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『Steel Wheels Toronto』(DAC) |
『Steel Wheels Toronto』(DAC-144) 2CD
Sep.3 1989 CNE Stadium,Toronto,Canada
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(※)Disc-2 Track 2(part) Stereo Audience Recording Quality:Very Good
(Disc-1) 1.Continenntal Drift/2.Start Me Up/3.Bitch/4.Sad Sad Sad/5.Undercover Of The Night/6.Harlem Shuffle/7.Tumbling Dice/8.Miss You/9.Ruby Tuesday/10.Play With Fire/11.Dead Flowers/12.One Hit/13.Mixed Emotions/14.Honky Tonk Women/15.Rock And A Hard Place/16.Midnight Rambler (Disc-2) 1.You Can't Always Get What You Want/2.Little Red Rooster/3.Before They Make Me Run/4.Happy/5.Paint It Black/6.2000 Light Years From Home/7.Sympathy For The Devil/8.Gimme Shelter/9.It's Only Rock'n Roll/10.Brown Sugar/11.Satisfaction/12.Jumping Jack Flash
サイト「Wolfgang Vault」にて公開されたステレオサウンドボード音源を基にした全曲収録タイトル。
この公演については事典でも触れたように、その時のニューシングルだった"Mixed Emotions"をMTVがテレビ中継し、それが日本でも放送されたりしてましたが、当時早くもライブ中盤がごっそりと抜け落ちているという不完全な状態ながらも素材となったビデオが90分ほど流出。それを基にブートビデオやCDがリリースされてきましたが、「Wolfgang Vault」が全曲をステレオサウンドボード音源にて全曲公開したことから、それを基にした全曲収録タイトルが本作の前に3つリリースされています。
これら3つの紹介と本作を比較する前に、この音源の比較ポイントを3つほど。
まずは左右のチャンネル。オープニングSEの"Continenntal Drift"を確認すれば分かるように、公開音源では左右が逆。とはいえギターに関しては左右に振り分けられたミックスではなく、キースが中央やや左でロニーは左側と片側に固められていることから、左右修正した場合はロニーも右に定位することとなります。
あとの2つはテープチェンジによる欠落。「Wolfgang Vault」が公開している音源の基メディアは90分のカセットテープだったようで、2ヶ所テープチェンジによる欠落があります。
最初は"Play With Fire"と"Dead Flowers"の曲間。幸いにも曲にはかかっていなかったため、曲の部分欠落はありませんが、曲間でもミックのMCが欠落しています。この部分については、前述のビデオだとカットなく収録されているので補填は可能。
次のテープチェンジは、"Little Red Rooster"のミックの歌が終わった直後からハープソロの途中までの24秒ほど。前述のビデオでは曲自体が未収録となっていることから、この部分の同日サウンドボード音源は現状不可能。ただし公開音源自体がチャーリーのバスドラムが若干ズレたかな程度の繋ぎをきちんと施していたため、よく聴かないと音が飛んでいるか分からないようにはなっています。
では、既発タイトルや本作がどのような編集をしていたかというと・・・。
まずは事典で代表盤として取り上げた『Toronto 1989 1st Night』(-)
左右のチャンネルはきちんと反転修正。"Play With Fire"と"Dead Flowers"の間はビデオ音源を補填。"Little Red Rooster"の終盤は補填せず欠落したままとなっています。音の方は公開音源そのままの質感を保っている充分高音質といえるレベルのもの。
続いては、こちらも事典で代表盤として取り上げた『Live In Toronto -CNE Stadium 1989 September 3-』(-)
こちらも左右のチャンネルはきちんと反転修正。そして"Play With Fire"と"Dead Flowers"の間もビデオ音源を補填。"Little Red Rooster"も補填せずそのままと、『Toronto 1989 1st Night』と編集自体は同じですが、全体的な音造りは、高域が耳につかないよう該当周波数をきちんと調整しながら持ち上げて音にメリハリを与えつつ、音に広がりを与えるエフェクトをかけて聞きやすさの向上を図っています。ただし、そのエフェクト効果で音が立体的になったことにより、ヴォーカルやギターが若干奥に引っ込みスネアドラムが僅かながら薄くなったかなといった印象を受けたり、また"Continenntal Drift"でアンビエントマイクが拾ったと思しき観客の歌声が浮き立っちゃってしまっていることや、"Little Red Rooster"欠落部の繋ぎ部分でのバスドラムの微妙なズレが若干強調されてしまったりしているので、このあたりは『Toronto 1989 1st Night』となんとも好みの分かれるところかと。
3つめのタイトルは、Goldplateの『Toronto 1989』(GP-1306CD1/2DVD1)。
左右の修正、"Play With Fire"と"Dead Flowers"の間のビデオ音源補填、"Little Red Rooster"で補填せずというのは、ここまでの2タイトル同様ですが、何故かこのタイトルは肝心の公開音源部分に問題があり、幾つかの曲に音ブレが発生していたり、"Play With Fire"は何故かイントロがフェードインとなってしまっています。
さて本作。左右のチャンネル修正、"Play With Fire"と"Dead Flowers"の間のビデオ音源補填は他タイトル同様ですが、"Little Red Rooster"の欠落部に関しては、VGP『Sweet Toronto』(VGP-228)で聴けたオーディエンス音源を補填して、唯一のノーカット収録盤としています。
そのオーディエンス音源補填部分ですが、音質は中域がオンになった平均的なカセット録音の音質で、VGP盤では当時の音造りなのかやや高域がきつめになっていましたが、本作の補填部は自然な感じとなっており、若干低域が割れ気味だったりはするもののバスドラムがオンに録れているため、極端な違和感を覚えることはありません。惜しむらくは、定位が右に寄ってしまっていることに加えて、左から観客の話し声も若干拾ってしまっていることから、ここは右チャンネルをモノラル化して疑似ステレオ化すれば尚良しだったような気も。
なお、メインのサウンドボード音源の音質はというと、特にエフェクトはかけず低域に厚みを持たせた音造りとしていることから、『Toronto 1989 1st Night』の低域がオンになった印象を受ける音に仕上がっています。 |
by Hara ¦ 23:37, Saturday, Sep 20, 2014 ¦ 固定リンク
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