The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『We Want The Stones』(-)
dacwewantstones

『We Want The Stones』(-) 1CD

Mar.5 1965 Regal Theatre,Edmonton,UK
Mar.6 1965 Empire Theatre,Liverpool,UK
Mar.7 1965 Palace Theatre,Manchester,UK

(※)Track-11(part)
Sep.3 1965 Adelphi Theatre,Dublin,Ireland

(※)Track-20,21,24,25
Oct.1 1966 City Hall,Newcastle-upon-Tyne,UK (2nd Show)

(※)Track-22,23,28,29
Oct.7 1966 Colston Hall,Bristol,UK (2nd Show)

Mono Soundboard Recording
Quality:Excellent


●Got Live If You Want It! 1965
1.We Want The Stones/2.Everybody Needs Somebody To Love/3.Pain My Heart/4.Route 66/5.I'm Moving On/6.I'm Alright

●Live In England'65
7.Show Intro/8.Everybody Needs Somebody To Love/9.Pain In My Heart/10.Down The Road Apiece/11.Time Is On My Side/12.I'm Alright/13.Off The Hook/14.Charlie's Intro To Little Red Rooster/15.Little Red Rooster/16.Route 66/17.I'm Moving On/18.The Last Time/19.Everybody Needs Somebody To Love

●Got Live If You Want It! 1966 (reconstructed)
20.Under My Thumb/21.Get Off Of My Cloud/22.Lady Jane/23.Not Fade Away/24.The Last Time/25.19th Nervous Breakdown/26.Time Is on My Side/27.I'm Alright/28.Have You Seen Your Mother, Baby Standing in the Shadow?/29.Satisfaction


『Got Live If You Want It』関連音源集。

本作は大きく「Got Live If You Want It! 1965」「Live In England'65」「Got Live If You Want It! 1966 (reconstructed)」の3パートに分かれています。


まずは「Got Live If You Want It! 1965」。
表ジャケットに使われた日本の7インチ盤は何故か"Route 66"未収録だったりしましたが、本作は当然ながらジャケットとは関係なく収録されてます。

この英国編集EP『Got Live If You Want It!』、オフィシャルではシングルボックス『Singles 1963-1965』の中の1枚としてCD化されていましたが、ブートの方は若干編集が異なっており、
事典で取り上げたVGPのノンクレジット盤『Got Live If You Want It』(London DFE 8620 ※VGP)や、『Bright Lights Big City』(TSP-CD-010)、LP『IBS Demos Radio London』(APC Promotions)といったタイトルに収録されている"I'm Alright"は、曲が終った後がやや長めと僅かながらの違いがあったのが特徴。

gotliveep

tspbrightlightsbigcity

lpibcdemos

具体的には、曲が終わった直後からミックは「Alright」を計8回連呼した後に「Yeah」と発していますが、オフィシャルEPの方は4回目の「Alright」から緩やかにフェードアウトが始まり、「Yeah」を言い終わったかどうかのうちに終了。対してブートの方は、フェードアウトが「Yeah」より後からスタートすることから、「Yeah」がしっかりと聞けるだけでなく、その後の歓声も聴くことが出来ます。

では本作はというと、せっかくそういった素材があるにも関わらず、残念ながらオフィシャル丸コピーにつき、オフィシャル同様の早めのフェードアウトとなってしまってます・・・。


続いてのパートは「Live In England'65」。
オフィシャル『Charlie Is My Darling』のスーパーデラックスエディションのボーナスCD2としてリリースされていましたが、本作はこちらもそのまま・・・。

たしかにEP『Got Live If You Want It!』『Live In England'65』の2つとも、オフィシャルではボックスの中の1枚ということから、こういう風にまとまっていると便利といえば便利なんですが、前述のブートのみの編集の"I'm Alright"の他、VGP『Got Live If You Want It』(London DFE 8620 ※VGP)や『Down The Road Apiece』(BW 6167)に収録されていた"Everybody Needs Somebody To Love"は、演奏自体はオフィシャル『Live In England '65』すなわち本作のトラック19に収録されたものと同じではあるものの、途中からオーバーダビングの違いからヴォーカルがどんどんと異なってくるという格好の素材があるのだから、こういったものも収録して単なるパイレート盤とは違うというところを見せてもらいたかったかなと。

gotliveep

downtheroad

と・・・ここまでは単なるオフィシャルの丸コピーだったりしましたが、3つめのパート「Got Live If You Want It! 1966 (reconstructed)」はなかなか凝った編集となっています。

