The Rolling Stones Bootleg Reviews written by Hara  
 
 



『Stuttgart 1970』(-)
stuttgart1970

『Stuttgart 1970』(-) 1CD

Sep.20 1970 Killesberg,Stuttgart,West Germany

Mono Audience Recording
Quality:Very Good

1.Intro/2.Jumping Jack Flash/3.Roll Over Beethoven/4.Sympathy For The Devil/5.Stary Cat Blues/6.Love In Vain/7.Dead Flowers/8.Midnight Rambler/9.Live With Me/10.Let It Rock/11.Little Queenie/12.Brown Sugar/13.Honky Tonk Women/14.Street Fighting Man

70年欧州ツアー中盤のシュトゥットガルト公演収録盤。

この公演はこれまで2種の音源がブート化されており、事典で2種とも紹介しましたが、ここであらためて記しておくと・・・。

まずは、最初にブート化された『Europien Tour Stuttgart 1970』(VGP-187)収録の音源。

ラストの"Street Fighting Man"が途中でフェードアウトする以外は、曲中カット無しの全曲収録。音の方は分離が悪く、ドラムの聞き分けも難しいような状態ではあるものの案外と聞きやすい音。基テープの劣化による音ユレが少々と、時折「ジッ」というノイズが入るのがやや難点。

vgpstuttgart1970


次にブート化されたのが『Germany 1970』(DAC-070)収録の音源。

こちらの音源音の分離が最初の音源よりも良く、全体の音量が上がったライブ終盤は低音にやや歪みが生じている箇所があるものの、総じてVGP盤よりも断然聴きやすい印象。

また、VGP盤の"Jumping Jack Flash"冒頭は、元々音が団子状態だったことに加えて叫び声やら話し声を大きく拾っていたことから、最初音楽に聞こえなかったりしましたが、このDAC盤の方は最初からしっかりと聞き取ることが出来ます。

残念ながらこの音源での全曲収録ではなく、VGP盤で途中フェードアウトだった"Street Fighting Man"は最後までしっかりと収録されていたものの、"Let It Rock"には欠落があったようで(と当時は推測していましたが・・・)、VGP盤音源をメイン音源に違和感なく近づける音質調整を施した上で1曲丸々流用して、全曲ノーカット収録盤としています。



さて本作ですが、収録しているのはDAC盤の方の音源。

DAC盤よりも若いマスターを使用しているようで、全体的な音質はDAC盤よりも硬質さ控えめのナチュラルな質感の音となっていて、僅かながら聞きやすさは向上。

そして何より本作最大のポイントは、DAC盤の方で別音源が補填されていた"Let It Rock"が、メインと同一音源でノーカット収録されていること。

事典のDAC盤の項にはテープチェンジによる欠落部があると書きましたが、本作のリリースにより実は録音時の欠落が無かったことが証明されたのでした。

ここで疑問となるのが、ではテープチェンジはどのタイミングでしたのかという点。幸いにもVGPがリリースしたもう片方の音源があるので、曲間含めて比較してみましたが、結果としてライブ中のカットは確認できず。

たしかに本作のトータルタイムは62分26秒につき、120分テープの片面で収まる可能性はあるので、あとはこの当時に120分テープが発売されていたのかということでネットで検索してみたところ、「懐かしのカセットテープ博物館」という素晴らしいサイトを発見。
http://compactcassettes.jp/index.html

そのサイトの中に、マクセルがC-120というカセットテープを1968年頃から販売し、海外にも輸出品として販売されていたとの記載が。
http://compactcassettes.jp/maxell/maxell_c120_01.html

よって本作は、120分テープを使用したノーカット録音の音源を使用したという一旦の結論となりました。

なお、本作のオープニングトラックである"Intro"は、特にバンドコールが収録されているわけでもない、ただ観客がバンドの登場に騒いでいるだけのトラックですが、DAC盤より約7秒ほど長めの収録。

また、ラストの"Street Fighting Man"終了後は、DAC盤が7秒ほどで早々にフェードアウトしてしまうのに対し、本作は40秒ほど収録しており、客出しの場内BGMも聞くことが出来ます。

残念だったのは、Hot Stuffのatsu-y氏も指摘していましたが、"Sympathy For The Devil"の6分2秒と6分4秒、それぞれの一瞬の音の欠落。DAC盤の方は音飛びしたと感じない程度にうまく詰めていましたが、本作は特に処理なし。

また、"Love In Vain"の4分46秒から4分47秒にかけて、プツッという読み込みエラーっぽいデジタルノイズが3つ入ってしまっているので、ここはきちんと処理してもらいたかったところ。

by Hara ¦ 22:28, Monday, Sep 12, 2016 ¦ 固定リンク

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