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『Love You Live Mixes』(DAC) |
『Love You Live Mixes』(DAC-168) 1CD
Track 1,2,3 June.6 1976 Les Abattoirs,Paris,France
Track 4 May.27 1976 Earl's Court Arena,London,UK
Track 5 June.14 1975 Municipal Stadium Cleveland,OH,USA
Track 6-10 Late Apr-May.5 1975 Warhol Church Estate,Montauk,NY,USA
Stereo Soundboard Recording Quality:Excellent
(※)Track 6-10 Mono Audience Recording Quality:Very Good
1.Hot Stuff/3.Star Star/3.Angie/4.Hey Negrita/5.You Gotta Move/6.Jam 1/7.Melody/8.Jungle Man/9.Jenny Jenny/10.Jam2
冒頭の5トラックは、77年にミックとキースが、フィラデルフィアのアルファ・インターナショナル・レコーディング・スタジオにて行った、オフィシャル『Love You Live』のオーバーダブセッション時の素材。
この音をアップしたサイト(http://www.willardswormholes.com/archives/36877)によると、素材が何故かスタジオに置き去りにされていて、その5年後の1982年に当時駆け出しのエンジニアが練習用としてミックスした音とのことで、確かに卓直結等のサウンドボード音源とは異なり、きちんと歓声もミックスされたオフィシャルの素材というべきもの。
ネットにアップされていた音も十分高音質といえるものでしたが、本作はメリハリをつけ加えた音に加工して収録しています。
ちなみにこの音源を収録したタイトルについては、IMPの『Love You Live Mixes 2016』(IMP-N-026)をここのブログで過去に紹介していますが、こちらは低域に厚みを持たせる音造りとしているのと、アップされていた音源でキースがやや左にミックスされていたのを嫌い、左右反転させて収録しているという違いがあります。
ということで本作とIMP盤では、本作はIMP盤ほど低域を膨らませていない、IMP盤は左右反転させているが本作はサイトでアップされた左右そのまま、という大きな違いがあることとなります。
各曲についてはIMP盤の項で触れていたので、ほぼ再録みたいにはなりますが、ここでもう一度触れておくと。
"Hot Stuff"は、オフィシャルにも採用された6月6日のパリ公演から。 ギターは2本とも中央にまとめられていますが、イントロでのビリーのピアノのオブリがオフィシャルでは右から鳴っているのに対し、こちらは左にミックス。曲前で聞けるミックとロニーの会話は、『French Made』(DAC-009)に代表される、この公演の流出ビデオの音声を基にした音源でも聞けなかったもの。曲の短縮編集やミックのオーバーダブは無し。
"Star Star"もオフィシャルにも採用された6月6日のパリ公演から。 基本的には前曲の"Hot Suff"と同じ定位ですが、ビリーのピアノがこの曲ではステレオで左右から聞こえるようにミックスされています。
"Angie"は曲前の雰囲気が異なっていますが、76年6月6日のパリ公演からで短縮編集やミックのオーバーダブは無し。ギターは2本とも中央に定位。曲が終わると同時に素早いフェードアウト処理がされており、最後のギターの1音のエコーが残るといった、いかにも作業中といった感じのミックス。
"Hey Negrita"は、サイトやIMP盤のクレジットでは76年のパリ公演からとなっていますが、実際には76年5月27日のアールズコート公演から。ロニーのギターは中央やや左、キースは左、ビリープレストンのキーボードは左右にステレオで振り分けられていますが、何故かビリーのコーラスは丸々カットというミックスで、曲の短縮編集やミックのオーバーダブは無し。この公演については、オーディエンス音源ながらVGPの『Sympathy For The Devil』(VGP-297)で全曲聞くことが可能。
"You Gotta Move"は75年6月14日のオハイオ公演からで、短縮編集やミックのオーバーダブは無し。 キースが左でロニーが中央というミックス。そのロニーのギター、確認出来るのが音のあまり良くないオーディエンス音源につき、ひょっとしたら弾いていたのかもしれませんが、オーバーダブされているように聞こえます。オハイオ公演のオーディエンス音源については『Boston Tea Party』(VGP-334)にて全曲が、"You Gotta Move"のみ『Any Port In A Storm Revisited』(VGP-308)に収録されています。
トラック6以降は、ニューヨーク州のモントークで4月下旬から5月5日にかけて行われていた、6月から始まるツアーのリハーサルを、その場にいた関係者がテレコで録った音で、サイトにアップされていた音をブート化したもの(https://soundcloud.com/rolling-stones-fan/rolling-stones-montauk-1975-rehearsals)。
名目上はツアーリハーサルですが、本作に収録されているのはどれもジャムセッション中心の演奏。
この音源、元々はモノラル録音ですが、左チャンネルの高域がやや失われているため、定位が右寄りに聞こえます。
この手の音としては、73年のヨーロッパツアー前のリハーサルをその場に居合わせた関係者がテレコで録った、VGPの『Can You Hear The Mobile』(VGP-016)に代表される音源がありますが、本作収録の音源も音の傾向は同じで、高域レンジの狭い如何にもカセット録音といった音質。ただし73年の方はその関係者がいる位置によって音がかなり遠くなったりしていましたが、本作収録の音源の方は安定した近めの音で録れています。
トラック6の"Jam 1"は、ベースとヴォーカルが不参加のスローブルース調のジャム。 たまたまでしょうけど、キーが前トラックの"You Gotta Move"と同じで曲調も似たような感じであることから、同曲75-76年ツアーのみのアレンジであったピアノ主体のリプライズ部分の練習のような感じに聞こえたりも。
続く"Melody"は、ギターとベースが不在でピアノとエレピ、ミックとビリーのヴォーカル、ドラムという編成。 ツアーで演奏するためのリハーサルというよりは、この曲を素材としたジャムセッションという感じのもの。
"Jungle Man"はミーターズの楽曲。 前年74年リリースの『Rejuvenation』に収録されていた曲ですが、このリハーサルではギター不在のジャムセッション風な演奏になっています。
"Jenny Jenny"はリトル・リチャードの楽曲。 曲の半ばまではギター不在でしたが、途中からキースと思しきギターが1本入ってきます。
最後の"Jam 2"は、前トラックと同じ編成ですが、ヴォーカルは何かささやいている程度のほとんどインストのジャムで、ギターもソロらしいものすら弾いておらず、ただ合わせている程度のもの。 |
by Hara ¦ 11:42, Sunday, Jul 31, 2016 ¦ 固定リンク
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