元々このUS版『Got Live If You Want It!』は、ステレオLP・モノラルLP・abkco盤と3種類の異なるミックスがあり、その違いについては、2002年のリマスター盤リリース時に、三十郎氏のHP「Bridges To Stones」内のコンテンツとしてまとめているので、興味持たれた方はそちらを参照していただければと。

http://www.din.or.jp/~sugar/b2s/abkco/index.html

さて、本作のベースとなっているのは現行のabkcoミックスのリマスター盤。

"Under My Thumb"は、abkcoミックスだとイントロのギターの頭が欠けてしまっていますが、本作はその欠けている部分をLPから持ってきて、まったく違和感を抱かせない見事な移植編集が施されています。

続く"Get off of My Cloud"も、abkcoミックスではイントロのリズムからフィル・インに入る寸前の部分がちょっと欠けてしまっていることから、つんのめった感じに聞こえますが、本作はおそらくその前の部分のリズムをうまくコピー補填して、すっきりと聞けるように編集しています。

"Lady Jane"は特に編集なし。

"Not Fade Away"は、LPと比べてabkcoミックスではドラムが入ってから歌までの2小節がカットされてしまっていましたが、本作も残念ながら補填はせず、abkcoミックスそのまま。

スタジオテイクに歓声を被せただけの"I've Been Loving You Too Long"と"Fortune Teller"は、おそらくライブではないということで本作未収録。

"The Last Time"は、LPで聞くことができたリズムギターが入る前の一番最初のリフ1回が、abkcoミックスではカットされており(「Bridges To Stones」のコンテンツでは抜けてましたね・・・)、リフ3回で歌に入る構成になっていますが、本作は最初のリフをLPから持ってきて本来のリフ4回で歌に入る構成となる編集がされています。

"19th Nervous Breakdown""Time Is on My Side"と"I'm Alright"は特に変わらず。

ちなみに"I'm Alright"終了後のミックが発する言葉について、abkcoミックスでは最初の「Thank you」こそはっきりと収録されているものの、次の言葉はフェーダーを上げ忘れたのか、場内の歓声用のマイクが拾ったと思われるかすかにエコーがかった音でしか聞き取れないミックスとなっており、本作もそのままですが、モノラルLPの方はフェーダーもちゃんと上がっておりきちんと聞くことが出来ます。


"Have You Seen Your Mother, Baby Standing in the Shadow?"は楽曲自体の編集は無し。ただし曲終了後、abkcoミックスでは曲がカットアウトされて歓声が繋がれていましたが、本作はLP同様に次曲"Satisfaction"に繋がる編集としています。また、これも「Bridges To Stones」のコンテンツで抜けてましたが、モノラルLPのこの曲のエンディングは短く、abkcoミックスとステレオLPが同じ長さとなっています。


ラストの"Satisfaction"は、『Got Live If You Want It!』と同演奏のエンディングが収録された『Charlie Is My Darling』スーパーデラックスエディションのものに差し替え。曲終了後3分26秒からは、リマスター前のabkcoミックスのみ収録の歓声と場内客出し用SEである英国国歌が繋がれています。

ただ、ここまでやるのであれば、モノラルLPミックスで聞けた曲後半に2回入るブレイク部の、1回目のブレイクの後から2回目のブレイクまでの間の演奏や、2回目のブレイクの後のチャーリーがロールを刻むアレンジの部分といった、abkcoミックスになってからカットされてしまった部分も収録して現在出来得る完全版としてもらいたかったところ。

01:38, Tuesday, Mar 08, 2016 ¦ 固定リンク

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