりも状態の良いテープから起こされているようで、前述した"JJF"2コーラス目のサビが終わった後のBストロークの音切れはなし。
加えてOBR盤やVGP盤両方にあった、テープ劣化による"Little Queenie"3分8秒あたりから10秒程の音ブレもありません。
テープチェンジにあたった"Midnight Rambler"終了後は、VGP盤がフェードアウト・イン処理だったのに対し、本作はきちんと繋がれており、VGP盤ではフェードアウト気味になっていたMCが本作ではきちんと聴くことが出来ます。
また冒頭のサム・カトラーのイントロダクションは、VGP盤とOBR盤がその第1声からディスクが始まっていたのに対し、本作はその前の歓声からフェードインしてくる編集となっています。
音質の方はVGP盤よりやや中域を落とした程度で大きな違いこそありませんが、前述の従来盤の欠点が改善されている分、聴きやすさは増しています。
ディスク最後に収録されているのは、OBR盤にも収録されていた"Sister Morphine(I)"。本作はイントロからの収録になっていますが、同じDACがリリースした『Time Trip』(DAC-063)収録の同曲には、演奏を始める前の音も収録されているので、ここは同じにした方が良かったのではという気はします。
|
by Hara ¦ 20:12, Saturday, Dec 31, 2011 ¦ 固定リンク
|
Links |
|
|
|