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『Philadelphia 1981 1st Show』(-) |
『Philadelphia 1981 1st Show』(-) 2CD
Sep.25 1981 J.F.K. Stadium, Philaderphia,PA
Mono Soundboard Recording Quality:Excellent
(※)Disc-1 Track1(Part),11,12 Disc-2 Track11,16 Stereo Audience Recording Quality:Excellent
(Disc-1) 1.Intro-Under My Thumb/2.When The Whip Comes Down/3.Neighbours/4.Just My Imagination/5.Shattered/6.Let's Spend The Night Together/7.Black Limousine/8.She's So Cold/9.Time Is On My Side/10.Beast Of Burden/11.Waiting On A Friend/12.Let It Bleed (Disc-2) 1.Band Introductions/2.You Can't Always Get What You Want/3.Tops/4.Tumbling Dice/5.Hang Fire/6.Let Me Go/7.Little T&A/8.Start Me Up/9.Miss You/10.Honky Tonk Women/11.All Down The Line/12.Brown Sugar/13.Jumping Jack Flash/14.Street Fighting Man/15.Satisfaction/16.Last Announcement
本作が収録しているのは、81年ツアー初日の9月25日公演。
昨年秋に81年ツアー最終地のハンプトン公演の映像が公式リリースされましたが、とても同じツアーの演奏とは思えないほどのラフっぷりが楽しめるのがこの公演。
"Let's Spend The Night Together"ではコーラスパートも入れるべきか決めかねているようで、イントロからミックが「ヤヤヤヤ・・・」に続き「シャラララ・・・」と歌いだしていたり、"Waiting On A Friend"では曲構成を理解していないロニーに曲中にも関わらずソロを弾くようミックがマイクを通して指示、そして"Let It Bleed"ではイントロでロニーが入れなかったことから演奏を止めてもう一度演奏し直し。挙句の果てはキースが、アンコールの"Satisfaction"を2曲程前に演奏したはずの "Jumping Jack Flash"と勘違いしてしまい、イントロでひたすらキーの違う"Jumpin'Jack Flash"のリフを弾き続けているといった具合で、まさに公開リハーサルといった感。
そんなある意味聞きどころ満載なこの公演、オーディエンス音源で全曲、"Waiting On A Friend""Let It Bleed""All Down The Line"の3曲を除いた23曲が卓直結のサウンドボード音源でと、それぞれブート化されてきましたが、本作は卓直結のサウンドボード音源をメインにし、欠けている部分をオーディエンス音源で補填して全曲収録とするという構成。
そのベースとなっているのはT&Jなる人物がネットにアップした音源。この音源、サウンドボード部とオーディエンス部のピッチが合っていなかったため、かなり違和感を覚える音になっていましたが、本作はおかしかったオーディエンス音源のピッチを修正し、音が重なっていていて修正不能な部分については、音を他タイトルからコピーして新たに差し替えているようです。
まずメインとなっているサウンドボード音源。この手の音源にありがちなギターがやや奥に引っ込んだ迫力不足な音と違い、ギターが前面に出たミックスとなってます。この音源は『Rock'n Roll Animals』(VGP-374)と、そのVGP盤からコピー収録した14枚組ボックス『American Tour 1981』(WLR-2171)で聞くことが出来ましたが、本作はこれらタイトルよりもロージェネレーションマスターという触れ込み。
ただ実際に聞いてみると、VGP盤よりもクリアーな音造りになってはいるものの、これはあくまでもイコライジングの範囲で、逆にヒスノイズは増加していたりすることから、ロージェネレーションというのは眉唾のような気が・・・。音のクリアーさをとるかヒスノイズ嫌うかといった点で、ここは評価の分かれるところかと。
補填で使用されているオーディエンス音源については、事典で代表盤として挙げたVGP『Ain't It Good To Be Alive?』(VGP-175)に収録されているものと同じ録音。
メインの高域を上げたサウンドボード音源に合わせるためか、こちらはシャリっとしたクリアー過ぎる音造りとなっており、元々クリアーな音造りだったVGP『Ain't It Good To Be Alive?』を加工したかのような音に仕上がってはいますが、ディスク冒頭で補填されている"Under My Thumb"のイントロは本作の方がVGP盤より数音長くなっています。
では、この数音が初登場かというとそういうわけでもなく、この数音についてはアンコールの"Satisfaction"未収録のIMP『Philaderphia 81』(IMP-CD 020-21)にてブート化済み。
この"Under My Thumb"冒頭、『Rock'n Roll Animals』はオーディエンス音源の補填をせず、サウンドボード音源でディスクをスタートさせているため、オープニングのバンドコールを聞くことできませんが、逆に本作は音源切り替わりの違和感軽減策としてクロスフェードを8秒強かけていることから、その重複部分だけ『Rock'n Roll Animals』の方がサウンドボード音源をはっきり聞くことが出来ます。
ちなみに本作のディスク1冒頭では、その"Under My Thumb"が始まる前にスネアドラム1音とバスドラム2音の約1秒強ほどの音源が収録されていますが、これはおそらく開演前のPAチェック用の音ではないかなと。この部分についてはたしかに初登場ではあるものの長さは1秒強しかなく、おそらくストーンズによるものではないことから、これはあってもなくてもといった感が。
続く補填部は、"Beast Of Burden"終了後から"Waiting On A Friend""Let It Bleed"は楽曲丸々。この部分の音質については"Under My Thumb"冒頭ほどシャリシャリしていたりせず、低音がしっかり出たクリアーな音質で補填されています。ただし『Rock'n Roll Animals』は、"Beast Of Burden"終了直後のミックのMCを丸々サウンドボード音源で聞くことが出来ましたが、本作は途中からオーディエンス音源に切り替わってしまっています。
"Let It Bleed"が終わった後のミックのMC途中からサウンドボード音源に戻りますが、その箇所についても『Rock'n Roll Animals』の方が早く、ミックの「Philaderphia」という1言が『Rock'n Roll Animals』はサウンドボード音源なのに対し、本作はオーディエンス音源という些細な差が。
ただ『Rock'n Roll Animals』はサウンドボード音源をめいっぱい使おうとしたあまり、次のテープチェンジ部である"All Down The Line"のイントロではテープが切れる寸前のヨレが生じてしまっているという難点が。
では本作はというと、『Rock'n Roll Animals』が冒頭6秒間サウンドボード音源だったのに対し、本作はイントロの2音目からオーディエンス音源にチェンジ。前述したようにネットにアップされた際はクロスフェード部分のピッチが合っていなかったことから、本作はこの部分のみを新たに差し替えたまでは良かったのですが、その差し替え部分の音質がクリアーすぎるのと定位が右に寄ってしまっているので、ここはきちんと調整してもらいたかったところ。
"All Down The Line"終了後にサウンドボード音源が戻ってくる部分については、両タイトル大差なし。
なお、本作ディスク2ラストの"Last Announcement"は、"Satisfaction"終了後に打ち上げられた花火の音と終演を場内に告げるアナウンスをオーディエンス音源で収録したトラック。
『Rock'n Roll Animals』は未収録でしたが、花火とアナウンスの途中まではVGP『Ain't It Good To Be Alive?』でも聞くことが可能。ただし本作は『Ain't It Good To Be Alive?』より30秒弱も長く収録していることから、場内アナウンスを最後まで聞ける上、客出しBGMのチャックベリー"School Day"の一部も聞くことが出来ます。 |
by Hara ¦ 14:52, Sunday, Feb 15, 2015 ¦ 固定リンク
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