The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Everybody Rattle Your Jewelry』(Godfather)
godfathereverybodyrattleyourjewelry

『Everybody Rattle Your Jewelry』(G.R.830/831) 2CD

Nov.25 2012 O2 Arena,London,UK

Mono Soundboard + Stereo Audience Recording (Matrix)
Quality:Excellent

(Disc-1)
1.Video Screen Intro/2.Show Intro/3.I Wanna Be Your Man/
4.Get Off Of My Cloud/5.It's All Over Now/6.Paint It Black/7.Gimme Shelter(with Mary J.Blige)/8.Wild Horses/9.All Down The Line/10.Going Down(with Jeff Beck)/11.Out Of Control/12.One More Shot/13.Doom And Gloom/14.It's Only Rock'n Roll(with Bill Wyman)
(Disc-2)
1.Honky Tonk Women(with Bill Wyman)/2.Band Introductions/3.Before They Make Me Run/4.Happy/5.Midnight Rambler(with Mick Taylor)/6.Miss You/7.Start Me Up/8.Tumbling Dice/9.Brown Sugar/10.Sympathy For The Devil/11.You Can't Always Get What You Want/12.Jumping Jack Flash

50周年記念短期ツアーロンドン初日公演収録盤。

本作は、イアーモニター音声即ちモノラルサウンドボード音源をメインとし、臨場感与える為にステレオオーディエンス音源を被せたもの。

これまでストーンズのイアーモニター音源といえば、前ABBツアーでの日本公演が全公演分リリースされており、この時のものはストーンズ4人の音がメインで、ベース・コーラス・鍵盤は基本かすかに鳴っている程度というコアな4人の演奏のみが聞けるというバランス。SWツアー以降の、サポートの音が前面に出てくるアレンジに不満のあった人には、実際の4人の演奏云々はともかく、ある意味理想的な音ではありましたが、やはりアンバランスな感は否めない音源ではありました。

本作の音はというと、ベースと鍵盤が基本小さく抑えられ、要所でしかよく聞こえないというのはABB日本公演ものと似た感じと思いきや、これは基本的に会場の出音もそうだったということが、本作より先行してリリースされていた、この日のオーディエンス録音収録盤『Complete O2 Arena Two Nights 2012』(MF-13/14/15/16)にて確認出来ます。

completeo2arenatwonights

このイアーモニター音源、機材の進歩なのかABB日本公演もののようなややエコーがかった音ではなく、卓直結音源そのままのような整理された音で、イアーモニターだけあって耳に刺さることのないすっきりした音質となっています。

また、被せられているオーディエンス音源も歓声の録れ方が非常に良く、曲が終わった後やミックのMCに歓声が被ってきても、手拍子や叫び声を近くでダイレクトに拾っていない為、ぱっと聞きでは放送音源よりも落ち着いた感じの歓声がバランス良く入ってくるという理想的なもの。

とはいえ、そこはオーディエンス音源だけあって、"It's All Over Now"終了後は女性の話し声を拾っていたりもしますが・・・。

さて、ライブ本編ですが、オープニングのイントロ(SE)については、ABB日本公演もののイアーモニター音源ではそもそも音自体を拾っておらず、ステージに出て行く前のメンバーの会話等の興味深い音を拾っていましたが、本作は基本的に出音と同じにつき、きっちりとサウンドボードにてオープニングのSEを聴くことが出来ます。

本作では"Show Intro"と題された、ゴリラのお面を付けたパフォーマンス集団がドラムを叩きながら場内を練り歩く際のBGMとして流されたSE音源。"Sympathy For The Devil"のパーカッションから始まり、前半はこれをベースにしたものですが、後半はベースが"Continenntal Drift"に変わり、B2BツアーのオープニングSEを彷彿させる白玉のシンセストリングスが被る等、歴史を前面に打ち出したライブならではのさりげない演出と感じましたが、はたして真相は如何に。

オープニングは、ウォームアップギグでオープニングだった"Route 66"(この曲、復活のSWツアーでも候補でした)かと思いきや、全く予想外の"I Wanna Be Your Man"。

やはり"1963年の"デビューアルバム1曲目よりも、イギリス公演ということもあり、1年早く"デビュー50周年"をこの年迎えた地元のビートルズに花を持たせる形で、提供してもらった曲を選んだということでしょうか。結局、オープニングに選ばれはしたものの、ツアー3公演目をもってセットリストから外されることに。

3曲目の"It's All Over Now"。1967年や1973年ではアレンジ自体を大幅に変更、そしてVLツアーでのイントロはFacesでの形と、色々いじる曲ではありましたが、今回は1965年以来となるスタジオ版に近い形での演奏になっています。

今回の短期ツアーは毎回ゲストを呼ぶという、後に何らかの形でのリリースも念頭にあるのかという形態のものでありましたが、2番目に出てきたジェフ・ベックと演奏したのは"Going Down"。この曲はミックとキースそれぞれもソロのライブで演奏しており、どうでもいいといえばどうでもいいことなんですが、ストーンズ・ミックソロ・キースソロの3つで共通に演奏されたのは、"Gimme Shelter"に続いて2曲目ということになります。

アーバンジャングルツアー以来となるビルワイマンが演奏に加わったのは、"IORR"と"Honky Tonk Women"の2曲。しかし残念なことに肝心のベース音があまり聞こえません・・・。他のゲストはきちんと目立つようフィーチャーされているのだし、"Miss You"ではダリルのベース音が大きめに出るよう設定されているのだから、ビル参加の曲もそうしてあげればいいのにとは思うのですが。

音が聞こえないなら映像はというと、DVD-Rも幾つか出ているようですが、プレスDVDでは何種類かのオーディエンス映像をまとめてこの日のコンサートをほぼ丸々収録した『London O2 Arena 25th November 2012』(MF-11)にて観ることが出来ます。

london02dvdnov25

ちなみにこの2曲はアレンジも微妙にこれまでのツアーと変えられており、正直フィットしているとは思えませんが、"IORR"はサビのリサのコーラスが1オクターブアップの甲高いものに。"Honky Tonk Women"では、イントロでチャックが弾く、サンプリングのカウベルのチューン(というのかな)が下げられています。

"Midnight Rambler"では、1981年カンサスシティでの飛び入り以来のステージ競演となるミック・テイラーがゲスト。リズムが8ビートに変わった後もシャッフルベースのソロを弾き続けてしまう等のぎこちなさはあるものの、さすがの演奏ぶり。

本編ラストは、"Sympathy For The Devil"。パーカッションのシーケンスをベースに演奏するパターンとなってからは、NSツアーでアンコールのラストを飾っていましたが、この時は曲の終盤でホーンも入ってきて、如何にもライブの終わりという感じを演出していたのに対し、今回はいつものあっさりした感じのアレンジのままにつき、これで終わり?的な感は否めないかなと。

by Hara ¦ 06:30, Wednesday, Jan 23, 2013 ¦ 固定リンク

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