The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Santiago 2016』(-)
santiago2016

『Santiago 2016』(-) 2CD

Feb.3 2016 Estadio Nacional,Santiago,Chile

Stereo Audience Recording
Quality:Very Good

(Disc-1)
1.Intro/2.Start Me Up/3.It's Only Rock'n Roll/4.Let's Spend The Night Together/5.Tumbling Dice/6.Out Of Control/7.She's A Rainbow/8.Wild Horses/9.Paint It Black/10.Honky Tonk Women/11.Band Introductions/12.You Got The Silver/13.Happy
(Disc 2)
1.Midnight Rambler/2.Miss You/3.Gimme Shelter/4.Jumping Jack Flash/5.Sympathy For The Devil/6.Brown Sugar/7.You Can't Always Get What You Want (with Estudio Coral de Santiago)/8.Satisfaction


前項は1976年ツアーの収録盤を採り上げましたが、本作はそれから40年後の2016年、先日終了したばかりのAmerica Latina Oleツアー初日のチリ・サンチャゴ公演を収録しています。

このAmerica Latina Oleツアーも、ショーの基本構成は2012年から続く一連のツアーと変わらず。

リサ・フィッシャーがUrban Jungleツアー以来の欠席となり、代わりにサーシャ・アレンの参加となりましたが、リサのフィーチャリング曲だった"Gimme Shelter"は削られずそのままセットイン。リサのソロパートはそのままサーシャに引き継がれ、サーシャもこれまでとはまた違った力強いソロを披露していますが、いかんせん長きにわたって親しんできたリサのソロ(微妙にツアー毎に変えてはいたんですが・・・)の印象が強いため、新鮮というよりは馴染むまでちょっと時間かかるかなといった感も。

また前年のZIP Codeツアーでは『Sticky Fingers』拡大版のプロモーションも兼ねて、その『Sticky Fingers』コーナーとしてライブ中盤に2〜3曲を採り上げていましたが、このAmerica Latina Oleツアーではその縛りもなくし、新たに"Paint It Black"がレギュラー入り等々ありますが、この公演最大の目玉は投票で選ばれた98年以来18年ぶりの演奏となる"She's A Rainbow"。

前回B2Bツアーでは、ホーンを排除してロニーのスティールギターを目立たせたアレンジでだったことから、何となくマイナスワンのように聞こえてしまうイマイチな印象でしたが、今回も残念ながら基本的なアレンジ変更はされず18年前の演奏と印象は変わらずだったのはちょっと残念だったかなと。

さて本作、プレスのブートとしてはおそらく初の南米公演のオーディエンス音源収録盤。

ストーンズは95年・98年・06年と3度南米ツアーを行ってきましたが、それらは大概ツアー2年目に開催され、オーディエンス音源のブート化も一段落した時期だったり、その観客の熱狂ぶりからまともな状況で録れている音源が少なかったことから、ブート化されるのは放送もしくはその素材のサウンドボード音源のみだったというのがこれまで。

今回はツアー5年目とはいえ、各年のライブ本数が少ないことから、おそらくそれなりに需要があることや、ICレコーダーやスマホの発達により誰でも簡単にネットにアップする時代が到来したことにより、ブートの音源調達が容易になったことから、本作含めこの後の項でも紹介することになるであろう南米公演のオーディエンス音源収録ブートが、幾つかリリースされるようになったのかなと。

本作が基としているのはアリーナやや後ろからホームビデオカメラで撮られた映像の音声。したがってオート録音レベル調整機能が働いていることから、音にリミッターがかかってしまったりはしていますが、逆にそれが適度に音が潰れた状態になったことが功を奏し、近年の綺麗に録れたオーディエンス音源とは違う、昔のカセット録音を彷彿させるようなレンジの狭い厚みのある音となっています。

ではその録音状況はというと、如何にも南米のオーディエンス録音といった感の周囲の熱狂ぶりを思い切り拾ったもので、"Let's Spend The Night Together"の最初のサビでは、録音者のすぐ近くの男性が調子っぱずれな感じで一緒に歌っていたりと散々な箇所もあったりしますが、まあ許容範囲といったところかと。

なお、本作は残念ながら完全収録ではなく、"Midnight Rambler"はイントロ前のフリー演奏部冒頭、
そして"You Can't Always Get What You Want"イントロの聖歌隊のコーラス冒頭がそれぞれ欠落。

なお、WLRがOle Ok! Recordsと名乗ってリリースしたボックス『America Latina Ole Tour 2016 Part One』(OOR-01)に収録されているこの公演も、本作と同じ音源から作成されていますが、こちらは"You Can't Always Get What You Want"冒頭のみ別音源で補填しているのがポイント。

wlr2016boxpt1

ただし、OOR盤は本作のように中域を削ったりして音を整えていない分、音の抜けが今一つな箇所もあったりします。

19:52, Saturday, Apr 30, 2016 ¦ 固定リンク

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